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  [No.4113] Re: 第三回 バトル描写書き合い会 投稿者:P   投稿日:2019/03/04(Mon) 20:39:24   88clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

お早いスレ立てたいへんありがたく! バチュルVSオーダイルのカードです

――――

 「くっつきポケモン」の名前の通り、キキョウのトレーナースクールへ行く時も帰りの道でもバチュルはいつも僕の頭の上にくっついている。その黄色い身体が目に入ると、ポッポやホーホーはそれだけで逃げていく。一度イトマルと間違われたのか食べられそうになっていたけれど、得意の電気を帯びた糸で撃退したらそれきり近寄ってこなくなった。
 そのいつもの重みが、ふっと頭の上から消える。
「バチュル?」
 名前を呼んで辺りを見回しても、夕暮れの今じゃ暗くてさっぱりわからない。街灯もそれほどたくさんは立っていない道だ。おまけにバチュルは小さい。今見つかっている800種類以上のポケモンの中でも一番と聞いた時はずいぶんびっくりした。
 だから見つける手がかりになったのは、普段から聞いている鳴き声だ。ジジッと、虫の羽音と電気の走る音の間くらいの。それが丁度後ろの方から聞こえてきたから、慌てて振り返る。
「もう、どうしたんだよ! ほら、急いで帰るぞ!」
 ただでさえもう暗くなっている。今からきちんと帰ってさえ、ヨシノの家に着く頃にはとっぷり日が暮れて母さんのガミガミが待ってるに決まっているのに。そりゃあうっかり宿題を家に忘れて居残り授業になった僕が悪いんだけど。
 そう思って呼んでもバチュルは寄ってこない。それどころか、後ずさってそのまま逃げてしまった。あの黄色は暗い中ではよく目立っていて、点みたいな身体が木の上目がけて一目散に登っていくのだけがよく見えた。
 うっかり潰してしまったらと思うと他のポケモンみたいに飛びついて捕まえるなんてこともできないし、何よりもうバチュルは木の上だ。普通のポケモンならボールに戻せば済むところだけど、バチュルは無理矢理ボールに入れると後々すごい勢いで怒る。前にやった時は家のコンセントをショートさせて停電になり、家族中が大騒ぎになった。
 そうじゃない時は本当に大人しくて穏やかだし無理矢理じゃないならボールにも入ってくれる。タマゴのうちから家にいたから、一緒に暮らす方法をちゃんと分かっているのだ。突然変なことをして困らせるようなやつじゃないはずなのに。
「バーチュールー!!」
 こっちも苛立ってきて、大声で名前を呼ぶ。バチュルは出てこない。こんなことをしていたら本当に夜になってしまう。ただでさえもう太陽は地平線の向こうに半分以上隠れていて、真っ暗闇になるまでそんなに時間はないのに。
 木の上に隠れたポケモンを落とすには揺らすのがいいらしい。ポケモンの頭突きが一番いいらしいけど、人間が揺らしてもバチュルくらいなら。
 そう真剣に考えていたところに、びちゃびちゃと水の音がする。もちろん木とはまったく違う方向から。木から一旦視線を外してさっき音が聞こえた方向に顔を向ければ、そこには通り過ぎようとしていた池があった。そこから、何か大きなものが顔を出している。
 ポケモン、だろう。人はあんなに大きくないし、そもそも頭に真っ赤なトサカなんて生えていない。シルエットだけでもそれが人じゃないのだとはっきりわかる。
 だけどぱっと見て、それが一体何なのかはわからなかった。全身を見たら、そうじゃなくてもせめてもっと明るければまた違っただろう。でもその段階でわかったのは見慣れないやつということだけだ。
 ただそれだけでも、十分焦る理由にはなる。見慣れているポケモンだろうとこちらもポケモンがいないと危険で、知らないポケモンならもっと危ない。
 幸運なのはどうも、素早そうなポケモンではなさそうだということくらいだった。水中から顔を上げるその動きを見ているだけでもいかにものっそりとしていて、感じとしてはヌオーに近い。ヌオーだったとしてもバチュルはうまく相手ができないだろうし、そもそもシルエットが全然違うから別のポケモンだろうし、そっとしておくに越したことはないのだけど。
 木の上のバチュルに視線を戻して、ほらほらと水から上がってくるポケモンを指す。
 お前がいないと困るんだって。ほら一緒に帰ろう。そんな心の声はやっぱり、エスパータイプでもないバチュルにはわからないみたいだった。まったく反応もなく、僕は困ってまた大きなポケモンの方を向いた。一歩木の方に後ずさりながら。
 ごつごつした強そうな手が池の縁に置かれて、あれが地上へ上がろうとしているのがわかった。その動きもかなりゆっくりで、それを見ながら僕はいざとなったらバチュルを置いて走って逃げようという決心を固める。ヨシノへ帰るならまだまだ遠いけど、キキョウに引き返すなら思いっきり走ればギリギリ大丈夫かもしれない。ポケモンを置いていって大丈夫なのかとか、その後どうするかは考えられないけど。
 そう思っていた矢先に、ゴロロロ、とでも言うような。バチュルが走らせる電気よりももっともっと強い、雷みたいな音がして。

