「ポケットモンスター・ザ・フューチャー」(前四章+α)
 序章 〜第二章:ムキル編
 第三章〜最終章:ナツキ編

 これはアクジェネの前作となる小説で、もう随分前に書き上げた作品です。
 アクジェネとストーリー的につながっている部分もあります。

 一応、アクジェネは前作のフューチャーを読んでいなくても、理解できるように書いてるつもりです。
 しかし、前作とのストーリーの関連性やキャラクターを知っていた方が、より楽しめるかも知れません。
 ところが全125話という膨大な量に加え、昔の文書であるが故の読みづらい文体……。
 一応改訂版などもやってますが、昔のものをフォローするにも限界があります。−−;

 ……そこで、今回は前作フューチャーをサクッと理解できるように、総集編を用意しました。
 これをお読みになれば、フューチャーの大まかな話の流れが理解できるでしょう(多分ね)。
 まぁこれすら読まなくても、アクジェネを読む上で大きな支障はありません(これも多分ね……)。
 ですが、興味のある方はご覧になってみてください。

 

 うちのサイトにはフューチャー本文も載せてあるので、もちろん興味のある方はそちらをどうぞ。
 と言っても……なんか途中でバテそうな長さですけど(汗)。

 

 

 

序章「全ての始まり」
(全10話の総集編)

 

 

 

・クリスがチャンピオンになってから7年後

 

 ジョウト地方のヒワダタウンは、職人の町と呼ばれていた。
 中でも有名なモンスターボール職人として知れ渡っていたのが、ガンテツである。

 ヒワダに住む、まだ幼い少年:霧切(ムキル)。
 そして同い年である、ガンテツの孫娘:那月(ナツキ)。
 その子達は、毎日ガンテツにモンスターボール作りを教わるのが日課となっていた。

 本来はムキルの双子の妹である悠(ユウ)もそうだったのだが、この日は風邪で寝ていたという。
 ムキルは1人、いつも通りにガンテツの家へとやって来る。

「……あれれ、クリスさんがテレビに出てる!」

「ふむ、そうか……。あの子、ついにチャンピオンになったのじゃな!」

 ナツキとガンテツは、知っている女の子がテレビに出ているのに気付いた。
 実はその日こそ、後に有名となるクリスがポケモンリーグを制覇した日だったのだ。
 どうやらガンテツ達は、クリスがヒワダタウンに訪れた際に助けてもらったらしい。

 直接クリスを見た事のないムキルだったが、そのテレビを見て決心する。
 元々ポケモントレーナーに興味のあった彼は、大きくなったら必ずトレーナーになると決めたのだ。

 

 7年後。

 

 11歳に成長していたムキルは、カントー地方トキワシティで暮らしていた。
 ジョウト地方は、『とある事情』により住めなくなっており、移住を余儀なくされたのである。
 その際、ガンテツや幼なじみのナツキと離れ、行方不明となってしまった訳だが……。
 有名な職人なら旅をすれば必ず見つかると、ムキルは双子の妹ユウと、トレーナーになる事を改めて誓ったのだ。

 

 

 

・ポケモンアカデミーと4人のクラスメート

 

 7年後のトキワシティジムは、ポケモンの専門学校的な物へと規模を拡大させていた。
 それがトキワジム・ポケモンアカデミーである。
 トキワにはオーキド博士のようなポケモンをくれる人がいない為、この町の子供はアカデミーへ通いトレーナーになるのが普通だったが……。

「あ゙〜、めんどくせ〜……。他の町だったら、こんな苦労せずに済むのに」

 ムキルが嘆く理由は、彼の通うアカデミーの校則にあった。
 まず、アカデミーには卒業までに仮免試験と卒業試験があり、両方合格せねば卒業にはならない。
 更に卒業しなければ、トキワを旅立ってはいけないという決まりがあった。
 加えて仮免試験に受からない内は、ポケモンを持つ事自体が許されない。

 月に一度行われる仮免試験だが、ムキルは不合格続きで、ひたすらアカデミーの授業を強要されていた。
 人は彼を、落ちこぼれと呼んでいたのである。

 

 ムキルの教室は、仮免試験合格者と不合格者が、入り混じって授業を受けるクラスだった。
 つまり彼のクラスメートには、すでに仮免試験に合格してトレーナーとなった者もいる。

「よう、ムキル。今日、試験なんだってな」

「ま、せ〜ぜ〜悪あがきするこったな」

 嫌味を言ってくるのは、ラセツとユウタという少年。
 ムキルとユウの双子兄妹は、この2人が大嫌いだった(ぁ)。

「あ、ユウちゃんにムキル君。2人とも、今日が試験だよね。頑張ってね」

 そう声をかけるのは、ミルトという少女。
 このラセツ、ユウタ、ミルトの3人は、ムキルやユウと同期だったのである。

 加えてこのクラスにはもう1人、注目すべき人物がいた。
 蒼髪が印象的な彼の名は、レネレス。
 アカデミー内でも非常に女の子にモテ、その性格はクールで冷静沈着。
 だが、トレーナーとしての腕前はアカデミー内でも群を抜いていた。

