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  [No.3655] the battle 投稿者:WK   投稿日:2015/03/22(Sun) 18:17:56   93clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

 ※オリジナルの合間にバトル描写の練習として書いた短編(の短編の短編)です いきなり始まっていきなり終わります
 



 一、ユエ VS ミユ

不思議な雰囲気を持つ子ね、とユエは思っていた。
 黒い髪に瞳、その年齢にそぐわぬ、黒いスーツ姿。おまけに使うポケモンも、トレーナーとしての技術も桁違い……。
 どうして今まで、こんな子が表舞台に名を並べなかったのかしら。ま、いいけどね。
 ワケアリってことも考えられるし、余計な詮索はしないのが、カフェのマスターの仕事の一つでもあるでしょ。
「よろしくお願いします」
「こちらこそ、よろしくね」
 礼儀正しくお辞儀をするミユを見て、今は試合に集中しよう、とユエは腹を括った。
「――それでは、ライモンシティのユエ対、ミアレシティのミユのバトルを始めます。 使用ポケモンは二体。 入れ替えは自由。 どちらかのポケモンが両方とも戦闘不能になった時点で、勝敗が決定します」
 観客の多さに圧倒される。自分が今、どんな場所にいるのかが嫌でも思い知らされる。
 勝てば進める。負ければそこで即退場。まるで、ピンと張られた綱の上を命綱無しで渡っているようだ。
 カタカタとボールが揺れ、ユエは我に帰った。
「……そうね。 今は集中しましょ」
 試合が始まれば、余計なことを考える暇などない。
「それでは、試合開始!」
 審判の声に、ユエとミユが同時にボールを投げた。

「行くわよ! バクフーン!」
「ゲッコウガ、任務開始です」

 ユエはバクフーン、ミユはゲッコウガを繰り出した。出て来たゲッコウガを見て、ユエがおお、と声を上げる。
 それもそのはずだ。
 本来、ゲッコウガは青色として知られている。しかし、彼女の持つゲッコウガは黒色だった。
 俗に言う、“色違い”だ。
「すごいわね。 色違いなんて」
「ええ。 この色が役に立ってくれるんです」
 どういう意味だろう……。 と思ったが、ユエは黙っていた。
「では、参りましょうか。 ……ゲッコウガ、“うちおとす”」
ゲッコウガが構えた。懐から小さな石の玉を取り出し、如意朱のように打ち出す。
「躱して“きあいパンチ”!」
 ユエの言葉に、バクフーンが飛んできた石を躱していく。細長い、柔らかい体を器用に使ったアクロバティックな動きだ。
 “うちおとす”は、遠距離だからこそ効果を成す技だ。おまけに“きあいパンチ”は、攻撃を受けなければ莫大な威力と共に撃つことができる。そして、極めつけは――。
 間合いを詰められ、行動不能に陥ったゲッコウガの腹部に、バクフーンの固い拳がめり込んだ。
「……かくとうタイプの技でしたね」
「そうよ! ゲッコウガは水だけじゃない、悪タイプも持っていたはず! 効果は抜群よ!」
 押し切られ、ゲッコウガが地面を滑って行く。だが、流石に鍛えられている。キッと目を尖らせ、足で滑りを止めた。
「まだいけますね? “かげぶんしん”」
 ミユの指示に、ゲッコウガが分身した。バクフーンを中心に、合計十の分身が現れる。
 戸惑うバクフーン。
「“ハイドロポンプ”一斉攻撃!」
 十一匹のゲッコウガが飛び上がった。体の中心に水の玉を作り、一斉に放射する。
 絶体絶命――かと思いきや、ユエが叫んだ。
「“ふんか”で本体を見つけるのよ!」
 迷いの色が見えていたバクフーンの目が、再び鋭くなる。唸り声をあげ、地面を叩く。
 背中の赤い模様から炎がぶわっと広がり、巨大な岩が炎と共に波を打ってゲッコウガたちに襲い掛かった。
構えていたものの、発射していなかったことが功を成したらしい。直撃した分身が、一斉に消えて行く。
最後に残ったゲッコウガに、噴火が直撃したのと、“ハイドロポンプ”が放たれたのは同時だった。
莫大な威力の炎と水が合わさり、フィールドに煙が充満する。
『煙で何も見えない! 二体はどうなっているのか――!?』
実況者の声も届かない。二人は完全に、バトルの世界に没頭していた。やがて煙が晴れ、フィールドの全容が見えて来る。
「!」
 ユエは息を呑み、ミユはその目を鋭い物にした。
 フィールドの中心。二体が睨み合っている。両方とも満身創痍だが、睨み合う力は残っているようだ。
『おおっと! 二体ともまだ立っている!』
「バクフーン!」
「ゲッコウガ……」
 それぞれのトレーナーが、それぞれのパートナーの名前を呼んだ時だった。

