第二章「過酷なる旅路」
(全26話の総集編)

 

 

 

・GRキャッスル

 

 GR団の本拠地、『グレートロケット・キャッスル』。
 組織の中枢を担う2人の大幹部の1人、カンザキは団長格一同に召集をかけていた。
 ……と言っても、案外出席率は低かったが。

 彼が召集をかけた理由は、GR草森団の壊滅及び団長失踪にあった。
 その戦いに参加していた仮面のGR団員2号兼、無の番人であるイシイから報告を受けていたのだ。
 カンザキがそこで出した指令は、モリノ捜索とGR草森団を撃破した者の調査。
 この任務を、その場にいたGR魔水団団長カノコと、GR超念団団長マミに与える。

「いいか? 今回の事には、今まで以上に真剣に当たってもらうぞ。特にモリノを倒した者は、必ず探し出して俺の目の前まで連れて来い! 分かったな!」

 

 

 

・アカデミーの崩壊と旅立ち

 

 GR団にいいようにやられてしまった、トキワジムリーダー兼アカデミー長。
 当然生徒達の不満の声は集まり、結局彼は失脚せざるを得なかった。
 (子供達の集団でジムリーダーを勝手に辞めさせる事ができるのかは置いといて(ぇ))

 リキヤもアカデミー長である父と共に去り、アカデミーは完全に崩壊。
 トキワジムは再び元の形となり、とりあえずはアカデミー三強の残り2人であるシホとレネレスが、さしあたりジムリーダーとその補佐を務めるという形に。
 後日その事をポケモンリーグに申請、及びリーダーになる為の審査や試験を受けるという事になり、騒動は治まった。

 こうしてアカデミーの呪縛から解放された生徒達は、心置きなくトレーナーとして旅立つ事になる。
 ちなみにGR団によって生み出されたクローンポケモン達も全て集められ、信用できるトレーナーやこれからトレーナーになる子供達に与えられる事になった。

「じゃあ、俺もそろそろ出発する!」

 仲間達の旅立ちを見送った後、ムキル自身も旅に出る事となる。
 彼はひとまず、アカデミーでタッグバトルのパートナーだったミズキと旅を共にする事に。
 (もし某ニビジムリーダーだったら、喜びそうだ……)
 そしてムキルの手持ちポケモンには、あの赤ニドのクローンも加えられていた。

「……そうや、ムキル君。これ、餞別やで。受け取っておきや。」

 軽いノリのシホがあっさりグリーンバッジまでくれたりなんかして、いよいよムキルは旅立つ。

「お兄ちゃんも頑張ってね。絶対、ナツキちゃんとガンテツさんを見つけ出すのよ。分かった?」

 幼い頃、生き別れた幼なじみナツキと、その祖父ガンテツ。
 この2人を探す事もまた、ムキルが旅に出る目的の1つなのである。
 彼は「当然だ!」と答え、トキワから南へ向けて出発するのだった。

 

 

 

・ムキルへの接触を図る少女

 

 11歳の少年ムキルと、15歳の少女ミズキの2人旅。
 2人は自分達がそれぞれ探している人がいる事を話し、アテはないが地道に旅して見つけ出す事にしていた。
 ……そんな中、出現したのは1匹のガーディ。

「野生ポケモンか……!」

「町の外では、野生ポケモンが襲ってくるから気をつけないと!」

 ムキルはすかさずポケモンを繰り出し、ガーディを撃退する。
 ところがそのガーディが、離れた所にいる1人の少女の元へ帰って行くのには、彼等も気づかなかった。

「おかえり、ガーディ。」

 そう言って少女は、ガーディをモンスターボールに戻す。
 どうやら、野生ではなかったらしい。

「あの男の子の腕前……なかなか、良い線いってるんじゃないかしら? よ〜し、早速あの子を尾行してみましょ。」

 

 ムキルとミズキは、やがてマサラタウンに到着する。
 何も無いその町で途方に暮れた彼等は、ひとまずオーキド博士の研究所を尋ねる事にした。
 そこでなんと、ムキルはポケモン図鑑を貰う。
 更にはオーキド博士の孫グリーンに連れられ、彼の家で泊めてもらう事になった。

 ところでこの頃になると、マサラタウンにもジムができていた。
 また、ワカバタウンに住んでいたウツギ博士は、7年前にマサラタウンに移住していたのだ。
 偶然、グリーンの家の前でウツギ博士に会ったムキルだったが……

「ジムリーダーに挑戦したいんですけど……。マサラジムの場所って、分かります?」

「へ? そりゃ、分かるも何も……この町のジムリーダーは、僕の息子がやってるんだよ。」

「……え゛!?」

 なんとマサラジムリーダーは、ウツギ博士の息子だと言う。
 そしてこの様子を、隠れた所で先程のガーディのトレーナーである少女も見ていた。

「へぇ、あの子……マサラジムに挑戦するんだ。じゃっ、早速お手並み拝見と行こうかしら?」

 

