Chapter-22『ルギアとホウオウ!ネイス神殿・最終決戦!!(後編)』 <はじめに> 前編でも触れていますが、この内容には某ジ○リ映画のオマージュ的表現(もはやパロディに等しいですが・・・)が多数含まれています。 元ネタは恐らく誰でも知っている内容ですが、元ネタをご覧になったことがない方は十分注意してお読みくださいませ。 (4)(段落は前編からの続き) ネイス神殿の一室、ロケット団のミカサとコイチロウ、そして多くの団員たちは、幹部・ケイの声だけが響く中、外の様子を見ていた。一方のケイは石盤に ダイヤモンドをかざした。 次の瞬間、半球体のドームから黒い闇の固まりが放たれ、ルギアとホウオウに向かって飛んでいった。 その様子は船に残ったニシキ博士も見ていた。ニシキ博士はポケギアで連絡を入れた。 ニシキ博士「マサト君達、今神殿の半球体から黒い闇の固まりが放たれたぞ!」 マサト「黒い闇の固まり!?」 ミキ「どうなったんですか!?」 ルギアは空気圧を集めて発射している。エアロブラストだろうか。・・・しかし、それも黒い闇を打ち消すことはできず、そのままルギアに命中した。 ルギアは黒い闇に包まれ、自由な行動ができなくなっていた。そして黒い闇は、ルギアを取り込んだまま神殿に向かって消えていった。 ニシキ博士「大変だ!ルギアが闇の固まりに取り込まれてしまったぞ!」 コトミ「ルギアが!?」 トモヤ「ホウオウはどうなったんです?」 ホウオウも七色に光る炎、おそらくはせいなるほのおで攻撃、黒い闇を打ち消そうとした。が、黒い闇はそれを打ち破り、ホウオウを捕らえてしまった。 そしてホウオウを覆った闇の固まりもまた、神殿に向かっていった。 ニシキ博士「ホウオウまでが捕らえられてしまった・・・!」 一方、神殿内部の一室では、その様子をミカサとコイチロウを始め、団員達が見ていた。 ケイ「古代人が作り出した、ポケモンを捕らえ、思いのままに操ることのできる空間だよ。これでルギアとホウオウは俺のものになったのだ!」 コイチロウ「ケイ様、やはりあなた様はロケット団の新しい時代を築くのにふさわしいお方です!」 ミカサ「ロケット団が新しい時代を作るのです!」 ケイ「お前達のあほ面には心底うんざりさせられる。・・・お前達はもう必要ないのだよ。」 ミカサ・コイチロウ「えっ!?今なんと仰いました?」 ケイ「帰れ!!」 ケイが石盤にダイヤモンドをかざした。 と、次の瞬間ミカサやコイチロウ、そしてその他の団員達が立っていた足元が開き始めた。ミカサとコイチロウは構えるまでもなく海に落ちていった。 団員達もそれに気づいて我先にと出口に詰めかけたが、ミカサやコイチロウと同じ運命をたどることになった。 ロケット団員A「うわぁーー!!」 ロケット団員B「落ちていくーっ!」 ロケット団員C「誰かー!助けておくれーー!!」 ミカサ・コイチロウ「やな気分〜!!」 ニシキ博士はその一部始終を船から見ていた。 ニシキ博士「ケイのやつ!団員を海に落としてしまった!」 マサト「海に!?」 ニシキ博士「おそらく自分の計画にほかの連中は不要だと判断したのだろう。敵とはいえ情け容赦のないことをするものだ。くれぐれも気をつけるんだ!」 ルリカ「はい。・・・コトミちゃん、パールを出してみて。」 コトミの持っていたパールは、通路をさらにまっすぐ行った方向を指し示している。この奥にケイ、そしてダイヤモンドが待っているに違いない。 ユカリ「もしかしたらあたし達に対しても何か仕掛けるかもしれないわ。慎重に行きましょう!この反応から行くと、 ケイがいるのはすぐ近くかもしれないわ!」 一方、ロケット団の飛行艇では、緊急事態を察したのか、団員達がポケモンを出してネイス神殿に攻撃を始めていた。 