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  [No.3687] 「狩り」するプラスル、学者困惑-Pokezine 投稿者:Ryo   投稿日:2015/04/07(Tue) 01:02:38   69clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

Pokezine 20XX年9月13日 19時45分32秒

 おとなしく可愛らしいイメージの電気ポケモン、プラスルがマイナンと協力して群れを作り、ペリッパーを捕食するシーンが撮影され、日本ポケモン学会に衝撃が走っています。
 
 プラスルは最大体長0.4メートルの小型草食ポケモンで、数匹で群れを作り、木の実や草を食べて生活するおとなしく平和的な性格のポケモンです。近似種のマイナンも交えた群れを作ることもありますが、お互い喧嘩をすることもなく、家族のように一緒に仲良く暮らすほどです。今回撮影された写真では、そのプラスルとマイナンがポチエナの群れのように協力して大型ポケモンの「狩り」を行っており、本来の生態からも大きく逸脱した行動にポケモン生物学者達は動揺を見せています。

 写真を撮影したのはカイナシティに住むポケモン写真家のカミヤ・コウイチロウ氏。「101番道路でロゼリアの写真を撮っていたら、近くの草むらで騒がしい鳴き声と火花の弾けるような音がしたので近づいてみたら、プラスルとマイナンがペリッパーを襲っていたんです。本当に驚きました」とのこと。彼が撮影した写真には、数匹のマイナンが電気の網を張ってペリッパーを道路の隅に追い込み、体に電気を纏ったプラスルがペリッパーの頭部にたいあたりを食らわせる、非常に息の合った狩りの様子がありありと写しだされています。

 プラスルやマイナンは小型の虫ポケモンやタマゴなどから動物性タンパク質を摂取することもありますが、積極的に狩りをし、肉食を行うことはこれまで報告されていませんでした。写真を見たポケモン生物学者のハコベ・ケンゾウ氏は「写真を見る限り、プラスルとマイナンの肉食行動は非常に新しい習性のように見えます。例えばルクシオのように普段から肉食を行うポケモンであれば、獲物を追い詰めた際にはまずとどめを刺すために喉元に食らいつきます。それから腹などの柔らかい部位から食べ始めるわけです。ところが写真を見る限りプラスル達は、電気で痺れさせた獲物がまだ飛び立とうとするうちから捕食行動に入っていますし、自分たちが飛びついた部位から闇雲に食べ始めています。狩りのルールが確立されていないのです」と話しています。
穏やかなはずの彼らを狩りに駆り立てたトリガーは何だったのか。今後地元のポケモン生物学者によって詳しい調査が行われる予定です。


  [No.3688] ポチエナ共食い ホウエンの生態系に何が-ポケモンジャーナル 投稿者:Ryo   投稿日:2015/04/07(Tue) 01:05:22   67clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

ホウエンジャーナル 20XX年9月20日号

 群れで狩りをし、仲間意識が強いことで知られるポチエナが共食いを行う姿がポケモン研究家によって撮影された。先日撮影されたプラスルとマイナンの狩りに続き、ホウエンに生息するポケモンの生態系に大きな異変が起こっていることを伝えるニュースに、ポケモン生物学者らは大きな関心を寄せている。
 写真が撮影されたのは101番道路。オダマキ博士のフィールドワークを手伝っていた研究助手のツバキ・ユウヤ氏によって撮影された。
 一連の行動を観察、記録していたツバキ氏によると、共食いを行ったポチエナは一頭で現れ、他のポチエナの群れを執拗に攻撃し、逃げ遅れた一頭を捕らえて共食いを行ったという。ツバキ氏は「このポチエナは、この辺りに生息する通常のポチエナに比べて非常に俊敏で力も強いため、通常のポチエナとは大きく異なる生態を持っている可能性がある」とし、「自分が充分強いことを知っているため、群れを作る必要がないのではないか」との見解を示している。一方でこのポチエナが通常の野生個体には見られない「じゃれつく」を使う行動が見られたことから、一般トレーナーが逃がした個体が群れに入れずに単独で行動しているのではないか、という意見もあり、真相はわかっていない。
 しかし、近年、通常の野生ポケモンが本来覚えるはずのない技を使っていた、という報告が相次いでおり、もしこのポチエナが野生個体であることが判明すれば、そうした「異常個体」がホウエンに生息するポケモンの生態系を大きく変える可能性がある。
 日本ポケモン学会ホウエン支部長サトウ・ミキヤ氏は「このような本来の食性から外れた行動を見せるポケモンが増えれば、思わぬポケモンや植物が絶滅の危機に瀕する可能性があり、今後一層ポケモン達の行動を注視する必要がある」とコメントした。


  [No.3689] 資料:ツバキ氏からオダマキ博士へ提出されたメールの一部 投稿者:Ryo   投稿日:2015/04/07(Tue) 01:09:09   58clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

