Chapter-27『バトルとコンテスト!みんながライバル!!』 (1) ナナシマ初のポケモンバトルとポケモンコンテストの公式大会、ナナシマ・バトルチャンピオンシップスが幕を開けた。 メイン会場となるトレーナータワーを中心に、バトル大会が行われるバトルスタジアム、コンテスト大会が行われるコンテストドームが東西に配置され、 会場の北側に参加者が滞在する選手村が配置されている。そして南側が7のしまの町方面、すなわち会場の玄関口になる。 また予選を行う会場は、バトルスタジアムとコンテストドームの周辺に配置されており、効率よく試合が開催できる仕組みが整っている。 マサト達は選手村の施設に入り、選手登録を済ませる。これで正式に参加が受理された。 マサト「会場ってかなり大きいんだね。もしかしたらサイユウ大会の会場よりも大きいかもしれないね。」 トモヤ「そうだね。ポケモンバトルとポケモンコンテストを一度に行うんだから、規模は相当のものだと思うよ。」 コトミ「ところでルリカさん、これほど広いと解説するのも大変でしょ?何人かで分けて行うの?」 ルリカ「ううん。実況はバトル大会とコンテスト大会に1人ずつ、ゲスト解説も1人ずつなのよ。バトル大会はイチロウさんって方が実況を担当するの。 コンテスト大会はシンイチさんっていう方が担当するのよ。コンテストの方はコンテスト事務局のソウスケさんが解説を務めるって聞いてるわ。」 レイカ「えっ、じゃあルリカお姉ちゃんが1人で解説するの?大変ね。でもルリカお姉ちゃんなら出来ると思うよ!」 ルリカ「ありがとう!私も実況席から応援するわね!じゃあ、私はこれから早速最初の試合の打ち合わせに入るから、みんな、全力で勝ち進んでね!」 一同「はい!」 そう言うとルリカはマサト達のもとを離れた。 ユカリ「最初の出番はあたしね。コンテストドームの第8ゾーンで行われるわ。よろしかったらみんなも応援に来てね!」 ユカリが出場するコンテスト大会1次審査は、この後3時間ほどで集合時刻を迎える。今日の日程は、この後行われるユカリの1次審査が終わった後は トモヤがバトル大会予選ラウンドに出場することになっていた。 ミキ「うん。是非行かせてもらうわ!」 サヤカ「トップコーディネーターとしての演技、私も是非参考にしたいわ。いい演技を見せてね!」 ユカリ「うふふっ。トップコーディネーターだなんて、まだあたし、そこまで言われる資格はないと思うわ。でもそう思ってくれるなんて、あたし、 とても嬉しいわ!じゃああたし、最後の調整に入るから、会場に行ってるわね!」 一同「行ってらっしゃい!」 ユカリはコンテスト会場に向かって歩いていった。 マサト「これからどうする?」 コトミ「まだ試合開始まで時間があるし、バトルの練習でもしない?」 一同「はい!」 (2) ナナシマ・バトルチャンピオンシップスは、ポケモンバトルとポケモンコンテストの公式大会であり、その模様は全国に向けて放送されていた。 ちょうど実況席が映し出されており、実況を務めるイチロウ、そしてルリカが紹介されていた。 イチロウ「さあ、ナナシマで初めてのポケモンバトルとポケモンコンテストの公式大会、ナナシマ・バトルチャンピオンシップスが幕を開けました! 私はバトル大会の実況を務めさせていただくイチロウです。そしてバトル大会のゲスト解説には、ジョウトリーグの四天王、ルリカさんを お招きしております。ルリカさん、どうぞよろしくお願いします。」 ルリカ「よろしくお願いします。」 ナナシマ・バトルチャンピオンシップスの模様はテレビでも中継されており、トウカジムではマサトの父・センリと母・ミツコ、タマムシシティでは コトミの両親、2のしまではトモヤの母もテレビで観戦していた。そして5のしまのゴージャスリゾートではアキホ、1のしまではニシキ博士、 マサラタウンではオーキド博士、ジョウトリーグ本部ではチャンピオン・ワタルと四天王・カリンもその様子を見ていた。 一方その頃、マサト達は会場のすぐ近くにある空き地を利用してバトルとコンテストに向けた特訓を行っていた。 マサト「行くよ!ガブリアス、りゅうせいぐん!」 コトミ「あたし達も行くわよ!フライゴン、りゅうせいぐん!」 ガブリアスとフライゴンがりゅうせいぐんを高く打ち上げた。 2つのりゅうせいぐんは上空高く打ち上がった後、4つないし5つに分かれて落ちてきた。まだ完成とまでは行かないがだいぶそれらしくなった。 マサト「ガブリアス、上手になったね!」 コトミ「フライゴン、あなたも上手くなったわ。後もう一息ね!」 サヤカ「上手になったわね。後はコントロールの具合とタイミングをつかめれば完成するわ。」 と、そこに別の女性が声を掛けてきた。 女性トレーナー「うん!