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  [No.4114] ベスト・タクティクス 投稿者:ラプエル   投稿日:2019/03/04(Mon) 20:44:23   81clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

ラプエルと申します。素敵な企画をありがとうございます。
ゲンガーVSエネコロロで一作書かせていただきました、ご意見ご感想等ありましたら遠慮なくTwitter《@lapelf_novel》までお願い致します。(バトル書き苦手なので厳しい意見お待ちしております!)








《ベスト・タクティクス》







「ヘドロばくだんが炸裂ッ! 赤コーナー、挑戦者のニンフィア、健闘するもここでダウンです! 勝利の女神は、青コーナーに微笑みましたぁあああ!」

 暑苦しくも張りのある実況で、活気溢れるストリートがより一層賑やかになる。赤いフィールドから指示を出していたトレーナーは悔しそうにニンフィアをボールに戻し、バトルを観戦している観衆の人波に飲まれて消えていった。
 ここはとある街のメインストリート沿い。空き地となっていた場所をとあるトレーナーが野良試合に使ったのが始まりで、今では街一番のバトルフィールドとして栄えている。休日ともなればその盛況ぶりは益々加速し、今日もその例に従って絶え間なくトレーナーがフィールドに立つ――のだが、忙しなく人が入れ替わる赤コーナーとは対照的に、青コーナーに立つトレーナーはもうずっと変わっていない。

「どうしたどうしたそんなもんか?! この街には俺たちに敵うやつは一人もいねえのかッ!」

 マイク実況にも負けないその大声の主は、バッジ集めの途中でこの街に立ち寄った旅のトレーナー。腕組みしながら豪快に笑うその傍では、彼の相棒であるゲンガーが同じく腕組みして鼻を鳴らしていた。ここでのバトルルールは1VS1の一本勝負にして負け交代制なので、このゲンガーは相当の数のバトルをこなしているはずなのだが、まったくダメージや疲れを感じさせない出で立ちであった――が、その表情はお世辞にも明るいと言えるものではない。

「次、私が挑戦します」

 ガヤに掻き消されそうなほどに細い声とともに、赤コーナーに一人の少女が立った。新たな挑戦者の登場に、俄かに観衆が沸き立ち、ボルテージは再び最高潮を迎える。青コーナーの男はまだ僅かに幼さすら感じさせる少女を前にして小さく失笑し、「嬢ちゃんが俺に挑むのかい? 負けて泣いたって知らないぞぉ?」と戯けた。ヒールめいた言動に観衆が湧いたりブーイングを飛ばしたりする中、少女は細く淡々と、けれどもしっかりと耳に届く声で言った。

「だいじょうぶ、ポケモンをトレーナーの言いなりにしてる人に負けるほど、私は弱くないわ」
「なにぃ? 言ってくれるねえ、後悔すんなよぉ?」
「そのセリフ、そのまま返すわ。行くわよ――出ておいで、コロ」

 少女が宙に放ったボールが煌めき、光の奔流が飛び出す。ぱっと輝いた光の中から現れたのは、コロ――“おすましポケモン”のエネコロロ。優しい目をたたえる柔らかな表情に一瞬、誰もが癒しに包まれ――そして我に返る、「え、エネコロロ?!」誰もが驚きを隠しきれなかったが、無理もないだろう。

 エネコロロ、ノーマルタイプ単色。個体数が少なく珍しい“エネコ”に、これまた希少アイテムの“つきのいし”を使うことで進化した、まごう事なきレアポケモンである。その美しい毛並みの艶やかさ、見るものを癒す愛くるしさ、住処を汚さない綺麗好きっぷりから非常に人気が高いのだ――バトル“以外”では。
 愛玩ポケモンとしては一級品のエネコロロではあるが、バトルとなるとそうもいかない。華奢ゆえに耐久力に乏しく、同じくして攻撃力も貧相。タイプも耐性の少ないノーマルタイプであり、覚える技も癖が強いものばかり。それに加えて、このポケモンで出来る事は、もっと打たれ強く攻撃力も兼ね備えたポケモンで代用できるのである。言葉が悪いが、要するにエネコロロはバトルにおいては他種族の“劣化”に過ぎないのだ。

 そのエネコロロが今、強豪トレーナーの連れているゲンガーと相対している。
 連戦連勝の相手を前に少しも怖じることなく、おすまし顔を崩さず、まっすぐ、ただまっすぐに。

「本気かよ……だがここまで啖呵切ってんだ、心置きなく全力でやらせてもらうぜ!」
「もちろんよ、やりましょう」
「さ、さあ大変なことになってきましたァーっ! 連戦連勝のゲンガーに挑戦するのは、可憐で華奢なエネコロロぉ! 一体どんなバトルが繰り広げられんでしょうかぁーッ?!」