 先程の3人に加え、レネレスも含めた4人……ムキルが特に知るライバル達だったのである。

 

 

 

・ムキルの挑戦と出会い

 

 アカデミーの仮免試験に、またも不合格のムキル。
 妹のユウだけが、仮免試験をパスしたのだった。
 アカデミーに頼らずとも、自分の力でポケモンを手に入れられれば……。
 そう考えて、トキワシティの外へと出向くムキル。

 そして出会ったのは、色違いの赤いニドラン♀。
 さすがに捕獲する事はできなかったが、ムキルはそのニドランに、いずれ捕まえた時に相棒となってくれと宣言する。
(ちなみに実際のゲームでは色違いニドランは赤じゃないと思います)

 

 また一方で、ムキルはアカデミーへもどうにかならないかと頼みにかかる。
 だが、現トキワジムリーダーでもあるアカデミー長からは、冷たい言葉しか与えられない。
 そこへ姿を見せたのは、アカデミー長の息子リキヤ。
 いつまでも落ちこぼれにいてもらっては困るというリキヤは、ムキルにある提案をする。
 それは近々行われるアカデミー内のトーナメント戦で、優勝すれば仮免パスと同等の扱いにするというものだった。
 しかし、代わりに優勝できなければ当分は仮免試験を受けられないという条件だ。

「どうするのだ、リキヤよ? あんな提案を、あえてするなんて」

 そんなアカデミー長の言葉に、息子リキヤはこう答える。

「お父さん、あんな落ちこぼれに居られると、このアカデミーの名に傷がつく。そろそろ、出ていってもらわないと困るよ。かと言って、無理矢理退学にさせて、それが世間に知れて問題にされるのも本末転倒。ベストなのは、あの落ちこぼれが自らの意思で退学してくれる事さ」

 つまり、これによってムキルを諦めさせ、彼自らアカデミーを出て行かせようという企みらしい。

 リキヤの魂胆は見え見えだが、とはいえチャンスを与えられたムキル。
 一時的にハネッコを与えられ、ムキルはすぐに仲良くなる。

 だが、トーナメント戦で勝ち上がるのは容易ではない。
 クラスメートのレネレス、アカデミー長の息子リキヤ、更にはシホという名の少女……。
 この3人はアカデミー三強と呼ばれており、トーナメント優勝には彼等との戦いも避けられないのだ。

 

 ……さて、ムキルは自宅にて、とある古びた書物を見つける。
 実はそれが、今後ムキルの切り札となるのだった。

 

 

 

・トーナメント戦

 

 ムキルは双子の妹ユウから、アカデミーを卒業せずに出ていく人も多い事を聞く。
 仮免取得となった者はアカデミーからポケモンを与えられるが、それはまだ貸し出された状態。
 卒業試験を合格して初めてその人のポケモンとなるらしいが、実際にそれを達成できる者は少ない。
 卒業せずにアカデミーを出て行く場合、アカデミーから与えられたポケモンは返さなくてはならないのだ。

 どうやら与えられたポケモンで野生ポケモンを捕獲し、卒業は諦め与えられたポケモンをやむなく返却して、自分で捕まえたポケモンで旅をする……という人が多いらしい。
 返されたポケモンは、また新たな仮免試験合格者に手渡され、リサイクルのように扱われる。
 実はアカデミーが計画した、効率のよいシステムだったのだ。

 ムキルとユウは強い憤りを覚え、必ずアカデミーを卒業し、アカデミー長に一泡ふかせてやる事を決意。
 ……そして、とうとうアカデミー内のトーナメント戦は開催された。

 参加は自由で、ユウは出場を拒否。
 一回戦目は、それぞれの試合直前にランダムで対戦相手が決まるという仕組みで、戦いまで相手が誰になるかは分からない。
 この中で、クラスメートのラセツ、ユウタ、ミルトは、順調に勝ち抜いていく。
 そしてムキルの初戦の対戦相手は……なんといきなりアカデミー三強の1人、レネレスだった。

「ムキル……お前の事情は、一応聞いている。だが、こっちも手加減はできない……それはお前に対しても、失礼に値するから。……覚悟はいいな……?」

「あぁ。上等だ、来い!」

 レネレスのスターミーを相手に、ムキルのハネッコは一方的にやられてゆく。
 誰の目から見ても、勝敗は明らか。
 だが……とある一瞬を機に、ムキルは形勢逆転。
 突然に状況が一転すると、ムキルは力任せの勢いでレネレスのスターミーを撃破。
 誰もが目を疑った。

 

 

 

・結末

 