良くできているじゃない。上手になってるわ。」 マサト「えっ、今のりゅうせいぐん、見てたんですか?」 女性トレーナー「うん。あなた達、昨日橋のところでりゅうせいぐんの練習してたでしょ?あれ、私も見てたのよ。」 マサト「そうだったんですか。でも僕もまだまだです。一応の形にはなりつつあるのですが・・・。」 女性トレーナー「ううん。でも完成したら、きっといい技になると思うわ。あなた達はバトル大会に出るの?それともコンテスト大会?」 マサト「僕たちはバトル大会に出るんです。」 コトミ「あたしとサヤカさんはコンテスト大会に出るんです。」 女性トレーナー「そうなんだ。私はケイコ。バトル大会に出ようと思って、カントー地方のハナダシティから来たのよ。」 マサト「僕、マサトです。」 コトミ「あたし、コトミです。」 トモヤ「私はトモヤと言います。」 ミキ「あたしはミキ。よろしくね!」 レイカ「私はレイカです。よろしくお願いします!」 サヤカ「私はサヤカです。仲良くしてね!」 ケイコ「みんなのポケモンもとても仲が良さそうね。私もいろんなところを回ったんだけど、ナナシマはこれからポケモンの大会もたくさん行われそうね。 今回のバトルチャンピオンシップスがその足がかりになると思うわ。」 そう言っている間にも、ちょうどそばにあるオーロラヴィジョンで今行われようとしている試合が放送されており、いわゆるパブリック・ビューイングの 形式がなされていた。試合に参加しない人たちだろうか、多数詰めかけて試合を観戦している。 イチロウ「さて、記念すべきナナシマ・バトルチャンピオンシップス、バトル大会の最初の試合は、シンオウ地方・ハクタイシティ出身のユキオ選手と ホウエン地方・ミナモシティ出身のヒロトキ選手の対決になりました。ルリカさん、実はこのお二方とはいずれともバトルされたそうですが?」 ルリカ「はい。私がかつて参加したホウエンリーグ・ラルース大会で、ヒロトキさんとは予備選で、ユキオさんとは決勝トーナメントで対戦したんです。 かなり腕の立つトレーナーという印象を受けました。」 ケイコ「今実況の横で解説しているのがジョウトリーグ四天王のルリカさんね。全国で初めてのくさタイプの四天王だけのことはあるわ。」 マサト「実は僕たち、ルリカさんとは知り合いなんです。」 ケイコ「えっ、皆さん、あのルリカさんと?」 レイカ「うん。マサト君達は4のしまでお会いして、マサト君とミキお姉ちゃんがルリカお姉ちゃんとカントーの四天王のカンナさんを相手に バトルしたんだって。で、ミキお姉ちゃんは2年前にホウエンリーグでルリカお姉ちゃんとバトルしたの。」 ケイコ「皆さん、すごいわね。四天王とお知り合いだなんて、私、とてもうらやましいわ。そうなんだ・・・。バトル大会に出るなら、マサト君達、 いいライバルになれそうね。」 マサト「はい!」 ケイコ「皆さんはここで特訓してたんでしょ?知り合いとか、これから大会に出る予定ってあるの?」 トモヤ「この後コンテストの一次審査に、私達の知り合いでトップコーディネーターのユカリさんが出場するんです。その後は私がバトル大会に 出場することになっているんです。誰でもそうですが、負けられない戦いですね。」 ケイコ「となるとトモヤさんの後が私の出番になるわけですね。それにしても皆さん、四天王にトップコーディネーターもお知り合いだなんて、 顔が広いですね。」 ミキ「そんなことはないわ。誰だって一朝一夕で四天王やトップコーディネーターになれるわけなんてないわ。トレーナーとして、またコーディネーターと して、いろんな経験を積んでいって、初めて頂点に立つことができるのよ。それまでにはいろんな挫折や失敗もあるかもしれないわ。あたしだって、 ホウエンリーグでルリカさんとバトルしたときは負けてるのよ。でもポケモンバトルにコンテストバトル、試合が終わればみんなが仲良くなれる。 そう言うところがポケモンのいいところだって、あたしは思ってるわ。」 ケイコ「うん。そうよね。私だってたくさんのことを経験したけど、それだけではまだ足りないところもあるかもしれないわね。そうだ。 私もユカリさんの一次審査、一緒に見に行かせてもらってもいい?」 一同「はい!」 マサト達がコンテストドームに到着した頃、ちょうどユカリの一次審査も始まろうとしていた。 シンイチ「さあ、ナナシマ・バトルチャンピオンシップス、コンテスト大会一次審査も華麗な演技で盛り上がっております!次に登場するのは、 ジョウト地方はワカクサシティ(※1)出身のトップコーディネーター、ユカリ選手です!」 ケイコ「あの人がユカリさんね!」 マサト「うん!」 コトミ「ユカリさん、美しい演技、お願いね!」 