ゴルバットやクロバットがちょうおんぱを、また飛行艇のデッキからヘルガーのかえんほうしゃやマタドガスのヘドロばくだんなどが放たれていたが、 もちろん神殿にダメージがあるはずもない。 ケイ「はっはっは、その程度の攻撃で私に刃向かおうというのか。おもしろい!」 ケイは石盤にダイヤモンドをかざす。するとさっき黒い闇を放った半球体から、今度ははかいこうせんの何倍もありそうな強烈なビームが放たれた。 ビームは飛行艇のポケモン達で迎え撃つまでもなく飛行艇に命中した。命中した瞬間、飛行艇は強烈な爆発を起こして墜落し始めた。 ケイ「はっはっはっ。人やポケモンがみんなゴミくず同然だ!私に刃向かうとこうなるのだ!」 そのとき、プラチナに一筋の光が差し込んだ。マサト達が到着したのだ。 マサト「お前、よくもほかの団員を!」 コトミ「おとなしくダイヤモンドを返して!」 トモヤ「お前のしたことは許されることではない!そのダイヤモンドを今すぐ返すんだ!」 ユカリ「あなたはロケット団の幹部に居座る資格も、いやポケモントレーナーとしての資格もないわ!」 ルリカ「四天王としてだけじゃない。一人の人間として、あなたを許すことはできないわ!」 ミキ「今すぐこの神殿を元に戻して!そしてダイヤモンドを、おとなしくあたし達に渡して!」 ケイ「それはどうかな?」 ケイが不敵な笑みを浮かべながらダイヤモンドを石盤にかざした。 すると、黒い闇に操られたルギアとホウオウが姿を現したではないか。 マサト「ルギアが!!」 ミキ「ホウオウもだわ!・・・今すぐ解放して!」 ケイ「行け、ルギア、ホウオウ!」 次の瞬間、ルギアは強烈ははかいこうせんを、ホウオウは容赦のないかえんほうしゃをマサト達に向けて放ったではないか。 マサト「仕方ない!サーナイト、行くよ!」 ミキ「お願い、エーフィ!ルギアとホウオウを救い出すのよ!」 コトミ「エルレイド、頼むわよ!」 ルリカ「頼んだわよ、メガニウム!」 トモヤ「行け、ニドキング!ダイヤモンドを取り返せ!」 ユカリ「カメックス、この世界のために、お願い!」 伝説のポケモンまでも手中に収めたケイ。果たしてマサト達は、ケイの野望をくじくことができるのだろうか。 そして、ダイヤモンドを取り返すことはできるのだろうか・・・。 (5) ついにロケット団の幹部・ケイと対峙したマサト達。だが、ケイはダイヤモンドでルギアとホウオウを操り、マサト達に攻撃をかけた。 ケイがダイヤモンドを石版にかざすと、ルギアはエアロブラスト、ホウオウはせいなるほのおを放った。 マサト「サーナイト、サイコキネシスで打ち返すんだ!」 ミキ「あたしも行くわよ!エーフィ、サイコキネシス!」 サーナイトとエーフィが同時にサイコキネシスを放つ。 コトミ「エルレイド、サイコカッター!」 ルリカ「メガニウム、はっぱカッター!」 続いてエルレイドがサイコカッターを、メガニウムがはっぱカッターを放った。 トモヤ「ニドキング、ヘドロばくだんだ!」 ユカリ「カメックス、ハイドロポンプよ!」 さらにニドキングがヘドロばくだん、カメックスがハイドロポンプを放つ。技と技がぶつかり合い、大爆発が起きた。 爆発が収まってもなおルギアとホウオウは収まる様子が見えない。ケイに操られているのだろう。 ミキ「ケイの持っているダイヤモンドでルギアとホウオウは操られているんだと思うわ。あれを取り返すことができれば、もしかしたらルギアとホウオウも 正気に返るかもしれないわ!」 マサト「はい!行け、ガバイト!」 マサトはガバイトを繰り出した。 コトミ「お願い、ビブラーバ!」 コトミはビブラーバを繰り出した。 マサト「ガバイト、ケイのダイヤモンドを取り返すんだ!」 