 とりあえず、この少女の尾行されるムキルとミズキ。
 彼等はウツギ博士の案内で、マサラジムへとやって来た。

「マサラジムのリーダーって……ドルさんですよね、確か。」

 GR草森団との戦いにも参加していた、マサラジムリーダー:ドル。
 ウツギ博士の息子でもあるという彼は、案の定ジムにその姿があった。
 まずはジムのトレーナー達との戦いを制し、次いでドルとのバトルも開始。
 GR団との戦い以降、徐々に成長の見られたムキルは善戦する。

「(ムキル君。ほんと、強くなったのね……。今まで何回もバトルをして、負けて、落ちこぼれ呼ばわりされて……。それでも、努力してきたんだものね。)」

 だが、ドルもそう容易く倒せる相手ではない。
 コラッタの猛烈なスピードに、ムキルは翻弄された。

「俺の手持ちポケモンは5匹……。コラッタ、ヒノアラシ、マリル、ピチュー、サンドだ。」

「本当に、ねずみ軍団なんっスね……。」

 ドルの手持ち。
 ねずみポケモン、ひねずみポケモン、みずねずみポケモン、こねずみポケモン……こんな感じだった(何)。

「そして、この5匹の中でも俺のコラッタは最速を誇るんだ。直線的なスピードじゃなくって、小回り等も考慮した、総合的なスピードではな。」

 ムキルの赤ニドも、コラッタによって倒されてしまった。
 だがここでムキルは、とっておきを繰り出す。

「……ならば。行け、クロニド!」

「クロニド?」

 それは、あの赤ニドのクローン。
 クローンのニドラン♀なので、名前がクロニドだった。
 そして戦いの末……なんとクロニドとコラッタは相打ち。

「……何ぃ!?」

「引き分け……ね。2人とも、良く頑張ったっていう事だわ。」

 ミズキはそう言うが、納得できないムキルとドルだった。
 しかもドルは明日以降、用事でグレン島に出かけてジムを空けるのだという。
 ムキルとミズキもどうせ旅をしているんだし、一緒について行き改めて向こうで決着をつけようという事で一応話はまとまる。

「でも……とりあえず御苦労様、ムキル君。勝てないって言っても、ジムリーダーレベルと互角に渡り合えるようになったのよ? 凄い事じゃないの。」

「(そ、そっか……俺、いつの間にかこんなに強くなってたんだ……。)」

 

 その日の夕刻。
 ムキルは1人で特訓をしていたのだが、彼は自分を見つめる少女の視線に気付いた。

「……おい。さっきっから、こっち見てるけど、何だよ?」

 すると、彼女はニコっと笑いながら答えて来る。
 実はこの少女、結構……いや、かなり可愛かった為、ムキルは少々戸惑う。

「こんにちは♪ 私の名前はラン。あなたは?」

「え、ええと……ムキル……だけど?」

 ランは何かとおだてながら、ムキルに迫った。
 何でも彼女も旅のトレーナーで、ムキルと同じく明日はグレン島に向かうのだという。
 更にランは、いきなりムキルに抱きつく。

「!!!!!!!!!!」

「ウフ……♪ ねぇ、ムキル〜……。折角、気が合うんだし、明日も船で会いましょ。約束よ?」

「ん……あ、あぁ……。(滝汗)」

 すっかりランのペースにはまり、了承してしまうムキル。
 約束を取り付けたランは、本日の別れを告げてから去って行った。

「……ランか。あんな可愛い子、トキワシティにはいなかったな。ユウなんかと、比べ物にならねぇや!」

 などと、ムキルは本人が聞いてたら飛び蹴りがすっ飛んで来そうな発言をする。

「けど、旅してるって……あの子、この町のどこで寝泊りするんだ? グリーンさんの家には、あの子は来てなかったし……。」

 ふと、素朴な疑問を抱くムキル。
 一方ムキルと離れてからのランは、次のような独り言を述べていた。

「ふふふっ、上手く行ったみたいね。さ〜てと、野宿できる場所を探さなくっちゃ。人の家に泊めてもらうなんて……そんな事できないわ。他人なんか信用出来ないもの。」

 彼女の手には、グレン島で開かれるポケモンのタッグバトル大会の広告があった。
 実はランは、この大会にGR団が関与している事を突き止めていたのである。
 ランの目的はGR団で、タッグバトルのパートナーとしてムキルを誘うという計画だったのだ。

「悪い奴は絶対に許さない、特にGR団は……! その為には、どんな手を使って人を利用しようとも、私はいとわないわよ。」

「へぇ……GR団絡みとは思わなかったぜ!」

「!?」

 だが唐突に後ろから現れたムキルに、ランの計画はあっさりバレる。
 何だかんだ言って、ムキルも騙されっぱなしではなかったらしい……。

「な、何? あ、ひょっとして私に会いに来てくれたの? 嬉しい〜!!」

「あのなぁ、俺は真面目に話を聞こうとしてるんだ。それにラン、お前は俺を利用しようとしたんだろが!」

 抱きついてくるランを引き剥がすムキル。
 とりあえず彼女から、計画について聞き出すのだった。

「それで俺の実力を見ていたんだな。タッグバトルで勝ち抜ける程の実力かどうかを……。けど、事情は分かった。GR団を放って置けないのは、俺も同じだ。利用されるってのは気に食わなかったが、協力してやるよ。」