ユカリはコトミの応援が聞こえたのか、それとも会場の観客に対するアピールか、手を振って応えた。やはりトップコーディネーターとしての実力の なせる技だろうか。 シンイチ「ソウスケさん、実はユカリさんとかつてコンテストで対決なされたそうですが、いかがでしたか?」 ソウスケ「はい。ホウエンで行われたコンテストで対決したのですが、あのときもユカリさん、すばらしい演技を披露してくれました。私はそのとき ガーメイルを出していたのですが、見事なまでの完敗、バトルオフでした。」 シンイチ「そのホウエン地方のグランドフェスティバルを制し、今や誰もが認めるトップコーディネーターとなったユカリさん。しかし本人はまだ 『そこまでいわれるほどの実力はない』と言っておりますが、その実力は誰もが認めるもの。ではユカリさんの一次審査、どうぞ!」 マサト達のトップを切ってユカリが一次審査に臨む。トップコーディネーターとして、ここで敗退するわけにはいかない。それはユカリ自身が一番よく 知っていることだろうが、果たして、どういった演技を見せてくれるのだろうか。 (3) 〜挿入歌・『君のそばで』が流れる〜 ナナシマ・バトルチャンピオンシップス、コンテスト大会一次審査。トップコーディネーターのユカリの演技が始まった。 今日コンテスト一次審査に出場するのはユカリを含めて384人。このうちの64人が二次審査に進出することになる。ユカリが出場したのは今日の分の 前半枠であり、前半の32人分の結果発表は半数が終了した後に行うとされていた。 ユカリ「行くわよ、コータス、ジュゴン!」 ユカリはコータスとジュゴンを繰り出した。 マサト「コータスとジュゴンだ!」 コトミ「以前へんげの洞窟で見せてくれた、あの演技をするのかなぁ・・・?」 ケイコ「あの演技って・・・?」 トモヤ「コータスとジュゴンが連携して、大きな氷像を作ったんだよ。あれ、かなりレベルが高かったぞ。もしかしたら・・・。」 ユカリ「ジュゴン、れいとうビーム!」 ジュゴンがれいとうビームを放つ。それも心なしか放ち具合がほかのコーディネーターと比べて違っていた。 レイカ「きれいね・・・。ユカリお姉ちゃん、さすがはトップコーディネーターって呼ばれてるだけのことはあるわね。」 ユカリ「続いてコータス、かえんほうしゃ!」 コータスがかえんほうしゃを放つ。れいとうビームを意識してだろう、かえんほうしゃの勢いはかなり調節されていた。 れいとうビームで作られた大きな氷の固まりはかえんほうしゃで適度に形作られ、真ん中が大きく盛り上がった大きな氷の円盤が出来上がった。 シンイチ「おおっと、ユカリさん、ジュゴンのれいとうビームとコータスのかえんほうしゃで大きな円盤を作り上げました。 これから何を作り上げていくのか!?」 ユカリ「ジュゴン、続いてこおりのつぶて!」 ジュゴンがこおりのつぶてを氷の円盤に放つ。 こおりのつぶては氷の円盤に命中、適度にコントロールされているのか、円盤を微調整する形で形を整えていく。 ユカリ「コータス、続いてひのこ!」 コータスがひのこを放つ。これも円盤を微調整して形を整えている。 ソウスケ「この形は見覚えがありますね。こおりタイプとほのおタイプのイリュージョン、まさしくダブルパフォーマンスならではの『魅せる技』と 言ったところですね。」 シンイチ「相反する2つのタイプ、氷と炎のフュージョン。さすがはホウエンのグランドフェスティバルを制したトップコーディネーター、 コンビネーションはもちろん、見ている私たちに対するアピールも忘れていません。さあ、いよいよフィニッシュです!」 ユカリ「ジュゴン、コータス、行くわよ!」 ジュゴンとコータスがユカリの声に呼応して、れいとうビームとかえんほうしゃで形を整えていく。そして最後に出来上がったのは、 氷でできたバトルチャンピオンシップスの会場だった。中央にはトレーナータワーもちゃんと造られている。 その瞬間、会場内から割れんばかりの拍手と歓声が巻き起こった。 シンイチ「お見事!氷と炎が織りなす壮大なイリュージョンが作り上げた、バトルチャンピオンシップスの会場をかたどった氷像! 実に美しい演技を見せてもらいました!」 演技が終了した後、マサト達はユカリのいる控え室に足を運んだ。 マサト「ユカリさん!」 ユカリ「まあ、みんな!あたしの演技、どうだった?」 ミキ「ユカリさん、やるわね。ジュゴンとコータスでバトルチャンピオンシップスの会場を作り上げるなんて、いいコンビネーションね。 とてもよくできてたわ。」 ユカリ「そうかなぁ?あれでもまだいまいち臨場感に欠けているところもあるし、よくできていないところもあるのよ。」 コトミ「そんなことないわ、ユカリさん。あたしだったらまだあそこまでの演技はできないと思うし、何よりユカリさんとあたしではレベルだって違うわ。 