Chapter-33『サーナイトVSニドキング!』 (1) ミキ「エーフィ、サイコキネシス!」 ナナシマ・バトルチャンピオンシップスはバトル大会・コンテスト大会とも連日息詰まる熱戦が繰り広げられていた。 ちょうどバトル大会では決勝トーナメント1回戦、ミキが試合に出場していた。相手はミキと同じヤマブキシティ出身のマサノリ。ミキは最初に出したツボツボが倒されたものの、 エーフィとジュカインで試合の主導権を握っており、サイコキネシスがマサノリの最後の1匹・ドダイトスに大ダメージを与えていた。 サイコキネシスをもろに受けたドダイトスは勢いよく吹っ飛ばされ、戦闘不能となった。 審判「ドダイトス、戦闘不能。エーフィの勝ち。よって勝者、ヤマブキシティのミキ!」 レイカ「ミキお姉ちゃん、すごい!」 ユカリ「うん。ミキさんはいつもこうやっていいバトルと演技を見せてくれるのよ。」 その光景を見ながら、マサトは次の試合のことを思っていた。 マサト「(次はいよいよ僕とトモヤさんのバトルだ。トモヤさんはどくタイプを中心に使いこなしている。僕がサーナイトを中心にしたパーティを組むことは 間違いなくトモヤさんも知っているはず。どうやって攻めていくか・・・。)」 それを見てレイカがマサトに話しかけた。 レイカ「マサト君、もしかして次のバトルのことを考えてたの?」 マサト「うん。お互いに相手の手の内は読んでしまっている。それだけにどうやってバトルするか、今でも考えているんだ。」 トモヤ「マサト君、そうやって思い悩むことはないよ。確かに私もマサト君のバトルスタイルは見て知っているし、マサト君だって、私のバトルを間近で見ていろんなことを学んだと思う。 だけど、私とマサト君が全力を出して臨めば、きっといいバトルができると思っているよ。」 レイカ「トモヤお兄ちゃんの言う通りよ。私だって、まだトレーナーとして日が浅いと思うけど、だけどみんながバトルしてるのを見て、私もトレーナーとして成長できてるって思ってる。 だからマサト君、あまり考え込まなくったっていいわ。」 マサト「うん!」 ユカリ「カメックス、ハイドロカノン!」 ケイコ「ボーマンダ、ドラゴンダイブ!」 ユカリもコンテストバトル1回戦を突破、2回戦に駒を進めた。一方のバトル大会でも、ケイコが2回戦を突破して3回戦進出を果たした。 そしていよいよ、マサトとトモヤがぶつかり合うときを迎えた。 イチロウ「さあ、ナナシマ・バトルチャンピオンシップス、バトル大会は決勝トーナメント2回戦、ポケモンとポケモン、トレーナーとトレーナーの真剣勝負で盛り上がっております!」 ルリカ「そうですね。コンテスト大会もそうですが、全力を出して奮闘するポケモン達、そして指示を出すトレーナー達の姿は本当に美しいです。」 イチロウ「さて、次の試合は早くも今大会屈指の好カードとなりました!バトルするのは、ホウエン地方・トウカシティのマサト選手と、ジョウト地方・ラフォールタウン出身のトモヤ選手です! マサト選手の父親は、言わずと知れたトウカジムのリーダー・センリさん。そしてトモヤ選手の母親は、2のしまのきわのみさきでポケモン達に強力な技を教えることで知られています!」 その模様はトウカジムでもセンリとミツコが見ていた。そして2のしまでもトモヤの母がテレビ観戦していた。 トモヤ「マサト君。私はこうして君とバトルするのをずっと楽しみにしていたんだ!」 マサト「はい!僕だって、いつかトモヤさんとバトルしたいと思っていました。全力でバトルします!」 トモヤ「ああ!その意気だ、マサト君!」 審判「バトル開始!」 