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[No.1752] ユエのマグマラシが進化したようです。 投稿者:紀成  投稿日:2011/08/15(Mon) 20:46:36   91clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

「…」
ユエは上を見ていた。腕を組んでいるポーズを取っている。相手から見れば豊かな胸が強調されていることがよく分かるだろう。まあ見慣れた光景だから別に困ることはないのだが。
相手はユエを見下していた。初めての光景に、どうやら戸惑っているらしい。落ち着きが無い。今まで見ていた物がいきなり小さく見える。冷蔵庫、テーブル、椅子、ご飯皿、テレビ、ベッド、などなど。
「どうしてこうなったのかしらね」
喜ぶべき、なのかもしれない。だが今の状況は簡単に喜べなかった。
昨夜、『電気消すわよ』と言って彼がベッドに潜り込んだのを確認して電気を消した。そのまま一度も起きずに規定時間になって目覚ましで目を覚ました。
そしてふと横を見て…

マグマラシが、バクフーンになっていた。

その時まだ本人は気付いてなかったようで、幸せそうにいびきをかいていた。マグマラシの時なら可愛い仕草の一つとして写真でも撮っていたところだが、今度はそうはいかない。
ユエのベッドはもちろんシングルサイズだ。マグマラシは丁度ユエの隣で丸くなる体勢になる。
だがバクフーンになるとそれはかなり難しくなる。ユエの身長は百六十ちょっと。バクフーンは平均で百七十。シングルベッドの高さはいいとして、幅は…
案の定、今朝もう少しで相手の長い鋭い爪がパジャマを引き裂くような場所まで来ていた。一瞬夢かと思ったが、ふと頬を抓ってみて夢じゃないことを確信した後は、相手が驚いて炎を吐かないようにそっと起こして状況を確認させて―
今に至る。

「参ったわねえ…看板息子がこんなにでかくなっちゃあ」
ガーン、という効果音が聞こえた気がした。バクフーンが半べそをかいている。ユエがため息をついた。
「冗談、冗談よ。メンタル面弱くなったんじゃないの」
ぽんぽんと頭を叩いてやれば、バクフーンがユエに寄りかかってきた。もふもふが顔に当たって苦しい。そして炎タイプだからか熱い。
「はいはい、さっさと食事してカフェに行くわよ。…カクライさんのメラルバ、大丈夫かしら」


数時間後。
変貌したバクフーンを見てメラルバが目を輝かせ、夏休み後半で宿題に追われていた学生達が一時中断の写メ大会になり、非番で来ていたサクライとヒメヤがそれぞれ、『寝てる間か…溜まってんじゃねえのか』『警部、それはセクハラと見られても仕方が無い発言です』という会話が交わされたという…

――――――――――
そろそろ進化させた方がいいかなと思った結果がこれだよ!
サクライさんとヒメヤさん。名前を出すのは初めてかと思われます。奇妙な一日でゼクロムとレシラム注文してた二人です。職業は警部、刑事。サクライさんは四十半ば。ヒメヤさんは二十代後半。
前者は駄目男なイメージがありますが、やることはきちんとやります。ヒメヤさんは下睫が特徴のイケメン。
こんな感じでよろしくお願いします。…やっと出せた


[No.1754] 成長した火山にお祝いを 投稿者:音色  投稿日:2011/08/15(Mon) 23:56:07   81clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

「これはこれは・・・」

 いつものようにメラルバを預けにきた黒服の男性は、贔屓にしているカフェの看板息子の急成長にさすがに戸惑いを隠せなかった。

「朝起きたら、進化してたのよ」

 店主の言葉に苦笑する。アイテムを利用する進化ならともかく、己の経験によって姿を変える種族であるならばあり得る話だ。
 カウンターに寄りかかるようにしてこちらを見ているバクフ―ンも、どこか気まずそうな顔をしている。

「ふふふ、とても立派になられましたね。私としても、彼の成長は喜ばしい限りですよ」
「よかったわねー、そう言ってもらえて」

 よろしいですか、と前置きをして大きくなった火山の首元をそっと撫でてやる。マグマラシの時にもメラルバと一緒にたまに近寄って来たときに、よくこうしてやった。
 やはりくすぐったいのが、目を細めて嬉しそうな顔になる。