本当によくできてたと思うよ。」 ユカリ「ありがとう。あら?後ろの方は・・・?」 トモヤ「紹介します。バトル大会に出場するケイコさん。そしてこの方がユカリさんです。」 ケイコ「初めまして。ケイコです。」 ユカリ「あたしはユカリ。バトル大会ってことは、マサト君達のライバルになるわね。仲良くしてね!」 ケイコ「私はバトルが中心だから、コンテストのことはあまり詳しくないんだけど、でもいい演技を見せてもらったわ。なかなかよくできてたわね。」 と、控え室の中のテレビ画面が結果発表を開始する旨を告げた。 シンイチ「さあ、ナナシマ・バトルチャンピオンシップス、コンテスト大会初日・午前の部の結果発表がなされました。午前の部から二次審査・ コンテストバトルに出場できるのは192名中32名。果たして、この中には誰が入っているのでしょうか!結果発表です!」 控え室にいた、ほかの選手達も固唾をのんで見守る。そして画面に二次審査に進出した人物の顔写真が映し出された。 と、いきなりユカリの顔写真が映し出されたではないか。 ユカリ「えっ、あたしが一番!?」 マサト「すごいね、ユカリさん!二次審査進出おめでとう!」 ユカリ「ありがとう!次はコンテストバトルね。これから気を引き締めていかなければいけないもんね。みんな、応援よろしくね!」 一同「はい!」 マサト達がコンテストドームを出ると、ちょうどバトル大会の方も午前の部が終わって休憩に入っていたのだろう、ルリカが駆けつけていた。 ルリカ「やったわね、ユカリさん!聞いたわ。一次審査を午前の部のトップで通過したんだってね!」 ユカリ「ううん。それほどでもないわ。あたしだって演技はまだまだだったし、出来もあまりよくなかったのよ。」 ルリカ「そんなことはないわ。バトルチャンピオンシップスの会場をジュゴンのれいとうビームとコータスのかえんほうしゃで作り上げたんでしょ? あれ、私なら全然形にならない代物になると思うわ。とてもよく出来てるねって、スタッフの間でも評価されてたのよ。」 ユカリ「うふふっ。そこまで褒めてもらえるなんて、あたし、嬉しいわ。これから二次審査、各地からいろんなコーディネーターが集まると思うけど、 でもおそれないで立ち向かっていくわ。応援してね!」 ルリカ「うん!ユカリさんならきっと出来るわ!・・・あら?後ろの方は?」 確かにルリカもケイコのことは今まで知るよしもない。 マサト「僕たちと同じバトル大会に出場するケイコさんです。」 レイカ「この方がルリカお姉ちゃん。バトル大会のゲスト解説を担当してるの。普段はジョウトリーグの四天王を務めてるのよ。」 ケイコ「初めまして。ケイコです。」 ルリカ「こちらこそ初めまして。私はルリカ。よろしくね!」 トモヤ「こうしてみると、女性トレーナーの活躍が多い気がするね。確かに男性トレーナーの姿も多いけど、女性トレーナーの姿も多くなったと思うよ。」 ルリカ「そうね。私達の手元の資料だけど、バトル大会に参加する人のうち4割が女性トレーナーだって。コンテスト大会だと半数をわずかに上回って 女性の方が多いみたいだわ。うふふっ。近年、女性の社会進出が叫ばれているけど、ポケモンでも女性の進出が多いみたいね。」 マサト「こういうときタケシがいたら、僕にさんざん耳を引っ張られるんだろうなぁ・・・(※2)。」 ミキ「タケシさんって、あの世界的に有名なトップブリーダーでしょ?マサト君って、タケシさんのこと、知ってるの?」 マサト「知ってるも何も、僕がサトシやお姉ちゃんと一緒に冒険してたとき、タケシも一緒に冒険してたんだ。あの頃のタケシはまだブリーダーに なるための修行の途中だったんだけど、今では世界でも有名なトップブリーダーになって、いろいろなメディアにも取り上げられているんだよ。」 サヤカ「マサト君、あなたは本当にたくさんの人と出会って、いろんな経験を積んできたのね。ポケモンマスターにトップコーディネーター、 そしてトップブリーダー。たくさんの出会いと冒険が今のマサト君を作っているのね。いいなぁ・・・。うん、いつかは私も世界に認められる トップコーディネーターになりたいわ。」 コトミ「そうしたらサヤカさん、あたしといいライバルになれそうね。」 サヤカ「うん!私達もこれから一次審査に出るんだし、気を引き締めていきましょう!確か、次はトモヤさんがバトル大会に出られるんでしょ?」 トモヤ「あっ、そうだね。じゃあ皆さん、私の応援、よろしく頼むよ!」 一同「はい!」 イチロウ「さあ、初日から早速盛り上がりを見せておりますナナシマ・バトルチャンピオンシップス、バトル大会も午後の部に差し掛かろうとしております。 