 ぐらり、とバクフーンの体が傾いた。ユエが目を見開く。
 ミユが肩を下ろした、その時――。

ゲッコウガが白目を剥き、仰向けになる。
両者はそのまま持ちこたえることなく、同時にフィールドに倒れこんだ。
審判が駆け寄り、両方の旗を上げる。

「――ダブルノックアウト! 両者とも、戦闘不能になります!」

 観客席が湧いた。
 茫然としていたユエだったが、不意に状況を確認し、空のボールを取り出す。
「戻って、バクフーン」
 ミユも同じだった。目を閉じ、ゲッコウガをボールに戻す。
「ご苦労様です。 後はこちらに任せましょう」
「ゆっくり休んでね」
 ユエがミユを見た。
「やるじゃない」
「そちらこそ。 うちのエースがやられるなんて、思ってもいませんでした」
 口調とは裏腹に、ミユの顔は能面そのものだ。楽しさも伝わってこないが、悔しさも伝わってこない。
 奇妙な感じがして、ユエはぶるっと体を震わせた。
「貴方、何のためにこの大会に出てるの?」
 質問の内容に面食らったのか、ミユが押し黙った。だが、すぐに答える。
「それは、このバトルの場に必要なことでしょうか」
「……」
「第二試合を始めたいのですが、よろしいですか?」
審判の言葉に、ユエは煮え切らない気持ちを抱いたまま、頷いた。
『さあ、これで勝負が決まります。 二戦目、使用ポケモンは何だ!?』
「お願い、キリキザン!」
 赤と黒の影。ユエが出したのは、悪・鋼タイプのキリキザンだった。素早さが高い、即効型のポケモンとして知られている。
 手持ち登録はしていないものの、ユエの頼れるパートナーとして幾度も危機を乗り越えて来た、大切な仲間だ。
 対するミユは――。
「任務続行です、アギルダー」
 虫・悪タイプのアギルダーだった。進化前のチョボマキを、カブルモと通信交換することで進化するという、不思議なポケモンだ。
 悪タイプ、おまけに素早さ対決となった対戦カード。
「第二試合、開始!」
「一気に決めるわよ! キリキザン、“つじぎり”!」
 一体倒されて焦っているのか、いつものユエらしくない、即効型で決めようとする。キリキザンは腕の刃を構え、アギルダーに向かっていった。
「躱して“アンコール”」
 素早いと謳われるキリキザンだったが、アギルダーには敵わない。渾身の一撃を躱され、キリキザンに隙が出来る。
 そこをすかさず、“アンコール”で技に制限を掛けられる。
「戦いの場において、一番足を引っ張るのは、何も考えず後先突っ走ることです。 慌てた時が、一番危ない」
「っ……」
「終わりにしましょう。 “きあいだま”」
 アギルダーが手の中心に、オレンジ色の力の玉を作りだす。誰もが、これで勝敗がつくと思っていた。
 だが。
「“つじぎり”で真っ二つにして!」
「!」
 ユエの指示に、キリキザンが飛び上がった。放たれた“きあいだま”を避けることなく、見事に“つじぎり”で一刀両断する。
 割れたエネルギー体は、目標を失い離散した。
「……なるほど」
「その技しか使えないなら、その技を使って勝つまでよ」
 だが、これが連発できないことは、ユエ自身が一番よく分かっていた。
 キリキザンの腕の刃は、鋼だ。格闘タイプの技を何度も斬れば、切れ味が落ちてしまう。そしてその先にあるのは、“きあいだま”に直撃されて戦闘不能――だろう。
 一応お互いの刃を当てることで研いではいるが、それでも最初の切れ味には劣ってしまう。
(もって……。 三回斬れればいい方ね)
「キリキザン、接近戦に持ち込める?」
 キリキザンがユエの方を見た。多少焦りは見えるものの、まだ体力的には余裕があるようだ。
『何とかしてみる』という顔で、頷いた。
「遠距離戦のまま、倒してあげましょう。 ――“こころのめ”」
「!!」
 アギルダーの目がカッ、と開く。しまった、と気付いた時にはもう遅い。
「発動しました」
「何処まで斬れるか……。 キリキザン、頑張って!」
「“きあいだま”」
 アギルダーから放たれる力の塊は、“こころのめ”によりキリキザンに逸れることなく向かっていく。
「斬ったまま突き進んで!」
 二回目の“つじぎり”は、どうにか発動できたようだ。観客席から歓声が上がる。
 だが。
「――申し訳ありませんが」
「!?」
「職業柄、長い戦闘はご法度なのです」
 どういう意味よ――。 そう言おうと開いたユエの口が止まった。
 そのまま突き進んだキリキザンが、アギルダーの直前で固まっている。
「どうしたの!?」
 固まっている、という表現はおかしいのかもしれない。しかし、誰が見てもその光景は、固まっているように見えた。
 地面から伸びる、黒い何か。“かげうち”の応用で縛っているのかと思いきや、そうではない。
 蠢いている。一つ一つが細かく独立しており、わさわさと集団で移動している。そして、その移動位置には……。
「キリキザン!」
「“まとわりつく”です。 虫タイプの技ですね。 これをされると、相手はしばらく動けない上にダメージも重なります」
「……!」
「一つだけ教えてあげましょう」
 キリキザンは何とか脱出しようともがく。しかし、苦手な虫タイプの技を全身――それこそ、急所にも受けているのと同じ状態らしく、だんだん力が抜けて行く。
「私がここにいるのは、それを望まれたからです。 “この大会に参加し、優勝せよ”――。 それが撤回されない限り、私は勝ち続け、優勝しなくてはいけない」
「貴方……」
 ユエが何か言おうとした。だが、それよりも先にキリキザンが倒れた。
 審判が駆け寄り、旗を挙げる。