「えっ、」

 本当に電気――バチュルを怒らせた時にもらう感じのバチッとしたやつが身体に走って、

「は、」

 僕はちょっと宙に浮いて、

「――――!!!」

 その下を、弾丸みたいにあのポケモンがすり抜けていった。








 バクバクうるさい心臓のあたりを押さえながら、木の上でバチュルとともに息を潜める。巣を作っていたらしいホーホーがばたばたと飛び立って逃げていくのを振り返る余裕はなかった。
 バチュルがとっさに糸でここまで吊り上げてくれなかったらとっくに死んでいただろう。それかバチュルは、こいつがいることにもう気付いていたのかもしれない。突然頭の上から逃げ出したあの時から。
 ここから相手の全身を見てようやく、それが何なのか理解する。オーダイル、おおあごポケモン。
 このジョウト地方で最初にもらうポケモンの一つ、ワニノコの最終進化形。何にでも噛みつくワニノコよりももっと凶暴で、進化している分力も強いこと。元々水の中のポケモンなので地上では這って動くこと。這って動いていても、脚の力が強いから実はものすごく動きが速いこと。トレーナーが連れているとむしろ這っていることの方が多いけど、本来の姿ということで図鑑のイラストとしては立って描かれることが多いこと。
 全部、スクールで読んだポケモン図鑑に書いてある通りだった。
 例えばこれが先輩トレーナーの連れているオーダイルだったら、怖々しながら眺めて図鑑に書いてある通りに動くことにびっくりしたり感動したりしただろう。でも今この木の真下できょろきょろしているのは、まぎれもなく僕達を探して喰おうとしている凶暴な、野生のポケモンだ。
 野生のオーダイルの生息地はもうこの地方にはないはずだ。これも図鑑で見た知識でしかないけれど、こんなのがたくさん棲んでいたらポケモンだって怖くてそこには棲めないだろう。自分が同じくらい強いわけでもない限り。
 でもオーダイルは間違いなく目の前にいて、見ている限りトレーナーどころか、周りには人っ子一人見当たらない。こんな時間に、しかも野生のポケモンがいる郊外を通る人はほとんどいないのだ。
 暗くならないうちに早く帰ってきなさい、なんてお母さんがガミガミ言っていたけれど、意味を分かった頃には遅いのだ。実物を見てからわかるポケモン図鑑の文章がそうなのと同じように。
 見下ろす先のオーダイルは、獲物が突然どこかへ行ってしまってきょろきょろと辺りを見回している。丁度さっきバチュルを探していた僕を上から見ればこんな感じだろうか。
 どうかこのまま諦めてどこかに行ってくれ――探される側になった僕の必死の祈りが、まるで声になって聞こえたかのように。暗い中でぎらりと光るオーダイルの目と、僕の目が合う。
 ……気付かれた!!
 震えたのは僕だけじゃない、木も同じだった。あのごつごつした前脚が力任せに思いっきり木を殴りつけて、ミシミシと音を立てて木が揺れる。バチュルの糸が帯びていた電気で痺れる両腕に思いっきり力を込めて揺れをこらえる。
 僕の頭から胸元に居場所を移していたバチュルも、同じく服にぐっと爪を食い込ませて落ちないように耐える。少しの間なかっただけの固い爪の感触は、嬉しいけれど頼りきれるものでもない。
『旅先で危険なポケモンに出会ったら、すぐに逃げなさい。そういう時に逃げることは恥ずかしいことでも何でもない。
 ポケモンは時に人を殺しうる。トレーナーの監督がない、野生で生きてきたポケモンならなおさらだ。
 命あっての物種! ちゃんと君たちと手持ちのポケモンが生きていられることの方が、かっこいいことや強いことよりずっと大切だ』
 いつかの授業の時に先生が言っていた言葉も同じように。
 これを聞いたその時は、ただ単純にそうなんだと思った。全然他人事で、むしろここまではっきり言い切ってしまうことの方にびっくりした。野生のポケモンとどんどん戦って自分の手持ちを強くすることは、旅するトレーナーには欠かせないことだと思っていたからだ。
 でもこんな状況になったら、逃げる方が先だなんて言われなくたってわかる。ただそれと、実際に逃げられるかどうかは全然別の話だ。
 オーダイルは完全に僕を見つけてしまっていて、木を登ってこそ来ないものの今も二打三打とあの大きな脚と太い爪を木に叩きつけ続けている。ここから諦めて帰ってくれるなんてことはまず有り得ない。バチュルの糸で縛って動けなくしようとしても、あの力ならラクラク糸を引きちぎってしまうだろう。動けなくしてその間に逃げる、ということもできない。
