マサラのポケモン図書館 カフェラウンジ
このフォームからは投稿できません。
name
e-mail
url
subject
comment

[新規順タイトル表示] [ツリー表示] [新着順記事] [留意事項] [ワード検索] [過去ログ] [管理用]

  [No.4063] ロズジャラ 投稿者:αkuro   投稿日:2018/02/09(Fri) 00:01:17   73clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

※あきはばら博士さん発案のバトル描写書き合い会にインスピレーションを受け勝手に書いた物です。企画のレギュレーションには全く従っていません。悪しからず。
 
 
 
 
 
 ふわりと香った甘い妖しさ。
 それに気付いた時には既に身動きが取れなくなっていた。
 しゅるりと鱗に蔓が這い。
 しゃらりと擦れて音が鳴る。
 拘束されている。微かな笑い声に見下ろすと、挑発的にこちらを見上げるロズレイドがいた。尻尾を振るとひらりと身をかわされる。
「なんだ貴様は」
「……やっと捕まえた」
 鱗を掻き分けた蔓が深く絡み付く。じわじわと何かが染み込む感覚に、くらりとした。毒か。逃れようともがくが、余計に刺が深く刺さり込み、喉奥で呻く。
「逃げようとしても無駄だよ。君を捕まえるために鍛えたんだから」
「お前は、何者だ」
「えー、僕のこと覚えてないの? 残念だなあ」
 ロズレイドの瞳に失望の色が宿り、奴はそのまま赤い手を空に向けた。青い手からは次々と蔓が伸び、拘束を更に強める。早く抜け出さなければ。しかしただもがくのは逆効果だ。
「ぐ、うぁっ!?」
 じりじりと、炙られるように熱い。頭上にはいくつもの火の玉が生まれ、まさしく自分を炙っていた。ウェザーボールか。
「っ、ぅ」
「ははっ……君のそんな顔が見たかったんだ」
 楽しそうなロズレイドの声と、熱と、毒が思考を鈍らせる。
 意識を失いかけた時、微かに草木が焦げる匂いがした。
 ――今だ。
 全身を大きく震わせ、脆くなった蔓を引きちぎる。その衝撃に吹き飛ばされたロズレイドは、後方に軽やかに着地した。
「へぇ、僕の毒を受けたのに、まだそんなに動けるんだ。やっぱり君は凄いなぁ」
 今が好機だ、反撃を――。
「……がっ、ぁ……」
 その場に崩れ落ちる。動けそうにない。思ったより体力を消耗していたようだ。
「卑怯だぞ……戦いなら、堂々と……」
「戦い? 僕はそんなことしないよ。ただ、君が欲しいだけ」
 
 再び蔓が絡み付くのを感じながら、ジャラランガの意識は闇に堕ちていった。


- 以下のフォームから自分の投稿記事を修正・削除することができます -
処理 記事No 削除キー