「冗談じゃないわよ!! 私は自分以外の人間は信用できな……」

 急に怒鳴るラン。
 あまりの豹変ぶりにムキルも驚いたが、彼女は言いかけてすぐに表情と口調を元に戻した。

「あ、いや……何でもないわ。でも、そう……私に手を貸してくれるのね。さすが、ムキル♪ それじゃ、今日はこの辺で。」

 そのまま去り行くランを、ムキルはしばし呆然と見つめるのだった。

 

 

 

・GR魔水団強襲

 

 翌日、ムキルはミズキやドルと共にグレン島行きの船に乗り、ランとも再会する。
 ところが彼等の乗る船は、近づいて来る海賊船の姿を捉えて緊張が走っていた。

「カノコさ〜ん、あの船で良いんですか?」

 海賊船で声をあげる少年は、GR魔水団の主要団員センタ。
 実はこれ、GR魔水団団長カノコが乗る船だった。

「えぇ。とりあえず、手当たり次第に当たってみようと思ってね。」

「て、手当たり次第……? なんか、計画性のカケラも無いんですね……。(汗)」

「あら、でもちゃんとモリノの行き先を予想した上で、探しているのよ。」

 

 ムキル達を乗せた客船の船員達は、海賊相手に臨戦体勢を取る。
 しかし現れたGR魔水団の主要団員アイラによって、いいようにやられてしまった。

「さすが、アイラさん。この船の護衛ポケモン達を、一掃しちゃったよ。」

 続いてセンタがそう言って出現し、同じくGR魔水団の主要団員ミヤジマも後に続いた。
 その様子を見ていたランは、体を震わせながら物陰より飛び出す。

「GR団……許さない!!」

「……え? って、おい!! どうしたんだよ、ラン!! GR団に、何か因縁でもあるのかよ!?」

 ランの様子に驚きつつも、呼び止めようとムキルは叫んだ。
 しかしそこで、センタの攻撃対象になってしまう。

「ん、この船の乗客かな? よし、ギャラドス♂。行くぞ!」

 センタのギャラドスに、ムキルは赤ニドを出して応戦した。
 しかしそんな彼に、ランが冷たく言い放つ。

「ムキル……GR団は、私が倒すのよ。引っ込んでて!」

「な、何……?」

 ランはガーディを繰り出し、勝手に戦闘に参加する。
 その腕前は予想以上に高く、GR魔水団の主要団員を相手に互角以上の勝負を見せた。

「(何だよ、ランって案外強いじゃん。)」

 だがムキルは、ランがGR団に対して恨みのような感情を持っているらしい事が気になる。
 実際に今のランも、どこか異様な敵意を持ちながら戦っていた。

「あ、ムキル。大丈夫だった? まぁ、そこで見てなさいよ。私の彼氏に酷い事する奴は、み〜んな私がやっつけちゃうんだから。」

 でも、次の瞬間にはもう元通りになっていた……。

「……って、勝手に俺を彼氏にするなよな!」

「テヘっ♪ ボーイフレンドの方が良かった?」

「同じじゃん。」

「じゃ、フィアンセ♪」

「進歩してどぉする!?」

 そんな訳で、当然……

「ちょっと〜、何ラブコメ演じてるのよ!」

 こう叫ぶ者が現れる。

「アタシはGR魔水団の団長カノコよ。覚えておきなさい!」

「GR団団長!?」

「悪いけど、今は人探しで忙しいの。子供の相手をしている暇は無いから、ママゴトなら他でやってね。」

 しかし、GR団に敵意を持つランはこれを好機と考えた。

「GR団……! これからグレン島に会いに行こうって時に、現われてくれるなんて嬉しい限りだわ。」

「グレン島? …………。あ、ひょっとしてあれ? グレン島で行われる、タッグバトルのポケモン大会にGR団が関与してるっていう……あの事を言ってるの? あぁ、あれね……デマなのよ。」

「……え?」

 何でもカノコ曰く、情報かく乱の為のデマだったらしい。
 更にカノコは、モリノの事を知らないかを尋ねて来た。
 そんな所へやってきたドルとミズキだが、ついモリノを倒した1人がムキルであると、口を滑らせてしまう。

「(なっ……。)余計な情報を敵に伝えて、ど〜するんスかぁ!!」

「(GR団の団長クラスを……ムキルが!?)」

 ランもこれを聞き、驚くばかりだった。
 当然それは、敵であるカノコも同じ。

「ア、アカデミーの生徒だとは思っていたけど、あんたが〜!? …………。作戦変更!! あの子供を捕まえて、カンザキ様の元に連れて行くわよ!」

「……マジかよ……(泣)。」

 かくしてムキル達は、団長カノコを始めGR魔水団一同の攻撃にさらされる。
 そんな中で、カノコの口よりこの任務は、GR団の大幹部カンザキより指令を受けたものだと知らされた。

「さて。悪いけど、あなたは拉致させてもらうわ。アズマオウ、発動するわよ!!」

「!」

「覚悟しなさい……必殺、『ウォーターストリーム』!!」

 バシャシャーン!!