続いてのバトルは、ジョウト地方・ラフォールタウン(※3)出身のトモヤ選手とホウエン地方・ヒワマキシティ出身のノブアキ選手のバトルです!」 マサト「トモヤさん!」 トモヤはマサトの声に気づいたのか、バトルフィールドから手を振って応えた。 コトミ「トモヤさんって、ジョウト地方の出身だったのね。今初めて知ったわ。」 ユカリ「ラフォールタウンは、人とポケモンのストリートパフォーマンスで有名な町で、毎年ストリートパフォーマンスの大会も行われているのよ。 あたしも何度か行ったことがあるんだけど、開催される時期になるとたくさんの人でにぎわうのよ。」 マサト「確か、コンテスト大会のところでアナウンスされてましたけど、ユカリさんもジョウトの出身だそうですね。」 ユカリ「うん。ワカクサシティって言って、コガネやエンジュ、アサギとも肩を並べるほどの大きな町よ(※1)。あたしのカメックス、もともと ゼニガメだったときにワカクサシティの港に流されてたの。野生のポケモンだったんだけど、まだとてもちっちゃくて、大きくなるまで あたしがずっと世話してたのよ。それで、ゼニガメが大きくなった頃、ちょうどあたしも10歳になって、ポケモントレーナーとして旅立ったのよ。」 コトミ「ユカリさんとカメックスって、そういったエピソードがあるんですね。」 ユカリ「うん。人とポケモン、出会いはそれぞれだけど、ポケモンと一緒に冒険していく中で、かけがえのないものを手に入れていくと思うわ。あたしも トップコーディネーターって言われてるけど、だからといって油断してはいけないと思ってるわ。まだ新しいライバルが現れるかもしれないし、 明日には今のコンビネーションが通用しなくなってるかもしれない。トレーナーとコーディネーター、道は違うかもしれないけど、大本にあるのは同じ。 夢に向かって進んでいく限り、終わりはないと思うわ。」 マサト・コトミ「はい!」 ミキ「さあ、トモヤさんの試合が始まるわ。みんなもしっかりお勉強してね!」 審判「バトル開始!」 バトル大会ではトモヤが最初の試合に挑む。予選ラウンドに参加するのは2048名。この中から決勝トーナメントに出場できるのは256名。 3連勝できなければ終わってしまう。文字通り負けられない戦いが始まるのだ。 果たして、トモヤは決勝トーナメントに進出できるのだろうか。 (4) ナナシマ・バトルチャンピオンシップスもバトル大会が始まり、トモヤが最初の試合に臨むことになった。 対戦相手はホウエン地方・ヒワマキシティ出身のノブアキ。試合は4匹ずつを持ち寄ってのダブルバトル形式で行われる。以後は決勝トーナメントも 含めて、すべて4匹VS4匹のダブルバトルだ。 トモヤ「行け、ニドキング、ドクロッグ!」 トモヤはニドキングとドクロッグを繰り出した。 ノブアキ「行くぞ!キングドラ、ヨノワール!」 ノブアキはキングドラとヨノワールを繰り出した。 コトミ「あれがヨノワールね。」 ポケモン図鑑を取り出してコトミがヨノワールをチェックする。 ミキ「ヨノワールとキングドラね。耐久力のあるヨノワールで敵を引きつけている間にキングドラが一気に攻撃を仕掛ける、そういう戦法かしら。 どういう戦法かは知らないけど、気をつけた方がいいわね。」 マサト「と言うと・・・?」 トモヤ「ドクロッグ、ヨノワールにふいうち!」 ノブアキ「ヨノワール、まもる!」 ドクロッグがヨノワールにふいうち攻撃をする。しかしヨノワールはまもるで攻撃を防いだ。 サヤカ「ヨノワールが攻撃を防いだ!?」 ミキ「うん。ヨノワールは元々耐久力もあるし、そこにまもるを使うことでさらに耐久性を増やしているんだと思うわ。一方のキングドラはみずタイプと ドラゴンタイプ。ニドキングはじめんタイプも併せ持っているから気をつけた方がいいわね。」 ノブアキ「キングドラ、ニドキングにハイドロポンプ!」 キングドラがハイドロポンプを放つ。どくタイプとじめんタイプを併せ持つニドキングには効果抜群だ。 トモヤ「ドクロッグ、受け止めろ!」 ドクロッグがハイドロポンプを受け止める姿勢になった。しかもドクロッグはダメージをまるで受けていない。それどころか涼しい表情にも見える。 マサト「ハイドロポンプをガードしてる!」 ミキ「あれはドクロッグの特性、かんそうはだね。」 コトミ「かんそうはだ?」 ユカリ「かんそうはだって言うのは、みずタイプの技を受けたときに体力が回復するんだけど、逆にひざしがつよい状態のときは受けるダメージが大きく なる特性なのよ。あと、ほのおタイプの技を受けたときもダメージが大きくなるわ。どちらかというと、雨状態にして戦うパーティー向きの特性ね。」 ノブアキ「ちっ、かんそうはだか。だがこれならどうだ!ヨノワール、にほんばれ!」 ヨノワールがにほんばれで日差しを強くする。