かくして、マサトとトモヤのバトルが幕を開けた。 互いに真っ向勝負となるのが予想されるこの試合、果たして勝つのは、マサトか、それともトモヤか。 (2) 〜挿入歌・『サイコー・エブリデイ!』が流れる〜 ナナシマ・バトルチャンピオンシップスはバトル大会決勝トーナメント2回戦、マサトとトモヤのバトルが幕を開けた。 マサト「行け!ユキメノコ、リザード!」 マサトはユキメノコとリザードを繰り出した。 トモヤ「出番だ!ドクケイル、ドクロッグ!」 トモヤはドクケイルとドクロッグを繰り出した。 コトミ「トモヤさん、ドクケイルも持ってたのね。」 コトミはポケモン図鑑を取り出してドクケイルをチェックした。 ミキ「マサト君とトモヤさん、相性の面では互角ね。あとは覚えている技次第で展開が大きく変わると思うわ。どうやってバトルするのか、注目したいわね。」 トモヤ「マサト君、最初に攻撃していいよ。」 マサト「では行きます!ユキメノコ、あられ!」 ユキメノコがあられを放った。それまで晴れていたフィールドが一面の雲で覆われ、あられが降り始めた。こおりタイプ以外のポケモンは受けるダメージが大きくなる。 トモヤ「(あられか・・・。ユキメノコはゆきがくれで回避率が上がる。それなら。)ドクケイル、ユキメノコにつばめがえし!ドクロッグはみがわりだ!」 ドクケイルがつばめがえしでユキメノコに襲いかかる。回避率などを無視して確実にダメージを与えられる技だ。一方のドクロッグはみがわりを作って分身が攻撃を受け止める作戦に出た。 マサト「ユキメノコ、ふぶき!ドクケイルを返り討ちにするんだ!」 ユキメノコがふぶきを放つ。あられ状態ではふぶきの命中率がかなり高くなる。そしてふぶきを放ったのとほとんど同時にドクケイルのつばめがえしが炸裂した。 マサト「ユキメノコ!」 トモヤ「ドクケイル!」 両者の相討ちとなったが、まだこの程度ではへこたれるわけもない。そしてふぶきはダブルバトルでは2体に命中するため、ドクロッグの分身にも命中した。 かなり威力が高かったのか、分身を消し去ってしまった。 トモヤ「マサト君、なかなかやるね。さすがはセンリさんのお子さんだ。ならもう一度だ!ドクケイル、リザードにむしのさざめき!」 マサト「なら次はこうだ!リザード、ドクロッグにかえんほうしゃ!ユキメノコはもう一度ふぶき!」 リザードがかえんほうしゃを放つ。かんそうはだの特性を持つドクロッグはそれだけでダメージが大きくなる。そしてユキメノコが再びふぶきの体制に入った。 トモヤ「今だ、ドクロッグ!かわしてユキメノコにふいうち!」 マサト「あっ!?」 ドクロッグはかえんほうしゃをかわすと、ふぶきの体制に入っていたユキメノコにふいうちを食らわした。ふいうちはあくタイプの攻撃技。 こおりタイプに加えてゴーストタイプも併せ持つユキメノコに対しては効果抜群だった。 ふいうちのダメージを受けたユキメノコは勢いよくフェンスに叩きつけられてしまった。 マサト「ユキメノコ!」 ユキメノコは相当なダメージを受けながらもなおふぶきを放った。ふぶきはドクケイルとドクロッグにそれなりのダメージを与えた。が、ふぶきで体力を消耗してしまったのか、 ユキメノコはその場に倒れ、戦闘不能となってしまった。 審判「ユキメノコ、戦闘不能。ドクロッグの勝ち!」 イチロウ「ドクロッグ、ユキメノコのふぶきを耐え抜き、ふいうち攻撃でユキメノコをノックアウト!まずはトモヤ選手が一歩リードする形となりました!」 ルリカ「ドクロッグはかんそうはだの特性を持っています。この特性はほのおタイプの技のダメージが大きくなると言うものですが、それをかわして一撃を与えたと言うことは かなり意味があると思いますね。」 