「――キリキザン、戦闘不能! アギルダーの勝ち。 よってこの試合、ミユ選手の勝利となります」



 二、マリナ VS ホタル

「……その気合いの入れ方、やめろよ」
 ショウの言葉に、マリナはきょとんとした顔で振り向いた。それと同時に傍で腹筋をしていたバシャーモも顔を上げる。
 妹の晴れ舞台ということで、ショウは激励をしに控室に訪れていた。緊張しているかと思いきや、そこではいつもの光景が繰り広げられていた。
 マリナは格闘タイプを好んで使用する。修行はいつも自分も一緒だ。裏山で枯れ木に拳を打ち込んだり、庭にボロ布団で作ったサンドバックを置いて、キックの練習をしたり。
 もちろん、特殊技の修行も忘れない。兄であるショウが持っている水タイプを借りて、“かえんほうしゃ”の威力が“ハイドロポンプ”を打ち消せるか、という無茶な訓練をしたことがある。
「こうした方が、緊張しなくてすむんだ。ね、みんな」
 マリナの言葉に、ポケモン達が頷いた。一番の相棒であるバシャーモを始め、ダゲキ、コジョンド、ゴロンダ、そしてこのメンツでは異質な氷タイプであるユキメノコが頷く。
「対戦カードを見る限り、お前と同い年みたいだな」
「うん」
 机の上に、マリナの対戦カードがあった。Bブロック第二試合。相手はアサギシティのホタル。おどおどした印象を与えてくる、マリナとは正反対のタイプのようだ。
「分かっているポケモンは……全部草、もしくは融合か」
「バシャっちがいるけど、ここまで勝ち進んで来たんだから、絶対対策してる。機転と運も重要だね」
 プロフィールの下に、三匹だけポケモンが表示されることになっている。そこには、ドレディア、ユキノオー、そしてジュカインの名前があった。
「ホウエン御三家対決になるかもな」
「たぶん」
 コンコン、とドアを叩く音がした。どうぞ、と言うと審判が顔を出す。
「時間です。フィールドにどうぞ」
「はい」

