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  [No.2347] しゃっきんかえせ! 投稿者:ことら   《URL》   投稿日:2012/04/01(Sun) 21:48:12   93clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

「黒蜜、お使い頼まれないか?」
 だるそうに仰向けになっているゾロアに、長いしっぽの金柑というライチュウが聞いた。
 ここは和菓子屋。今日は定休日である。いつも休みの日はどこかへと消えて、商売しているという噂がある金柑だ。
「えー、俺だる……」
「いってくれれば技マシン45メロメロをやるぞ」
「いくいくいく!」
 ころっと態度を変えた。金柑は黒蜜に分厚い書類を渡す。
「なんだこれ」
 キャバクラ 借金 借金 借金 池月 督促状 キャバクラ もふもふ 池月 キャバクラ 借金 金融
「取り立てて来い。いいか、お前は小さいから、なめられないように怖い顔のおっさんに化けていくんだぞ」
 落とさないように背中に書類をくくりつけたら、黒蜜はさっそく言われた住所に出かけていった。

 道中出会った最も顔の怖そうなおじさんにイリュージョンしたら、準備は完璧。黒蜜は家の前に立つ。
「じゃあお母さんいってきます!」
 飛び出して来たロコンに引かれ、黒蜜のイリュージョンはとけた。そして背中の書類の重さによりひっくり返る。
「大丈夫?」
「だ、大丈夫」
「お客さん?お母さんは家だよ」
 そういってロコンはそのまま出かけていってしまった。残された黒蜜はなんとかひっくり返った亀からいつものゾロアの体勢に戻る。
「はあ……ロコンのくせに」
 もう一度イリュージョンしようとしても遅い。すでに目的のポケモンはそこにいる。
「あら、かわいいゾロアねえ。どうしたの?」
 キュウコンに話しかけられては化ける暇もなかった。金柑のお使いで来たと言うと、なぜかお邪魔することになってしまったのである。
「え、ええーっと」
「ぼたもち食べるかしら? おだんごもあるわよ」
 緑茶とぼたもちを出され、さらに食べ慣れてる団子も出され。借金取りに来たとは言いにくい。
「あの、その、俺はその、借金を返して欲しくて」
「借金?あら、うちの夫が迷惑をおかけしています」
「借用書の住所がここで」
「でも夫はいないのよ。ごめんなさいね」
「あの、それで奥さんに返して欲しいって」
「こんなに大きなお金を借りるなんて、夫を後でしからなきゃダメね」
「いや、その」
「でもいつ帰ってくるか解らないのよ」
 黒蜜の言葉を自然とのらりくらりかわすキュウコン。これには何て言ったらいいかわからずタジタジ。
「また夫が帰ってきたらその人に連絡するわね」
 そうして、黒蜜は借用書と共に帰ることになっていた。


「な、何をいってるのか」
 黒蜜は帰って金柑に全ての事を話す。
「……つまりお前は奥さんのイリュージョンにやられたんだな。うんお前が。イリュージョンのお前がイリュージョンにやられたんだよ」
「ど、どういうことだってば!」
「修行が足りん! そんなんじゃ技マシン45はダメだな」
「え、やだ、俺ほしい、いったんだからくれくれくれよー!」
「だめだ。おとといきやがれ!」
 金柑の長いしっぽが黒蜜を吹っ飛ばした。

 その頃。
「ふふ、イリュージョン使いの中でもやつは最弱……ちょろいわあ!」
 幻想黒狐と書かれた包みとみたらし団子を横に、青いゾロアークがにこにこしていたとかなんとか。


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もふぱらだし、借金取りもゆるゆるだよきっと。
【書いてみた】
【好きにしてください】