 ムキルは凄まじい快進撃で、トーナメントを勝ち抜いてゆく。
 豹変した兄の活躍ぶりに、ユウは期待の眼差しでムキルを応援した。
 しかし、彼の無理に気づいている者もいた。
 アカデミー三強の1人、シホである。

 関西弁の少女シホが言うには、ムキルとハネッコは無理をしすぎているという。
 それを裏付けるように、ミルトとぶつかった試合開始寸前、ハネッコはフラフラになっていた。
 回復は毎回のバトルごとに行っていたのに、過剰な疲労が蓄積されていたのである。
 やむなくムキルは棄権し……彼のトーナメント戦は終わった。

「ふん。さっさと我がアカデミーから去ってしまえ、落ちこぼれめが! お前のような存在は、邪魔でしかないのさ」

 このアカデミー長の息子、リキヤの思惑通りになってしまったムキル。
 結果ハネッコは取り上げられ、しばらく仮免試験も受けられない。
 だが、リキヤにも誤算があった。
 ムキルは、予想以上に諦めが悪かったのだ。

 

 トーナメント戦は、ラセツとユウタは共に対決する事となるが結果はドロー。
 そして決勝、アカデミー三強同士であるリキヤとシホの対決もドローとなり、幕を降ろした。

 

 自宅に戻ったムキルは、先日見つけた古い書物を読んでいた。
 ユウがそれを訊ねると、かつてガンテツから貰った手作りモンスターボール製造に関する書だという。
 幼い頃にみっちり教え込まれていた事で、元々ムキルにはボール作成技術の基盤は備わっていた。
 加えて、幼い頃には理解できなかった書物の内容が、今ではしっかり読解できる。
 彼はトキワの森で採取してきたぼんぐりを材料に、特殊ボール作成を進めていたのだ。

 長年それを作り続けたガンテツの、精巧なボールに比べれば、未熟な出来ではあっただろうが……。
 ムキルは、まがりなりにもガンテツ流特殊ボールを完成させる。
 それらを持ち、彼は今一度トキワシティの外へと向かう。

 

 

 

・赤ニド再び

 

 先日出会った、色違いをした野生の赤いニドラン♀。
 ムキルはまた、そのニドランと出会う事ができた。
 自作のボールを片手に、彼はニドランとの戦闘を開始する。

「受けてみろ。ガンテツ流、レベルボール!!」

 レベルボールやムーンボールを投げてみるものの、赤いニドランは手強かった。
 一向に決着をつけられない中、ムキルは昔ガンテツが言っていた、7つのガンテツ流ボールの中でも切り札となる存在の事を思い出す。

『わしの作るボールの真価は、捕まえやすさに頼る事やのぅて、捕獲を通じてポケモンとの深い絆を得られるこのボールを使いこなす事によってこそ発揮されると言ってもえぇやろ。じゃらからこそ、これが切り札となるボールなのじゃよ』

 そのボールとは、直接捕獲をサポートするものではない。
 しかしムキルはあえて、この局面でそれを選び取る。

「行けー!! ガンテツ流奥義、フレンドボール!!」

 結果……赤いニドラン♀は捕獲された。
 ムキルは初めて、ようやく自分のポケモンを手にしたのである。
 まだ、アカデミーとの本当の戦いはこれからだ。
 仮免を持っていないムキルがポケモンを捕まえた事がバレれば、校則違反で退学させられるだろう。
 それでもムキルは、初めてのポケモンゲットが今後に大きくつながる事となる。

 

To Be Continued   Next Chapter 1 !!

 

<序章−簡易キャラクター紹介>

・ムキル
 本作品『ポケットモンスター・ザ・フューチャー』の第一主人公。
 後に第二主人公となるナツキとは幼なじみだが、現在彼女は行方知れず。
 7年前、ある事件を機にジョウトで住めなくなり、カントーのトキワシティへ移り住んだ。

・ユウ
 ムキルの双子の妹。
 まれにムキルと意気投合すると、この双子兄妹は誰にも止められない(?)。

・ラセツ、ユウタ、ミルト
 ムキルのクラスメート3人。
 ラセツとユウタは嫌味な性格で、ミルトは天然ボケで訳分からない子……。
 実際の序章(全10話)とか読むと、ミルトの意味不明さがよく分かります(ぇ)。

・レネレス
 もう1人の、ムキルの知るクラスメート。
 アカデミー三強の実力を誇り、女子にもモテる美形でクールな性格だが、意外とムキルに対しては友好的。

・シホ
 アカデミー三強の1人。
 関西弁を話す女の子で、底抜けに明るい性格を有する。

・リキヤ、アカデミー長
 アカデミーは元々トキワジムなので、アカデミー長は現トキワのジムリーダーでもある。
 息子リキヤはアカデミー三強の1人に数えられる実力者で、親子共にムキル排除を画策する。