マサト「(やはりトモヤさんは強いな・・・。)行け、スリーパー!」 マサトはスリーパーを繰り出した。 マサト「スリーパー、ドクロッグにサイコキネシス!リザードはドクケイルにかえんほうしゃ!」 スリーパーがサイコキネシスを、リザードがかえんほうしゃをそれぞれ放つ。 トモヤ「ドクロッグ、スリーパーにふいうち!ドクケイルはリザードにヘドロばくだん!」 ドクロッグがふいうちで、ドクケイルがヘドロばくだんでそれぞれ迎え撃つ。 ふいうちの体制に入っていたドクロッグに強烈なサイコキネシスが襲いかかり、ドクロッグは行動が封じられた。効果は抜群だ。一方ではリザードが放ったかえんほうしゃと ドクケイルのヘドロばくだんが激しくぶつかり合い、大爆発が起きた。 爆風が収まると、リザードとドクケイルは両方とも倒れており、一方のドクロッグもフィールド上で戦闘不能になっていた。 マサト「リザード!」 トモヤ「ドクケイル!ドクロッグ!」 リザードは辛うじて立ち上がったが、ドクケイルはふぶきのダメージが残っていたのか、そのままフィールドに崩れ落ち、戦闘不能となった。 審判「ドクケイル、ドクロッグ、戦闘不能。リザードとスリーパーの勝ち!」 イチロウ「マサト選手、スリーパーとリザードのコンビネーションでドクケイルとドクロッグをダブルノックアウト!トモヤ選手から逆にリードを奪いました!」 トモヤ「やるね、マサト君。本当に成長したと思うよ。」 マサト「ありがとうございます。」 トモヤ「だが勝負は最後の最後まで読めないと言うことを教えてあげよう!出番だ!クロバット、ニドキング!」 トモヤはクロバットとニドキングを繰り出した。 コトミ「ニドキングだわ!」 ミキ「トモヤさん、いよいよ本気を出して臨むのね。マサト君はどこまで太刀打ちできるかしら。」 マサト「(トモヤさん、いよいよニドキングを出したか・・・。でも。)僕だって負けませんよ!」 トモヤは残り2体となり、クロバットに続いて、一番のパートナーであるニドキングを出した。果たして、マサトはこの強敵・ニドキングにどう立ち向かっていくのだろうか。 (3) ナナシマ・バトルチャンピオンシップス、バトル大会決勝トーナメントではマサトとトモヤの激戦が続いていた。 マサトはユキメノコが倒されたものの、リザードとスリーパーの活躍でトモヤのドクケイルとドクロッグを戦闘不能に追い込んだ。が、ここでトモヤはクロバット、 そして一番の相棒であるニドキングを繰り出したのだった。 マサト「相手にとって不足はない!リザード、クロバットにかえんほうしゃ!スリーパーはニドキングにサイコキネシス!」 リザードがかえんほうしゃ、スリーパーがサイコキネシスをそれぞれ放つ。 トモヤ「クロバット、エアカッター!ニドキングはかわしてスリーパーにどくづき!」 クロバットがエアカッターを放つ。エアカッターはかえんほうしゃを打ち消してリザードとスリーパーに迫った。 一方のニドキングもサイコキネシスを余裕でかわして、スリーパーにどくづきを打ち込んだ。 マサト「リザード、あなをほるでかわせ!スリーパーはジャンプしてクロバットにサイコキネシス!」 スリーパーはエアカッターとどくづきをジャンプでかわすと、クロバットにサイコキネシスを放った。一方のリザードは穴を掘って地中に潜る。 サイコキネシスをもろに受けたクロバットだが、まだまだ大丈夫そうだ。 トモヤ「ニドキング、気を付けろ!リザードは下から現れる!」 ニドキングは地面の下から聞こえる音に耳を傾ける。 トモヤ「右だ!ニドキング、地面に向かってどくづき!」 