…先日、ネット上にあがった記事を覚えていらっしゃいますでしょうか。プラスルとマイナンがペリッパーを捕食していたという記事です。私はあの記事でどうにも気になることがあり、写真を撮影したカミヤ氏と個人的にコンタクトを取り、当該のプラスルを観察して参りました。
当該のプラスルは記事にあった通り110番道路で見つかりましたが、記事と異なる点が二点ほどありました。一つは今回の遭遇ではプラスルは群れではなく単独での狩りを行っていたということです。狩りの対象となっていたのはキャモメでした。今回の観察ではこのプラスル以外のプラスル、またはマイナンの捕食行動は見られなかったことから、110番道路におけるプラスル・マイナンの捕食行動を指揮しているのは、恐らくはこの記事になったプラスルのみで、集団での狩りはペリッパーなどの大型の獲物を狙う時のみ行われるのではないかと考えています。
もう一つ異なる点は、狩りに使われていた技が、記事に書かれていたような「電気を纏ったたいあたり」ではなく「ほうでん」であったことです。こちらはある程度予想していたことでした。プラスルが「たいあたり」を使用した、という記録は過去のいかなるデータにも存在しないからです。当該のプラスルは「ほうでん」を行いながら捕食対象に飛びつき、密着状態で電気を浴びせて麻痺させることで獲物を仕留めていたのです。
私が申し上げるまでもないことですが、「ほうでん」は戦闘能力(俗にいう「レベル」です)の高いプラスルのみが覚えることができる技であり、110番道路に生息している通常個体のプラスルが使用することはまずありません。実際、私達の観測したプラスルの動きは通常のプラスルに比べて非常に敏捷であり、その動きにも一切迷うところがありませんでした。
このことから、先日私が撮影、記録したポチエナの共食いとプラスルの捕食には共通するところが多いと思われます。一つには当該個体が周辺の通常個体に比べて極端に高い戦闘能力を持っていること。そして通常個体が使用しない技を使用できるということです。こうした個体は通常の個体が決して成し得ないことを安々と成し得てしまうため、本来の生態から外れた行動をも容易に成し遂げてしまうのではないでしょうか。もしそうであれば、近年発見が相次いでいる、同様の性質を持ったポケモンに対して、早急な調査が求められます。…

追記
まだ観測結果が2例しかないため、書くことを控えようかと思いましたが、今後のこの件の調査に際して一つの指針になるのではと思い、こちらに追記します。
共食いの際にポチエナが同種に対して使っていた「じゃれつく」、捕食の際にプラスルがペリッパーやキャモメに対して使っていた「ほうでん」…これら二つの技の使用状況から考えると、こうしたポケモン達は闇雲に本来の生態から逸脱した行動をとっているのではなく、トレーナー達の間で言われる「タイプ相性」や「レベル」を理解した上で行動しているのではないか、と思えてならないのです。「レベル」については完全な仮説ですが、「スパーク」などの比較的低威力な電気技であれば通常のプラスルでも使用することができるため、タイプ相性のみがトリガーとなっているのであれば、通常のプラスルが狩りを行うところが既に観測されているはずです。しかし自発的に狩りを行っているのは現在、記事になったプラスル一体のみです。ポチエナの共食いを観察した際にもコメントしましたが、これらのポケモンは自らの強さ、というより強みを充分に自覚した上で行動しているように思えるのです。

博士のおっしゃった仮説の通り、彼らは元々トレーナーのもとにいたところを逃されたか、またはそうしたポケモンから何らかの形で技を受け継いだものと思われます。実際に見た私からしても、彼らの行動はなんと言いますか…俗な言い方になりますが、非常に「ポケモンバトル」的なものを感じたのです。(更に追記すれば、戦闘能力の高さに反比例して生活行動―例えば捕食の仕方等―が非常に稚拙であるところに、彼らが野生になりきれていない部分を感じます)
単に逃されたポケモンというだけであるなら当該個体を再捕獲し、野生環境から隔離するだけで良いのですが、問題となるのは当該個体が、逃されたポケモンから何らかの形で技を受け継いだ個体であった場合です。この場合、事態は我々の感知しないところで急速に進んでいる可能性があり、ホウエン各地の生態系が根底から覆る恐れがあります。一刻も早い対策を講じねばなりません。

これは私見ですが…ある種のポケモンが通常では覚えることのできない技を何らかの形で覚えさせる試みは、ポケモントレーナーやポケモンブリーダーによって積極的に行われてきました。その結果、本来の生態からかけ離れた技を駆使するポケモンの姿を目にすることは珍しいことではなくなりました。我々はそうしたポケモンを見て、ポケモンを完全にコントロールすることができるようになったのだ、と思い上がってしまったところはないでしょうか。今回このように元々の生き方を離れてしまった野生ポケモンの姿を見て、私は脳天を殴られたような思いに駆られました。なぜ逸脱した技を覚えたポケモンが野生に還った時のことを、これまで誰も想定しなかったのでしょう。ポケモンの「タマゴ」と呼ばれるものによる技の継承が自然界でも行われるか否か、別な経路があるとすればそれは何なのかについて、なぜ誰も研究しなかったのでしょう。

少々脱線してしまい、申し訳ありません。どちらにせよ我々は早急にポケモンを野生に還す際のガイドラインを作成すべきではないかと思われますが、なにぶんデータが足りなさすぎます。もしかするともう手遅れなのかもしれません。しかし、2例しか見つかっていない、ということは、2例で済んでいる、ということなのかもしれません。何にせよこの件は早急に調査を進めるべきだと強く感じましたので、このような追記を書かせて頂きました。

次のフィールドワークではトウカの森付近に趣き、「ブレイブバードを使うスバメ」の調査を行う予定です。技の特性上、場合によっては当該個体を保護する必要が出てくる可能性がありますので、備品のモンスターボールの持ち出しの許可をお願いします。