フォルクローレの都市伝説枠として「ミアレシティの怖い話」というのをやりたいと思っています。
ミアレの地図付で、ここ、ここ！　ここが怖い話の舞台だよ！！　キャーこわーいみたいのが出来たらなぁ、とか。
私、一人だけで考えてもいいのですが、何か怖い話を知ってましたらぜひ教えてください。


＜概容＞
　カロス地方の中核を為す都市、ミアレシティ。花の都と呼ばれ、観光客が多く訪れる華やかな都市だが、少し裏路地に入ったなら普段とは違う姿を目の当たりにする事になるかもしれない……。今回はミアレで囁かれている怖い話や怖い噂、都市伝説を紹介していこう。

＜例１＞
あそこに眠ってる二匹のメェークルがいるだろ。
二年前に捨てられてさ。ずっと帰りを待っているんだ。
でもさ、この前その事を人に話したら何もいないじゃないかって言われてしまって……
なぁ、君にはちゃんとメェークルが見えているかい？

＜例２＞
ミアレを北に向かって○集して、●広場を経由し、プリズムタワーを通ってから今度は反対側に●集する。
さらにああしてこうして、ああ行くとフラダリカフェのある場所が別のカフェになっていて、そこはゴーストポケモンがマスターやってるらしいぞ。

＜例３＞
ブティックで試着していた友達が消えた……妖精さんに攫われた？

＜例４＞
ミレアであった怖い話ですか？
やっぱ裏路地でバトルした時におっさんにホルード出された時ですかねぇ。
（※ギャグ枠）


他にもタクシーとか美術館とか、お前じゃない…とか怪談に出来そうなネタはいろいろ。
場所等のネタが被った場合はよりスタイリッシュなほうを採用します！
特にブティックで人が消えるとかはいろんなバリエーションを見てみたいと思ってます。
ネタ被りは気にせずにどんどんきてください！



応募方法
初注意など

・この掲示板にレスする形で投稿下さい。
・あまり集まらない場合は、記事採用はやめて、カフェラウンジの企画って事にしようと思います。
・選考は編集者であるＮｏ．０１７の独断と偏見とさせていただきます。
・誌面掲載時に言い回し等や、文章の順序などを多少変える事があります。

ぴこん！
都市伝説、素敵です。私が考えたものでよければ是非！



ミアレでの、都市伝説ですか？　そうですね、私が聞いた話ではこんなものがありました。
ミアレシティには、四つのレストランがありますよね。その中の、レストラン・ロング・ドリーマーで、隠しメニューがある、という噂を聞いたんです。その隠しメニュー、名前は「ショウヨウ産オマール海老の煮込みイッシュ風」というそうです。
え？　どこも変なところは無いじゃないかって？　
オマール海老っていうのは、オマールブロスターとも呼ばれるそうです。ショウヨウシティは、野生のブロスターが多く生息するところです。……だいたい言いたいこと、分かっていただけましたか？
もしこの料理を食べたら、ブロスターを食べたことになるかもしれない……、なんていうお話です。



ミアレの都市伝説っていったら、やっぱりカフェについての怖い話ですよ。
夜のミアレのノースサイドを東から西へ、一人で、歩くんです。すると、ちょうどカフェ・カンコドールに近づいてきたときに、不思議と雨が降り始めるんです。雨が降ってきたら、迷わずカンコドールの中へ。
すると、いつもはマスターとウエイトレスしかいない店内に、なんと多くのお客さんが来ているんです。そのお客さんたちは、みんなこちら側の世界の人たちではないため、うかつに話してはいけません。
「どうしてこのお店に来たんだい？」
そう聞かれたら、必ずこう答えてください。
「雨宿りに来ただけです。雨が止んだら、すぐに帰ります」
そう言うと、あちら側に連れて行かれずに済むんです、でも、もし違う答え方をすると……。
ふふっ、どうなるかは、今度夜のカンコドールに行って試してみたらどうですか？


