Chapter-21『甦る超古代文明!ロケット団の野望!!』 <はじめに> この内容には、暴力などと言った表現が含まれているわけではありませんが、一部に某ジ○リ映画のオマージュ的表現が含まれています。 元ネタは恐らく誰でも知っている作品ですが、元ネタをご覧になっていない方は十分ご注意ください。 (1) ネットワークマシンを完成させるのに必要な宝石、特別なダイヤモンドとパールを求めて、マサト達はナナシマのほぼ中央、へそのいわにやってきた。 しかし一足遅く、ロケット団幹部のケイがダイヤモンドを手に入れてしまった。 ケイがダイヤモンドをかざすと、ダイヤモンド、そして海底洞窟に置かれていたパールからも一筋の光が放たれ、へそのいわの沖から大きな光の柱が立った。 その光はへそのいわ周辺だけでなく、5のしまのゴージャスリゾートからでも見えた。アキホが不安げな表情で西の空に立った光の柱を見つめていた。 さらに遠く、7のしまでも北の空に現れた光の柱を見ることができた。一足早く7のしまに渡っていたユカリもその瞬間を見ていた。 カメックスは明らかに何かを感じ取った様子が見て取れた。 ユカリ「あの光のところに何かがあるのね。カメックス、行きましょう!」 ユカリを乗せたカメックスは、一路、北の方向に向かって海を渡っていった。 一方、へそのいわでは、ケイが薄ら笑いを浮かべながら、光が放たれた方向に向かってダイヤモンドをかざしていた。 マサト「これから、何が起こるんだろう・・・?」 ルリカ「あのダイヤモンドはここに置かれていた。そしてミキさんとコトミちゃんは、海底の洞窟でパールを見つけたって言ってたわ。 この2つが意味することは1つ。あの光の柱には、古代文明の遺跡が眠っているのよ。」 ケイ「さすがは四天王。そこまで知っているんだな。そうだ、俺たちが求めていたのはナナシマに眠る超古代文明。そして俺様はこの超古代文明を 甦らせて、新たな王となるのだ!」 マサト「それはお前だけの都合だ!それでこの世界がどうなってもいいのか!」 ケイ「関係ないな!」 ルリカ「ホウエンの超古代ポケモン、グラードンとカイオーガは、かつてマグマ団とアクア団が甦らせようとした。でも結局、超古代ポケモンは人間の 手では操れるものではなかったわ。そしてシンオウでもギンガ団が赤い鎖と湖の3匹、そしてこんごうだまとしらたまを使って、ディアルガとパルキアを 復活させようとしたわ。でも、結局思い通りになることはなかったわ。あなた達も同じことを繰り返したいの!?」 ケイ「関係ないな!」 言っている間に、光の柱の立った辺りの海が2つに割れ始めた。割れたところから、古代の神殿とおぼしき建造物が姿を現し始めた。 ケイ「見るがいい。かつてナナシマに栄えた超古代文明。その中心となったネイス神殿(※)だ!長きにわたる眠りから、今甦ったのだ!」 ネイス神殿という構造物が海の中からゆっくりとその全容を表し始めた。 それはへそのいわの内部と似た外観になっており、見るまでもなくへそのいわの遺跡との関連性がうかがえた。 さらに特徴的なのは、ネイス神殿は陸上の建造物というわけではなかった。何を隠そう、ネイス神殿は空中に浮かぶ古代の神殿だったのだ。 ルリカ「そんな・・・!古代文明は空中浮遊都市だったなんて!」 マサト「もしかしたら、ホウエンのどこかにあるというおふれのせきしつも、超古代文明と関係があるのかも・・・。」 ケイ「はっはっはっ!小僧、なかなか頭がいいな。そうだよ、ホウエンの言い伝えにあるポケモン、レジロック、レジアイス、レジスチル。そして それを束ねたとされる、シンオウの言い伝えにあるポケモン、レジギガス。このポケモン達は、元々ネイス文明が作り出したポケモンだったんだ! だが、古代人はその力が悪用されることをおそれて、ポケモンを封印したんだ。やがて古代文明も衰退、歴史の中に葬り去られていたのだよ。」 と、そこにポケギアに通信が入った。 コトミ「マサト!ルリカさん!