ニドキングは地面にどくづき攻撃をした。ちょうどあなをほるで地面に飛び出すところだったリザードにもろに直撃した。 マサト「ああっ、リザード!」 リザードはフィールドの一部と共に姿を表した。どくづきをもろに受けてダメージが見受けられたが、まだ戦えそうだ。 マサト「反撃だ!リザード、クロバットにかえんほうしゃ!スリーパーはニドキングにサイコキネシス!」 スリーパーがニドキングにサイコキネシスを放つ。そしてリザードもクロバットにかえんほうしゃを放った。と、かえんほうしゃの勢いがさっきと比べて強まっている感じに見えた。 コトミ「あれは!?」 ミキ「リザードの特性・もうかね。」 レイカ「もうか?」 ユカリ「もうかって言うのは、ピンチになったとき、ほのおタイプの技の威力が上がる特性なのよ。似た特性として、くさタイプのしんりょく、みずタイプのげきりゅう、 むしタイプのむしのしらせがそれぞれ挙げられるわ。ここぞと言うところで力を発揮する特性なのよ。」 リザードの放ったかえんほうしゃはクロバットに命中、もうか特性と相まって大きなダメージを与えた。一方、スリーパーのサイコキネシスもニドキングにクリーンヒット。効果は抜群だ。 トモヤ「クロバット!ニドキング!」 思わずトモヤが心配するほどだったが、2匹ともまだこの程度でへこたれるわけがない。 トモヤ「やるね、マサト君。だが私だって負けていないさ!クロバット、リザードにブレイブバード!ニドキング、スリーパーにメガホーン!」 クロバットがブレイブバードの体制に入った。続いてニドキングもメガホーンを放つ。 コトミ「ブレイブバード!?」 サヤカ「自分もダメージを受ける代わりに相手に大ダメージを与えられる技でしょ?あのクロバット、よく育てられてるのね。」 ブレイブバード状態のクロバットは一直線にリザードに突っ込んでいく。そしてニドキングのメガホーンもスリーパーに迫っていた。 マサト「リザード、穴を掘ってかわせ!スリーパーはサイコキネシスで迎え撃て!」 リザードはあなをほる攻撃でかわそうとした。だがダメージがたまっていたのとクロバットの素早さが二重に作用したのか、よけ切れずにブレイブバードをもろに食らってしまった。 一方のスリーパーもサイコキネシスでニドキングの行動を封じる作戦に出たが、トモヤと一緒に数々の歴戦をくぐり抜けたニドキングの勢いは強く、そのままメガホーンが直撃、 スリーパーは勢いよく吹っ飛ばされてしまった。効果は抜群だ。 マサト「リザード!スリーパー!」 スリーパーは辛うじて立ち上がったものの、かなり息が上がっていた。次の一撃を受ければ戦闘不能は免れないだろう。一方のリザードはそのまま立ち上がることはできず、戦闘不能となった。 審判「リザード、戦闘不能。クロバットの勝ち!」 イチロウ「クロバット、捨て身のブレイブバードでリザードをノックアウト!マサト選手の残りポケモンはあと2体です!」 ルリカ「ですがクロバットもかなりダメージを受けています。マサト選手が最後に何を使うかによりますが、最後の1体とニドキングの直接対決になるのではないでしょうか。」 マサト「リザード、よく戦ってくれたね。・・・トモヤさん、やはりトモヤさんは強いですね!」 トモヤ「マサト君も、ナナシマを回って着実にレベルを上げたね。お互いに最後まで悔いの残らないバトルにしよう!」 マサト「はい!行け、サーナイト!」 マサトはサーナイトを繰り出した。 イチロウ「マサト選手、最後のポケモンはサーナイトです!」 ルリカ「このサーナイトはマサト選手の初めてのポケモンだそうです。