 実況の煽りに釣られ、観衆のボルテージが徐々に盛り上がっていく。呆気にとられていた顔が、口角が釣りあがっていく。

 向かい合ったゲンガーとエネコロロ、大男と少女。瞬間、視線がぶつかり――

「一本勝負ッ、はじめェエエっ!」
「先手必勝おにびッ!」

 ゲンガーの目が大きく見開き、紅く光る。ケケケと笑い声愉しげに響かせ、黒い炎がフィールドを滑る。「力押しだけかと思ったか、搦め手だってお手の物だぜッ!」と大男の声が響くが、炎はエネコロロに近付くなり勢いを潜め消滅した。よくよく見ると、どくまひやけど――あらゆる状態異常を打ち払う“しんぴのまもり”がいつのまにかエネコロロを包んでいる。大男はほうと唸った。

「あの一瞬でよく捌いたなッ」
「私のコロ、冷静なのよ……みやぶる!」

 エネコロロの円らな瞳が煌めき、見えない眼光がゲンガーの霊体を射抜く。“みやぶる”というおよそ一般にバトルでは用いられない技に大男とゲンガーが躊躇する間にエネコロロ、ちらと後ろを振り返ってアイコンタクトのウィンク。少女の表情が僅かに綻び、エネコロロは地を蹴って距離を詰める。

「10まんボルト!」
「ッ……シャドーボール!」

 エネコロロが放つ強烈な電撃。一瞬遅れたが、ゲンガーも足元の影を塊に変えて応戦する。両者の強烈な技、あと数秒とせずして激突する――大男はにやりと笑う。

 ――ノーマルタイプのエネコロロにシャドーボールは通用しない、使うとしたらこんな風に技を相殺するくらいにとどまる……だが、シャドーボールは衝撃すると影が拡散して目眩しになるッ! 影を自在に動けるゲンガーに死角はないぞッ!

 センターラインを境に、10まんボルト、シャドーボール、両者勢いよく迫り、丁度真ん中あたりで衝撃――せずに、“すり抜けた”。

「はァッ?!」

 呆気に取られる男をよそに、強烈な電撃がゲンガーの身体を激しく撃つ。バリバリと甲高い雷撃音が響き渡り、観客がわあっと湧き上がる。よろめいたゲンガーがなんとか踏みとどまったのを確認し、大男はすぐさまエネコロロに視点を向けた――

「――ッ!」

 わかっていたことではあったが、当然ながらエネコロロはノーダメージ、《こうかがないようだ》った。ノーマルタイプにゴーストタイプの技をぶつけても、その技はポケモンをすり抜けるようにして消えてしまう――バトルをするなら必須知識のタイプ相性だ、トレーナーならば誰でもそんなことは知っている。
 だが。

「何故だ?! なんで技同士がすり抜けて、なんでゲンガーにだけダメージが入るッ?!」
「よく思い出してごらんなさい、私のコロのこと」
「――あッ、“みやぶる”かッ! あの技で俺のゲンガーにだけダメージが入るようにしたのかッ?!」

 少女はくすりと笑う。
 
「半分正解よ。でもそれじゃまだ足りないわ、シャドーボール!」
「ッこっちもシャドーボールだ!」

 エネコロロの頭上に、ゲンガーの顔先に、黒い影の塊。同一タイプの利があるゲンガーが一手先に技を完成させて放つ――そしてようやく過ちに気付く、「しまった、これじゃさっきの二の足か、相手の技に釣られちまったッ」悔いてももう遅く、お互いのシャドーボールはフィールド赤コーナー寄りでまたもすり抜け、遅れてゲンガーに影の塊が迫る――

 ど、と僅かに鈍い音。気圧され倒れるも、すぐに起き上がるゲンガー。
 何食わぬ顔のエネコロロ。やはり《こうかがないようだ》。

「す、素晴らしい技の応酬ーッ! 連戦連勝の猛者であるゲンガーを前にして一歩も引かないエネコロロぉーッ! 適切な技の選択、撹乱、素晴らしいバトルセンスッ! 直撃したシャドーボールの《こうかはばつぐん》だーッ! 青コーナー、体勢を立て直すことはできるんでしょうかッ?!」
「……いや、違う、何かおかしい」

 起き上がったゲンガーと大男の目が合う。10まんボルトとシャドーボール、立て続けに高威力の技を受けたのにそれほど堪えていないのは、単純にエネコロロの火力が不足しているだけのようには思えなかった。

 ――そもそも、今のシャドーボール……本当に《こうかはばつぐん》だったのか?