今どうなってるの?」 マサト「ロケット団の幹部が、ダイヤモンドを奪って古代文明の遺跡を甦らせたんだ!しかもそれは、ただの古代文明でなくて空中浮遊都市だったんだ!」 ミキ「空中浮遊都市!?わかったわ。あたしとコトミちゃんもすぐ向かうわ。それまで何とかロケット団を食い止めて!コトミちゃん、パールをお願いね!」 ミキ「行ってらっしゃい、ラティオス!」 ミキは通信を切ると、ラティオスを繰り出した。 ミキ「コトミちゃん、乗って!」 コトミ「ラティオス、お願い!」 コトミは未だ光を放つパールを手に取ると、ミキと一緒にラティオスに乗った。ラティオスは2人が乗ると、マサト達が待つ岩山の頂上に向かって行った。 海の中から姿を現した、ナナシマ超古代文明の遺跡・ネイス神殿。そこには、どのような謎が隠されているというのだろうか。 そして、この世界の行方は・・・。 (2) ナナシマに眠っていた超古代文明の遺跡にして空中浮遊都市・ネイス神殿。それをロケット団幹部のケイが甦らせてしまった。 マサトからの一報を受け、コトミとミキがラティオスに乗り、岩山の頂上に向かう。 コトミ「空中浮遊都市って、そういうのがこのあたりに眠っていたの?」 ミキ「まだ分からないけど、マサト君はロケット団がダイヤモンドを使って古代文明を甦らせてしまったって言ってたわ。きっとパールが光を 放っているのは、それが影響しているんだと思うわ。」 コトミの持っているパールは未だに一筋の光を放っている。この光は地層を突き抜けている模様で、おそらくはある1か所を指し示しているのだろう。 その指し示している方向に、マサトが報告していた空中浮遊都市、超古代文明のネイス神殿があるのだろう。 ミキ「この光は、きっとこの地層を突き抜けて、マサト君が言っていた古代文明のありかを指し示しているんだと思うわ。もし本当なら、 ロケット団は古代文明を操って思いのままにするかもしれないわ。コトミちゃん、気をつけてね!」 コトミ「はい!」 言っている間にもラティオスは上に向かって進んでいく。姿を現した超古代文明の遺跡。しかし、ここからでは上空は丸く見えているだけで、 青空ものぞいている。一見すると何も変わらない光景がそこに見えた。 と、そこに別の通信が入った。トモヤだった。 トモヤ「コトミちゃん、ミキさん、大丈夫?」 ミキ「トモヤさん!今マサト君から連絡が入って、あたしとコトミちゃんが岩山の頂上に向かってるの。空中浮遊都市がどうとか言ってたわ。」 トモヤ「ここからでも十分見えます。おそらくロケット団はあの空に浮かぶ島に乗り込むつもりだと考えられます。・・・コトミちゃんは?」 コトミ「あたしは大丈夫です。きっと頂上ではマサトとルリカさんがロケット団を相手にしているんだと思うの。ロケット団を止めなきゃ!」 トモヤ「2人とも気をつけるんだ!おそらくロケット団は幹部クラスの主力を送り込んでいるに違いない。点の穴のときみたいな下っ端だけではないと 考えていいだろう。心して行くんだ!」 コトミ「はい!」 一方、岩山の頂上では、ネイス神殿がその全容を表していた。 かつてネイス神殿は古代文明の中心として栄えたらしく、古代遺跡の構造が見て取れていた。そしておそらく、内部に眠る何かしらの力で空に 浮かんでいたのだろう。 ケイ「見るがいい、今こうして甦ったネイス神殿を。俺はこのネイス神殿の王となり、新しい世界を築くのだ!」 マサト「そうはさせない!行くよ、サーナイト!」 マサトはサーナイトを繰り出した。 ルリカ「あなたみたいな悪は、この私が四天王の名にかけて許さないわ!行くわよ、メガニウム!」 ルリカはメガニウムを繰り出した。 ケイ「面白い。ポケモンバトルで勝負というのか。それなら俺も行くぜ!出でよ、バンギラス!」 ケイはバンギラスを繰り出した。その瞬間、今まで晴れていた空が一変、強烈な砂嵐に見舞われてしまった。 ルリカ「マサト君、バンギラスの特性・すなおこしよ。