 なら最後の手段は、バトルだ。普段この辺りにいる野生のポケモン相手にやっているように、あのオーダイルを負かすこと。
 相手は水タイプだから、電気タイプのバチュルなら有利。そう相性だけで考えられるほどこちらが強いとはどうしても思えなかった。
 もし立ち上がったら、あのオーダイルは僕よりももっと大きいだろう。実際に並ばなくても見ただけで分かってしまうほどその差ははっきりしていた。そして頼りのバチュルは僕の頭に載ってしまうほど小さくて、僕でもたまに潰してしまいそうになるのだ。あんな大きなポケモンと戦わせるなんてトレーナー同士のバトルなら絶対やらないだろう。手加減さえできないかもしれないからだ。
 でも今は、バチュルに戦ってもらわないと話にならない。この小さな家族の一員があの大きな脚に潰されてしまうかもしれなくても、あの大顎で丸飲みにされてしまうかもしれなくても。
「……頼む」
 ジジッ、とバチュルが小さく鳴いた。きっとバチュルもこの状況を分かってくれている。そう信じるしかなかった。
 今の状況でいいことを数えるとするなら、まず僕のカバンとその中身は無事なこと。僕がついていてやれる限り、あるだけの道具を使うことができる。そしてバチュルがものすごく小さくてあんなに大きなポケモンに勝てなさそうに見えるのも、もしかしたらそうなのかもしれない。
 バトルはする。オーダイルを負かさないときっと僕たちは生きて帰れない。ただそれは、相手を倒すことじゃなくてもたぶんいい。逃げ出すくらいまでダメージを与えて、喰うのを諦めさせれば僕らの勝ちだ。そう考えるなら、元々強そうに見えるより豆粒みたいな相手が実は強い、という方がびっくりして逃げ出す確率は高いかもしれない。
 僕がするのは、しなきゃいけないのは、その「実は強い」を本当にすることだ。どうやって? どうやったって!
 両足を太い幹にしっかり絡めて、落ちないようにカバンを自分とお腹の間に挟みそのまま開ける。胸元のくっつきポケモンの背中越しに見るカバンの中身は暗さでよく見えなくて不安が募る。体勢のせいでオーダイルが木を殴る衝撃がどすんと、まるで自分が殴られているようにダイレクトに感じるのもそうだ。
 ぼやけてきた視界を一度拭って、輪郭しかわからないカバンの中をもう一度見てみる。ノートも参考書も空のモンスターボールも、今はオーダイルを怒らせることくらいにしか使えない。
 役に立ちそうなのはきずぐすりのスプレー、それに。
「! バチュル!」
 小さな声で呼ぶと、バチュルはするするとカバンの方へ下りていった。カバンの中に手を突っ込んで、目的のものを掴んで両手で開ける。
 カプセル状になった容器の中に粒タイプの薬がたくさん入った、ポケモンの能力を一時的に上げるアイテム。スペシャルアップ、ヨクアタール、プラスパワー、種類によって色々な名前がついた薬品。作っている会社の人が来て授業をした時におまけとしてもらったものだった。
 パッケージは明るい水色。それが何の能力を上げるんだったか思い出せない。でもきっとどれでも、今使わないよりはずっとマシなはずだ。
 揺れる木の上、そのカバンの中でバチュルは薬を少しずつ食べているようだった。オーダイルみたいな大きなポケモンならカプセルごと丸飲みにできそうな薬でも、バチュルには一粒一粒が抱えて食べるほどもある。どうしてもかかってしまうその時間がたまらなくもどかしい。
 オーダイルは疲れる様子を見せずに、まだ木を叩き続けている。揺れでちぎれた葉がカバンの中にも何枚か入り込んできていた。それに幹にずっと近いこの体勢は、聞こえたくないものまで聞こえてしまう。ゴロゴロという雷のような、待ち構えるオーダイルのうなり声。ミシミシと木にひびの入る音。きっともう、いつこの木が折れたっておかしくないのに。
「ヂュッ」
 そんな状況の中なのに、一鳴きしたバチュルの声が意外なくらいはっきり耳に入った。カバンの中から素早く駆け上ってきて、あっという間に頭の上まで進んでしまう。その重みがまた消える。それで頭のてっぺんに意識を向けたその時ふと、いやに静かになったことに気付いたのだ。いろんな音が聞こえ続けていたさっきからすると、どう考えてもおかしいくらいに。
 感じるのはふっと浮くような感覚。風も振動もないのに動いた葉が頬に当たる。自分の身体の真ん中が傾く感じ。
 いや、今しがみついている幹が。その、根元から、傾いていて。
 風を切ってどんどん加速していく中でもう折れてる幹を離せなくてただめちゃくちゃに身体に力を入れてしがみついても何の意味もなくてだってもうこの木は折れてて下にはあいつが    あいつが
 
