Chapter-37『最後の激闘!サーナイトVSボーマンダ!!』 (1) ナナシマ・バトルチャンピオンシップスは連日の激戦が続き、ここまで勝ち残っているのはバトル大会・コンテスト大会32名ずつ、合計64名となっていた。 既にバトル大会では3回戦でレイカがマサトに敗れ、コンテスト大会でも3回戦でコトミがユカリに敗れており、現段階でマサト達の中で残っているのは、 バトル大会ではマサト、ミキ、ケイコの3人。そしてコンテスト大会ではユカリだけが残っていた。 そしてバトル大会は4回戦となり、ベスト32に残った選手達がベスト16をかけてバトルすることになる。その4回戦は第1試合でマサトとケイコがバトルすることになった。 イチロウ「さあ、ナナシマ・バトルチャンピオンシップスはバトル大会4回戦、更なる高みに向かって、ベスト16をかけたバトルが始まります!」 ルリカ「ここまで勝ち上がるトレーナー達は、誰もが相当な実力の持ち主です。頂点に向かって、強い相手に立ち向かっていく選手達の姿は、本当に美しいです。」 イチロウ「さて、4回戦は第1試合が始まります。この試合を戦うのは、ホウエン地方・トウカシティのマサト選手と、カントー地方・ハナダシティのケイコ選手です!」 ルリカ「マサト選手はトウカジムのリーダー・センリさんの息子さん。そしてケイコ選手は、クチバ大学に在学する現役女子大生です。正統派トレーナーとインテリトレーナーの 対決と言う点でも注目したいですね。」 ケイコ「マサト君、私はこうしてあなたとバトルするのを楽しみにしてたのよ!」 マサト「僕もです!お互いに全力でぶつかり合いましょう!」 審判「バトル開始!」 かくして、マサトとケイコのバトルが幕を開けた。果たして、この試合に勝利を収め、5回戦に駒を進めるのは、マサトか、それともケイコか。 (2) ナナシマ・バトルチャンピオンシップスはバトル大会決勝トーナメント4回戦、マサトとケイコのバトルが始まった。 マサト「行け!ユキメノコ、ガブリアス!」 マサトはユキメノコとガブリアスを繰り出した。 ケイコ「出番よ!フーディン、メタグロス!」 ケイコはフーディンとメタグロスを繰り出した。 コトミ「マサトはユキメノコとガブリアス。ケイコさんはフーディンとメタグロスね。」 ユカリ「相性の面ではマサト君がケイコさんに対して有利みたいね。でもケイコさんが相手である以上、それだけでは勝ち抜くのは難しいと思うわ。」 ケイコ「フーディン、ユキメノコにシャドーボール!メタグロス、ガブリアスにコメットパンチ!」 フーディンがシャドーボールを放つ。さらにメタグロスがコメットパンチでガブリアスに襲いかかった。 マサト「ユキメノコ、フーディンにれいとうビーム!ガブリアス、メタグロスにりゅうのはどう!」 ユキメノコがれいとうビームで、ガブリアスもりゅうのはどうを放ってそれぞれ応戦する。バトルは最初から互いの技が激しくぶつかり合う大激戦となった。 たまらず爆発が発生して、ポケモン達は勢いよく吹っ飛ばされる。しかしまだこれはほんの序の口にすぎない。 マサト「ユキメノコ、メタグロスにみずのはどう!ガブリアス、フーディンにドラゴンクロー!」 続けざまにユキメノコがみずのはどうを放つ。さらにガブリアスもドラゴンクローでフーディンに向かって行く。 ケイコ「メタグロス、フーディン、サイコキネシス!」 メタグロスとフーディンがサイコキネシスを放つ。サイコキネシスはみずのはどうの向きをたちまち変化させてしまった。それだけでなくガブリアスの行動まで封じてしまっている。