いわ・はがね・じめんタイプ以外のポケモンはダメージが大きくなるし、いわタイプの 耐久力が上がるわ。気をつけて!」 マサト「うん!サーナイト、マジカルリーフ!」 ルリカ「メガニウム、エナジーボール!」 サーナイトがマジカルリーフを、メガニウムがエナジーボールをそれぞれ放った。いずれもくさタイプの技。いわタイプのバンギラスには効果抜群だ。 が、バンギラスはさほどダメージを受けていない。 マサト「効かない!?」 ルリカ「どうしてなの?」 ケイ「俺のバンギラスは、ちょっとやそっとのダメージはものともしないんだ!バンギラス、いわなだれ!」 バンギラスがいわなだれを放った。 マサト「サーナイト、メガニウムと一緒にテレポート!」 サーナイトがメガニウムと一緒にテレポートした。間一髪いわなだれが2匹のいた場所に落下、バンギラスの攻撃ははずれた。 ケイ「何っ!?」 マサト「サーナイト、もう一度マジカルリーフ!」 ルリカ「メガニウム、はっぱカッター!」 バンギラスの真後ろに現れたサーナイトとメガニウムが容赦ない攻撃を浴びせる。後ろをとられたバンギラスに技が直撃。効果は抜群だ。 ケイ「ほう。小僧、お前はなかなか見込みがある。ロケット団に入れば幹部になれるかもしれないな。それとも、俺と組んで古代文明を 繁栄させようではないか?」 マサト「断る!」 ルリカ「何ということを言うの!?あなたに超古代文明を操る資格はないわ!おとなしくダイヤモンドを返しなさい!」 と、そこにコトミとミキも到着した。 コトミ「マサト!」 ミキ「ルリカさん!」 コトミの手にパールが握られていたのをケイは見逃さなかった。 ケイ「そこの小娘。お前が持っているのはパールだな。見ろ、ダイヤモンドとパールの光が1つになって、ネイス神殿が完全復活を遂げるのだ!」 コトミ「ふざけないで!パールは渡さないわ!」 ミキ「ラティオス、サイコキネシス!」 ラティオスがサイコキネシスでケイの持つダイヤモンドを取り上げようとする。 ケイ「お前達もじゃまをする気か。しょうがない。バンギラス、邪魔者のラティオスにかみくだく攻撃!」 バンギラスがラティオスをかみ砕いた。あくタイプのかみくだくはエスパータイプのラティオスに効果抜群だ。 ラティオスはその場に倒れ込み、技の発動が途切れてしまった。 ミキ「ああっ、ラティオス!」 ミキはラティオスをモンスターボールに戻した。 ケイ「見ろ、ネイス神殿の全貌を!この神殿は古代文明の象徴。この俺が新しい支配者にふさわしいのだ!」 ケイの足下が青く光り出し、空に続く道ができた。もちろん、その道が続くのはネイス神殿の入り口だ。 ケイ「お前達、俺の野望を止めたいんだな!?なら神殿までついていくかね?」 と、そのときだった。 強烈なハイドロポンプが、ケイの右手に持っていたダイヤモンドを空高く跳ね上げたのだった。 ケイ「ダイヤモンドが!!」 ルリカ「今よ!メガニウム、つるのムチ!」 メガニウムがつるのムチを伸ばして、ダイヤモンドをつかもうとする。しかし後一歩というところで、突如として現れたドンカラスに取られてしまった。 マサト「ドンカラス!?」 下を見ると、さっきまで遥か下の船着き場に止められていた、ロケット団の潜水艦だと思っていた乗り物が空高く飛んでいたではないか。 ケイ「ありがとう、ドンカラス。見ろ、これはロケット団の飛行艇なのだ。あるときは潜水艦、そしてまたあるときは飛行艇。空の上だろうと 海の中だろうと自由自在なのだ!はっはっは・・・!」 言っている間にもケイはネイス神殿の中に足を踏み入れていく。マサト達も追おうとするが、ケイが渡りきると同時に、その道が消えてしまった。 もちろん、ドンカラスもケイにダイヤモンドを渡すと、飛行艇に向かっていった。 マサト「ケイのやつ!それにしてもさっきのハイドロポンプって・・・?」 果たして、ハイドロポンプはどこから放たれたのだろうか。そして、誰のポケモンがやったことなのだろうか。 (3) へそのいわの岩山頂上、マサト達はロケット団幹部・ケイの手に落ちたダイヤモンドを奪い返したかに見えた。しかし運悪くロケット団員のドンカラスに 奪われてしまい、ダイヤモンドは再びケイの手中に落ちてしまった。しかしそのとき、別の方向からハイドロポンプが放たれたのだった。 コトミ「あれを見て!」 コトミがへそのいわの沖合の海上を指さした。そこには、カメックスにまたがった女性トレーナーが1人いたではないか。 姿はかなり小さく見えるが、それはユカリだった。 マサト「ユカリさん!?」 ハイドロポンプを放ったのはユカリのカメックスだった。この距離だとかなり小さく見えたことだろう。それでも狙いを外してはいなかったのだ。 ここからではよく見えないが、ユカリは飛行系のポケモンを1匹出してそれに乗り、代わりにカメックスをボールに戻しているようだ。 どうやらムクホークのようだ。 しかしそれを見ている間もなく、ネイス神殿はマサト達のすぐそばを通り過ぎていく。ケイ達ロケット団はどこに向かおうとしているのだろうか。 コトミ「ネイス神殿が遠ざかっていく・・・。」 ルリカ「私たち、これからどうすればいいのかしら?」 ミキ「コトミちゃん、パールはまだ光を放ってるかしら?」 コトミはパールを取り出した。パールはネイス神殿が飛んでいった方向に向かって一筋の光を放ち続けていた。 ミキ「あの光の差す方向をたどっていけば、ロケット団の待つネイス神殿にたどり着けるということになるわ。 だから、諦めないで乗り込む手段を考えましょう!」 と、ユカリもムクホークから降りてマサト達に合流した。 ユカリ「今の、何だったの?ものすごく大きな、空を飛ぶ島みたいなのが飛んでいってしまったけど・・・。」 マサト「実は・・・。」 マサト達はユカリにこれまでのいきさつを説明した。 ユカリ「そうだったんだ。ロケット団って、カントーを中心に活動している、悪の組織って言われてる集団でしょ?それがどうして、 ナナシマでこんなことをやっているのかしら?」 コトミ「あの連中は、ダイヤモンドとパールを利用して、ナナシマに眠る超古代文明を甦らせるみたいなことを言っていました。そして、6のしまの 点の穴でサファイアを見つけたとき、団員に危うくサファイアを持って行かれそうになってしまったんです。そのときはあたし達が協力して撃退して、 今サファイアはネットワークマシンに備え付けられているのですが・・・。」 マサト「このへそのいわの地下にパールが眠っていて、コトミとミキさんが協力してパールを見つけることはできました。 そして僕とルリカさんがダイヤモンドを見つけたのですが、ダイヤモンドはケイって言う、ロケット団の幹部に奪われてしまいました・・・。」 ルリカがマサト達の方を向いて言う。 ルリカ「ユカリさん、ミキさん、そしてマサト君にコトミちゃん。ロケット団はダイヤモンドとパールを悪用して、恐ろしいことをたくらもうとしているわ。 伝説のネイス神殿が封印から解き放たれた今、ロケット団はネイス神殿に眠る古代の力を使って、世界を破滅させるかもしれない。このへそのいわは、 伝説のポケモン、ホウオウとルギアに関係の深い場所とされていた。私たちは、きっとこの世界を消滅の危機から救うために、ホウオウとルギアに 選ばれたのかもしれないわ。」 ミキ「きっと、離ればなれにされたダイヤモンドとパールを守ろうとして、ホウオウやルギアが現れるかもしれないわ。だから、これからの戦いは普通の ポケモンバトルとは違うわ。みんな、これからは気が抜けないと思うから、慎重に行きましょう。そして、何としてでもダイヤモンドを取り返して、 ニシキ博士のネットワークマシンに納めましょう!」 一同「はい!」 と、そこに通信が入る。ニシキ博士だった。 ニシキ博士「今トモヤさんも一緒に見ていたんだが、とんでもなく大きな島が南西の方向に飛んでいったぞ!あれが超古代文明の遺跡なんだな!?」 マサト「はい。ケイって言うロケット団の幹部と、多くの団員があの中に乗り込んでいきました。 