 
「うわあ――――っ!!!!」
 
 
 上げたとも気がつかなかった自分の声は、木の葉が立てるバサバサという音と一緒に耳に入ってきた。思いっきり打ちつけた背中がズキズキ痛んでいて、目をぐっと瞑ってその痛みに耐える。
 痛みが音と一緒に降って湧いたのと同じように、瞼の裏の真っ暗なところから引き戻されたのも音のせいだった。ただそれはオーダイルのうなり声でも、牙をガチガチ慣らす音でも、何かを噛んでいる音でもない。
 ジジジジジジジジと続く、ものすごくうるさい虫の羽音。夏休みにホウエンへ行った時に聞いたテッカニンの羽音と火花のバチバチを混ぜたようなその音を、僕はよく知っている。
 バチュルだ。いつもバトルで上げている、庭で練習して家族にうるさいって怒られる、いやなおと。それを思いっきり鳴らしているんだ!
 目を開けても空は真っ暗で何も見えない。散らばった枝と葉っぱの上に手をついて起き上がろうとして、肩と肘に痛みが走って思わず体勢を崩しまた寝転がる。その間も音は鳴り止まない。大きなものが大地を踏み締める、どすん、という衝撃が地面を伝わるのを感じる。
 オーダイルだ。そうだ、起きないと。動かないでいたら喰われてしまう。僕かバチュルか、それかどっちもが。
 逆の腕を怖々とついてみる。大丈夫だ。最初思ったとは逆の方へ、バチュルの立てる音に背を向ける形で身体を起こして、それから振り返る。
 大きな影は完全に僕に背を向けているようで、まず目に入ったのはこちらを向いた太い尻尾だ。いやなおとは僕からゆっくりと遠ざかっているようだった。それを追いかけているオーダイルも同じように。
 オーダイルは音がよっぽど気に入らないみたいで、こっちに振り返る素振りなんて全然ない。僕のことなんか完全に忘れてしまったようで、水辺から上がった時のようにのっそりと、じりじりとバチュルの方へ近づいている。僕にも姿が見えない、どこにいるかは音でしかわからない、それくらい小さなポケモンの方へ。
 その様子を見て、ひとつ思い浮かんだことがあった――今なら、追いかけてこないんじゃないか。薬も使ったけれど、相手を逃がせば勝ちだけれど、やっぱり他のトレーナーを頼った方がいいんじゃないか。
 僕だけでもキキョウへ走って戻って応援を呼んでくる。ポケモンセンターには誰かしらトレーナーがいるはずだし、先生たちだってポケモンを持っている。あのオーダイルに勝てるような人がいるかはわからないけど、もしいなさそうなら何人でも呼んでくればいい。
 向かい合う二匹を見て改めて感じた。やっぱりこんなの無茶だ。バチュル一匹で勝てるわけない。もし野生のバチュルが群れで立ち向かったら勝てるかもしれないけど、一匹で戦う相手じゃない。
 そんな思いで一歩、足を引く。尻尾はまだこちらを向いている。二匹はにらみ合いを続けている。何も気付かれていない。それが安心の材料になって、背を向ける。
 二匹の姿が見えなくなって、視線の先には道。なだらかに登っていった先に遠く、街の入り口ゲートに灯る明かりが見える。
 あとはそのまま掛け出してしまうだけだ。走るために力を入れて、腕を振る。肩と肘がずきりと痛んだ。でも、動けるくらいの痛みだった。
 そう思うと、自然と足が止まっていた。それは痛いからじゃなかった。
 バチュルは、動けるくらいの痛みで済むんだろうか。
 生まれてからずっと人間と一緒にいたポケモン。野生で暮らしたことがない、タマゴ生まれのポケモン。
 野生のポケモンはものによってはあんなに凶暴で、トレーナーのいるポケモンみたいに手加減なんかしてくれない。もちろん戦ったことはあるけど、こんなに強くて容赦がないのと戦ったのは初めてだ。
 もしもバチュルが一回でも攻撃されることがあったら、その時はケガだけじゃ済まないかもしれない。今の僕と違って動けなくなってしまうかもしれない。
 そうしたら、トレーナーを呼んでも意味なんかなくなるだろう。
 先生だって言っていた。『ちゃんと僕たちと手持ちのポケモンが生きていられることの方が大切だ』。ポケモンとトレーナーは、セットなんだ。
 帰ってきたここに潰れたバチュルがいたら。それかバチュルが、これっきり見つからなかったら。
 そんなのは嫌だ。絶対に嫌だ。
 そう決心して、脚に力を込めてぐるりと振り返る。前方から聞こえてくるジジジジ音はもっと遠ざかっている。オーダイルの影が少し小さくなったように見えるのは気のせいじゃなさそうだ。
 万一でもオーダイルに気付かれないように、でもバチュルをひとりにしておく時間ができるだけ短くなるように。足音を抑えた大股で、できるだけ早く。
 そうして近づいた先で。前触れもなく、大きな影が跳ぶ。
「バチュル!!」