 マリナは緑コーナーだった。フィールド五十メートルを挟んで、挑戦者が見える。
 ショートカットに水色のトレーナー、そしてスカートはフリルが大量に付いている。この場に慣れていないはずはないのに、おどおどと落ち着きがない。
「あざといわ」
 横から声がした。レイナだった。勝ち進んだのでその表情は余裕がある。
「あれは計算よ。絶対そうだわ」
「そうでしょうか」
 黒髪の美少女が隣で答える。ミユだ。
 一回り近く離れた女性を、ストレートで倒した少女。
「わざわざ計算してまで、あの仕草をする理由が見当たりません」
「油断させるためよ」
「相手は同年代、しかも女性です。そしてここまで勝ち進んで来た実力もある。
経験値はあるはずです」
きっぱり、しっかり言われてレイナは黙り込んだ。
審判が出て来た。
「それではこれより、Bブロック、第二試合を始めます。シンオウ地方・トバリシティのマリナ選手対、ジョウト地方、アサギシティのホタル選手!」
マリナが一歩前に出た。ホタルも前に出る。
 態度は変わらない。こんなに緊張していて、試合になるのだろうか。
 観客も多少ざわついている。
「――それでは、試合開始!」
 瞬間、ホタルの顔つきが変わった。あのおどおどした態度から一転、目が強い力を放つ。その視線はまっすぐマリナを見つめている。足も地面をしっかり踏みしめている。
「試合になると変わるタイプ……でしょうか」
 ミユの声が聞こえた。
「いけっ、ダゲっち!」
 マリナがダゲキを出した。青い人型のポケモン。体の一部が本物の空手着のように見える。イッシュ地方に生息するポケモンだ。
 何故シンオウ在住の彼女が持っているのかといえば、叔父であるアラトが仕事柄色々な場所に行くからだ。その際にひっついて行き、ゲットしたのだ。
 検査が大変だったようだが。
「行こう、ラルさん」
 ホタルが出したボールから、ふわりと白百合の花のように飛び出したポケモン。それを見て、ショウはやべ、と声を上げた。
 サーナイトだった。体の一部である白い裾が揺れる。
 タイプはエスパー。格闘タイプであるダゲキには、圧倒的に不利だ。
「不利だろうが何だろうが、あたし達は勝ってみせるよ!」
 ダゲキも頷く。
「相手が誰だろうと、全力で戦う……そうだよね、ラルさん」
 返事の代わりにサーナイトが優雅に礼をした。
「そちらからどうぞ!」
「ダゲっち、“おんがえし”だ!」
 ダゲキが突っ走って行く。
 先ほどレイナがペルシアンに指示したのとは正反対の技だ。ダゲキもそれに応えるように、全力で立ち向かっていく。
「こちらも“おんがえし”」
 守るのでもなく、状態異常を仕掛けるのではなく、そのまま技を……そっくり技を返すやり方に、観客がどよめく。
 サーナイトはとても育て方が複雑なポケモンだ。補助系も行けるし、ガンガン攻撃させることもできる。そして近年、メガシンカと言われる新たな進化方法が発見された。
 サーナイトはそれが可能だ。それによってまた育て方に分岐が出来た。
 しかし、これは……。
 グラウンドで二匹が押し合っている。優雅に登場した時とは打って変わって、とても激しい顔つきだ。
 オスを選ばなかった――エルレイドに進化させなかった拘りが、彼女にあるのだろうか。
「負けるな、ダゲっち!」
「頑張って、ラルさん!」
 ぐぐぐ、と力が押し合う。先に飛びのいたのは、ダゲキだった。
 息が荒い。申し訳なさそうな顔でマリナを見るが、彼女は首を横に振る。
「気にしない! さあ、“じならし”だ!」
 その声で気を取り直したのか、ダゲキがパン! と両手を合わせた。そのまま地面に叩きつける。
 舗装されていた土のフィールドにヒビが入って行く。振動が伝わり、サーナイトの足元に襲い掛かった。
「おっとと」
 観客席にも振動が伝わって来て、ショウは慌てて椅子を掴んだ。かなりの威力だ。
「“十万ボルト”!」
 しかしサーナイトは怯むことなく、ホタルの指示に従う。両手を前に出し、青白い光の玉を作り出す。
 火花が散る。そのままダゲキに向かって投げた。
「避けて!」
「もらった! “サイコキネシス”!」
 十万ボルトが直撃したのは、ダゲキが立っていた場所。しかしそれでも、広がった火花と光が一瞬、ダゲキの目を眩ませる。
 その隙をホタルは見逃さなかった。即座にサーナイトが赤い目を光らせる。
「あ!」
 ダゲキの体を、赤い光が包み込んだ。ベールのように薄いそれは、しかし力の塊となってダゲキの体を蝕んで行く。
 痛みに唸るダゲキ。頭を抱えることもできない。
「ダゲっち!」
「そのまま地面に叩きつけて!」
 ドスン、という音と共にひび割れた地面に叩きつけられた。観客席から落胆の声が漏れる。
「終わった……かしら」
「……」
 土煙が多くて分からない。審判が様子を見に近寄ろうとする。
「……待って」
「は?」
 ホタルの表情は晴れない。逆にやられたはずのトレーナーであるマリナが、難しい顔をしてずっと地面を見つめている。そして次の瞬間、ニッと笑った。
「! ラルさん、備えて!」
「お、そ、い!」
 青い弾丸が、地面から飛び出した。そのままサーナイトの細い体に直撃する。
「“あなをほる”……か」
 至近距離からの攻撃に、よろめくサーナイト。ダゲキが後方二回転宙返りをして、態勢を整える。
 しかしサイコキネシスのダメージは、着実に溜まっているようだ。
「そろそろ決めないとね……」
「ラルさん、もう少し頑張って」
 人で言えば鳩尾の辺りにヒットしたらしい。ごほっ、と咳き込む音が聞こえた気がする。
「そろそろ双方の体力が切れるわね」
「おそらく、次の一撃で決まるでしょう」
 サーナイトが立ち上がった。