そしてケイの手の中にはダイヤモンドが握られているんです!」 トモヤ「マサト君、そしてほかのみんなも、一度下に集まるんだ!」 ニシキ博士「・・・すると、超古代文明というのはあの空中浮遊都市と言うことで間違いないのだな?」 マサト「はい。連中はネイス神殿といっていました。」 ニシキ博士「ネイス神殿か・・・。言い伝えではネイス神殿は古代、ホウオウとルギアが羽を休めていたという。やがて文明が衰え、ネイス神殿は役割を 終えて海の底に沈み、ホウオウとルギアは新たな安らぎの地を求めて空と海に消えていったという。そして数百年前、エンジュシティに スズのとうが建てられたとき、ホウオウはそこに新たな安らぎの場を求めて降り立ったと言われている。しかし、300年前の争いのさなか、 スズのとうは崩壊、それ以来ホウオウは人間達との交流を絶ち、空を飛び続けていると言われている。一方のルギアは渦巻列島やオレンジ諸島などで 長い年月を過ごしていると言われているそうだ。」 コトミ「すると、ダイヤモンドとパールは?」 ニシキ博士「恐らく、古代の人たちはホウオウとルギアに接近する手段として、特別なダイヤモンドとパールを使っていたのだろう。それらは本来、 一緒の場所に置かれているもの。長い年月へそのいわに眠っていたことや、ネットワークマシンのためにも同じ場所に置かれてなければ ならないことなんだ。ましてや今回、ロケット団がダイヤモンドを手に入れてしまい、コトミちゃんがパールを持っていると言うことは、 本来あり得ないことだったのかもしれないな。」 トモヤ「私たちもネイス神殿に行きます。ダイヤモンドを取り返して、ネットワークマシン完成に協力したいんです!」 ニシキ博士「こうまでなってしまっては、そうする以外に方法はないだろう。危険を伴うかもしれないが、直接取り返す以外に手段はない。 だが、相手は空を飛んでいる。空を飛ぶポケモンがいれば、神殿に乗り込むことも無理な話ではないだろう。 ・・・あなたは確か、ユカリさんとおっしゃってたね。」 ユカリ「はい。あたしもネットワークマシンの完成に協力したいんです。お願いできますでしょうか?」 ニシキ博士はユカリにポケギアを手渡した。 ニシキ博士「それならあなたもこれを持って行くといいだろう。これさえあれば持っているもの同士なら通信ができる。あの中には何が待っているか 分からないから、持って行くといい。」 ユカリ「ありがとうございます。」 ニシキ博士「みんな、私の船に乗ってくれ。ネイス神殿は南西の方向に向かっていった。古代の遺跡が甦り、この世界もどうなるか分からない。 みんな、何としてでもダイヤモンドを取り返して欲しい。私からのお願いだ。」 一同「はい!」 〜挿入歌・『新たなる誓い』が流れる〜 こうしてマサト達は、ニシキ博士の船に乗り、ネイス神殿が飛び去っていった方向に向かって船を進めるのだった。 古代文明の遺跡・ネイス神殿を手に入れたロケット団は、何をもくろんでいるのだろうか。 そしてマサト達は、この世界に迫る危機を食い止めることはできるのだろうか。 一方・・・。 ネイス神殿の中央部、祭壇の間とおぼしき場所では、ケイが不敵な笑みを浮かべていた。 ケイ「ここがネイス神殿の中心部。素晴らしい。古代人の知識はすべてここに結集していたのか。 見ろ。私はこの世界の王となるのだ!はっはっはっ・・・!」 その光景を、遥か遠い空の彼方から、そして深い海の底から、激しい怒りと憎しみの眼差しで見つめる2匹のポケモンがいた・・・。 (※)「ネイス神殿について」 ネイス神殿は、ファイアレッド・リーフグリーンには登場しない本作オリジナルの超古代文明の遺跡です。 名前の由来は青ヶ島の南方海上にあるベヨネース(ベヨネーズ)列岩に由来します。 Chapter-22に続く。 <初出> (1):2009年10月27日、(2)・(3):2009年11月5日、いずれも旧ぽけあに掲示板にて掲載。