 思わずそう叫んでしまったのは、それが僕の方に向かっているんじゃなかったからだ。図鑑で読んだ、後ろ脚で地面を蹴って前へ跳ぶ動き。水辺から上がってきて僕を狙った時の動きを、もう一度目の当たりにすることになる。
 息を呑んだのは、叫んでしまった――僕がいることを教えてしまったのに気付いた後。そして、あのジャンプに合わせて一度乱れ途切れたいやなおとがまた始まったことに気付いた後。
 大丈夫。バチュルは大丈夫だ。どうやって助かったのかはともかく、まだ戦える状態ではある。心配しなきゃいけないのは僕自身の方だ。
 尻尾だけが見えていたオーダイルのシルエットがゆっくりと立ち上がり、横顔になる。長く伸びた顎が大きく開いて、闇の中に浮かぶのはずらりと揃った真っ白で長い牙。光る眼がぎょろりと横目で僕を見る。
 それだけで全身が強張った。見せつけられたそれにかみ砕かれる想像が頭を離れなくなって、まだ起きてもいない痛みと恐怖に震える。
「あ……ああ…………」
 目を見開いたまま動けなくなる僕を現実に引き戻したのは、暗くなった中に走る光だった。
 まるで首輪をつけたみたいに、目の前にある巨体の首回りに細い光の筋が走る。同時にオーダイルは叫び声を上げて、爪で首元をガリガリ掻きむしる。
 それがバチュルの得意な電気を帯びた糸だと分かった時、僕はとっさにオーダイルの顎が向いているのと逆の方向へ地面を蹴った。そのまま大ワニの横を大きく回り込んで、その巨体の向こう側をようやく覗き込む。真っ暗な中で草むらの一箇所が小さく光っていて、ようやくバチュルのいるところが分かった。
 バチュルだってあの小さな身体で必死に戦っている。いや、木が折れてからずっとひとりで戦ってくれていた。なのにそれよりずっと大きい僕が怖がってどうするんだ。バチュルはもっと怖いかもしれないのに。
 邪魔が入ったせいかオーダイルは僕がいた方に振り向くのを諦めて、再びバチュルと向き直る。ガチガチと顎を開け閉めして牙を鳴らす様子は今にもお前を喰ってやるぞと言わんばかりだ。そのまま低く構えて前脚を大きく振り回し、鋭い爪が草むらを刈り取っていく。
 ずん、ずん、と太い後ろ脚が地面を踏み締める度バチュルとの距離は縮まっていって、隠れている草むらそのものが小さくなる。にもかかわらずバチュルは動かない。
 何やってるんだよ、と言いそうになった時、見つめる先の光る点はようやく動き出した。その光が残像になって残ったかと思うくらいの、普通じゃ考えられないくらいの速さで。苅られに苅られて小さくなった草むらを一目散に出て行って、僕のいる方にある違う草むらに収まる。
 糸をどこかに絡めて飛び移るならともかく、バチュルはあんなに早く動けないはずだ。でもさっきの動きからすると間違いなくバチュルは地面を歩いている。それを目の当たりにしてすぐにはその原因を思いつかなかったけれど、振り返ってみれば原因なんてひとつしかない。
 木の上でバチュルに食べさせた、あの薬だ。
 あれはポケモンの素早さを上げる薬だったんだろう。ちょっと前にオーダイルのジャンプ攻撃を避けたのも、この速さがあったからに違いない。
 起こったことにようやく納得しながら、足元から視線を上げる。少し離れた大きな影はまたも緩慢な動きで方向を変え、こちらを向こうとしている最中だった。真っ直ぐ飛びかかってくる時はあんなに速かったのにと思ったが、逆だ。あいつが速く動けるのは、真っ直ぐに進む時だけなのだ。
 ならバチュルのスピードでぐるぐる周りを動きながら戦うか。いや、僕があの速度についていけない。あいつがバチュルを追いかけるのに飽きた瞬間、それか僕がついていけないのがバレた瞬間、僕の方が狙われて食べられてしまう。
 この速さを使って逃げるのもたぶん同じことになる。それにもうオーダイルは完全に僕たちをロックオンしていて、逃げようが何だろうが追いかけてくるに違いない。そのままキキョウの入り口ゲートに突っ込んだら大変なことになってしまう。
 そう考えている間に、もう大顎はこっちを向き終えていた。その巨体が身を縮めたのを見た瞬間、同じ事をする。
 両足で強く地面を蹴って横っ飛び。大きなものが飛び込んでくる音がしたのは、僕が草むらに突っ込むよりも前だった。うまく地面に手がつけなくて、今度は木から落ちる時打ったのと逆の肩が強く痛んだ。
 痛みに耐えて両肘をつき、少しだけ身体を起こす。そのまま首だけ動かして元来た方を見る。
 この体勢で見ると草が邪魔をして、バチュルが無事かどうかまでははっきりわからなかった。けれどオーダイルの、それも高さからして四つん這いになっている姿は遠く見える。
 見えなくても、バチュルはいるはずだ。大丈夫なはずだ。一度、同じ動きを避けているんだから。
 息を吸い込むだけで広がった胸が痛い。でも吸い込まないと、バチュルに声が聞こえないんだ。