「では、いつものようにお願いしますね」

 まだ少し眠りの中にいるメラルバをそっと彼に預ける。
 マグマラシ時代の時は、少しずつ成長するメラルバを抱っこするだけで精一杯だったのに、今では頼もしく彼女を受け止めてくれた。


 ぱちり、と目を覚ましたメラルバはいつも嗅ぎ慣れた匂いが少し変わっていることに首をかしげた。
 くんくん、と抱っこしてくれている相手がどうもいつもより、大きい。
『ほえぇ?』
『ん、起きたか?』
 見上げたそれは、見慣れたマグマラシではない。しかし、変わらない彼であるという事が匂いで分かる。
 大きく、温かくなった彼に、メラルバは一気に鼻をこすりつけて甘え始めた。


「さて、何がよろしいでしょうかねぇ」
 その頃、カクライはショッピングモールにいた。
 バクフ―ンに・・彼に気に入ってもらえるものはなんだろうか。
「ふふふ、他者に何かを送るという事は、久しぶりですね」
 心なしか、彼の口元は緩んでいた。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
余談  つづくよ、たぶん
バクフ―ンもふもふしに行きたい。うちのメラルバぎゅぎゅっとしてください。

【進化おめでと―!】


[No.1755] ミドリのジャローダに彼女が出来たようです。 投稿者:紀成  投稿日:2011/08/16(Tue) 10:54:51   83clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

最近、仕事があまりはかどらない。パソコンは使えるが、愛用の机が使えないことが多くなっているからだ。冷房の効いた部屋で、ガラステーブルで慣れない体勢で仕事をする。当然、腰も痛くなる。
理由は分かっている。ジャローダのせいだ。
自分の机を陣取って、せっせと手紙を書いているのだ。尻尾を器用に使い、ガラスペンでインクをつけ、可愛らしい便箋に文字を書いていく。はっきり言って何を書いているのかさっぱり分からないが、ポケモン同士では通じるのだろう。
そして、その書いている横顔がとても嬉しそうなことに、本人は気付いているのだろうか。ツタージャ時代からクールで通してきた彼の性格が、ここで崩れるとは。
主人であるミドリはおろか、本人すら予測できていなかったのかもしれない。

そう。ジャローダに、彼女が出来たのだ。

一ヶ月ほど前。期末試験が終わった日、ミドリは家に戻らずに直接ヒウンシティへ向かった。十三時発のホウエン、ミナモシティ行きの客船に乗るためだ。毎月連載している雑誌のコラムに、ホウエン地方のコンテストを紹介することになっていたのだ。
船に揺られて三日。ミナモシティに着いたその足でミドリはコンテスト会場に向かった。ノーマル、スーパー、ハイパー、マスター。全てのランクと、五つの部門がそろった巨大な会場だ。
会場内はコーディネーター達が沢山いた。連れているポケモンはどれも毛並みがそろっていて、艶もいい。片隅にはポロック製作の機械もある。
その中に、ミドリは一際輝く毛並みを持ったミロカロスを連れた女性を見つけた。女性自身も美しい。
「あの、お時間よろしいですか」
女性が振り向いた。ミドリは名刺を取り出す。彼女は驚いた顔になった。
「まあ!記者さんなの?」
「こんな子供に…とお思いかもしれませんが、全力で記事を書かせていただきます。取材よろしいですか」
彼女が笑った。
「ええ。お願いするわ。どんなことも聞いて」
「ありがとうございます。では…」
彼女の名前はミレイ。キナギタウン出身の二十八歳。連れているミロカロスは幼い頃、ヒンバスの時に怪我をしていた物を助けてそのまま手持ちになったという。
「最初はどうしていいか分からなかったの。バトル向きでも、コンテスト向きでもないでしょ。でもね、ある時本で見たのよ。すごく珍しいポケモンだって」
進化方法は、しぶいポロックを沢山あげること。美しさを磨いて進化するらしい。かなり特殊な進化方法だ。
「しぶい味の木の実を集めるのに一ヶ月。レベルの高いポロックを作るのに二ヶ月。進化させるのに三ヶ月」
「大変ですね…」
「でも今ではバトル、コンテスト共に活躍できる、大切な相棒よ!」
ミロカロスが嬉しそうに鳴いた。大きい。どのくらいあるだろう。これじゃうちのジャローダよりでかい…
「貴方はどんなポケモンを連れてるの?もしよければ、見せてくれないかしら」
私はボールを二つ取り出した。海の側で、しかも冷房が効いてるから、彼も水蒸気になることはないだろう。
「ジャローダ!フリージオ!」
ギャラリーが大きくどよめいた。当たり前といえば、当たり前。イッシュのポケモンはここでは見られない。
ジャローダは相変わらずツンとすまし顔。フリージオは周りの熱気で今にも水蒸気になってしまいそうだ。
しかしこうして比べて見るとミロカロスはでかい。ジャローダの二倍近くある。うちのジャローダは♂なんだけどなあ…
ふと、ミロカロスがミレイの後ろに隠れてしまった。彼女がどいても、すぐにまた隠れてしまう。
「どうしたの、ミロカロス」
私とジャローダは顔を見合わせた。もしかして…もしかすると…
ジャローダは何処から取り出したのか、バラの花を差し出した。だけどミロカロスは出てこない。尻尾を器用に使って受け取るだけだ。
「…」
私はこんな人間臭い姿を見せるポケモンを、初めて見た。