普通、ホウエン地方の初心者用ポケモンはキモリ、アチャモ、ミズゴロウの3体が一般的ですが、マサト選手は このサーナイトがラルトスだったときに最初のポケモンにすると約束していたそうです。トレーナーとポケモンの信頼関係が伺えますね。」 マサトはサーナイト、トモヤはニドキングと、互いに一番のパートナーポケモンを繰り出した。果たして、このバトルを勝ち抜き、3回戦に進むのは、一体誰なのか。 (4) ナナシマ・バトルチャンピオンシップスはバトル大会決勝トーナメント2回戦、マサトとトモヤのバトルもいよいよ大詰めに差し掛かろうとしていた。マサトはスリーパーとサーナイト、 トモヤはクロバットとニドキングを出していた。しかしそれまでのバトルでスリーパーとクロバットはかなりダメージを受けていた。 トモヤ「(やはりマサト君の最後の1体はサーナイトだったか・・・。なら。)クロバット、一か八かもう一度だ!サーナイトにブレイブバード!」 マサト「スリーパー、かみなりパンチでブレイブバードを受け止めろ!」 クロバットが再びブレイブバードで一直線に突っ込む。技はサーナイトに向かって繰り出されたが、それをスリーパーがかみなりパンチで受け止めた。 ブレイブバードとかみなりパンチがぶつかり合い、激しい大爆発が生じた。爆風が収まると、スリーパーとクロバットは2匹とも倒れており、そのまま戦闘不能となった。 審判「スリーパー、クロバット、両者戦闘不能!」 イチロウ「スリーパーとクロバットが相討ち!これで残すはサーナイトとニドキングだけとなりました!」 ルリカ「トモヤ選手はブレイブバードでサーナイトに大ダメージを与える作戦でしたが、逆にスリーパーに防がれた格好となりました。結果的にサーナイトとニドキングと言う、 お互いの言わば総大将同士のバトルとなりましたね。さあ、この勝負はどちらが勝つのでしょうか。最後まで見逃せない展開になりましたね。」 トモヤ「(やはり最後はニドキングとサーナイトのバトルか・・・。)行け、ニドキング!だいちのちから!」 ニドキングがだいちのちからを放つ。 マサト「サーナイト、テレポート!」 サーナイトがテレポートで姿を消す。だいちのちからはちょうどサーナイトが消えた直後に発動、ニドキングの攻撃は外れた。 マサト「サーナイト、マジカルリーフ!」 ニドキングの真後ろに現れたサーナイトがマジカルリーフを放った。くさタイプのマジカルリーフはニドキングのどくタイプとじめんタイプで相殺され、 効果としては普通のダメージとなるが、それでもかなりのダメージを与えられた。 トモヤ「やるね、マサト君。君のサーナイト、本当によく育てられてるよ。」 マサト「トモヤさんも、本当にいいニドキングですね。」 トモヤ「ありがとう。だが勝負はまだこれからさ!ニドキング、メガホーン!」 ニドキングがメガホーンの体制に入った。メガホーンはむしタイプの技。まともに食らえばサーナイトは大ダメージは免れないだろう。 マサト「サーナイト、かげぶんしん!」 サーナイトがかげぶんしんでたくさんの分身に分かれた。 トモヤ「ニドキング、回転しながらヘドロばくだん!分身全部を狙え!」 ニドキングがその場で回転しながらヘドロばくだんを放つ。ヘドロばくだんは分身の1体1体を消していき、やがて本物に命中した。 マサト「サーナイト!」 サーナイトは勢いよく吹っ飛ばされたが、それでもまだ戦える。 マサト「うん!行け、サーナイト!ねんりき!」 サーナイトがねんりきでニドキングを操る。 トモヤ「ニドキング、ねんりきを振りほどけ!」 ニドキングは威勢良く鳴き声を上げると、ねんりきを振りほどいた。 トモヤ「ニドキング、どくづきだ!」 