そして 向きの変わったみずのはどうがそのままガブリアスに命中した。 マサト「ガブリアス!」 ガブリアスはまだ戦えそうだが、いかんせんサイコキネシスで行動ができなくなってしまっている。幸いにも混乱はしてなさそうである。 マサト「ユキメノコ、ガブリアスをサポートするんだ!」 ユキメノコは威勢良く声を上げると、黒い影の固まりをフーディンとメタグロスに向かって打ち出した。 まともに影の固まりを受けたフーディンとメタグロスは勢いよく吹っ飛ばされてしまった。 コトミ「今の、シャドーボール!?」 ミキ「うん。ユキメノコはゴーストタイプも併せ持っているわ。ユキメノコにとってはおあつらえ向きの技ね。」 マサト「すごい!ユキメノコ、シャドーボールを覚えたんだね!」 シャドーボールがサイコキネシスの技を解いたのだろう、ガブリアスは自由な行動ができていた。 マサト「ガブリアス、反撃だ!りゅうせいぐん!」 ガブリアスが勢いよくりゅうせいぐんを打ち上げる。高く舞い上がったりゅうせいぐんは無数の玉に分かれ、メタグロスとフーディンに向かって落ち始めた。 ケイコ「フーディン、ひかりのかべ!メタグロス、バレットパンチ!」 フーディンがひかりのかべを張る。一方でメタグロスがバレットパンチを放ち、りゅうせいぐんを次々と撃ち落としていった。 メタグロスが落としきれなかった分のりゅうせいぐんはフーディンに向かって落ちたが、フーディンはひかりのかべの効果でダメージをそれほど受けなかった。 コトミ「ええっ!?」 トモヤ「あのりゅうせいぐんをはたき落とした!?」 ミキ「さすがはケイコさん。かなりレベルが高いわね。マサト君はどこまで食いついていけるかしら。」 ケイコ「なかなかやるわね。なら私だって負けないで反撃よ!フーディン、ガブリアスにれいとうパンチ!メタグロス、ユキメノコにコメットパンチ!」 フーディンとメタグロスが一斉にパンチの体制に入る。フーディンは氷をまとったれいとうパンチ、メタグロスは彗星の名を持つコメットパンチだ。どちらも命中すれば効果は抜群。 大ダメージは免れないだろう。 マサト「ユキメノコ、ふぶき!ガブリアスは穴を掘ってかわせ!」 ガブリアスが穴を掘って地中に潜る。一方のユキメノコはフィールド一面に強烈なふぶきを放った。 ケイコ「フーディン、メタグロス、ジャンプ!」 フーディンとメタグロスはジャンプしてふぶきをかわそうとする。 マサト「ユキメノコ、上を狙え!」 ユキメノコが上空に向かってふぶきを放った。ジャンプしていたフーディンとメタグロスにふぶきが直撃、2匹ともたまらずダメージを受けた。 ケイコ「フーディン!メタグロス!」 フーディンはたちまち吹っ飛ばされ、フェンスに叩きつけられた。それでも辛うじて立ち上がったが、かなり息が上がっていた。一方のメタグロスはどうにか踏みとどまったが、まだ ガブリアスが地面に潜っている。 ケイコ「うん!フーディン、じこさいせい!メタグロス、地面に向かってアームハンマー!」 フーディンがじこさいせいで体力を回復する。一方のメタグロスは地面に向かってアームハンマーを繰り出した。 マサト「今だ!ガブリアス、メタグロスにあなをほる攻撃!ユキメノコ、フーディンにシャドーボール!」 ガブリアスが地面に飛び出し、あなをほる攻撃を放った。しかしメタグロスが振り下ろしたアームハンマーと相討ちとなり、双方とも大ダメージを受けてしまった。一方のユキメノコは まだ体力が回復しきっていないフーディンにシャドーボールを放ち、さらにフーディンを吹っ飛ばした。効果は抜群だ。 一連の攻撃が終わると、フーディンは戦闘不能となっていた。