ミアレの都市伝説？　うーん、学生の時はいろいろ覚えてたけど、今はなぁ……。あ、一つだけ覚えてるのがあるな。
ミアレ美術館の話。あそこの三階にある絵。それのうちの一つの「バトルサブウェイ」っていう絵の話。夜の十時くらいからあの絵から声が聞こえてくるらしいんだよ。それはもう、恐ろしいっていう表現がぴったりなくらい恨みに満ちた声が、「ノボリ……クダリ……」っていう風にね。
絵を描いた本人の想いが強すぎると、そういったことが起こるのかね？　だいたい、ノボリとクダリって、どんな意味なんだろうな。

ミアレの怖い話、参加させていただきます！



　なあ、ちょっと聞いてくれ。
　この前ミアレの裏路地で、携帯電話を拾ったんだ。
　ああ、この電話だ。中には一つだけ名前のついていない録音ファイルが入っててさ。
　いいか、再生するぞ。


　お、お客さんかい？こんな夜更けに、ご乗車ありがとうございます。
　さてさて、旦那はミアレのタクシーは初めて？　おや、常連さんだったか。それは失礼致しました、そして毎度どうも。
　ということは、ミアレシティの事情にも詳しいと見た。そこで一つ尋ねたいのだけど、旦那はタクシーのタダ乗り問題について聞いたことはあるかい？　無いか。ま、最近話題になり始めたことだし仕方無いさ。いや何、タクシーってのは商売だし、当然俺たちはお客さんを乗せたらその対価を支払ってもらうわけよ。そうしないとやってけないからね。それはごく当たり前のことで、常識だ。そうだろう？　フレンドリィショップでお金を払わずに商品を持ってく馬鹿がどこにいるってんだ。
　でもねえ、近頃の奴は、なんて言い方はしたくないけどさ。その常識をわかってないんだか、それともわかっててやってるんだか。耳を疑うような話が出てるわけ。
　そう、タクシーのタダ乗りさ。しかも単なる乗り逃げじゃあない。
目的地に着いて、ドライバーがそれでは幾らになります、って言うだろう？　そしたらお金ありません、なんて平然と抜かしやがるのさ。当然ドライバーは、ちょっとちょっとお客さん困りますよって具合になる。するとその客はいきなりバトルを仕掛けてきてドライバーを負かすと、じゃあこっちが勝ったんで料金はいりませんよね、って立ち去るんだとさ。
酷い話だよ。そう思うだろう？　ドライバー達も困ってる。だけどポケモンバトルに負けてしまったから追いかけることも出来ずに涙を飲むしか無いんだな。

　で、やられっぱなしじゃあいけないからミアレは対策を取ることにした。おっと旦那、こっから先はご内密に。実はこの話は秘密裏に行われていることで、本来はごく一部の間以外に知られてはいけないんだ。一介のドライバーに過ぎないおいらにも守秘義務ってもんが一応あって口止めされてんだが、誰かに話したくて仕方なくってね。へへ、頼んだぜ。
　話を戻そう。タダ乗り犯に対する報復だったな。
　ところで旦那はバケッチャを知ってるかい？　うんうん、なかなか可愛い見た目をしてるよな。くさタイプとゴーストタイプを併せ持つかぼちゃポケモンのバケッチャよ。なんでいきなりバケッチャの話だって？　まあまあ、そう焦るな。
　バケッチャのポケモン図鑑の説明は読んだことあるよな。「成仏出来ない魂を身体の中に入れる」とか、「彷徨う魂を死者の住む世界へと運ぶ」とか。後、「日暮れと共に活動する」とか。ま、ゴーストタイプとしては在り来たりな話だけど、とにかくバケッチャは魂を運ぶことが出来るんだと。
　それでさ、この図鑑説明を読む限りだと「迷える魂を成仏させる」だけに思えないかい？　思えるよな。ところがどっこい、実際はそうじゃあない。迷っていようが迷っていまいが、人だろうがポケモンだろうが、男だろうが女だろうが性別不明だろうが、バケッチャは魂ならその性質に関係なく運ぶことが出来るのさ。
　…………例えまだ生きていようが、ね。
　おっと失礼。それでだな、とにかくバケッチャはかぼちゃの身体に色んな魂を乗せて運んでいるのさ。そうだなあ、ちょうど人を運ぶタクシーのように、命を閉じ込めて、別の場所に、もう元の場所には戻れないように。