「“きしかいせい”!」

 体力が少ないほど威力の上がる技だ。先制攻撃に弱いが、“こらえる”とのコンボも使える。
 避けるかと思いきや、サーナイトは立ったままだ。目を閉じている。
 迎撃する様子も見えない。
「どうせ倒れるなら、“おきみやげ”」
 直撃すると同時に、今度は黒いオーラのような物がダゲキを包み込んだ。ガクン、と力が抜けて崩れ落ちるダゲキ。
 力が抜けた――そんな風に見える。
 サーナイトが仰向けに倒れた。審判が様子を見に行くまでもなく、旗を挙げる。
「サーナイト、戦闘不能。ダゲキの勝ち!」
 出した技がどういった効果を持つか、審判は分かっていた。そして、観客たちも。
 おきみやげは、自分を戦闘不能にするのと引き換えに、相手のあらゆる能力を二段階下げる技なのだ。
「ご苦労さま、ラルさん」
「ダゲっち、大丈夫!?」
 ふらふらになりながらも立ち上がるダゲキ。しかしその体調は芳しくない。体力だけでなく、力も出ないのだ。
「戻って休んで」
 このまま戦わせる理由は無い。マリナはダゲキをボールに戻した。
「さて、最後の一体といこうか」
「……そうだね」

 三、レイナ VS マダム・トワイライト

「……異色の組み合わせになったな」
 土竜の言葉に、キナリは頷いた。
 ポケモンバトルのトーナメント戦。第一回戦、第三試合。過去二試合はそれぞれ大番狂わせが起きて、観客は大いに盛り上がった。
 歳の差バトルと、同年代バトル。どちらも見事な戦いぶりだった。一癖二癖あるトレーナーばかりだが、皆自分の力を出し切って勝利した。
 そして、今回の試合は。
 カロス人とのハーフで、長身と端正な顔立ちが美しい女性、レイナ。
 カロス貴族の出身で、母の代わりに幼くして当主を勤める少女、トワイライト。
 偶然にも『カロス』繋がりになったこの試合。前試合から察するに、前者が遠慮するということは起きないだろう。
「あ、出て来た!」
 昌の言葉に、周りの人間がフィールドに注目する。
 赤コーナーの門から出て来たのは、レイナだ。美しい金髪を団子に纏め、余裕の顔で歩いて来る。遠目から見ても、スタイルが良いことが分かる。
 対する青コーナーからは、執事である丸眼鏡の男の傘の下。幼い当主、マダム・トワイライトが歩いて来た。
 執事連れということで観客がどよめく。審判が慌てて彼女に駆け寄った。そのまま何やら会話している。
「何だろ」
「流石に助っ人として見られても、おかしくないだろう。どうか執事には退場して欲しいって言ってるんじゃないか」
 しばらく執事と審判の会話が続いたが、マダムが何か言った途端、執事が一礼して再び門に戻って行った。傘はマダムが引き継いでいる。
 ホッとした様子の審判が台に戻った。
「――ではこれより、第三試合、レイナ選手 VS トワイライト選手の試合を始めます!」
「最初に名乗っておくわよ。あたしはレイナ。エンドウ・ソフィー・レイナよ。
――貴方、この世で一番大事な物って何だと思う?」
 突然の質問に、観客たちは顔を見合わせる。キナリも考える。いざ問われると、なかなかはっきりした答えが出ない。
 すると、前方の席から甘ったるい声がした。
「あたしはあ、やっぱりい、愛だと思うのぉ」
 うげ、という声がした。鼻につくような声だ。わざとらしいが、面倒くさいので無視する。だが、隣の彼氏と思わしき男が同調する。
「そうだよね、僕達が出会ったのは、愛のおかげだからね」
「お金なんかよりも、愛が大事だよねえ」
「答えは金よ!」
 フィールド上に思い切り響き渡った声に、観客席が凍りついた。
「世の中ね、お金なの。何をするにもお金が必要なの。愛なんて言ってる生ぬるい奴は、お金のない暮らしをしたことがないのよ!
 洗剤で髪を洗ったことがあるかしら? 賞味期限が一週間過ぎた卵を食べたことがあるかしら? 友達との誘いを断って向かうのは、タイムセール直前のスーパーマーケットよ!」