一方のガブリアスとメタグロスは互いに倒れたままだった。 審判「フーディン、戦闘不能。ユキメノコの勝ち!」 マサト「ガブリアス!」 ケイコ「メタグロス!フーディン!」 ガブリアスとメタグロスはそれでもどうにかして立ち上がったが、両者ともダメージがたまっていたのか、そのまま倒れ込み、戦闘不能となった。 審判「ガブリアス、メタグロス、両者戦闘不能!」 イチロウ「これはまさしく大激突!激しい技の応酬でマサト選手のガブリアス、ケイコ選手のフーディン、メタグロスと、3匹が戦闘不能となってしまいました!」 ルリカ「先ほどのガブリアスとメタグロスでしたが、あなをほる攻撃はメタグロスの持つはがねタイプに対して効果抜群の技。そしてメタグロスの使ったアームハンマーは威力がずば抜けて 高い代わりに使うと素早さが下がる技です。さらにガブリアスは先ほどのサイコキネシスのダメージが残っていたので、一撃を耐えきれなかったのではないでしょうか。」 ケイコ「マサト君、やるわね!」 マサト「ケイコさんもかなりレベルが高いですね!」 ケイコ「そんなことはないわ。マサト君も、これからの成長が楽しみね。じゃあ、私の最後のポケモンを出すわよ!行くわよ、スターミー、ボーマンダ!」 ケイコはスターミーとボーマンダを繰り出した。 マサト「行け、ギャラドス!」 マサトはギャラドスを繰り出した。 マサトとケイコのバトルは一進一退を繰り返していたが、ここでケイコは一番のパートナーであるボーマンダを繰り出した。 残りポケモンはマサトが3体、ケイコが2体。果たして、この勝負の行方は・・・。 (3) ナナシマ・バトルチャンピオンシップスはバトル大会決勝トーナメント4回戦、マサトとケイコのバトルが続いていた。 バトルは序盤から激しい技のぶつかり合いとなり、マサトのガブリアスとケイコのメタグロスの激しい激突の末、両者ともノックダウン。一方でマサトはユキメノコが繰り出した シャドーボールでケイコのフーディンを打倒、残りポケモンを3対2とした。ここでマサトはギャラドスを繰り出した。が、ケイコが繰り出したのはスターミー、そしてケイコの 一番のパートナーでもあるボーマンダだった。 トモヤ「ケイコさん、いよいよボーマンダを出したか・・・。」 コトミ「あのポケモンはスターミーね。」 コトミはポケモン図鑑を取り出してスターミーをチェックした。 ケイコ「スターミー、ギャラドスに10まんボルト!ボーマンダ、ユキメノコにかえんほうしゃ!」 スターミーが10まんボルトを、ボーマンダがかえんほうしゃをそれぞれ放つ。いずれも弱点を的確に突いた技である。まともに受ければ効果は抜群だ。ましてや10まんボルトはでんきタイプ。 みずとひこうの2つのタイプを併せ持つギャラドスがまともに受ければ大変なことになるのは間違いない。 マサト「ギャラドス、とびはねる攻撃!ユキメノコ、まもる!」 ギャラドスは高く跳び跳ねた。一方のユキメノコはまもるでかえんほうしゃを防いだ。 ケイコ「ボーマンダ、ギャラドスにストーンエッジ!」 ボーマンダはギャラドスと同じ高さまで舞い上がり、ストーンエッジを放った。ストーンエッジはよける間もなくギャラドスに命中、ギャラドスはたまらず打ち落とされてしまった。効果は抜群だ。 コトミ「あのボーマンダ、かなり鍛えられてるわ!」 トモヤ「それでいて行動にも無駄がない。さすがはケイコさん。並大抵のレベルではないと言うことだな・・・。」 ケイコ「スターミー、しんぴのまもり!」 スターミーがしんぴのまもりを放つ。