　時に旦那、旦那は幼い頃におふくろさんとか先生とか、大人にこんな怒られ方をされた経験はあるかな。「遅くまで遊んでるとヨマワルに連れて行かれるわよ」「悪いことをする子どもはゲンガーに攫われちゃうんだから」なんてね。
　何故だか俺たちゴーストタイプって言うのはこんな風に子どもを怒る時の口実にされることが多い。見た目とか雰囲気が恐怖を与えているからかねえ。ま、それはいいや。実際そうらしいよ？　いや、本当だって。人の道に背くような行いをすればゴーストポケモンがその報いとして、魂を地獄に連れて行ってしまうんだよ。
それは子どもに限らず、大人にも言えることだからな。旦那も気をつけなさいよ、余計なお世話かもしれないけれど。
　お、そんなことを言っている間にも到着だ。それじゃあミアレの夜をお楽しみください。代金は1500円になります。
　
　……え？　何？　持ってない？
　……持ってなくて、どうするつもりだったの？　
　……旦那、そのモンスターボールに掛けた手は何だい？

　いけないなあ。悪いことをすると、ゴーストポケモンに連れて行かれちゃうって言ったばかりじゃないか。今までのタダ乗りの罪も加算すると、随分と罰は重くなってると思うよ。
　なんて言ってももう手遅れだよね。旦那、もうそのポケモンを出そうったって無理だぜ。おいらの技「ハロウィン」で、旦那にはゴーストタイプが追加され――つまり、旦那を幽霊、魂だけの状態にしたんだから。
　それじゃ、本当の目的地まで向かいますか。せいぜいゆっくりしていきな、恐らくこれが旦那の魂がくつろげる最後の時間になるんだから。

　では、ミアレのタクシー……いや、魂を運ぶバケッチャのかぼちゃと呼んだ方がよろしいですかね？まあ、今となってはどちらでも同じか。
　
　「そんじゃ、　行きますよー！」


　どう思う？
　やっぱり、誰かの悪戯だよな？
　……そうだよな、そうに決まってるよな。
　でも俺は……見たんだ。この前の日曜日の夜。

　ミアレの空を、一匹のバケッチャが飛んでいくのを。

　都市伝説、ねぇ……。
　懐かしいわね、クラスの友達と噂したの。中には自分で考えたのを人から聞いたみたいに話したり、楽しかったなー。
　うん、それじゃぁ、おねーさんもひとつ話してみようかしら。
　あなたはミアレにある美容室をご存知？　あぁ、人間向けの。あのサロン・ド・ロージュってお店。

　私も行付けなんだけど、すごいわよね、あのお店。髪型自由自在。どころか、長さまで好きにできちゃう。
　不思議だと思わない？　普通、切った髪の毛は伸びるまで待つしかないのに、あのお店ならすぐ戻せちゃう。何でだろう。
　美容師さんに聞いてみたこと、ある？　……そう、返事はいつも「企業秘密です♪」。
　そりゃそうよね。手品のタネを教えて欲しいって言ってるようなものだし。

　だけどね、ここだけの話。一度だけ。
　常連さんだから特別サービス、って私に教えてくれたのよ。
　その秘密は……なんとあのお店、お客さんごとに切った髪を保管しているらしいの。
　……そうよ、一人ひとり全員分ね。
　一度でもカットしたことあるお客さんなら、保管している髪をつなげて伸ばしたように見せているわけ。
　私も実はね、今はポニテだけど先週はベリショだったの。髪を束ねているリボンを外してよーく見ると、つなぎ目があるのがわかるわよ？
　確かめてみる？