「うわぁ!?」

「きゃあ!?」

 強力な水の技で、ムキルは海の彼方に流されてしまった。
 もちろん、ドル、ミズキ、ランも巻き込まれ……。
 拉致すべきだった存在を力加減のミスで吹っ飛ばしてしまい、やったカノコ本人も呆然とする。

「……あ゙。やり過ぎたかな?(汗)」

 

 

 

・7年前

 

 ムキルは、今から7年前の事を夢で見ていた。
 それは、クリスがポケモンリーグを制覇した年でもある。
 この日、幼いムキルはガンテツに連れられ、ナツキやユウと共にコガネシティに来ていた。
 そして……ジョウトの中心コガネシティで、事件は発生する。

 コガネシティは突如、ジョウト全土を巻き込む程の大噴火が発生させたのだ。

 なぜ火山でもないコガネが、これ程までの超大規模な噴火が起こったのか?
 謎は7年経った今でも解明されていないが、後にジョウトが荒廃した危険地域になるという結果だけが残された。

 この噴火の際には、特殊な火山性ガスがジョウト全体に降り注いだ。
 これもまた生体へ及ぼす詳細な影響や成分等の謎が解明されていないが、ポケモン達を凶暴化させる特殊作用を持っていた。
 ジョウトは火山性ガスの毒と炎で満たされ、凶暴化した野生ポケモン達の住まう地となる。
 多くの者はカントーへ避難し、残った者には壊滅し無法地帯と化したジョウトでの過酷な生活を与儀なくされた。

 

 そして現在……。
 18歳に成長したかつてのチャンピオン:クリスもまた、その時の光景を思い起こしていた。
 実は彼女も、この時コガネシティに居合わせていたのである。
 チャンピオンとしてトレーナーの頂点を登りつめたハズの自分が、あの時は実に無力だったと……この事件は今でもクリスの心に暗い影を落としていた。

 

 一方、ヒワダタウンに住んでいたムキルも災害の中で運良く両親と再会でき、双子の妹ユウと共にカントー地方トキワシティに非難移住したのである。
 だがこの日、彼はガンテツやナツキと共にコガネシティに来ていた。
 混乱の中でムキルとユウはこの2人とはぐれてしまい……以後は消息不明。
 ムキルが旅に出てガンテツやナツキを探すという目的の、そもそもの経緯はこのようなものだったのである。

「……ん!?」

 さて、ムキルが目を覚ますと、そこにはランとドルの姿があった。

「あ、目を覚ました。良かった、マイダーリン♪ 心配したのよ?」

「……まだ言うか……(汗)。」

 彼等はカノコの攻撃時、共に流された救命ボートに乗っていたのである。
 しかしミズキは行方不明で、このボートに乗るのは3人だけだった。

 仕方無く漂流する事になった彼等だが……。
 しばしボートで3人でいなければならないという話になった時、急にランが豹変しわめき出した。
 ムキルも以前に、彼女が豹変した様子で人を信用できないと言っていた事を思い出す。

「……嫌よ!! 絶対、嫌!! 知らない人と、こんな小さな小船の上で待つなんて……。」

「ラン……。別に、悪い奴がいるわけじゃねぇし。」

「私は……他人なんか信じないの……。信じられるのは、私自身だけなんだから!!」

「…………。ラン♪(ニッコリ) わがまま言うなぁッ!!

「ひぇ!?」

 こうして、ムキルは強引にランを黙らせるのだった(ぇ)。

 

 漂流から数日後。
 食料も尽きてきた彼等だったが、ようやく陸地を発見し、上陸する事ができた。

「……気のせいか? ここ、見覚えがあるぜ……。」

 上陸し、少し北上した先にあったのは、廃墟と化した町並みだった。
 ムキルは過去の記憶から何かを思い出し、そして気づく。

「どうしたの? ひょっとして、何か分かったのね。さっすが私の、ボーイフレンド! 尊敬しちゃうわぁ♪」

「やべぇな……。」

「……え?」

 ムキルの只ならぬ口調に、ランも表情を変える。
 そしてムキルは、この廃墟が一体何なのかを告げた。

「ここは俺が昔、住んでいた町だ。その名は『ヒワダタウン』。俺達は、危険地帯である『ジョウト地方』に来ちまったようだな!」

 

 

 

・ランの過去

 