ニドキングがどくづきでサーナイトに向かっていく。 マサト「サーナイト、サイコキネシス!」 サーナイトもサイコキネシスで迎え撃つ。 ニドキングはサイコキネシスをもものともせず、サーナイトにどくづきを放った。が、どくづきを放った次の瞬間、ニドキングはサイコキネシスの威力で吹っ飛ばされていた。 マサト「サーナイト!」 トモヤ「ニドキング!」 サーナイトとニドキングは互いに技を受けながらもどうにかして立ち上がった。しかしもはや立っているのも限界といったところだった。 2体のポケモンはしばらくの間相手を見つめ続けていた。が、それも束の間、1体のポケモンが倒れ、戦闘不能となった。ニドキングだった。 審判「ニドキング、戦闘不能。サーナイトの勝ち。よって勝者、トウカシティのマサト!」 イチロウ「息詰まる激戦を制したのはマサト選手です!強敵・ニドキングを撃破して、マサト選手、3回戦に駒を進めました!」 トモヤ「おめでとう、マサト君。私に勝つとは、君はこれからもっと成長できる気がするよ。」 マサト「ありがとうございます。でもトモヤさん、トモヤさんのポケモンはみんな良く育てられていましたね。僕もバトルする甲斐がありました。」 トモヤ「ありがとう。今回私はマサト君に負けた訳だけど、次にバトルするときはまた正々堂々とバトルしよう!」 マサト「はい!」 コトミ「次はレイカちゃんのバトルね。この試合に勝てば、次はマサトとレイカちゃんのバトルだね。」 レイカ「うん。次の試合もたぶん強敵だと思うけど、でも私だって負けないわ!マサト君、次の試合で会おうね!」 マサト「うん!」 かくしてレイカの試合が始まった。レイカの対戦相手はジョウト地方・アサギシティのアヤミ。レイカのハッサムが苦手とするほのおタイプが中心のパーティだったが、レイカは相性の面など ものともせずにバトルを進め、最後の1匹・バクーダを残すだけとしていた。一方のレイカはルンパッパとハッサムを出していた。 アヤミ「バクーダ、いわなだれ!」 バクーダがいわなだれを放つ。 レイカ「ハッサム、ぎんいろのかぜでいわなだれを壊して!ルンパッパはバクーダにハイドロポンプ!」 ハッサムがぎんいろのかぜでいわなだれを打ち崩す。一方でルンパッパが強烈なハイドロポンプを打ち込み、バクーダはそのままフェンスに叩きつけられ、戦闘不能となった。効果は抜群だ。 審判「バクーダ、戦闘不能。ルンパッパの勝ち。よって勝者、シロガネタウンのレイカ!」 イチロウ「ルンパッパのハイドロポンプが炸裂!レイカ選手、激闘を制して3回戦進出を果たしました!」 その模様を見ながらサヤカがコトミに話しかける。 サヤカ「コトミちゃん、次は私達のコンテストバトルね。」 コトミ「そうですね。初めてチルタリスのりゅうせいぐんを見たとき、サヤカさん、とても美しい演技をする人だなぁって思っていました。 だから一緒にバトルできればいいなぁって思ってたんです。」 サヤカ「うん。私もコトミちゃんとバトルしたいなぁって思ってたのよ。誰が勝っても、本当にいい演技だったって言えるバトルにしましょう!」 ユカリ「あたしが次の試合に勝てば、コトミちゃんとサヤカさんの勝った方とバトルすることになるわね。美しい演技にしましょうね!」 コトミ・サヤカ「はい!」 こうして、マサトはトモヤに勝ち、3回戦に進出した。次の試合、マサトはレイカとバトルすることになった。 そして、次はコトミとサヤカのコンテストバトルだ。果たして、この試合を勝ち抜き、コンテストバトル3回戦に進出するのは、コトミか、それともサヤカか。 Chapter-34に続く。 <初出> 全編書き下ろし。