 端正な顔立ちから放たれる言葉とは、とても思えない。ふと見ると、前のカップルが縮こまっている。
「……まあ、間違ってはいないな」
「そうですね」
 しかし、ここまできっぱり言われると返す言葉が無い。
「あたしがここに来たのはね、賞金五十万円のためよ。それだけあれば、五人の兄弟達にお腹一杯食べさせてあげられるわ。母さんのマッサージ椅子だって中古だけど買えるわ。
 靴下くらいは新調できるわ」
 どれだけ酷い生活をしてるんだ……。皆そう思っているだろう。
「貴方、実家がシャトーらしいわね。きっとお金に困ったことは無いんでしょうね。
 そんな人に、あたしは絶対に負けない!」
 魂の叫びに聞こえた。こんなにみみっちい叫びも、そうそう無いだろうが。
 対するマダム・トワイライトは、扇を口に当てて何やら考えている。
「――妾はトワイライト。お主、お主の娯楽とは一体何だ」
 今度は娯楽と来た。『大切な物』に『娯楽』。ここで、何となく育ちの差が出ている気がする。多分レイナには、娯楽を楽しむ余裕なんてないだろう。
「娯楽? ……強いて言うなら、毎月の給料を全部合わせて精算することかしら」
「まあそれも一種の娯楽であろう。品はこれっぽっちもないがな」
「貧乏人に品を求めること自体、金持ちの甘い考えよね」
 二人の間で火花が散る。まだポケモンを出してすらいない。
「妾は幼い頃から、周りに連れられてあらゆる娯楽を体験して来た。カジノに芝居、乗馬にダンス。金と時間は余るほどあったからのう。
 しかし、時が経つにつれそれらに飽きて来た。どんなに楽しいことでも、長く続けば飽きてしまうものなのだ」
「……」
「妾がここにいるのは、ポケモンバトルという新しい娯楽に手を出したからだ。ポケモン同士が技をぶつけ合い、倒れるまで戦う――これほど素晴らしい娯楽は、今まで見たことが無い」
 不意に、さっきの執事が風のように現れた。ビロウド製のクッションに置かれた二つのボールを手渡し、再び風のように去って行く。
 審判が何か言おうとする前にいなくなってしまった。彼の行き場のなくなった手が、寂しく虚空を彷徨う。
「ここは良い場所じゃ。妾の地位を気にして手抜きする愚かな輩は何処にもおらぬ。
 ……お主の強さがどれほどかは分からぬが、せいぜい楽しませておくれ」
「その減らず口、すぐに叩き割ってやるわ!」
 二人がボールに手を掛けた。時間を計っていた昌が、ぼそっと呟く。
「ここまでで十分は経ってるよ」
「ま、良いんじゃねえの」
 審判がようやく旗を挙げた。
「試合開始!」
「行きなさい、ペルシアン!」
 レイナが放ったのは、毛並が美しいペルシアンだった。プライドが高く、あまり人に懐かないと言われている。
 各地方の猫ポケモンの中でも、一際育てるのが難しいとされる。ホウエンのエネコロロ、シンオウのブニャット、イッシュのレパルダス、カロスのニャオニクス。タイプも外見も様々だが、プライドの高さでは彼が一番だ。
「ほう。随分美しい毛並じゃ。社交界に持ち出しても目立つだろうに」
「さあ、早くポケモンを出しなさい!」
「せっかちじゃのう。 ……ゆけ、ニャオニクス!」
 そう言って出て来たのは、白い体のニャオニクスだった。メスだ。
 進化前のニャスパーは性別関係なく灰色の体をしているが、進化するとオスメスで色と戦闘の仕方がガラリと変わる。オスは青い体に補助系、メスは白い体に攻撃系の技を良く覚えるのだ。
「猫同士の戦いだね」
「……」
「あれ、土竜さん?」
 土竜の目は、赤コーナーのペルシアンに注がれている。
 太陽の光に照らされ、ビロウドのように輝く毛並。双眼鏡で覗いて見ると、額の宝石も綺麗な形をしているし、何より髭が整っている。耳にも怪我一つない。
 ということは、戦闘はあまりしていない、ほとんどペットとして飼われていたということだ。
 しかし……。
「キナリくん、現在のペルシアンの相場は」