かんそうはだ特性のドクロッグにしては厳しい状況となった。 トモヤ「(にほんばれか・・・。だが相手はキングドラがいる。みずタイプを抑えることができれば、あるいは・・・。)ニドキング、 ヨノワールにどくづきだ!」 ノブアキ「ヨノワール、ニドキングにシャドーパンチ!」 突然ヨノワールの姿が消えたかと思うと、次の瞬間ニドキングのすぐ目の前に現れ、パンチ攻撃を放った。シャドーパンチだ。ニドキングは 大きなダメージを受けたがまだ戦えそうだ。 ミキ「シャドーパンチ!?」 トモヤ「ニドキング、もう一度どくづきだ!ドクロッグはふいうち!」 ドクロッグがふいうち攻撃でヨノワールの行動を封じる。その間にニドキングがどくづき攻撃でヨノワールにダメージを与えた。ふいうちは ゴーストタイプであり、ヨノワールには効果抜群だ。 ノブアキ「ヨノワール、ドクロッグにほのおのパンチ!」 トモヤ「ニドキング、受け止めろ!」 ニドキングはほのおのパンチを受け止めた。ひざしがつよい状態ではほのおタイプの技のダメージが大きくなるが、それでもニドキングは角で ほのおのパンチを受け止めているではないか。 マサト「(トモヤさん、ずっとネットワークマシンの完成のために研究していただけのことはあるなぁ。ひざしがつよい状態であのニドキングがほのおの パンチを受け止めている。僕と本気でバトルしたら、もしかしたら僕、かなわないかも・・・。)」 トモヤ「そのままヨノワールにメガホーン!ドクロッグはキングドラにクロスチョップ!」 ヨノワールがメガホーンで、ドクロッグがクロスチョップでそれぞれダメージを与える。耐久力が高いとはいえ、メガホーンをもろに食らったヨノワールは 一気に吹っ飛ばされ、戦闘不能になってしまった。一方のキングドラはまだ大したダメージは受けていなさそうだ。 審判「ヨノワール、戦闘不能。ニドキングの勝ち!」 イチロウ「トモヤ選手、にほんばれ状態という逆境をものともせず、ヨノワールを戦闘不能に追い込みました!」 ルリカ「確かににほんばれ状態はほのお技の威力が上がりますが、だからといってほのおタイプの技を出せば優位に立てるかと言えば必ずしもそうでは ないこともあります。トモヤ選手の作戦の方がノブアキ選手を上回っていたと言っても良さそうですね。」 ノブアキ「次はこのポケモンだ!行け、ダーテング!」 ノブアキはダーテングを繰り出した。 コトミ「ダーテング?」 ポケモン図鑑を取り出してチェックする。 ミキ「これはまずいかもしれないわね。」 コトミ「どうして?」 ミキ「ダーテングはようりょくそって言う特性を持っているの。今みたいにひざしがつよい状態だと、素早く行動できるのよ。ほかにも、普段はしばらく ためてから発射するソーラービームをためないで連発することもできるわ。もしかしたらキングドラを出したのはおとりだったのかもしれないわね。」 サヤカ「えっ、じゃあトモヤさんは?」 ノブアキ「ダーテング、ニドキングにソーラービーム!発射!」 ダーテングがソーラービームを放った。ミキも言っていたとおり、ほとんどためる時間なしで発射している。 トモヤ「ニドキング、まもる!ドクロッグはダーテングにふいうち!」 ニドキングもまもる体制でソーラービームを交わす。一方のドクロッグもふいうちの体制でダーテングに迫る。 ノブアキ「だが、ドクロッグで俺のダーテングに突っ込んで何になる!ダーテング、ドクロッグにじんつうりき!」 ダーテングがじんつうりきでドクロッグの行動を封じた。ドクロッグはどくタイプとかくとうタイプを併せ持っており、エスパータイプのじんつうりきは 効果抜群どころではない。ダメージがさらに大きくなってしまう。 トモヤ「ああっ、ドクロッグ!」 強烈なじんつうりきをまともに食らったドクロッグは戦闘不能になってしまった。 審判「ドクロッグ、戦闘不能。ダーテングの勝ち!」 トモヤ「戻れ、ドクロッグ!」 トモヤはドクロッグをモンスターボールに戻した。 イチロウ「あまりダメージを受けていなかったはずのドクロッグがたった一発で戦闘不能になる。これはタイプの相性もあるのでしょうか?」 ルリカ「ええ。じんつうりきはエスパータイプの攻撃技、対してドクロッグはどくタイプとかくとうタイプを併せ持っています。エスパータイプの技は どく・かくとうのいずれに対しても効果が抜群になりますし、さらにまともにダメージを受けてしまったため、ドクロッグは一発で 倒れてしまったのではないでしょうか。」 イチロウ「さて、こうして見るとノブアキ選手はキングドラを入れていたのは作戦だったのでしょうか。これに対して トモヤ選手はどう立ち向かうのでしょうか?」 トモヤ「行け、ドラピオン!」 トモヤはドラピオンを繰り出した。 マサト「トモヤさん、ドラピオンも持ってたんだね。」 