「バチュル! あいつの背中に飛び移れ!」

 それはあの低い姿勢を見て、そして自分も同じ姿勢になってみて、とっさに思いついたことだった。
 バチュルのジャンプ力は身体の大きさからするととんでもないものだ。バチュルの何倍も大きい僕の頭にだって、机からなら当たり前に飛び上がって乗ってしまうほど。
 だから四つ脚になった相手の背中に飛び乗るくらいなんでもないだろう。それに、今のバチュルは普段の何倍も速いんだから邪魔だってできないはずだ。
 視線の先で飛び跳ねる小さな光の点が見えた。それは難なくオーダイルの背中に着地しそこにあるトサカをするする登り先っぽにしがみついて、その真っ赤な色を明るく照らし出す。
 嫌いな電気を出すものにへばりつかれて、オーダイルは目に見えて慌てていた。表情が見えなくてもその動きだけを見ていれば難なく分かるくらいに。身体を何度も大きく揺すり、それで落ちないと分かれば腕を大きく後ろに引いて何とか邪魔なものを落とそうとしている。でも腕や肘のつくりのせいなのか、どう見てもそこに手は届きそうになかった。
 チャンスは今しかない。もう一度大きく息を吸い込んで、ひときわ声を張り上げる。
「腕めがけて『エレキネット』!」
 聞こえるが早いか、光る点からぶわっともう一個の光が撃ち出される。見る間にそれは広がって、それを出した点をまるごと包み込めるほど大きくなる。それは何とか背中に向けようとしていたオーダイルの片腕に絡みついて、またそこに張り付く。
 ねばねばした上に電気と一緒の取れない糸が増えて、オーダイルはどう見てもカンカンに怒っていた。蚊に刺された時みたいにもう片方の腕で糸がついた辺りをガリガリ引っ掻いて、それでも足りないようで腕を力任せに近くの地面へこすりつけて、何とか糸を取ろうとしている。もうどう見たってバチュルどころじゃない。
 そろそろ逃げられるかとも思ったけれど、考え直す。オーダイルはまだまだあれだけ暴れられるほど元気なのだ。ここで逃げたらやっぱり追いかけてくるだろう。
 もう一箇所。もう一箇所に電気を。できれば絶対に動いてほしくない、それにオーダイル自身も危ないと思うところ。
 ガチガチと動いていた顎や牙、それにあの超スピードの出せる後ろ脚。もし当たれば一撃で引き裂いてしまいそうな鋭い爪。思い浮かぶ可能性を消していく。そこを狙えば逆にバチュルがやられてしまうかもしれない。
 その心配がないところ。そしてこの体勢で狙いやすいところ。
「頭の方に移動して、あいつの目を固めるんだ!」
 叫んだその指示に抵抗がなかったかと言うとそんなわけはない。もしこれがトレーナー同士のバトルなら絶対に出さない命令だ。でも今はそうじゃない。トレーナーがいたならあいつは僕たちを喰い殺そうなんて考えないだろう。それと同じだ。
 バチュルの動きにも迷ったようなところは全然なかった。トサカから背中へ駆け下りて、そのまま素早く頭の方へ向かう。頭のトサカの谷へしがみついて、さっきと同じようにもうひとつの光点を生み出し、放つ。
 グオオオオオと地鳴りのようなオーダイルの叫び声。伝わる振動は大きな後ろ脚で踏む地団駄だろうか。その様子をもっとはっきり見るために、力を込めて上半身を起こし、立ち上がる。全身のケガから伝わる痛みのせいで滲んでくる涙を汚れた袖で拭う。
 そこで目に入ったのは、大暴れしている巨体だった。
 オーダイルはぶんぶんと強く頭を振り回して、その上にいるバチュルを振り落とそうとしている。その揺れ具合は背中にいるのを落とそうとしていた時とは段違いで、頭へ移ったのはまったくの間違いだったと僕に教えているようだった。それでも光る点はまだ何とか頭の上にくっついている。あの青い爪を必死に立てて落ちないよう堪えているに違いない。
 何か。どうにかしなきゃいけない。いけないんだ。だけど何を言っていいのか、何を言えば今この状況から抜け出せるのかわからない。
 言うべき指示が思い浮かぶよりも前に、光点がふっと宙に投げ出された。残された光の残像に見えるものは、しかし残像にしてはおかしな軌跡を描いているように見えた。
 そうか、あれはバチュルの糸だ。あれを伝って何とか戻れるように、バチュルはトサカに糸の始点をくっつけておいてくれたのだ。頭上から吹っ飛ばされたバチュルは重力に従って落ち始めていて、たるんだ糸はすぐには引けそうになかった。
 その時オーダイルの光る眼が落ちていく小さな影をはっきり捉えていると見えたのは、その糸とバチュル自身が放つ光のせいだった。それから起きることを目の当たりにしたのも。
 閉じていた大顎がばっくりと開く。金色の眼はまだバチュルを追っている。開いたままの顎が滑らかに動き出す。自分では動けない空中のバチュルに向かって。白い牙と口の中に広がる赤色が見えた。顎が閉じ始める。その中には光る点がある。牙の白が逆光のせいで正反対の色に見え始めた。そのうち光は、牙の隙間から漏れ出るばかりになっていって。
 目の前で、ぱくりと、口の中へ消えた。
 