 エネコロロは堂々とした風体で、その場を動かない。可憐な見た目には不釣り合いなその圧力に、ゲンガーはただ恐れ怯えるばかり。だがそれはトレーナーも同じであった、正体の掴めない相手にただ不安が募るばかりである。
 このままでは押し負けてしまう、何かカラクリがあるはずだ。自身の傲慢さは百も承知ではあるが、ここまで旅を続けて鍛錬を重ねてきたのは伊達じゃない――大男は必死に頭を回転させ、目の前に鎮座するエネコロロの知識を引っ張り出す。脳内の引き出しの奥の奥、隅の隅、どこかに叩き込んであるはずだ、エネコロロのカラクリ――

「あッ!」

 脳の片隅に置いてあった、バトルではマイナーなポケモンに関しての知識。それを大男が見つけた時、全ての合点がいった。

「“ノーマルスキン”……ッ!」
「その通り、正解よ。私のコロはノーマルスキンの特性を持ってる。やっと悩まなくて良くなったわね」

 ノーマルスキン。
 この特性を持つポケモンが出す技は、その技のタイプに依らず、全てノーマルタイプへと変わる。その技の威力は特性によって上昇補正がかかり、更にエネコロロ自身とも同一タイプとなるため追加で上昇補正がかかる。火力に乏しいエネコロロのようなポケモンでも、バトルにおいて必要十分な火力を得ることができるのだ。
 タイプが強制的にノーマルタイプへと変わるので、シャドーボールのようなゴーストタイプ技とは相殺し合わず“すり抜ける”。そして、ゴーストタイプの“ポケモン”にノーマルタイプの技が当たるようになる“みやぶる”によって、ゲンガーだけがダメージを受けてしまう――これが先程までの技の応酬のカラクリである。

 全てを理解し、大男は歓声をかき消すほどに大声で笑った。

「わかっちまえばどうってこたぁねえ、火力を補正したところで、能研の出したエネコロロの特殊火力指数は確かDランクだったはずだッ! 同じDランクのポケモン――ローブシンやナットレイが特殊技で攻めてきたところで怖いか?! 小細工のタネが割れた以上ッ! もう負けないぜッ!」

 “ポケモン能力研究所”――通称“能研”は、ポケモンの種族ごとにHPや攻撃力、素早さなどがどの程度優れているのかを研究しており、逐次トレーナーに向けて情報を公開している。
 大男は、能研のデータを入念に調べていたこともあって、エネコロロというバトルではマイナーなポケモンの能力を把握していた。
 そして、“みやぶる”と“ノーマルスキン”の作戦――彼に言わせれば“小細工”のタネも把握した。
 バトルは相手に手の内を悟られないことが重要である、種族間に明確な能力値の優劣があるのならば尚更のことだ。マイナーがメジャーに勝つためには、能力差を覆すだけの策が必須である、が――

「いくぞゲンガーッ、メガシンカ!」

 全てが明るみに出てしまえば、もはやマイナーに勝機はない。
 大男の右腕に巻かれた“メガバングル”と、ゲンガーの持つメガストーン――“ゲンガナイト”が呼応し、ゲンガーの身体が虹色に渦巻く光に包まれ、そして――

「おおーッ! 青コーナーのゲンガー、なんとメガシンカによりメガゲンガーへと姿を変えましたッ! 赤コーナーエネコロロにとっては厳しい展開、この戦力差をひっくり返すことは、果たしてできるのかぁーッ?!」

 額に現れた第三の眼を輝かせ、ゲンガーはぐにゃりと歪んだ表情。腕は溶けてしまったかのように変形し、胴体から下は異次元空間の中にすっぽり覆われていて、その中を窺い知ることはできない。
 まるで“別物”に変わってしまったメガゲンガーを前に、少女の顔が曇る。

「……そんな、メガシンカが使えたなんて」
「ふッ、俺のゲンガーはメガゲンガーへと“変わった”、どういう意味かわかるなッ?!」
「くッ……みやぶ」
「遅いッ10まんボルトォ!」

 “みやぶる”の体勢に入るより早く、メガゲンガーの放つ雷のような電撃がエネコロロに迫る。指示を待たずして冷静な判断を下したエネコロロもなんとか10まんボルトを放って応戦する――
 相手と同じ技が使えるなら、その技を使って応戦するのはバトルの基本的知識とされている。異なる技を使って応戦した場合、仮に自分の技の威力が相手を上回っていた場合でも、ぶつかり合いによって技が弾け飛び、自身がダメージを受けてしまう場合があるからだ。大男はその癖に則り“シャドーボール”を指示していたし、エネコロロも普段のバトルでの経験則からこの行動を選択した。

 だが、通常通りの技のぶつかり合いの場合、その勝敗とダメージの程度は、純粋な戦力差を示すことになる――

「だめっ!」

 少女の悲痛な叫びが、雷撃音に一瞬でかき消される。フィールドに立ち込める土煙、一陣の風に吹かれたその先には、四足でなんとか地に踏ん張る痛々しいエネコロロの姿。

「青コーナー強烈な10まんボルトォ! 赤コーナーも10まんボルトで応戦しましたがァ、メガシンカから来る圧倒的なパワーに押し負けて手痛いダメージを負ってしまったッ!」