コトミ「ビブラーバもお願い!」 ケイ「こしゃくな!行け、ルギア、ホウオウ!」 ルギアは強烈な水をガバイトに向けて発射した。ハイドロポンプだろう。そしてホウオウは妙なオーラを放ち、ビブラーバを吹っ飛ばしてしまった。 じんつうりきだろうか。 ルリカ「ガバイトとビブラーバが!」 トモヤ「さすがは伝説と呼ばれるポケモン。しかもダイヤモンドで操られていることで理性を喪失しているのだろう。あれを取り返せれば・・・。」 マサト「負けるな、ガバイト!」 コトミ「ビブラーバ!」 ケイ「所詮伝説と呼ばれるポケモンには、どのポケモンもかなわないのだよ。やれ!」 ルギアは再びハイドロポンプを放つ。そしてホウオウは大きな大の文字を吹き出した。だいもんじだ。 マサト・コトミ「お願い!!」 ガバイトとビブラーバが一声あげて叫んだ。と、その瞬間2匹の全身が白く光り始めたではないか。 マサト「ああっ!?」 コトミ「もしかして!?」 トモヤ「進化が始まったんだ!」 ガバイトとビブラーバは光に包まれながら全身が変化していき、やがてガバイトはガブリアスに、ビブラーバはフライゴンに進化したのだった。 マサト「ガバイトがガブリアスに進化したんだ!」 コトミ「ビブラーバ、あなた、フライゴンに進化したのね!」 ガブリアスとフライゴンはそれぞれ雄叫びを上げた。 マサト「行くよ、ガブリアス!ハイドロポンプを跳ね返せ!」 コトミ「行くわよ!フライゴン、だいもんじを跳ね返して!」 ガブリアスがハイドロポンプを、フライゴンがだいもんじをそれぞれ受け止めた。 ミキ「あたしも協力するわ!エーフィ、ハイドロポンプをサイコキネシスで跳ね返して!」 ルリカ「私も行くわよ!メガニウム、だいもんじにエナジーボール!」 後ろからエーフィのサイコキネシスとメガニウムのエナジーボールが加わり、ハイドロポンプとだいもんじが一気に吹っ飛ばされていった。 ケイ「何をするんだ!?」 ハイドロポンプとだいもんじはそのままルギアとホウオウに命中、だいもんじの方は効果が今ひとつなものの、それでも大きなダメージを受けた模様だ。 ユカリ「今よ、カメックス!ハイドロポンプ!」 カメックスがハイドロポンプを放つ。ハイドロポンプはケイがダイヤモンドを持っていた右手に命中した。 ルリカ「お願い!今度こそ取り返すのよ、メガニウム!つるのムチ!」 メガニウムがつるのムチを伸ばした。 ケイ「させるか!」 それに気づいてケイが突っ込むが、間一髪つるのムチの方が早く、今度こそつるのムチがダイヤモンドをキャッチした。 ケイ「待て!」 ケイがつるのムチにしがみつく。そのためかつるのムチが左右に大きく振れてしまい、ダイヤモンドがムチからこぼれてしまった。 ミキ「ああっ!ダイヤモンドが!」 マサト「僕が取りに行く!」 マサトはちょうど落下していたダイヤモンドをキャッチすることに成功した。 コトミ「マサト、大丈夫!?」 ケイ「そのダイヤモンドを確かに持ってろ!ダイヤモンドがなくても、俺にはまだこの宝石がある!ネイス神殿を支えるもう1つの宝石、プラチナがな!」 ケイの後ろには大きな宝石が埋め込まれている。あの宝石がプラチナとみて間違いないだろう。 と、マサトの頭を何かが貫いた気がした。 マサト「この感覚は・・・?」 そしてコトミも、また頭を何かが貫いた気分がした。 コトミ「もしかして、宝石があたし達に語りかけてるの・・・?」 さらにミキまでもが同じ感覚になる。 ミキ「3つの宝石があたし達をここに導いたのかしら・・・?」 マサト「ダイヤモンド、パール、そしてプラチナ・・・。」 コトミ「ネットワークマシンを完成させるための石と思っていたら、古代の昔から3つで1つみたいだったのね・・・。」 