まあ、それから二日の滞在期間の間にめでたく二匹は恋人同士になって、今は遠距離恋愛中。年の差って感じじゃないけど、体格差…?カップルの誕生となったのでした。
ちなみにユエさんに話したら、『うちのバクフーンもそういうお相手がいてもいいかもね』って。
その言葉を聞いたバクフーンが食べていたユキノオーカキ氷を噴き出しかけたのは、また別の話。

――――――――
何かシリーズ化した。そして音色さんありがとうございます。さて何をいただけるのか…
楽しみにしております!さて次は誰のポケモンにしようかなー


[No.2129] お気に召していただけるかどうか 投稿者:音色  投稿日:2011/12/18(Sun) 22:09:24   96clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

「遅くなって申し訳ありません」

 メラルバを引き取りに来たカクライは何やら包みを抱えて戻ってきた。のすのすとバクフーンがが近づいてくる動作は、進化前となんら変わらない。
 視線が高くなったものの、カクライは彼の善意に笑みを浮かべて、寝入ってしまっている炎の幼虫をそっと抱きとった。

「ありがとうございます」
 お礼を兼ねてなんですが、そんな風に言葉を濁しながらバクフーンに包みを渡す。
 受け取った彼はそれが一体何なのだろうと恐る恐るといった様子で匂いを嗅ぎだす。
「進化のお祝いですよ」
「そんな・・わざわざありがとうございます」
 美しい店長は恐縮したのか、看板息子から手を伸ばして包みを受け取ると、丁寧に包装紙をとき始めた。
 
「あら!」
 ユエは意外そうな声を出した。
 中からは朱色の鮮やかな紋様が映えるバンダナが入っている。
「丁度、ホウエンの物産展をやっておりまして。彼の邪魔にならないような装飾品はそれくらいしか思いつきませんでした」
 苦笑しながらカクライが述べる言葉を、店長はそんなことはないと否定に入る。

「それでは、本日はもう遅いですから」
 一礼してカクライはドアをくぐって出て行った。
 次の日、彼は例のバンダナが学生たちが好き勝手にバクフーンを飾り付ける様子を見てまた苦笑を浮かべたという。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――
余談   バクフーンへのプレゼントに悩み過ぎて長いこと放置してしまっていた。

【紀成様へスライディング土下座】


[No.2131] 貴方のポケモンはー 投稿者:紀成  投稿日:2011/12/19(Mon) 17:53:53   73clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

かっこよくて美しいんだってさ!そうなの?

読み返して『そういえば』と思い出した駄目作者です。こんにちは。よかったなバクフーン!燃やすなよ!
バトルの時は外すかもしれません。


> 【紀成様へスライディング土下座】

【顔を上げてくださいな】

ありがとうございました!では!