　…………なーんて、冗談よ。そんな気色悪いことあるわけないじゃない。
　考えてもみなさいな。こんなのことバラしたらせっかくの常連に逃げられちゃうわよ。
　……そう、嘘なの。サロンの倉庫には色とりどりの髪の毛サンプルがどっさり、なんてことは無いから。

　本当はね？
　あの美容師さん、時間を操ることができるらしいの。
　戻すことはできないけど、進めることができるらしいのよ。それで伸ばしたい人の髪だけ、お目当ての長さになるまで時間を進めるの。
　……あら、なにその顔は？　これは確かに美容師さん本人から聞いた話よ。それに私が先週までベリショだったことも本当。
　便利でしょ……って信じられないか。いいのよ、それで。便利だからって手間をかけさせると怖いし。
　美容師さん、言っていたのよ。あんまり頻繁に切ったり伸ばしちゃう気分屋なお客さんは、髪の毛だけじゃなく身体の時間も進めちゃうわよ、って。それも気づかない程度に、ちょっとずつ。
　あなたも経験ない？　同じクラスの女の子で頻繁に髪型を変える子が、なんだか大人びて見えた、ってこと。

　どう？　信じられる？
　……なんてことないわよね。でも、世の中には時間を操るポケモンもいるって噂だし、案外、そんな不思議なこともあるかもよ。
　ってなわけで、私の話せる噂はここまで。
　ところでさ、ひとつだけ聞きたいんだけど。



　私、何歳ぐらいに見えるかな。

おお！　本格的なのが2個も！
評判がいいのは独立記事としての採用を考えた方がいいかも。

ちなみに、４、５行くらいの軽いのでもいいですからね。
小話をいっぱい載せたいと思ってますー

【カフェ・カンコドール】
　カフェ・カンコドールって知ってる？　ノースサイドストリートの――そうそうオトンヌアベニューのすぐ側のカフェ。そこって名前通り閑古鳥が鳴きそうなほど寂れてた店だったでしょ。でも最近人気が出てるみたいなの。いつ行ってもほとんど満席で、今にも潰れそうだったのが嘘みたい。
　けど、どうして急に人が入るようになったのかしら。紅茶もそんなに良くないし、ケーキもデパートで買った方がよっぽど美味しいしね。
　不思議に思って何度か覗いてみたら、あることに気がついたの。あの店のお客さん、いつも同じ人が同じ席に座ってるの。注文するものも毎日一緒。さらにあの人達が店を出入りしてるところを見たことが無くて。もしかしてカンコドールのお客さんって、店長の未練……なんてことはないわよね。


【路地裏】
　時々ミアレシティで行方不明になる人がいるんだって。夜中に一人で裏路地に入ると危険らしいよ。で、行方不明になったらどれだけ探しても見つかることはないんだってさ。
　いなくなった人はどうなるかって？
　あくまで噂なんだけど……ポケモンにされちゃうみたいなんだ。街にいる野生のニャスパーやチョロネコが妙に食べ物ねだるの上手いと思わない？　他にも人間っぽい仕草してるなって思ったこと何回かあるでしょ。それは彼女達が元々人間だったからなんだ。元に戻る方法が分からないから、ポケモンのまま生きる術を身に付けるしかなかったんだよね。
　どうしてそんなことが起きるのか。路地裏って暗くて狭いから負のエネルギーが溜まりやすいんだ。だからゴーストポケモンが寄ってきてイタズラしてもおかしくないよね。
　え、それはどの辺で起こるのか知りたいの？
　それはねえ――ここなんだ！　今日から君もみんなの仲間になれるよ！