ミキ「ルギアとホウオウは長い間ダイヤモンドとパールを守っていた。そしてそれは、もう1つの対になる宝石、プラチナを守るためだったのね。」 コトミ「点の穴に書かれてた点字、『2つの力で過去がつながり、2人の力で光り輝く。そして新しい世界が見えてくる』・・・。」 マサト「新しい世界、それはダイヤモンドとパールとプラチナが1つの場所に集まるとき、初めて切り開かれるものだということだね。」 ミキ「古い文明が終わりを告げ、新しい時代、あたし達が切り開いていく世界が始まる。そういうことを暗示していたんだと思うわ。見て。 マサト君がダイヤモンドを取り返したことで、ルギアとホウオウも落ち着きを取り戻しているわ。」 ミキの言う通り、さっきまでマサト達に敵意をむき出しにしていたルギアとホウオウが、穏やかな表情を浮かべているではないか。 ケイ「このネイス神殿は滅びぬ。何度でもよみがえる!人とポケモンの共存を超えたネイス神殿こそ、人とポケモンの進化の理想型なのだ!」 ケイはそう言うとモンスターボールを投げた。ボールからはあのバンギラスが出てきた。 ケイ「バンギラス、はかいこうせん!」 バンギラスがはかいこうせんを放つ。 マサト「サーナイト、サイコキネシス!」 コトミ「エルレイド、サイコカッター!」 ミキ「エーフィ、でんじほう!」 サイコキネシスとサイコカッター、そしてでんじほうが合わさってはかいこうせんに迫る。技がぶつかり合い、再び大爆発が起きた。 勢いでバンギラスは後ろの柱まで吹っ飛ばされた。すると、今まで柱に埋め込まれていたプラチナが柱から落ち始めたではないか。 ケイ「バンギラス、プラチナを!」 ルリカ「メガニウム、もう1度つるのムチ!」 バンギラスがプラチナを取ろうとするが、ほんの一瞬つるのムチの方が早かった。プラチナはそのままミキの元までつるのムチで運ばれた。 ケイ「戻れ、バンギラス!」 ケイはバンギラスをモンスターボールに戻した。 ケイ「ほう、お前達がその宝石を使うというのか。だがお前達が使って何になる!」 トモヤ「ケイはまだ何かをたくらんでいるかもしれない。だが、ダイヤモンド、パール、プラチナの3つが揃った今なら・・・。」 ルリカ「マサト君がダイヤモンド、コトミちゃんがパール、ミキさんがプラチナと共鳴すれば・・・!」 ユカリ「ケイの野望を食い止められるわ!お願い!」 マサト「ダイヤモンド!」 コトミ「パール!」 ミキ「プラチナ!」 マサト・コトミ・ミキ「その力を解き放って!」 ルギア「ギャーアアス!!」 ホウオウ「ギャシャーッ!!」 3人の声とルギア・ホウオウの雄叫びが重なった。と、次の瞬間、ダイヤモンド・パール・プラチナの3つの宝石から強烈な光が放たれたではないか。 果たして、何が起ころうとしているのだろうか。 (6) マサトが持ったダイヤモンド、コトミが持ったパール、ミキが持ったプラチナ、そしてルギアとホウオウが共鳴した瞬間、強烈な光が放たれた。 マサト「わぁっ!」 コトミ「きゃあっ!」 勢いでマサト達は吹っ飛ばされてしまった。 ケイ「ああぁっ、がぁ!」 ケイは腕で視界を遮る。 と、プラチナがはめ込まれていた柱が一気にせり上がり、勢いで壁を破壊した。さらに破壊された壁が周りに飛び散り、天井が崩れ始めた。 壁に亀裂が入り、今にも神殿が崩れようとしている。 ケイは我に返った。が、さっきの強烈な光にやられたのか、何も見えない。 ケイ「あぁぁ!目が、目がああぁぁ!!」 ケイは手で目を押さえながらよろよろと歩き出す。しかしその間にも神殿の崩壊が始まり、やがてケイの足下までもが崩壊を始めた。 ケイ「あ、あぁ!目が、あっああああ、あぁぁぁ!!」 