 日が暮れ始め、1件の廃屋の中で一夜を過ごす事になった3人。
 今の所は意外にも静かだが、夜どうなるかは分からないとドルが話す。
 一方ランとも会話するムキルだが、ひょんな事から探していたガンテツとナツキがクチバシティにいるらしい事を聞く。
 有力な情報だったが、今この場では会いに行く事も叶わない。

「……なぁ、ラン。」

 そしてムキルは、今の内にランの真意も聞いておこうと思いたつ。
 どうも当初から彼女は、ムキルを利用の対象にしている事に気づいていたからだ。

「い……嫌だわ、ムキルったらぁ♪ なんで私が、ボーイフレンドを利用しなくっちゃ……」

「ごまかすな! 今までは黙ってたんだが……俺は薄々、感づいていたぜ? お前は最初っから、俺達の仲間とかになってるつもりは無い。俺達を利用しようとしてるだけだってな。」

「…………。」

「出会ったばっかの人間を信用しろって言うのも難しいかも知れねぇけど、でも今はそんな事を言っている場合じゃねぇ。本当の意味で協力し合わなくっちゃ、帰れるかどうか……」

「……何、甘い事言ってるのよ……。危険地帯だからこそよ! 信用とか、協力とか……そんな甘い戯言を言ってる場合じゃないのよ! 生き残る為には、手段なんか選んではいられないわ!」

「……!」

「もう……良いわよ。私は1人で行く! 他人を信用するなんて……そんな危ない橋を渡るぐらいなら、1人で行った方がよっぽど安全だわ! さようなら、ムキル!」

 だが、危険地域であるジョウトに女の子1人で行かせる訳にはいかなかった。
 当然ムキルは追いかけるが、ランは態度を悪くしてつっかかる。

「なっ……何よ! ついて来ないでって言ったでしょ。それとも、なぁに? ひょっとして、私に未練でもあるの?」

「……!」

「ふっ……笑わせないでよ! 今までムキルに対して、私が恋人だのボーイフレンドだのって言ってたのは、あなたの機嫌を取る為よ。そうでなかったら、あなたみたいな人、誰が恋人にするって言うのよ?」

「…………。」

「今までは、私は猫をかぶってたの! それとも、ひょっとして気づいてなかったの? ぷっ……あははははははっ! 聞いて呆れるわ。私が本当に、あなたを好きだって思ってたなんて信じてたなんてね。ダサイ男!」

「…………。」

「これで、分かったでしょ? だから人を信用するなんて、馬鹿げてるのよ。」

 パァンッッ!!
 その瞬間、ムキルの平手打ちがランの頬を腫れさせた。

「……いい加減にしろよ。」

「なっ……何よ!? 自分の悪口を言われて、頭に血が上ったのかしら?」

「そんなんじゃねぇよ!!」

「!?」

 ムキルはアカデミーに通ってた頃、さんざん邪魔者や落ちこぼれ扱いされてきた。
 そんな中でも頑張れたのは、仲間達がいたからである。
 仲間の大事さをよく理解しているムキルには、ランの態度が許せなかった。
 そして同時に、ランは強がって見せているだけで、本当は今まで巡り会えなかった信頼できる仲間を欲しがっている事を見抜いていた。

「あんたなんかに……何が分かるのよ……。」

「じゃあ、ラン。お前、何で泣いてるんだ?」

「……!! なっ……い、いつの間に……こんな……!? こんなの、嘘よ……こんなの……こんなの……。」

「嘘じゃねぇさ。きっとそれが、ラン……お前自身も気づいていなかった、本心なんだよ。」

 必死に涙を拭い去ろうとするランに、ムキルは優しく諭す。
 そして彼は自分の事なら信じても大丈夫と答えると、ランはそれまで以上の涙を流し抱きつくのだった。

 

 ランが言うには、元々彼女は捨て子だったらしい。
 その時点で親に裏切られたようなものだと言うランは、更にその後も裏で子供を売り飛ばすような悪質な孤児院に入れられ、売られた先で召使い同然に働かされ、そこでもやがて捨てられるという彼女の経歴を話した。

「そんな私を拾ってくれたのが、マミ様だったわ。」

「……マミ様?」

「……全部で9つあるGR団の中でも、最高位のGR団があるの。それが、『GR超念団』。マミ様は、そのGR超念団の団長なのよ。」

 悪い人間を強く恨むランを、GR団は正義の集団であると偽って入団させたのだという。
 だがやがてそれも嘘だと気づき、またも裏切られたランはGR団を憎みながら逃げて来たのだった。

 

 そんな会話の後、2人はドルの待つ廃屋へと戻って来た。
 だが夜のヒワダタウン跡地は、昼間とは違う顔を見せ始める。
 ジョウトの野生ポケモン達が、ついに襲いかかり始めたのだ。

 

 

 

・ジョウトの支配人と元ジムリーダー

 

 凶暴なジョウトの野生ポケモンに襲われるムキル達。
 ウバメの森の方角へ逃げ込む彼等だが、そこへ更なる強敵が迫る。
 それは、荒廃したジョウト地方を支配する者達……ジョウトの支配人だった。

