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  [No.3306] 生死の話 投稿者:WK   投稿日:2014/06/24(Tue) 20:51:44   40clap [■この記事に拍手する] [Tweet]
タグ:ポケモン

 本来、ポケモンは何歳まで生きられるのか。

 
 ある学者の一族が代々作って来たレポートを見ていただこう。
 彼らは代々ポケモンの寿命について調べており、初代から数えて現在で十四代目になる。そのレポートには、育った環境、種、当時の時代背景も相まってはっきり確認するのは難しいとある。
 環境というのは、もちろんそのポケモンの繁殖に相応しい場所のことだ。草ポケモンは緑豊かな場所が一番適しているし、炎タイプのポケモンならマグマが煮え立つ火山でも生きられる。もちろん、苦手なタイプのポケモンが生息する場所では、繁殖ができない。
 また、天敵が多いか少ないかでも変わって来る。カント―・マサラタウン辺りではポッポやオニスズメが確認されているが、それと同時に彼らのタマゴを主食とするアーボ・アーボックなども生息している。
 この統計データは、三十年近く前から調べられているが、どちらかが極端に減ったり増えたという記録は今の所ない。

 種族も関係している。たとえばキュウコンは、千年生きると言われている。また、怒らせると千年祟られるとも言われている。
 流石に千年とまではいかなくても、半世紀から一世紀は生きている、というのはゴロゴロいる。
 『御婆ちゃんが飼っていたのを譲り受けた』というトレーナーに出会ったこともあるし、『曾祖母とその孫です』という組み合わせに会ったこともある(どちらもキュウコンだった)。
 カント―御三家の一匹であるゼニガメは、大きな尻尾を持つ個体ほど長生きすると言われている。また、弱点が少ないポケモンは比較的育てやすいと言われている。
 生まれつき病弱だったり、周りより小さかったりするとあまり良い話は聞かない。
 
 長寿のポケモンがいるならば、その反対もいる。種族として短命なのだ。だが、その代わりに一度に何匹も子供を産み、次の時代に子孫を残す。
 コラッタ、ラッタは多産なポケモンとして知られる。コラッタ講という言葉があるが、それくらい増えるのが早いのだ。一度に少なくても十匹、多い時は十五匹近く子供を産む。
 また、成長も早い。約四十日で大人になり、再び子供を産む体になる。
 これで、二年近くしか生きられなくても、次世代に子孫を増やせるというわけだ。

 さて、時代背景について話しておこう。
 飢饉があったり、戦争があったり……とにかく、動乱の中に生まれたポケモンは、比較的短命なパターンが多い。
 これは人も同じことが言えるのだが、子を作ってもその子供が死んでしまったり、また戦争に駆り出されてそのまま戦死してしまったりというのがある。
 これは不思議な話だが、戦争の真っただ中に生まれたポケモンは、比較的オスが多いのである。二ドラン♂やケンタロスがその時期に増加したというデータもある。ただし、病気などで死ぬ確率はオスの方が多い。
 メスが病気で死んだ、というデータは少ない。多種族から子供を守ろうとしたり、心無い人間に殺されたというデータの方が多い。
 オスが狩りに行っている間、メスは子供と共に待っている。そこを襲われるというパターンが多いようだ。

 ……ここで、未だ多くの学者が頭を抱えている話がある。
 伝説のポケモンの存在だ。
 各地の神話に語り継がれているように、彼らはとてつもない力を持っている。環境を変える、無から有を生み出す、願いをかなえる、時を超える、空間を歪める……。
 悪夢を見せる、なんて物もあり、もう何が何だか分からない。
 彼らは果たして、生まれた時からずっと生き続けているのだろうか。各地の目撃情報は度々あるものの、それが同一のポケモンなのかは確かめようがない。
 もし、別の世代なのだとしたら、どのようにして子孫を残すのだろうか。
 
 子孫を残せるポケモンは、みなタマゴが見つかっている。しかし、タマゴを産んだという事実は何処にも無い。
 この長い歴史の中で、誰もポケモンがタマゴを産んだ所を見たことがないというのである。
 
 ポケモンと人は、長いこと共に生きて来た。
 しかし、それでもまだ我々はポケモンのことを知らなすぎる。
 それが全て明かされる日は、果たして来るのだろうか。