「えっと……。野生では見つかることが稀なため、ニャースを捕獲して育てるのが通常のようです。しかし、あそこまで美しいとなると、ブリーダーから買ったと思われます。
 ニャース・ペルシアン専門のブリーダーは数多くいますが、その中でセレブ御用達のブリーダーから買うと、大体一匹当たり五十万から七十万はすると」
「そんなにするの!?」
 昌の悲鳴が響く。愛玩用にそんなに掛けるなんて、理解できない。
「与える餌は」
「ポケモンフーズか木の実でしょう。でも多分、市販の安い餌なんて食べないでしょうね。
 完全オーダーメイドの高級ポケモンフーズ辺りが良い所かと」
「毛並の保ち方」
「シンオウに、各地のセレブ御用達のエステサロンがあります。一番安くて五、六万くらいでしょうか」
「ストレスの溜まらない飼い方」
「元々狩猟系なので、広い場所が必要です。高い木があると、尚最高です」
 ここまで聞いて、昌も理解した。
「……維持費、払えないよね」
「どうして彼女が持っているのか、そこが疑問だ」
 三人の会話も露知らず、レイナはペルシアンに指示を出す。
「まずは能力を上げてくわよ! “つめとぎ”」
「その隙に“チャームボイス”」
「躱しなさい!」
 つめとぎをする前に、チャームボイスが放たれる。それを華麗に避け、距離を取る。
 美しい。バトルだけでなく、確実にコンテストでも通用するだろう。
 コンテストでは技の審査だけでなく、どのように技を出したり、避けたりするかも芸術点として評価される。
 このペルシアン、自分の美しさを分かっている。
「流石ね。パパに買ってもらっただけあるわ」
「……パパ?」
 そこで昌はピンときた。
「そうか。あのペルシアンは、パトロンに買ってもらったんだ」
「ああ。おそらく維持費も、彼に払ってもらっているのだろう」
 トライライトがほほう、と感心した声を上げた。外見年齢は幼く見えるが、その口調はかなり大人びている……というより、老けている。
「パトロンがいるのか」
「バイト先で知り合ったの。すごくいい人よ。彼もペルシアンが大好きで、最高に良いのを選んでくれたわ」
 ニャオニクスが態勢を立て直した。それを確認し、トワイライトが指示を出す。
「“サイコキネシス”じゃ!」
 目が光った。耳が持ち上がる。
 ニャオニクスが技を出す時の仕草だ。
「まだまだ! “かげぶんしん”!」
 直撃の瞬間、ペルシアンが分裂した。さっきゲッコウガが使っていたのよりも多い。
 周りを見渡すニャオニクス。狼狽えているようだ。
「いいわよー、すごくいいわよー! ここらで“やつあたり”ィ!」
 十五匹のペルシアンが一斉に飛びかかる。トワイライトが指示したが、怯んで動けない。どうやら、バトル慣れはあまりしていないようだ。
「愛玩用を急ピッチで育てたんだろう。足が震えている」
「え、ホント?」
 昌は双眼鏡を取り出した。しかし覗く前に、ニャオニクスが宙に舞い上がる。
 そのまま五メートルほど後方に吹っ飛んだ。
「ニャオニクス!」
 審判が駆け寄る。双眼鏡で様子を確認すると、伸びていた。
「ニャオニクス、戦闘不能! ペルシアンの勝ち!」
 トワイライトが頭を抱え、ボールに戻す。しかし労いの言葉は忘れない。一方レイナはペルシアンに何かを上げている。
「ポロック……みたいだ。金色」
「あれも御用達か」
「さっきの“やつあたり”の威力といい、懐かれてはいないようだな」
 やつあたりは、そのポケモンが懐いていないほど威力が上がる技だ。その反対のおんがえしは、懐いていればいるほど威力が上がる。
「さ、次もいくわよ」
「ふむ……。やはりポケモンバトルは奥が深い。即席のパートナー同士に負けるとはのう」
 負けて悔しがっている様子は見られない。むしろ楽しんでいるようにも見える。
「だが、やはりポケモンとの信頼感が勝利の鍵となることもある。今からそれを使って、お主を倒してみせよう」
 トワイライトがボールを取り出した。