 ドルはそこで、ジョウトの支配人の一員となったかつての幼馴染、ビズの襲撃を受ける。
 彼女が持つ日本刀を振るうと、切り裂かれた周囲の木々の切り口から、何匹ものムウマが出現。

「何……!?」

「ポケモンも人や他の生物と同様、いつかは死ぬ。そして死んだポケモンの霊って言うのは、実は結構あっちこっちに存在しているの。その中にはゴーストポケモンに変化する者もいるんだけど……この刀は、それを即座に行う事が出来るのよ。つまり切った物についていたポケモンの霊を、ゴーストポケモン……ムウマに変化させるの! さぁ、覚悟しなさい!」

 たとえ相手が幼馴染であろうと、容赦なく攻撃を繰り出すジョウトの支配人『魔剣のビズ』。
 苦戦するドルだが、ムキルの援護攻撃もあって何とか押し返す。
 ところがビズの仲間として、以前トキワにも現れた2人のジョウトの支配人が出現する。

「ククク、久しぶりじゃな、小僧! 今更じゃが、我々はジョウトの支配人じゃよ。『ジョウトの支配人』とは、文字通り危険地帯と化したジョウト地方を、支配する組織でな。わしは研究部門担当の、『探求の偽オーキド博士』じゃ。」

「私は、『変装のリク』。諜報部門担当よ。」

「そして私が、『魔剣のビズ』。戦闘部門担当……ってわけ。」

 それに加えてもう1人、意外な人物が姿を現した。

「俺の名前はマツバ。元、エンジュジムリーダー、そして現在は『ジョウトの支配人・三幹部』の1人、『千里のマツバ』だ。」

「……!! 元ジムリーダー!?」

「かつて、ジョウト地方には8つのジムが存在した。当然、ジムリーダーも8人いたんだが……うち、3人が今では『ジョウトの支配人』になっている。しかも、いずれも三幹部としてな。」

 人数的に不利と判断したムキルは、そのままウバメの森の中へと逃げ込む。
 だがマツバにしてみれば、彼等が森に入るのは袋のネズミだった。
 マツバはビズに、ムキル達の追撃を命令する。

「……ただ、シクーの奴は来てないの? あいつ無しで森に逃げ込んだ連中を追うのは、大変なんだけど?」

「仕方あるまい。まぁ、案ずるな。俺が代わりに、『千里眼』で奴らの動きと行き先を見る!」

 マツバの持つ能力は、千里眼。
 それは、あらゆる物をも見通す超能力だった。

 千里眼の導きによりムキル達の居所をつかんだビズは、執拗に彼等を追撃。
 しかしそれを救ったのは、何とこれまた元ジョウトジムリーダー達だった。
 ビズの追撃から助けてくれたのは、イブキと名乗る女性。
 彼女とアカネ、ツクシ、そして今その場には居合わせてないもう1人の計4名が、現在ジョウトの支配人に対抗し活動しているとの事だった。

「大丈夫。私達が、カントー地方へ送り返してあげるから。」

 イブキ達の助力を得られる事になったムキル達は、翌朝コガネシティへと訪れる。
 今では魔都コガネシティと称されるそこでは、より強力なジョウトの野生ポケモン達が昼夜を問わずひしめいていた。

 迫り来る野生ポケモン達を撃退しつつ、彼等の向かう先は昔リニアという乗り物の駅として使われていた建物だった。
 そこで、クロロという少年に助けられていたミズキを発見。
 何でもクロロは元ジョウトの支配人だったのだが、組織を抜けてカントー地方に行く事にしていたのだという。
 合流した彼等は、電気を供給する事で昔のようにリニアを動かし、カントーへ逃げ延びる作戦に出る。

「よし、赤ニド♀。雷だ!」

「行くぞ、10万ボルト!!」

 イブキに駅の外を守ってもらっている内に、電気技で電力を得ようとしたのだが……。
 ボカーン……。

「……あ゛。」

 電気が強すぎ……イブキ、ツクシ、アカネの見る前で、リニアの駅は大爆発を起こしていた……。

 

 

 

・ムキル死す!?

 

 大爆発後、リニアはやたらおかしな音を響かせながらも、猛スピードでカントーを目指していた。
 しかしさすがに無理があったようで、町につく前にリニアそのものも爆発。
 吹っ飛ばされたムキルは、ラン、ドル、ミズキ、クロロとはぐれて1人になってしまった。

「クックックッ……。まさか、こんな所で巡り会えるとはな。お前がムキルか。」

 町への残りの距離を歩く途中、ムキルは見知らぬ男と遭遇する。

「……まさか、お前!!」

「自己紹介がまだだったな。俺はGR団の一員、グレース。こんな所でお前に会えるとは運が良い。お前を、カンザキ様の所に連れて行く!」

 そんな訳で、ジョウトから逃げて来れたかと思ったのも束の間、GR団の襲撃を受けてしまった。
 自分・ポケモン共にギリギリな体力だったが、どうにかグレースの攻撃から逃げおおせるムキル。
 だがグレースは、すでにムキルに発信機を取り付けていたのだった。