ボーマンダとスターミーに神秘のベールが張られ、特殊状態を封じた。 レイカ「しんぴのまもりだわ!」 サヤカ「と言うことは、ケイコさんのボーマンダもげきりんを使う可能性が高いわね。マサト君、気をつけて!」 マサト「ギャラドス、スターミーにかみつく攻撃!ユキメノコ、ボーマンダにれいとうビーム!」 ギャラドスが大口を開けてかみつくの体制に入る。一方のユキメノコもれいとうビームを放った。 ケイコ「今よ!ボーマンダ、げきりん!」 ボーマンダがれいとうビームをかわして、げきりんを放つ。ちょうどスターミーに噛みつこうとしていたギャラドスはげきりんのダメージをまともに受けてしまった。 マサト「ギャラドス!」 ケイコ「とどめよ!スターミー、ギャラドスに10まんボルト!」 スターミーが10まんボルトを放った。でんきタイプの中でも威力が高く、あのサトシのピカチュウも使いこなしていた10まんボルト。それをまともに食らってしまったギャラドスは その場に倒れ込み、そのまま戦闘不能となってしまった。 審判「ギャラドス、戦闘不能。スターミーの勝ち!」 イチロウ「スターミー、強烈な10まんボルトでギャラドスをノックアウト!これで残りポケモンは2体ずつとなりました!」 ルリカ「10まんボルトはでんきタイプの技です。ギャラドスはみずタイプとひこうタイプを併せ持っている上、先ほどボーマンダにストーンエッジやげきりんを連続して受けていたために ダメージがたまっていました。それも影響していたのではないでしょうか。」 マサト「やりますね、ケイコさん!」 ケイコ「それほどでもないわ。マサト君だって、ポケモン達といいコンビネーションになってるわ。」 マサト「ありがとうございます。では僕の最後のポケモンです!行け、サーナイト!」 マサトはサーナイトを繰り出した。 ケイコ「(マサト君、やっぱり最後はサーナイトだったわね。)ボーマンダ、スターミー、行くわよ!」 スターミーが一声上げて気合いを高める。そして一方のボーマンダはげきりん状態でサーナイトとユキメノコに突っ込んでいった。 互いに残り2体ずつとなり、バトルもいよいよ後半に入る。果たして、この試合を制するのは、マサトか、それともケイコか。 (4) ナナシマ・バトルチャンピオンシップスはバトル大会決勝トーナメント4回戦、マサトとケイコのバトルが続いていた。 互いに一歩も譲らない激闘が続き、マサトはユキメノコとサーナイト、ケイコはスターミーとボーマンダと、両者とも一番のパートナーがぶつかり合うことになった。 ケイコ「スターミー、サーナイトにハイドロポンプ!」 スターミーがハイドロポンプを放つ。一方のボーマンダはげきりん状態でユキメノコに迫っていた。 マサト「サーナイト、テレポート!ユキメノコ、まもる!」 サーナイトがテレポートで姿を消す。ハイドロポンプは姿が消えた直後に炸裂、スターミーの攻撃は外れた。一方のボーマンダのげきりんもユキメノコのまもるに阻まれた。 マサト「サーナイト、スターミーにシャドーボール!ユキメノコ、ボーマンダにれいとうビーム!」 スターミーの真後ろに現れたサーナイトがシャドーボールを放つ。一方のユキメノコもげきりん状態のボーマンダにれいとうビームを打ち込んだ。 ケイコ「スターミー、ボーマンダを援護するわ!まもる!」 スターミーも守りの体制に入り、シャドーボールとれいとうビームを防いだ。 ケイコ「スターミー、ユキメノコにハイドロポンプ!」 スターミーがハイドロポンプを放つ。 マサト「ユキメノコ、スターミーにシャドーボール!」 ユキメノコがシャドーボールを放つ。