 戦局の大きな動き。観客が盛り上がり、大男は腕を組んで豪快に笑う。
 今この場で盛り上がれず苦悶の表情を浮かべているのは、エネコロロと少女だけであった――

「……メガシンカは一時的ながらも“進化”だ、進化すればこれまでの状態はリセットされる――エネコロロの“みやぶる”の効力は切れた、ノーマルスキンでダメージを与えるためにはかけ直しが必要だがッ! メガシンカでパワーもスピードも上がったゲンガーはそんな暇を与えないッ! 勝敗は決したぞッ!」
「く……やるわね、かなり苦しくなってきたわ」
「嬢ちゃんのバトルセンス、正直言ってかなりのモンだ、それは認める……だがな!」

 男は腕組みして叫ぶ。

「使うのがそんな“弱い”ポケモンじゃあッ! いくらトレーナーが優れていたって勝てるかよおッ! 抑もエネコロロをバトルで使うなら特性は“ミラクルスキン”一択だろうよ、そこを疎かにしてるようじゃあ俺には勝てねえッ!」

 悪役、と片付けるには余りに行き過ぎた、過度な対戦相手批判――ひいては、マイナーポケモンの批判、否定。オーディエンスは賛否両論真っ二つに割れ、バトル狂いは同調し、エンジョイ派はブーイングを浴びせる。両派の賑わいぶりはヒートアップして、バトルフィールドは更なるボルテージアップを見せる――


「……そう、思った通りね」


 それは、一人静かに呟く少女も。


「確かに、それは一理ある」


 おすまし顔で佇むエネコロロも。


「でも私は、あなたには負けないわ」


 例外なく、同じことであった――!


「ッ言ってくれるぜ! ならやってみろッ、10まんボルトォ!」

 メガゲンガーの虚ろな瞳が光り、もう一度電撃が起こる。バヂバヂと耳を刺激する雷撃音に観衆が沸き立つ、先の蓄積ダメージから鑑みるに、これを受けてしまうとエネコロロは間違いなく戦闘不能であろう。大見得を切った少女の命運がかかったこの一撃に、誰もが興奮を隠し切れない。

 ――さあどうする、さっきみたいに10まんボルトで対抗したところで火力差は圧倒的だ! いい加減わからせてやる、優れたトレーナーが優れたポケモンを扱ってこそ、バトルに勝てるってことを!

 男の口角が上がる。
 電撃がエネコロロへと迫る。
 命運が、決する――!

「でんじは!」
「何ッ?!」

 エネコロロの頭部がわずかに帯電し、自身の斜め前方へと“でんじは”が放たれ、そして――

「なんだとッ?!」

 電撃――10まんボルトはそのでんじはに釣られて軌道を曲げられ、エネコロロとはまるで違う地点に着弾した、観衆が湧きたち実況がマイクを握りしめる――!

「これは素晴らしい展開だぁッ、赤コーナーエネコロロ、でんじはを誘導に使いッ! 火力に勝るメガゲンガーの10まんボルトを、見事にいなしたーッ!」
「く、くそッ、まさかそんな技でそんな手を……」
「“ノーマルスキン”はでんじはのような補助技でさえもノーマルタイプに変えてしまう……でも、タイプが変わっても相手を“まひ”させることは変わらないように、“わざ”としての性質は変わらないのよ。電気を誘導して照準を外すことだって出来ちゃうのよ、私のコロ」
「……ならば今度こそこれで終わりだッ、小細工の通用しない、メガゲンガーの最大火力ッ! ヘドロばくだんッ!」

 メガゲンガーの表情が少し険しく歪み、眼前には猛毒のヘドロの塊が出現した。シャドーボールの効かないエネコロロに対して、メガゲンガーが放つことのできる紛れも無い最高火力のわざ――これまで何度も赤コーナーの挑戦者にとどめを刺してきた“切り札”的存在の技に、観衆のボルテージ、テンションは最高潮を迎えた!
 べちょべちょと恐怖を感じさせる不気味な音を発しながら、メガゲンガーの全力を乗せたヘドロばくだんがエネコロロへと迫る、ああ、このままでは今度こそ、火力で押し返せないエネコロロは――!