 

 かくして何とかヤマブキシティに到着し、一泊するムキル。
 実はラン等の仲間達はすぐ近くにいたのだが、結局運が悪く見つけそびれてしまう。
 ムキルはいずれ合流できると信じ、南のクチバシティを目指す事にした。
 彼の旅の目的にもなっていたガンテツとナツキの行方が、クチバだという情報を得ていたからだ。

 

 こうしてやって来た、クチバシティ。
 そこでついにムキルは、ナツキと7年ぶりの再会を果たす。
 しかし、いざ名乗ってみると……

「…………。ムキル君という名前なんですね。私は、ナツキと言います。」

「いや、そうじゃなくて(汗)。俺の事、覚えてねぇのか……?」

「え〜と……。どこかで、お会いしましたっけ?」

 どうやらナツキは、完全にムキルの事を忘れていた。
 いや、会話を続ける内……忘れていたどころか、ある意味もっと深刻である事をムキルは思い知らされる。

「私は、7年前までヒワダタウンに住んでおりましたわ。ですけれど……あまりその事は、思い出したく無いのです……。」

「思い出したくない……? え、何で?」

「私には、幼馴染の友達が2人いたんです。」

「(それ、俺なんだけどな。(汗))」

「その2人は、双子の兄妹だったんです。私はその2人とは、とても仲が良かったのですけれどね。実は7年前、コガネ大噴火の時に……ジョウト地方が危険地帯になった時に……2人は亡くなられてしまったんです。」

「(ガーン!! 死んだと思われてるッ!!)」

 勝手に殺されていたムキルは、もはや正体を言い出す気力も失せる。
 ところが、そんな時にあの男が現れてしまった。

「ふっ、なるほど。お前がムキルだな?」

「俺を知っている……? やっぱり、お前はGR団か! 一体、何者だ!?」

「俺は、GR団大幹部:カンザキ。わざわざお前に、俺自ら会いに来てやったのだ。光栄に思え、ムキルよ!」

「じ、GR団大幹部だとッ!?」

 唐突にムキルは、カンザキの襲撃にさらされる。
 それをナツキが助け、逃げおおせながら彼をとある場所へと連れて行く事に。
 そこは新しくできた、クチバの南の孤島に存在するカントー12ジムの1つ、ミラージュジム。
 何とナツキは、ここのジムリーダーになっていたのだ。

「おぉ、ナツキ!」

 そこには、ナツキの祖父ガンテツの姿もあった。
 ムキルはどうにか自分を理解してもらいたく思い、ガンテツにも名乗ったのだが……

「ムキル? はて、どこかで聞いた名やな。……う〜む……待てよ? ……っっ!!」

「お爺様、何か分かったのですか?」

「……ま、間違い無い!! ムキルの亡霊じゃあ!!」

「えぇ、亡霊!?」

「7年前に死んだはずの、ムキルの怨霊じゃよ!!」

「お、怨霊!?」

「うむ。ナツキ、お前は背後霊に取りつかれよったな!!」

「は、背後霊!?」

 ……ダメっぽかった。

「(こ、この爺と孫は、何なんだ……!?(怒))」

 まぁムキルが内心キレ気味になったのも、仕方がないと言える。

 

 

 

・カンザキの思想

 

「ククク、見つけたぞ!!」

 ジムに逃げ込んだのも、わずかな時間稼ぎにしかならなかった。
 GR団大幹部カンザキが再び出現し、戦闘に出されたベロリンガがムキルを攻撃してくる。

「どわぁ!!?」

「……!! 大丈夫か、亡霊ムキル!?」

「亡霊じゃねぇ!!(怒)」

 ガンテツの、しつこいボケ(?)はさておき……。
 なんとベロリンガは、GR団によって特別な処置を施された強化生物だった。
 その並はないパワーを振るい、なおもムキルに迫って来る。

「こいつは、俺の手持ちポケモンでは無い。俺の指示とは無関係に、攻撃を仕掛けるぞ!」

 ムキルはベロリンガに応戦し、一方ナツキはカンザキとのバトルに挑む。
 ジムリーダーだけに高い技術で挑むナツキだが、カンザキの強さに追い詰められてしまう。
 そしてムキルも、強力なベロリンガのパワーに圧倒されつつあった。

「ベロリンガ、そのくらいにしておけ。そいつにはまだ、聞きたい事があるんだ。」

「な、何のつもりだ!?」

「単刀直入に言おう。ムキルよ、我々GR団に、入る気は無いか?」

 カンザキは、1人ではないとはいえモリノと戦い抜いたムキルの実力を見込んでいたらしい。
 彼は言う。
 ポケモンとは戦う為に生まれて来た生物で、トレーナーはポケモンを強くする義務があると。
 弱いトレーナー、即ちポケモンを強くする力のないトレーナーは、ポケモンを持つ資格が無いと。