シャドーボールはハイドロポンプと激しくぶつかり合う。そしてシャドーボールがハイドロポンプを打ち消してスターミーに命中した。効果は抜群だ。 ケイコ「スターミー!」 スターミーはかなりのダメージを受けたが、どうにかして踏みとどまった。 と、スターミーの上を飛び越えたボーマンダがユキメノコに強烈なげきりんの一撃を食らわせた。 マサト「ユキメノコ!」 ユキメノコは勢いよく吹っ飛ばされ、フィールドに叩きつけられた。戦闘不能だった。 審判「ユキメノコ、戦闘不能。ボーマンダの勝ち!」 イチロウ「ボーマンダのげきりんがユキメノコをノックアウト!これは強烈だ!」 ルリカ「げきりんはドラゴンタイプでもぶつり技に分類されます。ボーマンダは攻撃力がかなり高いポケモンですので、使うと大きなダメージが期待できます。しばらく攻撃を繰り返したあとは 混乱するのが難点ですが、あらかじめスターミーにしんぴのまもりを使わせたことで混乱を防ぎました。効果的に技を使っていると言えるでしょうね。」 マサト「サーナイト、スターミーにでんじほう!」 サーナイトがでんじほうを放つ。 ケイコ「スターミー、ハイドロポンプ!」 スターミーが続けざまにハイドロポンプを放つ。ハイドロポンプとでんじほうの激しいぶつかり合いとなった。だが相性で勝るでんじほうがハイドロポンプを打ち消してスターミーに 命中、強烈なダメージを受けたスターミーは勢いよく吹っ飛ばされてしまった。 ケイコ「スターミー!」 スターミーはフェンスにまともに叩きつけられ、戦闘不能となった。 審判「スターミー、戦闘不能。サーナイトの勝ち!」 イチロウ「さあ、これで両者とも残るポケモンは1体!この勝負もいよいよクライマックスだ!」 ルリカ「最後はマサト選手・ケイコ選手のいずれもエース級のポケモンです。相性の面では五分、技の威力や戦略が勝敗を分けると言っていいでしょう。」 ケイコ「さあマサト君、最後まで持てる力を全部出し切ってバトルしましょう!」 マサト「はい!」 かくしてマサトとケイコのバトルもいよいよ大詰めとなった。最後に残ったのはサーナイトとボーマンダ。いずれも両者の一番のパートナーだった。 果たして、この勝負の軍配は、誰に上がるのだろうか。 (5) 〜挿入歌・『OK!』が流れる〜 ナナシマ・バトルチャンピオンシップスはバトル大会決勝トーナメント4回戦、マサトとケイコのバトルも大詰めを迎えていた。最後の1体、マサトはサーナイト、 ケイコはボーマンダとなっていた。 ケイコ「ボーマンダ、ドラゴンクロー!」 ボーマンダがドラゴンクローの体制に入る。 マサト「サーナイト、テレポート!」 サーナイトがテレポートで攻撃をかわす。 ケイコ「ボーマンダ、フィールド一面にかえんほうしゃ!」 ボーマンダが回転しながらかえんほうしゃを放つ。ちょうど姿を現したサーナイトはもろにかえんほうしゃを受けてしまった。 マサト「サーナイト!」 サーナイトはまともにダメージを受けたが、まだこの程度ではへこたれない。 マサト「うん!サーナイト、サイコキネシス!」 サーナイトがサイコキネシスを放つ。強力なサイコキネシスを受けたボーマンダは行動が封じられてしまった。 ケイコ「ボーマンダ、ハイドロポンプ!」 ボーマンダがハイドロポンプを打ち出してサイコキネシスを振り切る。 マサト「サーナイト、でんじほう!」 サーナイトがでんじほうを放つ。ハイドロポンプとぶつかってたちまち大爆発が起きた。 コトミ「サーナイトとボーマンダ、完全に互角だわ!」 サヤカ「そうね。完全に互角と言ってもいいわ。