「バチュル!!!」

 悲鳴のような叫び声がどうか聞こえていてくれと願うばかりだった。オーダイルにだってそれはどう考えても聞こえていたけれど、光る眼はぎょろりとこちらを向いただけで何もすることはなかった。まるで僕一人じゃ何もできないのを、あっちだって分かっていると言うようだった。
 もごっと口を動かしてオーダイルが口の中のものを一噛みした。その時だった。
 バヂンッ、と籠もった音。それと同時にオーダイルが頭をもう一度思いっきり振る。口を少し開けてのその動きの後に、小さな何かが吐き出される。
 それが落ちた辺りをじっと見つめて、オーダイルはそろそろと数歩後ずさった。見つめる先の地面に一瞬小さな光が灯った。それを見ればオーダイルはさらに下がって、点から遠ざかっていく。後ろ向きで進んでいく先には、オーダイルが元来た池。
 尻尾が水面に触れた瞬間、大ワニはそのまま素早く水の中へ潜ってしまった。その身体に見合わず静かに、まるで隠れるように。
 残されたまま、僕は呆然と水面へ目を向けていた。何もいないように静かだった。
 その鼻先に風が伝えてきた、焦げ臭いにおい。それでやっと僕は我に返る。
「バチュル! どこ!? バチュル!!」
 その名前を呼びながらオーダイルが見つめていた方へ、においのする方へ歩いていく。よく足元に目を凝らしながら、さっきのオーダイルよりもゆっくりと。そうでもしないと今度こそバチュルを踏み潰してしまうかもしれなかった。
 声には何も答えがない。その代わりに、さっきと同じ光が一瞬光った。その中心に、小さな影。
「バチュル!」
 数歩で近づける距離を務めて大股で。しゃがんで呼んでみても変わらずバチュルが応じることはなかった。その身体を覗き込んで愕然とする。暗い中でも分かる。胴体に大きな穴が空いて、なんだかわからない汁が漏れだしている。
 震える手で触れても、軽くなった身体を持ち上げても、バチュルはぴくりとも動かない。
 早く、早くポケモンセンターに連れて行かないと。
 その一心で、両手でバチュルを抱えたまま僕は走り出した。両腕のことも背中のことも、痛みなんてぽんと頭から抜けていた。
 
 
 
 
 