壁伝いに進んでいたケイだったが、崩壊に足を取られ、下に落ちた足場からそのまま海に落ちていった。 古代文明の中心だったネイス神殿。その神殿が、下から次第に崩れ始め、海に無数のがれきとなって落ちていく。 その一部始終を、海上の船からニシキ博士も見ていた。 やがて半球体のドームが、釜の底が抜けるごとく崩壊を始め、大量のがれきが落下を始めた。 その大量のがれきに混ざって、ケイの姿が見えた気がした。それは果たして、気のせいだったのだろうか。 マサト「うっ・・・?」 さっきの強烈な光のとき、吹っ飛ばされて気を失っていたのだろう。マサトはゆっくり起きあがった。 そこはガブリアスの背中の上だった。横にはサーナイトもいた。そして周りを見ると、フライゴン、ラティオス、トロピウス、ムクホーク、 そしてルギアとホウオウもいた。フライゴンの背中にはエルレイドも乗っている。そのほか、マサト達がボールから出していたポケモン達も全員無事だった。 マサト「ガブリアス!無事だったんだね!」 コトミ「マサト!」 トモヤ「無事だったんだ!」 ミキ「あたし達もみんな無事よ!」 ルリカ「神殿が崩壊するとき、サーナイトとエルレイドが協力してテレポートしたのよ。」 ユカリ「そうだ。宝石は?」 マサトは右手を握ったままにしていた。開いてみると、確かにダイヤモンドが握られていた。 マサト「ダイヤモンドだ!」 コトミ「あたしも!」 ミキ「あたしもだわ!」 どうやらパールやプラチナも無事の模様だ。 と、ポケギアに通信が入った。ニシキ博士だ。 ニシキ博士「マサト君達!神殿が崩壊して、たくさんのがれきが海に落ちていったが、大丈夫だったか!?」 マサト「はい。僕たちは全員無事です。」 ミキ「宝石は無事に取り返せました。」 ニシキ博士「そうか。・・・ネイス神殿だが、下半分がほぼ完全に崩壊してしまった。上半分だけが残っているが、北東の方向に進みながらゆっくり高度を 下げている。・・・恐らく元々の場所、へそのいわの沖合に戻って、そこにまた落ち着くのだろう。」 ルリカ「元に戻るんですね・・・。」 ユカリ「そして今度こそ、誰にもじゃまされずに、海の底で永い眠りに戻るんですね・・・。」 マサト達は神殿が飛んでいく方向を振り返った。 下半分がほとんど崩壊したネイス神殿。しかし、上半分はマサト達が乗り込んだときそのままの光景をとどめていた。 神殿は恐らく、元々存在していたへそのいわの沖に戻り、誰にもじゃまされることのない永い眠りにつくのだろう。 マサト達は神殿が見えなくなるまで、その光景を見つめていた。 ニシキ博士「この宝石だな。ダイヤモンドとパール。ネットワークマシンを完成させるのに必要な宝石だ。マサト君達、本当によくやった。」 マサト「はい。一時はどうなることかと思いましたけど、でもこれでようやくネットワークマシンも完成できるんですね。・・・ルギア、ホウオウ、 今度はこんな形ではなくて、もっとしっかりした形で会えるといいね。」 コトミ「そうね。あのままロケット団に利用されていたら、世界は今頃どうなっていたのかしら。でもあたし達がこの世界を守ったといっても 言い過ぎではないかしら。」 ミキ「大げさではないと思うわ。だって、マサト君やコトミちゃん、そしてあたしが宝石と共鳴しなかったら、今頃ロケット団が神殿を使って世界征服に 乗り出していたのかもしれないのよ。そう考えれば、あたし達が世界を救ったと言っても過言ではないと思うわ。」 ルリカ「そう言えば、どうして宝石はマサト君にコトミちゃん、そしてミキさんを選んだのかしら。」 ユカリ「きっと、ポケモンを信じる気持ちがマサト君達に備わっていたからだと思うわ。確かにルリカさんやあたしだって、ポケモンを信じる 気持ちがあるからここまでやってこられたと思うけど、でもマサト君達だってそれは負けていないと思うわ。