「まもる!」
「ッ!」

 前方に出現した薄いレンズのようなシールドが、エネコロロをヘドロばくだんの猛攻から完全に防ぎ切った。眼前で汚いヘドロが“まもる”によってかき消えていく様を見て、綺麗好きなエネコロロは小さく安堵の溜息を漏らした。
 決まり手、切り札的存在の技を防いだエネコロロにわっと場内が湧いたが、そんな中大男は白けていた。チッと舌を打ち、そして閃く。

「その技……火力に乏しいエネコロロが耐久型と戦う時、“どくどく”と組み合わせて粘るためにでも準備してたんだろう……ノーマルスキンがあれば、ゴーストタイプも毒状態にできるからな」
「……あなたのゲンガーはそもそも“どくどく”が効かない毒タイプが入ってるから、その手は使えないけど、ご明察よ」
「……フン! ならば火力だけじゃなく、そういう搦め手でも俺のゲンガーが優れていることを教えてやるッ! おにび!」
「っ?!」

 メガゲンガーの表情がぱあっと明るくなり、まるで悪戯っ子のような悪意を含んだ笑顔とともに恐ろしい炎を放った。「まだ“しんぴのまもり”が……」と言いかけた少女の眼前でエネコロロを覆っていた“しんぴのまもり”が解け、悲鳴をあげる間も無くエネコロロは地獄の業火に焼かれた――そう、常にダメージを受け続ける状態異常である“やけど”にされてしまったのだ。

「ヘッ、俺が“しんぴのまもり”の持続時間を把握してないとでも思ったかよッ! 一度やけどにしてしまえば、もう解除する手立てはないぞッ!」
「くっ……みやぶるっ!」

 火傷で全身を震わせながらも、エネコロロは懸命にメガゲンガーに視線を飛ばす。メガゲンガーに出せる最高火力が“ヘドロばくだん”であるのなら、エネコロロに出せる最高火力――言わば切り札である技は“ふぶき”。ポケモンが扱うことのできる技の中でもトップクラスの威力を誇る“ふぶき”ならば、メガゲンガーとて対処は困難なはずであるはずだが今の“ふぶき”はノーマルタイプ――メガゲンガーには当たらない。なんとしてもまず“みやぶる”を決めなくてはならない、技を撃った直後の隙である、今この瞬間に――

 だがそれは、全くもって甘い考えであった。

「まもるッ!」
「――!」
「おーっと、今度は青コーナーメガゲンガーが守りの体勢に入りましたぁーッ! 先程は赤コーナーエネコロロが身を守ったこの技をッ! 今度は赤コーナーがッ! これは宛ら技の意匠返しと言ったところでしょうかぁーッ!」

 “みやぶる”を受け止めたシールドの向こう側から、メガゲンガーの心底楽しそうな顔が覗く。少女はしてやられたわねと悔しがりながらも、なぜかメガゲンガーを見つめながら少しだけ微笑んでいた。

「さあ今度はこっちの番だッ、ヘドロばくだんッ!」
「う……ま、まもるっ!」

 守りの体勢を解いたメガゲンガーは再び戦闘姿勢をとり、渾身の力を込めたヘドロばくだんを放り投げる。火傷に身を灼かれるエネコロロは必死でシールドを貼ってその攻撃を防ぎきったが、もはや身体がヘドロに汚れなくてよかったなどと安堵している余裕はない。
 “まもる”は相手の攻撃を防ぎきる、単純明快にして非常に強力な防御技である。デメリットとして連発すると高確率で失敗するリスクを抱えてこそいるものの、単純にその場を凌いだり時間を稼いだりするためには非常に使い勝手のいい技なのだ。


 そう、時間を稼ぐのに使い勝手がいい。

 つまり――


「ここから俺のゲンガーと力比べをしたところでッ! 交互に技を撃ち合いながら“まもる”の応酬になりッ! “やけど”でじわじわと体力を奪われて嬢ちゃんの負けだッ!」
「……苦しいわね」
「ゲンガーは攻めだけが能じゃねえッ、一対一じゃなけりゃあ“ほろびのうた”も“みちづれ”なんかも使える芸達者なんだよッ、読みきれないだけの手があってそれでいてハイスペック――本当に“強い”ポケモンってのは、こいつみたいなことを言うんだよーッ!」

 大男のセリフに、メガゲンガーは本当に嬉しそうに笑う。腕組みして得意げに笑う。男とゲンガーは本当に仲がいいらしい、心と心が通い合っているらしい――?

 ――いいえ、少しだけ違うわ。でもその誤り、もうすぐ私が正してあげるから――

 少女はくすりと微笑む。その企んだような表情に、大男もメガゲンガーも、これまでのバトルで敷かれた策を思い起こされて少し強張る。

「……そろそろコロのダメージは限界、このまま撃ち合いをしたところですぐに倒れてしまう――だから次が、“私たち”の最後の攻撃よ」
「ほおッ、ならばそれをいなして俺たちが勝つッ! 撃ってこいッ、こいッ!」
「さあいよいよバトルも佳境を迎えたーッ!赤コーナーはこれが最後の攻撃を宣言ッ、青コーナーメガゲンガーが使うであろう“まもる”を攻略しッ! 打ち倒すことができるのかーッ?!」

