お久しぶりすぎて誰も覚えてらっしゃらないかと思いますが、ソードシールドで盛り上がってる中今更ウルトラサンやってる焼き肉です。ハウとアローララッタがすごくかわいいです。寄り道とレベル上げであんまり進んでないです。
アローラの独特な響きとあいさつにもだんだん慣れて来た。今では現地人に溶け込めるくらいの手振りと発音が出来るくらいだ。
出身は違うが、コウミはこの地方が大好きになった。人々は親切で、ポケモンは強くもどこか穏やかで、気温も暖かい。星の輝く夜、見知らぬ人と見たケイコウオの作る白い宝石のような光を、きっとコウミはこの先も忘れないだろう。
しかしだ。
(この地方の生物、知らない人に親切過ぎない!?)
ベンチに座るコウミの横には、あいさつを交わしただけの人にもらったものの山が出来ている。何なら今かじってるたっぷりのサンドイッチも試食品と称してお店の人にもらったものだ。
生物と称したのは人間に限った話ではないからだ。民家にいたデリバードが持ってる袋から道具を取り出してわけてくれたのはまだしも、実のなる木までボコボコきのみを落としてくれたのには笑ってしまった。ずいぶん乱獲した覚えがあるのだが次の日には復活しているというのだから驚きだ。
「そりゃあカントーだっておばあちゃんからもらったリンゴ近所にわけるおすそ分け文化くらい会ったけどさあ! ねえネズッタ、私が変なの? そうなの?」
メンバーのラッタ♀のふくらんだほっぺをウリウリつまんでコウミが訴えたが、なにぶんラッタが一番気持ちいい部分のほっぺの上辺りを触ったものだから、「あ〜ええ感じなんじゃ〜」という顔つきになるばかりだった。
「いやいやいやコレ絶対ダメ人間になる! ヤバい! マズイ! いやコレは美味い!」
おいしいサンドイッチを食いながらコウミはブツブツ言っていたが、やがて最近もらったものの食べ過ぎで体重が気になっているのを思い出し、半分はネズッタにあげることにした。大食いのアローララッタは「マジでうめえ〜」って顔をしながらモリモリサンドイッチを片付けていく。人に寄り添うように適応していったポケモン達に人間の食べ物は有効だが、食べ過ぎは良くない。アローララッタは全体的にぷっくりと太っているくらいが健康の証らしいが。
(アローララッタみたいにコロコロ体型になったらハウくんはどう思うかな……ハウくんだから、嫌われるとかはないかもしれないけど……)
あっけらかんとした笑顔の彼への淡い恋心をつのらせつつ、コウミはネズッタの食いっぷりをサンドイッチが尽きるまで眺めつづけたのだった。