「バトルじゃ」


 四、キナリ VS ミドリ

 キナリが首を動かした。バキッ、という耳を塞ぎたくなるような音がする。しかし逆に今の彼にはその音が心地よかった。健康に悪いとは分かっているが。
 何を考えているか分かりにくい彼も、緊張はする。特に大舞台に出るのは久々だったため、肩に力が入ってしまったらしい。
 遠くに緑色の人影が、同じく緊張を解すためにストレッチをしている姿が見える。カードを思い出す。歳は十六で、自分より一つ年下の少女だった。
 カードにはジャローダ、ブルンゲル、フリージオの三体の名前があった。カードに記載されるのは三体だけなので、もっと所持しているかもしれない。
 出身地はイッシュ地方、ヒウンシティらしいが、現在はカロス地方、ミアレシティになっている。
「――準備はよろしいですか?」
 審判が話しかけて来た。頷くと彼が叫ぶ。
「これよりCブロック第一試合、カントー地方、トキワシティのキナリ対、カロス地方、ミアレシティのミドリによる対戦を始めます!」
 ちらりとホルダーを見る。ボールがカタカタと揺れている。早く出せ。タイプ相性なんて知ったこっちゃない。相手を黒焦げにしてくれる。
 付き合いが長いので、大体のことは分かる。荒っぽいのをどうにかしないといけないが、どうにもならない。
「試合、開始!」
「行きますよ、ジャローダ!」
 育ちの良さが分かる投げ方だった。気合いは入っているが、あくまでその動きは静かだ。出て来たのは緑色の大蛇だった。イッシュの御三家、草タイプ。ツタージャの最終進化形。
 イッシュには珍しいポケモンが多数生息しているという。カントーとは全く違った進化を遂げたようだ。
 最近は生態系も変化し、他地方のポケモンも見られるようになってきたようだが。
 いい加減ボールがうるさい。特に一番端。
「ちょっと黙ってろ」
 少し叩くと大人しくなった。キナリは真ん中のボールを投げた。
真っ黒な鬣。金色に輝く目。長くて立派な尻尾。
自分の大きさをアピールするかのように、それは雄叫びを上げた。
「レントラーだ!」
 最前列にいた子供達から歓声が上がる。当の本人は、相手を見据えたまま牙を剥きだしている。
 ジャローダは見下すような態度を隠さない。別段気にしていない。馬鹿にする相手かどうかは、自分がきちんと分かっているはずだ。
「ジャローダ、“へびにらみ”です!」
 相手を麻痺させ、先手を取る作戦だろう。だが、そうはいかない。
「躱して“こおりのキバ”」
 へびにらみを難なく躱し、レントラーはフィールドを駆ける。普通のレントラーよりも大きい体格をしているのに、その素早さは目を見張る物がある。
 “へびにらみ”を躱され、指示を待つジャローダ。ミドリが叫んだ。
「“リフレクター”!」
 ジャローダの周囲に、青色の丸い壁のような物が出現した。直撃は避けられない。ならばさめて、ダメージを軽減させようと張ったのだろう。
 レントラーは怯まない。そのまま突撃した。冷気を纏った牙を、“リフレクター”に叩きつける。
「“ほうでん”!」
 大きな鬣を震わせ、レントラーが放電した。金色の稲光が、フィールド中に網目のように広がっていく。
 あまりの眩しさに、観客が目を瞑った。ミドリも頭に付けていたゴーグルを、目元まで持って来る。
 ものすごい威力だ。
「ジャローダ、“リーフストーム”!」
 しかし彼女も怯まない。そして、彼女のポケモンも。
 耐えていたジャローダの目が開いた。纏っていたリフレクターごと、レントラーを吹き飛ばす。巨大な葉の竜巻が、レントラーを閉じ込めた。
 そのまま三十秒ほど、竜巻は空中に留まっていた。キナリは指示を出さず、そのまま見つめている。
 やがて威力が落ち、風が止み、中にいたレントラーがフィールドに墜落した。
「……」
 誰もが戦闘不能になったと思った。しかし、地面に激突して数秒後、レントラーは立ち上がった。
 ふらふらの体で。荒い息を吐きながら、必死で。
「……随分と冷たいんですね」
 ミドリが呟いた。キナリが何のことだ、と返す。
「自分のポケモンが、技を受けているんですよ。あの時、脱出しようと思えばできたはずです。それに、技を食らう直前も、回避できた可能性はある。
 私が見る限り、貴方のレントラーは強い。さっきの“ほうでん”、今まで見たことがない威力でした」
「だからどうした」
「どう、って……」
 土煙が晴れてきた。
「自分のポケモンなんですよ!? 愛情を持って育てるのが、当たり前でしょう!?」
「お喋りはそこまでだ」
 レントラーが大きく息を吐いた。振り返り、キナリを見る。
 その金色の目を見たキナリが、頷いた。
「俺だって、ポケモンに愛情を持って育ててる。でも、お前の言う“愛情”が俺の言う“愛情”と同じとは限らない。そして、ポケモンが求める“愛情”かどうかもな」
「何を……言ってるんですか」
「“エレキフィールド”」
 バチッ、という音がしてミドリは手を見た。冬によく感じる、あの感触。髪がふわりと浮きあがり、妙な不快感が全身を包み込む。
 ジャローダが慌てたように後ずさる。しかし、既にその技の効果はフィールド全体を包み込んでいた。
「“エレキフィールド”は、少しの間ポケモンを眠り状態から回避させる技だ。効果は全体に影響する。
 そして、もう一つ」
 ミドリはハッとした。目の前のレントラーが、一回り大きくなったように見えたのだ。いや、そんなことはあり得ない。そんな一瞬で成長したように見えるなど……。
「その効果が消えるまで、電気タイプの技の威力は一,五倍になる」
「!」
「真面目だな、アンタ。真面目すぎて、むず痒くなってくる」
「ジャローダ、落ち着いて……」
「悪いな」

「“ボルトチェンジ”」

 レントラーが動いた。まるで黒い風のようだ。
 ミドリが気付いた時には、ジャローダの太い腹部から上が後ろにつんのめっていた。
 キナリがボールを前に出す。攻撃を終えたレントラーは、そのままボールに戻って行った。
「ジャローダ!」
 その瞬間、静電気のような状態が消えた。審判が前に出る。
「ジャローダ、戦闘不能! レントラーの勝ち!」
 ミドリが項垂れながら、ジャローダをボールに戻す。
 震えが止まらない。負けたことではなくて、あのレントラーに。
 何が何でも勝つ、という気持ちがビシビシ伝わって来た。痛いくらいに。そして、その指示を出しているのがトレーナーではなく、ポケモン自身の意志だということも。
「あの……次のポケモンを」
「……はい」
 ミドリは相手を見つめた。言いようのない不安が、胸中を支配していった。
 


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