 実況の煽りも受け、観衆が、フィールドが震えるほどに大熱狂する。クライマックスを迎えたゲンガー対エネコロロの異色カードは、間違いなく今日一番の盛り上がりを見せていた。じわじわと嬲ってくる“やけど”のスリップダメージに追われながら、如何にしてメガゲンガーを沈めるのか――誰しもが、大声で熱狂しながら、エネコロロをじっと見つめる。

「行くわよコロ――“どろばくだん”っ!」
「な、何ッ?!」

 エネコロロが最後の力を振り絞って使った技は、じめんタイプの“どろばくだん”。メガゲンガーの扱う“ヘドロばくだん”と比べると少々小ぶりではあるが、十分な威力を持った立派な爆弾技であり、直撃すれば《こうかはばつぐん》で大ダメージが期待できる――が。

「血迷ったかッ、嬢ちゃんのエネコロロはノーマルスキンッ! その“どろばくだん”はノーマルタイプで、“みやぶる”を解除したゲンガーには《こうかがない》ぞッ! 抑もこうするから当たりもしないがなッ、“まもる”ッ!」」

 メガゲンガーは“まもる”を繰り出し、前方にシールドを貼って防御姿勢に入った。これでもう、メガゲンガーに通常の攻撃技は通じなくなった。通じるのはこれを解除できる“フェイント”や“ゴーストダイブ”などの一部の技だけだが――生憎、エネコロロはそのどれも使うことはできない。

「勝ったッ! やはり甘かったなッ、変化技を回避できる“ミラクルスキン”のエネコロロにしていればこの消耗戦は避けられただろうにッ! 攻撃のために“みやぶる”の一手間を必要とするノーマルスキンの個体を選んだのはッ! バトルに対しての甘え――勝利することへの冒涜だッ!」
「……いいえ、それは違うわ。だって私、この子と一緒に力を合わせて勝ちたいんだもの、個体がどうとかそんな話じゃないのよ――!」

 これまでよりも更に覇気の篭った力強い声とともに、少女は腕を交差させてその場で一回転し、右掌を力強く地面に叩きつけた。聖なる儀式を模したポーズに呼応して、左手首に付けていたリングが輝き、放たれた一陣の光がエネコロロに纏われ、究極の力――“Zパワー”がその身に宿った――!

「な、なんだとッ?!」
「受けてみなさい、私とコロで作ったゼンリョク――どろばくだんZ、“ライジングランドオーバー”っ!」

 少女と心を重ねたエネコロロの身体にZクリスタルの紋章が浮かびあがり、可愛らしくも力強い声で雄叫びをあげる。直後、エネコロロから守りの体勢を取っているメガゲンガーに向かって一直線に地割れが起こり、強烈な衝撃を起こす、メガゲンガーの“まもる”が揺らぐ――!

「ま、まずいッ! Z技は、ノーマルスキンの威力補正がかからない代わりにッ! タイプがその技に依存したまま放たれるッ!」
「――それに加えて、Z技は“まもる”を打ち崩すのよ! 威力はかなり下がるけど――でもっ!」

 防御姿勢を完全に崩されたメガゲンガーが宙を舞う、埋まっていた下半身を異次元空間から引きずり出されて――。エネコロロは姿勢を低くとってから勢いよく跳びだし、強烈な錐揉み回転を加えてゼンリョクで突撃する――

「手負いになったあなたのメガゲンガーを倒すには、十分すぎる火力よ! いっけぇーっ!」

 少女のゼンリョクを受け取ったエネコロロのゼンリョク、一人と一匹分のZENRYOKU技が炸裂し、フィールド上空で大爆発を起こした――煙の中から優雅にエネコロロが飛び出して華麗に着地し、一足遅れてメガシンカが解除されたゲンガーが地に堕ちる。両目をぐるぐると回しているその姿は、勝負の決着が付いたことを示すには十分すぎた――

「な、なッ! なーんということでしょぉーッ! 連戦連勝百戦錬磨の青コーナー、メガゲンガーは戦闘不能ッ! よってこの勝負ーッ! 赤コーナー、エネコロロの勝ちぃーッ!」

 耳が割れんばかりの大歓声が起こり、少女は小さく右手を握り、エネコロロは得意げにおすまし顔でそれに応えた。そして小さく振り返ったエネコロロに少女は左腕のリングを見せつけ、エネコロロはみゃおうと嬉しそうな声をあげた。
 大男は無言のまま悔しそうにゲンガーをボールにしまい、フィールドの中央に向かってとぼとぼと歩く。「コロ。よく頑張ってくれたわ、立派だったわよ。おつかれさま」少女は労いの言葉をかけてからエネコロロをボールにしまい、同じくフィールド中央に向かう。