たぶん、ネットワークマシンの 完成だけじゃなくて、人間とポケモンの共存、そしてこの世界の未来のため、もしかしたらもっと大きな何かがマサト君やコトミちゃん、 そしてミキさんを選んだと思うわ。」 トモヤ「そうかもしれないね。・・・ルギア、ホウオウ、またお会いしよう!」 マサト達もルギアとホウオウに手を振った。 ルギアとホウオウもそれに答えたのか、マサト達が乗った船を数回回った後、ホウオウは大空の向こう、ルギアは海の中に消えていった。 ニシキ博士「・・・では行くか。ネットワークマシンの完成に!」 一同「はい!」 〜挿入歌・『心のアンテナ』が流れる〜 マサト達は1のしまの研究所にたどり着いた。 マサトがダイヤモンドを、コトミがパールを残されたくぼみにはめると、ネットワークマシンが作動を始め、遠く離れたネットワークとの連携を取り始めた。 そして、画面に「ネットワークマシン・通信レベル2。カントー地方・ジョウト地方・ホウエン地方・シンオウ地方・オレンジ諸島との通信準備完了。」 と表示された。 ニシキ博士「マサト君達、これまで本当にありがとう。シンオウ地方やオレンジ諸島とも通信ができる。これでネットワークマシンは完成だ。」 マサト「ありがとうございます。」 コトミ「これでようやく完成したんですね。」 ミキ「ごめんなさい。あたし、涙が出てきちゃった・・・。」 トモヤ「私の長年の夢もこれでようやく実現した。改めて礼を言わせてもらうよ。本当にありがとう!」 マサト・コトミ「いえ。どういたしまして。」 ルリカ「トモヤさん、ルビーとサファイアのときからの悲願だったそうですね。」 ユカリ「たぶん、あたし1人だけだったらロケット団にやられてたかもしれないわ。でもここまでになれたのは、マサト君やコトミちゃん、そしてみんなの 協力が得られたからこその成果だと思うわ。」 ミキ「そう言えば、プラチナは・・・?」 ミキが宝石の中で唯一残ったプラチナをニシキ博士に渡す。 ニシキ博士「プラチナか・・・。これは恐らく、また新たな地方との通信のときに必要になるのではないかと思う。私が預かっておくことにしよう。」 マサト・コトミ・ミキ「お願いします。」 ニシキ博士「そう言えば、マサト君達はこれから7のしまに行くんだったね。」 マサト「はい。ナナシマ・バトルチャンピオンシップスに参加するんです。」 ルリカ「私、実況の横でゲスト解説を担当するんです。大役なんで、正直ちょっと緊張しています。」 ミキ「でも、全力を出して臨めば、きっといい成績が残せると思います。ね、みんな!」 一同「はい!」 ニシキ博士「そうか。私もテレビで応援させていただくことにするよ。しっかりやってらっしゃい!」 こうして、マサト達の活躍の結果、ロケット団の野望をくじくことができた。 そしてマサト達は、いよいよ7のしまに向かう。ナナシマで初めての大型イベント、ナナシマ・バトルチャンピオンシップスが待っている。果たして、 そこではどのような出会いが、マサト達を待っているのだろうか。 (※)「空を飛ぶポケモンについて」 ゲーム版では、そらをとぶを覚えたポケモンはポッポなどでも移動することができますが、ここでは実際に人を乗せて空を飛ぶポケモンはある程度の 大きさがあるものとします。 Chapter-23に続く。 <初出> 【前編】(1):2009年11月8日、(2):2009年11月15日、(3):2009年11月17日、いずれも旧ぽけあに掲示板にて掲載。 【後編】(4):2009年11月21日、(5):2009年11月22日、(6):2009年11月24日、いずれも旧ぽけあに掲示板にて掲載。