また思いついたので、投稿してみます。

私、ジュペッタのお話、聞いたことあるよ。ジョーヌ広場には、時々ゴミ箱が置いてあるでしょう？　あれ、ポケモンの仕業なんだって。知ってた？　いつあのゴミ箱の中を開いてみても、空っぽでしょ？　でも、夜にあの中をのぞくと、何か入ってるの！
何だと思う？　それはね、ジュペッタのぬいぐるみなの。沢山つぎはぎされていて、よれよれのぬいぐるみ。このぬいぐるみは人が見つけると、動き出すんだよ。そして、人がそのことに驚いていると、笑い声をあげて、姿を変えるの。
その姿はまるで、本物のジュペッタがメガシンカした姿にとっても似てるんだって。人が驚いて腰を抜かしているうちに、くすくす笑いながらとんでっちゃうんだって。
いたずら好きなぬいぐるみさんなんだね。

たくさんの応募をいただき、ありがとうございました。

GPSさんのやつを採用したく思います！

他のやつは未定ですが、本当に余裕があれば…という感じなので、可能性は低めです。
今後は掲示板企画としてご投稿いただけますと幸いです。
ご投稿、ありがとうございました！

　あーっ、やっと来た！　んもう、待ちくたびれたじゃない。え？　カフェがありすぎて迷った？　そういう時こそタクシーの出番じゃないの。高いって？　そりゃそうだけどさ、時間を無駄にするよりいいじゃない。
　っと、こんなお喋りも無駄よね。早速だけど本題に入っていいかしら。
　今日呼び出したのはね、ちょっと確認してもらいたいことがあったからなの。アンタ、ここに来る時サウスサイドかノースサイド通ってきたでしょ。道端にメェークル、いなかった？　もちろんいたわよね、だってあれミアレの観光スポットの一部だもんね。
　幸せそうにうたた寝するメェークル、可愛いわよねー。観光客がきゃあきゃあ言いながら写真撮ったり撫でたりする気持ち、よく分かるわー。
　え？　ああ、もちろん野生じゃないわよ。あの子たち、保護団体が管理しているポケモンなの。最初は二頭の捨てられメェークルがミアレに居ついて話題になって、可哀想だからってことで世話する人たちもいたのよね。で、それを聞いたトレーナーが孵化余りの個体を持ち込んできてどんどん増えちゃったのよ。とうとう見かねた有志の団体が名乗りを上げて、観光資源にする代わりにミアレシティから多少の資金援助を受けて管理してるってわけ。カロスの観光ガイドにも載ってる有名な話よ。
　ここだけ聞けば、すっごくいいお話よねぇ？　ところが、巷に出回る裏の噂もあるのよね。いわゆる都市伝説の類なんだけど、聞いたことないかしら。
【ミアレの居眠りメェークルはクスリの被験体に使われている】ってね。
　なあにその顔、そんなに驚いた？　全然聞いたことないの、ふーん、ネットじゃ結構有名なんだけどね。
　よーく考えてみて、変だと思わない？　何がって、あの子たち昼も夜も関係なく寝てるのよ。草ポケモンなんだから陽の降り注ぐ昼間は活動時間のはずでしょ、なのにうつらうつらしているか、起きてたってぼんやりしているだけでろくに動きもしない。そりゃあ観光用のポケモンなんだから、万が一にも見物客に怪我なんかさせたりしないよう、大人しい個体やおっとりした個体を選んでるんだろうけどさ。それでも異様だと思わない？
　あたし、ノースサイドにあるカフェで一日観察してみたの。あの辺りにはガレット屋とか有名ホテルもあるし、朝から晩までひっきりなしに人が通るのよね。結構な数の人がメェークルを触って行くんだけど、あの子たち絶対に嫌がる素振りを見せないのよ。みんながみんな優しいわけじゃなし、中には無理やり抱き上げて写真撮ったり、耳引っ張ったり、酷いのになると手持ちをけしかけたりするのもいてね。まあどこかで見張ってるんでしょうね、そこまでしたら保護団体の職員が飛んでくるから危害は加えられないんだけど。メェークルにそれが分かってるとしたって、あの無抵抗っぷりは不自然よ、まさに薬を盛られているって話がしっくりくるくらいにね。