マサトもポケモン図鑑を取り出してドラピオンをチェックする。 トモヤ「ドラピオン、ダーテングにかわらわり!ニドキングはキングドラにどくづき!」 ノブアキ「そうか。直接迎え撃とうって言うのか。面白いな。キングドラ、ニドキングにハイドロポンプ!ダーテングはドラピオンにはかいこうせん!」 ドラピオンはかわらわりの体制に入り、ニドキングはどくづきの体制になる。だがキングドラがハイドロポンプを、ダーテングがはかいこうせんを放つ。 トモヤ「ニドキング、ドラピオン、ジャンプだ!」 ニドキングとドラピオンがほぼ同時にジャンプした。一直線に放たれたハイドロポンプとはかいこうせんはそのまま後ろに向かっていき、攻撃ははずれた。 ノブアキ「しまった!はかいこうせんは一度放ったらしばらく攻撃ができない!」 トモヤ「今だ!ニドキング、どくづき!ドラピオン、かわらわり!」 ニドキングのどくづきとドラピオンのかわらわりが同時に炸裂した。タイプ一致のどくづきをもろに受けたキングドラとあくタイプに対して効果抜群の かわらわりをまともに受けたダーテングはそのまま戦闘不能になってしまった。 審判「キングドラ、ダーテング、ともに戦闘不能。ニドキングとドラピオンの勝ち!」 イチロウ「あぁっと!ニドキングとドラピオンの華麗なダブル攻撃が炸裂!ダーテングとキングドラを一度に戦闘不能にしました!」 ルリカ「ですがトモヤさんのニドキングはかなりダメージがたまっているみたいです。ノブアキ選手が次にどういったポケモンを繰り出すかが勝負の 分かれ道といったところでしょうか。」 イチロウ「ですがノブアキ選手は残り1体、対するトモヤ選手は3体残っています。さて、ノブアキ選手が逆転勝利を収めるのでしょうか。それとも トモヤ選手がこのまま勝ち進むのでしょうか!?」 ノブアキ「勝負はまだ終わらないぜ!行け、バクーダ!」 ノブアキはバクーダを繰り出した。 ルリカ「これはちょっと分からなくなりましたね。」 イチロウ「やはりタイプの問題でしょうか?」 ルリカ「ええ。バクーダはほのおタイプとじめんタイプを併せ持っているポケモンです。トモヤ選手のポケモンはどくタイプが多い状況ですし、さらに 今もまだにほんばれの効果は残っています。バクーダがニドキングとドラピオンを両方とも戦闘不能にすれば、まだ勝負の行方は見えませんね。」 ノブアキ「バクーダ、ふんか!」 バクーダがふんか攻撃を放った。 イチロウ「おぉっと!これは体力が有り余っている状況、しかもにほんばれ状態でふんか!ノブアキ選手、一発逆転だ!」 マサト「(今の状況でこれは、トモヤさん、かなり危ないかも・・・。)」 トモヤ「ニドキング、まもる!ドラピオンは穴を掘ってかわせ!」 ニドキングはまもるでダメージを防ぎ、ドラピオンはあなをほるで交わした。 ノブアキ「ちぃ!」 トモヤ「ニドキング、だいちのちから!ドラピオンはあなをほる攻撃!」 じめんタイプならニドキングも負けていなかった。ニドキングのだいちのちからがバクーダに直撃。しかも続いてドラピオンが穴から出て攻撃した。 じめんタイプを併せ持っているとはいえ、ほのおタイプのバクーダに対しては効果抜群だ。 まともにじめん技を連発で食らったバクーダはたちまち地面にたたき付けられ、戦闘不能になってしまった。 審判「バクーダ、戦闘不能。ニドキングとドラピオンの勝ち!よって勝者、ラフォールタウンのトモヤ!」 マサト「トモヤさん、すごい!」 トモヤ「ありがとう。でも最後の1匹を使わないで勝ってしまったから、正直言ってあっさりしていたって言う気がするけどね。」 サヤカ「いえ。トモヤさん、最初からいい試合を見せてくれるじゃない。この調子でいけば、きっと優勝できると思うわ!」 マサト「優勝するのは僕だよ!」 レイカ「ううん。優勝はあたしよ!」 ミキ「あたしだって負けないわ!」 ケイコ「私だって負けていられないわ!あっ、次は私の番ね。みんなもよろしかったらどう?」 一同「はい!」 審判「ラフレシア、戦闘不能。ボーマンダの勝ち。よって勝者、ハナダシティのケイコ!」 ケイコも最初の試合を難なく突破、ラウンド2に駒を進めることができた。これで今日参加する分は全員が次の試合に進むことになった。 そしてその夜、ルリカは実況のイチロウやコンテスト大会を実況するシンイチ、そしてコンテスト大会の解説者であるソウスケら、放送を担当する スタッフと一緒になって弁当を食べていたのだが、その弁当が発注ミスのせいか、いくつか余ってしまった。 イチロウ「あれ?お弁当、余っちゃいましたね・・・。」 ルリカ「そうですね。ほかの皆さんは、もう召し上がったんですよね。」 確かに、スタッフ一同文字通り美味しく頂いたわけである。