「くそッ……まさかこんな形になるとはな……悔しいが力及ばずだ。強いな、嬢ちゃん」
「ありがとう」
「……だが恥ずかしい話まだ納得がいかない、いくら策が優れていたところで、ゲンガーとエネコロロとじゃあ力量差が圧倒的だ……どうして、なぜ負けたんだ、俺たちは?」
「……ポケモンをトレーナーの言いなりにしてる人に、私は負けない。そう言ったわね」
「ああ……だが、確かに俺はバトルに勝つことこそが至上であり、より強い種族が上位互換として存在するなら、そのポケモンを使わないのは勝利することを冒涜している、そんな風に考えている……だが、俺はゲンガーをぞんざいに扱ったり言いなりにしたりなどは断じてしていない、こいつの強みを活かして勝とうとしているんだ、どうして負けたんだ、何が間違っているんだ?!」
「……ねえ、あなたのゲンガー、ちょっとボールから出してくれないかしら」
「? ああ」

 大男はボールの開閉スイッチを押し、満身創痍のゲンガーを繰り出した。少女は体力を回復する効力を持つ“オボンのみ”をそっと差し出し「さっきはごめんなさい。いい勝負だったわね」と優しく話しかける――が、ゲンガーはそのきのみを半ば引っ手繰るように取って、大男の陰に隠れてしまった。やっぱり、と少女が呟く。

「あなたのゲンガー、きっと“おくびょう”なのね」
「あ、ああ……性格が“おくびょう”なポケモンは物理戦が苦手な代わりに足が速い――ゲンガーの強さを引き出した戦い方をするには、この性格が一番のはずだッ」
「……確かにそれは合っている、でも少し違うの……ポケモンには性格だけじゃなくて“個性”があるのよ。“イタズラがすき”とか、“ものおとにびんかん”とか。あなたのゲンガーはきっと、おくびょうで足が速いけど――相手に攻撃をするのはあまり好きじゃない」
「な、なぜそんなことが言えるッ?!」
「ゲンガーを相手にして、向かい合って戦ってた私にはよく見えたのよ――攻撃技を使うときと補助技を使うときとで、ゲンガーの表情は全く異なっていたわ」
「な……」
「“10まんボルト”を使うとき、ゲンガーは虚ろな瞳をしていたわ。“ヘドロばくだん”を使うときは、苦しそうに表情を歪めていたわ――反面、“おにび”を使うときは楽しそうにケケケって笑ってて、“まもる”が成功したときは心底楽しそうにしてたわ」
「……」
「あなた、トレーナーとしてゲンガーの傍にいるのに、いつも後ろからしか見てあげてないのね……だから気付けないのよ。本当にトレーナーとして自分のポケモンを活躍させたい、勝ちたいのなら、きちんと正面から見てあげなきゃダメなのよ」

 自分の足元に隠れるゲンガーを、大男は申し訳なさそうな視線で見つめる。ゲンガーは少し恥ずかしそうにもじもじとしていたが、「ゲンガー……お前、攻撃よりも絡め手で戦ってる方が好きだったのか……?」と聞かれると、少し俯きがちにこくりと頷いた。大男の耳が朱に染まる、「俺は、そんなことにも気付いてやれてなかったのかッ」図体に似合わない細い声が喉から絞り出される。

「……“エネコロロ”をバトルで勝たせたいのなら、確かにミラクルスキンの方が汎用性が高いし、攻めよりも絡め手で戦った方が賞賛は大きいわ。でも私はエネコロロで勝ちたいんじゃない、この子――コロを勝たせてあげたいのよ」
「……」
「だからこの子の“れいせい”な性格と、“おっちょこちょい”な個性と、産まれ持った“ノーマルスキン”を最大限に活かして戦う――“れいせい”さゆえに少し足が遅いけども、パワーに差があるのに同じ“10まんボルト”で戦おうとしちゃう“おっちょこちょい”なところがあるけど、“ノーマルスキン”のせいでゴーストタイプやはがねタイプと戦うのに一工夫必要だけども。それでも全部一長一短、悪いところもあればいいところだってあるの。だから私はそのいいところを伸ばし、活かしてやりながら戦う――それが本当の“トレーナー”の役割だから。そうやって一緒に戦ってるから、勝敗に関わらず、私とコロは輝くのよ」
「……力及ばず、どころではないッ……俺たち、いや俺の完敗だ――」

 少女の語るトレーナーとしての在り方と、これまで自分がゲンガーと共に歩んできた道のり。その両方を比べてみて、その差に愕然とした大男は力なく肩を落とす、「俺とゲンガーは、これからちゃんとやっていけるんだろうか……」歓声に掻き消されそうなほど小さな声でつぶやく大男に、少女は言う。