 弱者からポケモンを奪うのも、クローンを生み出し戦闘用ポケモンを増やす事も、ベロリンガを強化生物とする事も……。
 全ては、GR団の正義なのだという。

「弱いポケモントレーナーは、必要無いだと……!?」

「そうだ、邪魔なだけなんだよ。そう言う奴等から、全てのポケモンを解放してやるのが、我々GR団の真の目的。そしてポケモンの為なら、関係無い人間がどうなろうと、構いはしない。」

「うるせぇよ! ポケモンは、戦う為だけの生き物じゃない。」

 ムキルは、赤のニドラン♀2匹を戦闘に出す。
 カンザキはゴルダック♂、リザード♂、クサイハナ♂。
 そして更にベロリンガも、再びムキルを襲った。

「つ、強過ぎる!! 攻撃もかすりもしねぇ……。今までの奴らとは、桁違いだ……!」

 GR団大幹部カンサキの力は、想像以上のものだった。
 バトルでは、とても太刀打ち出来ないムキル。
 だが、ここで引き下がる訳にもいかない。
 真っ向勝負では勝てないと判断したムキルは、最後の手段に出る。

「まだだ。……まだ、終わっちゃいない……終わらせない! ガンテツ流……ラブラブボール! いっけー!!」

「……まさかっ!?」

 勝てなければ、ボールにポケモンを閉じ込め動きを封じる他無かった。
 敵3匹を捕らえ、その上吹雪でボールごと凍らせたのである。
 (なんか卑怯くさい気もするが)これを見てカンザキは笑い飛ばす。

「ククク……ハッハッハッハッハッ! まさか、この俺が負かされるとはな。確かに、俺は戦闘不能……お前の勝ちだ、ムキル。」

「…………。」

「ムキルよ、お前の頑張りに免じて、今回は手を引いておこう。これが凍ってしまったら、戦えないからな。だが、俺に同じ手は2度と通じないぞ。さらばだ!」

 凍ったボールを拾い上げ、カンザキは去って行った。
 もっとも、ベロリンガはその場に残されたままだったが。

「ム、ムキル……。そのベロリンガは、どうする気じゃ!?」

「ガンテツ流奥義……フレンドボール……!!」

 ガンテツの問いかけに、ムキルは行動で答える。
 ベロリンガを捕獲し、ムキルは自分の手持ちに加える事にしたのだった。
 だが、最後の力を振り絞った途端……ムキルはカンザキとの戦いでの極度の疲労が表に出て、その場に倒れてしまう。

「わしは病院に電話して来る。心配無いじゃろうが、一応は医者に見てもらうべきやからな。」

「……そうですわね。」

 ガンテツとナツキによって、ムキルはベッドの上で横にされていた。
 過酷な戦いの数々を終え、ひとまずムキルは眠り続ける。

「じゃが、保証しても良いぞ。この子はこの先、もっと大きくなって行く。わしには、計りしれん程にな!」

 

To Be Continued   Next Chapter 3 !!

 

<第二章−簡易キャラクター紹介>

・ラン
 一見とても明るい性格だが、強く人間不信な所のある少女。
 GR団に所属していた経歴を持つが、彼女だけはゲームキャラではなくオリジナルキャラです。
 ようやくしてムキルに心を開くが……?

・カノコ
 GR魔水団団長。
 結構軽いノリな色黒の女性だが、団長格だけに実力は高い。
 『ウォーターストリーム』は本来、ゲーム中に彼女が使うデッキ名。

・センタ、ミヤジマ、アイラ
 GR魔水団の主要団員。
 ちなみにGR団において主要団員とは、下っ端団員達にとっての小隊長的存在。
 魔水団の主要団員は、特に性格的個性が強い連中ばかりだとか何とか……。

・ビズ
 ジョウトの支配人、『魔剣』のビズ。
 本名ビリジアン。
 ウツギ博士の息子ドルとは幼馴染で、魔剣によりムウマを召喚し攻撃する。

・マツバ
 ジョウトの支配人・三幹部の1人、『千里』のマツバ。
 三幹部は全員が元ジョウトジムリーダー。
 千里眼により、あらゆる透視系能力を発揮する。

・イブキ、アカネ、ツクシ
 元ジョウトジムリーダー達で、現在はジョウトの支配人に対抗するグループ。
 そのメンバーは後1人おり、合計4人が活動を行っている。

・クロロ
 元ジョウトの支配人、『奇襲』のクロロ。
 とても遊び人的な人で、飽きたからという不純(?)な動機で組織脱退を決めたんだとか。

・グレース
 GR団のメンバーで、ムキルを追跡していた男。
 もちろん彼も他のGR団キャラ同様、『ポケモンカードGB2』に登場するゲームのキャラです。
 (ゲーム中では闘のGR団に所属していた)

・カンザキ
 2人いるという、GR団大幹部の内の片割れ。
 大幹部というだけあり、圧倒的な戦闘能力を有するバトルのエキスパート。
 GR団の思想と正義を忠実に貫く男。