今の段階でもらっていないスタッフはいない。 シンイチ「確認してみたところ、どうやら担当した側の発注ミスでして、8個余計に発注してしまったそうです。今更返品するわけにも いきませんし・・・。」 ルリカ「(8個ね・・・。)あ、じゃあ余ったお弁当、私が頂いていいですか?」 ソウスケ「えっ?ルリカさんが?」 ルリカ「知り合いに差し入れとして持って行こうかと思いまして。よろしいですか?」 シンイチ「ええ。構いませんよ。」 ルリカ「ありがとうございます。では行ってきます。」 イチロウ「はい。」 ルリカが部屋を出て行くと、放送スタッフの1人がつぶやいた。 放送スタッフ「ルリカさん、優しいんだね・・・。」 マサト達が選手控え室でくつろいでいると、ルリカの声がした。 ルリカ「みんな!差し入れ、持ってきたわよ!」 マサト「ルリカさん!?差し入れって・・・?」 ルリカ「うん。スタッフのお弁当なんだけど、注文が多すぎて余っちゃったの。よろしかったら、マサト君達、食べてくれる?」 レイカ「えっ、いいんですか?ルリカお姉ちゃんは?」 ルリカ「私はスタッフと一緒に食べたから。みんな、遠慮しないで食べて!」 マサト達は差し入れの弁当のふたを開けた。 弁当は外枠、ふたのいずれも木で作られており、上品な木の香りがした。 中身は俵型に詰められたご飯の上に梅干しが乗っており、おかずはシウマイ(※4)が5個、鶏の唐揚げ、卵焼き、かまぼこ、タケノコの煮物、 魚の照り焼き、付け合わせに昆布と漬け物が入っている。そしておかずの中にあんずが1個入っていた。 マサト「シウマイ(※4)だ!」 コトミ「美味しそう!」 ミキ「いいの、ルリカさん?」 ルリカ「うん!どうぞ召し上がって!」 一同「いただきます!」 マサト達は弁当を口に運んだ。 マサト「美味しいです!」 トモヤ「いい味がしてますね。ご飯といいおかずといい、味のバランスもよく考えて作ってますね。」 ルリカ「ありがとう。みんな、明日のバトルとコンテストも、全力を出してね!私も応援してるわ!」 マサト「そうだね。明日は僕が最初の試合に出るんだった。でも相手はいろんなポケモンを出すと思うけど、勝ち進んで1つでも多く上に行きたい。 もちろん目標は優勝だよ!」 ミキ「あたしだって負けないわ!マサト君の試合が終わったらあたしがバトルするから、応援よろしくね!」 コトミ「午後はあたしがコンテストに出るの。初めてだし、正直言ってまだ緊張してるけど、でもポケモン達を信じていけばきっと出来ると思うわ。 ね、エルレイド!」 エルレイドは腕を振り回して気合いを入れた。 ルリカが差し入れした弁当でマサト達も十分気合いを入れることが出来ただろう。さあ、いよいよ明日はマサト達が試合に臨むことになる。 負けられない戦いは、まだまだ続く。 Chapter-28に続く。 (※1)「ワカクサシティについて」 「まえがき」の段でも述べていますが、ジョウト地方では(アニメの世界を含めて)ワカクサシティという町は登場していません。ですがここでは、 32番道路の南側(つながりのどうくつ)とヨシノシティの中間、ちょうど海岸沿いに当たる場所にワカクサシティが存在するものとします。 またこのワカクサシティは、コガネシティ・エンジュシティ・アサギシティとも肩を並べる規模の都市であるものとします。 (※2)「タケシ、並びにタケシが女性を口説いたときの対応について」 マサトがサトシやハルカ・タケシと一緒に冒険したAG編では、(ミラージュ王国編以降)タケシが女性を口説いたとき、マサトがタケシの耳を 引っ張る役を果たしていました。転じてDP編ではそのときの対応がグレッグルのどくづきに取って代わりましたが、ここではマサトが耳を引っ張る 設定がそのまま残っているものとします。また、3年間でタケシがトップブリーダーになっているかは不明ですが、ここではトップブリーダーと なっているものとします。 (※3)「ラフォールタウンの位置について」 アニメ(無印・ジョウト編)のオリジナルの町として登場したラフォールタウンは、当時は具体的な位置が記されていませんでしたが、便宜上 ここではワカバタウンとヨシノシティの間に位置するものとします。 (※4)「ルリカがマサト達に差し入れした弁当について」 ルリカが差し入れした弁当は、横浜駅の駅弁としても有名な崎○軒の「シウマイ弁当」がモデルになっています。通常、「シウマイ」「シューマイ」「焼売」 など表記はいろいろありますが、ここではモデルになった弁当から「シウマイ」で統一することにします。また、通常ポケモンの世界にポケモン以外の 動物が存在する描写はほとんどなされていませんが、ここではモデルの弁当の内容をそのまま尊重するものとします。 <初出> 全編書き下ろし。