Chapter-1『マサト、ポケモントレーナーに!』 (1) マサトがイザベ島でラルトスと再会を約束してから3年、10歳になり、ポケモントレーナーになったマサトは、あの日ラルトスと交わした約束を 果たすため、イザベ島に向かった。 島に着くと、マサトは昔ラルトスと別れたポケモンセンターに向かった。すると、そこに待っていたように、サーナイト、キルリア、そしてラルトスの姿が。 マサト「あ、ラルトス!」 ラルトスはうれしそうにマサトに抱きつき、再会を喜ぶ。 マサト「僕、ポケモントレーナーになったんだ。あの時の約束、覚えてる?『僕がポケモントレーナーになったら、会いに行くよ』って」 ラルトス「うん、覚えてるよ!」 しかし再会を喜ぶまもなく、そこにロケット団のコスチュームを身にまとった男女が現れた。しかし外見はムサシとコジロウはもちろん、 ヤマトとコサブロウでもない。しかし誰がどう見てもロケット団の一員であることは間違いなかった。 マサト「お前達は、ロケット団!?」 ロケット団員♂「ああ、そうだ。ムサシとコジロウ、ヤマトとコサブロウのような口上は必要ない!俺はロケット団のコイチロウ!」 ロケット団員♀「あたしは同じく、ロケット団のミカサ!そのラルトス、頂いていくよ!」 マサト「許さない!ラルトスは僕が守る!」 と思ったが、マサトはラルトスを最初のポケモンにするため、オダマキ博士にポケモンをもらっていない。そのため自分のポケモンを持っていなかった。 ミカサ「なぁに?ポケモントレーナーのくせしてポケモンを持ってないの?じゃあ容赦しないわ!行け、クロバット!」 コイチロウ「お前もだ!行け、ハッサム!」 ミカサはクロバットを、コイチロウはハッサムをそれぞれ繰り出した。 ミカサ「クロバット、くろいまなざし!」 クロバットのくろいまなざしがラルトスに襲いかかる。ラルトスはその場に釘付けとなってしまった。 コイチロウ「ハッサム、シザークロス!」 ハッサムのシザークロスが襲いかかる。まともに受ければ効果は抜群だ。その時、強烈な一撃が襲いかかり、ハッサムははねとばされた。 コイチロウ「どうした、ハッサム!」 そこに現れたのは・・・。 (2) ラルトスに襲いかかろうとしたハッサムをはねとばしたもの、それはエルレイドのサイコカッターだった。 このエルレイド、マサトとラルトスのお話の後、ラルトスたちの生活に加わったポケモンで、今ではラルトス・キルリア・サーナイトを含めた4匹で 生活しているのだった。 コイチロウ「こしゃくな!ハッサム、エルレイドにつばさでうつ!」 ミカサ「クロバット、エルレイドにどくどくのキバ!」 ハッサムのつばさでうつとクロバットのどくどくのキバがエルレイドに襲いかかる。 マサト「ラルトス、サイコキネシスだ!」 ラルトスのサイコキネシスが発動。今にもエルレイドに技を食らわせようとしていたハッサムとクロバットはたちまちはじき飛ばされた。 コイチロウ「おのれ〜!なんとしてもあのラルトスを頂いてやる!ハッサム、ラルトスにシザークロス!」 ミカサ「クロバット、かみつくよ!」 ハッサムのシザークロスとクロバットのかみつく攻撃。両方とも命中すれば効果は抜群だ。 マサト「ラルトス、ハッサムとクロバットをぎりぎりまで引きつけて、テレポート!」 ラルトスのテレポートが発動。ラルトスが突然姿を消したことで、ハッサムとクロバットは激突した。 そして再びラルトスが出現。 マサト「ラルトス、とどめのサイコキネシス!」 ラルトスのサイコキネシスが再び発動。ハッサムとクロバットを操り、コイチロウとミカサに激突させた。勢いでコイチロウとミカサは空中に。 ミカサ・コイチロウ「やな気分〜!」 ミカサとコイチロウ、そしてハッサムとクロバットは空の彼方に消えていった。 こうしてマサトはロケット団――ムサシとコジロウではなかったが――からラルトスたちを守ることができた。 そしてそれは、マサトがキルリアやサーナイト、そしてエルレイドに認められたことを意味していた。 マサト「ラルトス、僕と一緒に行こう?」 ラルトスはキルリア、サーナイト、エルレイドの方を見た。 3匹ともゆっくりうなずいてマサトにほほえんだ。 ラルトス「うん!」 (挿入歌、『そこに空があるから』が流れる) マサト「ありがとう、ラルトス!君が、僕の初めてのポケモンだよ!」 こうして、ラルトスはマサトの初めてのポケモンとなった。 マサト「(・・・サトシ。僕、ポケモントレーナーになったよ。いつかバトルしようね。)」 あの日の約束から3年。ポケモントレーナーとしてのマサトの旅が、今、始まるのであった。 Chapter-2に続く。 <初出> (1)・(2)とも:2008年4月6日、旧ぽけあに掲示板にて掲載。2009年12月20日、当サイト投稿・登録掲示板に掲載。