　で、何時間か経ったらボールを持った職員がやってきて、別のメェークルと交換していくの。呼び止めて聞いたら、メェークルの疲労やストレスを考慮して一日に何度か交代させるんだって。交代はどこからって聞いたら団体の本部を教えてくれたんだけど、そこが妙に臭うのよね。
　ツテを使って色々調べたら、その団体の幹部に某製薬会社の役員○○の名前があったの。ほら、あの新薬の研究開発に熱心な×××製薬よ。そこの○○が保護活動の場を提供していて、関連会社の社員が何人か、活動要員に名前を連ねているの。表立って×××製薬の看板を出しているわけじゃないんだけど、裏で繋がっているのはほぼ間違いないわね。おそらく、あいつら麻痺か眠りの試薬を使っているんじゃないかしら。投薬したポケモンを刺激の多い場所に置いて、その効果を試しているんだとすれば……。
　そんなことをして何のメリットが、ってアンタ……ちょっと想像してごらんなさい。あの頑健な、ポケット「モンスター」達に効く薬よ？　使い道は色々あるわ。
　例えば、重要な人物や場所の警備を任されているポケモンに投薬したとして。彼らが完全に麻痺して、あるいは眠りこんで無力になったら？
　例えば、希少なポケモンの生息地に薬をばら撒いたとして。動かない的なんて、どんな下手くそが投げてもボールを当てられるわよね。
　あるいは、バトルの際に相手のポケモンに一服盛ったとして。痕跡を残さないようにできたら、原因不明の不調という事になるんじゃないかしら。
　もしそんな薬が実用化されたなら。組織であれ個人であれ、絶対に買い手が付くでしょうね。もちろん秘密裏の取引になるわけだけど、高く吹っかけてもお客は文句を言わないだろうし。結局、正規でポケルスだの病気の治療薬だのの開発に時間とお金をかけるより、こういう非正規のアヤシゲな薬の方が儲かるのよね。
　どうだった、あたしの都市伝説の検証は？　分かってるわよ、検証って言ったって単なる推測でしかないって。だからそれをこれから確かめに行くつもりなのよ、例の保護団体の本部に潜りこんで、噂の真相を暴いてくるわ。もしあたしの予想が正しければ、これは物凄いスクープになるはず！
　ああ安心して、別にアンタを連れて行くつもりはないから。潜入取材にど素人連れて行くほど間抜けじゃないし。アンタに頼みたいのはね、これよ、これ。そう、このICレコーダー。
　へまをするつもりはないけど、万が一、ってこともあるでしょ？　ないとは思いたいけど、万に一つもドジったら……あんまり考えたくはないけど、切り札にはなるかなーなんて。
　まあつまり、アンタにこれを預かってもらって、しかるべき時にしかるべき場所へ出してほしいのよ。そうね、一週間経ってもあたしから連絡がなかったら、警察……ううん、事によるとヤバいかも。癪だけど、うちの編集長宛に送ってちょうだい。公表なりなんなりしてくれるはず。
　止めたって無駄よ、もう決めたんだから！　ショボい芸能ネタの追っかけしてたって駄目、こういう大きいネタの一つもすっぱ抜かないと、絶対に昇進なんて望めないんだから。もちろん同僚にも内緒よ、横から掻っ攫われたら困るし。だから外部のアンタを頼るしかないの、よろしくね。
　さて、そろそろ行動開始といこうかな。一旦家に戻って……あら、送ってくれるの？　ありがとう、せっかくだしお言葉に甘える事にするわ。
　ちょっと待ってて、録音切るから。



　録音データの再生が終わった。