「あなたとゲンガーは絆をエネルギー源とする“メガシンカ”が使えた、それは間違いなくあなたたちの絆が深く結びついていたからなのよ――そう、あなたとゲンガー、戦い方を間違っているだけで、決して悪い仲じゃない……寧ろベストコンビよ。戦い方を改めれば、きっともっともっと高みへと登れるわ」
「……ははっ、ありがとな、嬢ちゃん……俺、ゲンガーとまた頑張ってみるよ。そしてごめんな、もうマイナーなポケモンを貶したり見くびったりするのはやめだ――そのポケモンの特徴や性格、個性を最大限に引き出した戦い方を、俺は尊敬する」
「そう言ってもらえて良かったわ。……私も、あなたみたいな明るいトレーナーを目指してみようかしら――機会があればまたバトルしましょう」
「勿論だ、そのときは負けないぞッ」

 両者はがっちりと握手を交わす。「素晴らしいバトルでしたッ、両者お見事でしたぁーッ!」実況を合図に、観衆全員が二人に惜しみない拍手を送った。大男がゲンガーに突き出した右手にゲンガーが右手で応えたとき、その拍手は更に激しくなった。

 かくして、この日の激闘は幕を閉じたのである――



☆☆☆★★★☆☆☆



 爽やかな風の吹くとある地方都市の町外れ、腕試しを競うトレーナーたちが集うストリートバトルフィールドは休日の大賑わいを見せていた――どこの街へ行っても、こういう野良バトル場は賑わっていて楽しそうね。今日はもうこの街を出るから、私は参加するつもりはないんだけども。
 わいわいがやがやとした観衆を横目に、私は都市間道路へと歩いていく。そよそよとした風が気持ちいい、随分と伸びてしまった髪を揺らしながらバトルフィールド際を通り過ぎようとしたとき――興味深い会話が耳に入ってきた。

「くそーっ、またアイツのゲンガーに勝てなかった!」
「なかなかしぶとくて倒せないんだよなあ、いなされちまう!」
「ああいう絡め手するくせに、あのゲンガーすげえ楽しそうな顔するんだよなあ、ちくしょう!」

 まさかと思い、人波をかき分けて最前列へと出る――すると、そこには。

「決まったーッ! 青コーナーのポリゴン2、じわじわとダメージを稼がれてここでダウンですッ! 赤コーナーのゲンガー、またも勝利ーッ! “くろいヘドロ”と“どくどく”“まもる”を合わせた耐久戦でッ! 驚異的な回復力を誇る相手を見事に撃破しましたッ、これにて赤コーナーは本日五連勝を達成ーッ!」
「やったぜッ!」

 赤コーナーでハイタッチを交わすゲンガーとトレーナーは、間違いなくあの日戦ったコンビであった。実況や周囲の人の話から察するに、どうやらゲンガーの個性を強く活かしたバトルスタイルを確立しているらしい――うふふ、嬉しくなっちゃうなあ。まさかこんな遠い街で、こんなに久しぶりに、また会えるなんてね!
 腰についたコロのモンスターボールが揺れている、うふふ、あなたも? 奇遇ね、私も彼らと戦ってみたくてうずうずしてるの、行きましょ!

「次! 私が挑戦します!」

 青コーナーに躍り出た私を見て、赤コーナーの彼が、ゲンガーが、びっくりして目を見張った、やっぱり覚えててくれたのね!

「嬢ちゃん……いやもう立派なお姉ちゃんだな、久しぶりッ!」
「お久しぶり。まさかまた会えるなんて思わなかったわ、すっかり戦い方も変わったみたいね」
「おうよッ、もう以前の俺たちだと思うなよッ!」
「ふふっ、私たちだって成長してるんだもの、負けないわよっ!」

 思わず笑みがこぼれちゃって、たまらず私はボールを放る。現れたコロの姿を見てみんな「エネコロロでバトルするのか?!」ってびっくりしてるけど――すぐに別の意味でびっくりさせてあげるわ。ね、コロ!

「さーあ続いて青コーナーに立った挑戦者、使うのはなんとエネコロロッ! 五連勝中の赤コーナーのゲンガーを打ち負かすことは、果たして出来るのでしょうかッ?!」

 コロもゲンガーも、私も彼も、バッチリ戦闘体勢。“本当の戦い方”になった彼ら相手だと、パワーもスピードも負けているコロで戦うのは正直大変ね――でも、そういう相手だからこそ、尚更燃えてくるのよね!

「柄にもなく燃えてきたわ、行くわよ!」
「そうこなくっちゃね、行くぜッ!」

 こんなにわくわくするバトルなんていつぶりだろう、勝てるかわからないからドキドキしちゃう。でも精一杯やりきって見せるわ、それが私とコロのバトルだから――!

「それではッ! はじめぇえッ!」

 行くわよ、私とコロの力、見せてあげるわっ!


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