 
 ボロボロのバチュルを連れて、しかも真っ暗な時間に飛び込んできた僕を見て、センターに泊まっていたトレーナーもただごとじゃないと分かってくれたらしい。すぐにジョーイさんを呼んで、急患だと説明してくれた。
 カバンごとモンスターボールを置いてきてしまったせいで、バチュルはそのまま連れて行かれることになった。僕はそのまま事情を話した。たまたま帰りが遅くなってしまったこと、いるはずのないオーダイルに襲われたこと、逃げられなくなってしまったこと、何とかオーダイルと戦おうとしたこと、相手は逃げていったがバチュルは大ケガをしてしまったこと。
 話を聞くとジョーイさんは、今日はセンターへ泊まっていくよう言ってくれた。家への連絡もしておいてくれること、オーダイルを何とかするよう泊まっているトレーナーに頼むことやゲートの見張りを強化するよう警察へ連絡することも約束してくれた。
 そして。
「あなたが生きていて本当に良かった」
 まず言ってくれたのは、そのことだった。
「例えばトレーナーに捨てられたり、何かあって元のすみかから追い出されたり、本来棲んでいるところから離れて迷い込んでしまったり。そういう理由で本来棲んでいるはずのないところにポケモンがいる。それはみんなが思っているよりも多いことだし、そうしたポケモンにばったり会って亡くなってしまう人やポケモンも同じだから。
 そのオーダイルも、そうしてあそこにいたのかもしれない。くらやみのほらあなは真っ暗で、誰が何をしているかわからないし。フスベシティの強いポケモンが棲んでいるエリアとも繋がっているから……たまにそういうことがあるの」
 トレーナーとして旅をすることは危ないことだらけなんだと、いろんな大人達が言っている。でもそれを身にしみて感じたのは、これが初めてだった。
 アニメやゲームや本の中のトレーナーはいつでも強くてかっこいい。それに親戚や友達のお兄さんやお姉さん、そんなトレーナーとして旅に出た経験のある人はいろんな話を聞かせてくれる。その中にはすごく危ないものもあったけど、むしろそれを乗り切って帰ってきたってだけですごくそれに憧れた。
 きっと今日僕が体験した話だって、昨日の僕が聞いたら目を輝かせて聞いただろう。ケガの話に顔をしかめながら、オーダイルの怖さに身を震わせながら。でもその中にはどうしたってワクワクがあって、つまりそれは聞いてるだけでしかなかった。他人事だったのだ。
 今自分がその真ん中に置かれてみて、ワクワクなんて欠片もあるわけがない。ただただ、死ぬのが恐ろしかった。僕が。バチュルが。そしてそれは今もまだ続いているのだ。
「……バチュル、元気になりますよね」
 そう聞くとジョーイさんは少し笑いかけてくれた。元気を出して、と言うように。その後きゅっと口元を引き締めるのを見て、あまりいい話は待っていないのだろうと分かった。
「つらい話をするけれど、よく聞いてね。
 あのバチュルは、内臓まで達する大ケガをしているの。心臓とか、傷つくとすぐに死んでしまうようなところは無事だったけど、油断はできない。
 それに……問題は、電気袋が大きく傷ついていることなの。話を聞いている限り、そこをケガした時に溜まっていた電気が一気に出てきて、それでオーダイルは戦意をなくして逃げていったんだと思うけど……
 もちろん、出来る限り手は尽くします。今はコガネの大きなセンターへ連絡して、イッシュ地方のポケモン治療の専門家を応援に呼んでいるところなの。
 それでも、バチュルが元通り生活できるようになるかはわからない。バトルをできるようになるかどうかも」
 今まで通りに暮らせないかもしれない。命が助かっても。家のコンセントにくっつくバチュルの姿が、ご飯を出すと喜んでテーブルに飛び乗るバチュルの姿が、手から肩、僕の頭に登ってくるバチュルがいなくなってしまうかもしれない。
 やっぱり立ち向かったのは間違いだったんだろうか。そんな思いが頭を塗りつぶす。でも立ち向かわなかったらきっと死んでいたのだ。じゃあどうすればよかったんだ?
 うまくオーダイルの上を取ったあの時、このまま攻めなければいけないと思った。派手な電気の出せないバチュルなりに電気で戦って、きっと勝てると思った。でも結果はこのザマだ。あれは間違いだったのか?
 頭の中ばかりがぐるぐる回るくせに、その中身はさっぱり言葉になりそうもなかった。からからの口はそのまま永遠に張り付いてしまうようで、下げた視線の先にある膝に置いた手がだんだんと滲んでいく。それを見かねたのか、ジョーイさんが口を開く。
「こんな話をした後に勧めるのはおかしいかもしれないけど。
 今日は早く休んだ方がいいわ。あなただってたくさんケガをしているし、疲れてる。
 皆、自分のポケモンほどじゃないって言うけど。それが本当でも、あなたの疲れやケガがなくなるわけじゃないの」
 その声を受けて眺めた顔もやっぱり滲んでいて、汚れた袖で涙を拭う。その向こうに現れた表情は毅然としていたけれど、不思議ととても優しかった。
 そのままふっと頬を緩めて、また笑顔を向けてくれる。どんな顔をして向き合えばいいのかわからなくて、僕はまた膝の上へ視線を落とした。
「バチュルを元気に迎えてあげてね」
 諭すような声。顔を上げられないまま、僕ははいとだけ返した。

 
 
 
 
――――
・1対1のバトルは対比で作ることが多いので一番対照的な体格のこの組み合わせで
・「この組み合わせでバチュル視点、どうやって戦うんだ?」はトレーナーが一番思っているでしょうということで、執拗に「敵うのか…?」「いや逃げるか…?」「なんでもありじゃないか…?」という話をしています 「バトル描写」の書き合い会という点からは若干外れたかなと思って反省しているところもある
・書いている側も「どうやったらまともな戦闘が成立するんだ?」とはかなり思っているので、じゃあどうするかを考えた時に、能力アップアイテムってぜんぜん使われないよねという話を思い出したので使いました
・そういうアイテムを持っているのは誰か? ということを考えた時、ゲーム中のトレーナースクールで説明を聞く印象が強かったのでトレーナーはじゅくがえりに。そこから机上の学習、聞きかじった話と実戦は違うよねという流れにしたくて野生のオーダイルに登場してもらいました(野生ポケモンの戦いをぜんぜん書いたことがなかったので挑戦したかったのもある)
・この組み合わせで書くんだって弟に言ったらしばらく沈黙された後「……バチュルが途中でデンチュラに進化するのはルール的にアリなの?」と聞かれた(たぶんアリだろうと思ったが、じゃあ別ルートを行ってやろうということになった)


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