マサト君とケイコさん、本当にいい勝負になってるわね。」 マサト「サーナイト、シャドーボール!」 サーナイトがシャドーボールを放つ。 ケイコ「ボーマンダ、かわしてドラゴンダイブ!」 ボーマンダがシャドーボールをかわして、サーナイトに勢いよく飛び込んでいく。ドラゴンダイブだ。 マサト「サーナイト、ねんりき!」 サーナイトがねんりきでボーマンダの行動を封じる。 ケイコ「負けないで、ボーマンダ!ドラゴンクロー!」 ボーマンダがねんりきを振りほどき、ドラゴンクローを降り下ろす。 マサト「サーナイト、シャドーボール!」 サーナイトがシャドーボールを放つ。シャドーボールが命中するのとドラゴンクローが炸裂するのはほぼ同時だった。 2体とも勢いよく吹っ飛ばされたが、まだ戦える。しかし体力も限界に近い。次の一撃が勝敗の分岐点と言ってもいいだろう。 ケイコ「(次の一撃がポイントね・・・。)行くわよ!ボーマンダ、マックスパワーでドラゴンダイブ!」 ボーマンダが全力を掛けたドラゴンダイブを繰り出す。 マサト「負けるなサーナイト!マックスパワーででんじほう!」 サーナイトも負けじとでんじほうを打ち出す。でんじほうもマックスパワーで打ち出されており、二回りは大きいものだった。 でんじほうとドラゴンダイブがぶつかり合い、またしても大爆発が起きる。爆発が収まると、両者とも辛うじて立ち上がっていたが、恐らく体力は限界に達しているだろう。 マサト「サーナイト!」 ケイコ「ボーマンダ!」 サーナイトとボーマンダはしばらくの間、互いを見つめあっていた。・・・だがそれから間もなくして、1体がフィールドに倒れ込み、戦闘不能となった。サーナイトだった。 審判「サーナイト、戦闘不能。ボーマンダの勝ち。よって勝者、ハナダシティのケイコ!」 激戦を制したのはケイコだった。 イチロウ「最後の最後までもつれ合う激闘を制したのはケイコ選手でした!ケイコ選手、5回戦進出です!」 マサトはサーナイトのもとに駆け寄る。 マサト「サーナイト、本当によく戦ってくれたね。お疲れ様。」 サーナイトもマサトに微笑みかける。 サーナイト「うん。」 そしてケイコもマサトのもとに歩を進めた。 ケイコ「マサト君、ありがとう。本当にいいバトルだったわ。」 マサト「いえ。僕の実力はまだまだだと言うことを思い知らされた気がします。」 ケイコ「それはないわ、マサト君。あなたもポケモン達と一緒になってバトルしていたわ。」 マサト「ありがとうございます。ケイコさん、次の試合も僕の分まで勝ち進んでください!」 マサトはそう言って手を差しのべた。 ケイコ「はい!」 ケイコはその手を取ると、しっかりと握手を交わした。――その横で、サーナイトとボーマンダも互いの健闘を称え合っていた。 イチロウ「ミキ選手、徹底した守りの戦法から一瞬の隙を突いていく見事な作戦勝ち!5回戦進出を果たしました!」 シンイチ「バトルオフ!5回戦に進出したのはユカリ選手です!さすがはトップコーディネーターとしての実力!申し分ありません!」 ミキも危なげない試合運びでバトル大会5回戦に駒を進める。一方のコンテスト大会では、ユカリが危なげない演技を披露して4回戦を突破、5回戦進出を果たした。 かくしてケイコが臨んだバトル大会5回戦、相手はジョウト地方・ヒワダタウンのハノンだった。だが、ハノンのポケモンの実力はケイコのそれを上回っており、ケイコは最後の1体・ ボーマンダだけになっていた。 ハノン「グレイシア、ふぶき!」 グレイシアが強烈なふぶきを放つ。ふぶきはかわす間もなくボーマンダに命中、ボーマンダはたまらず吹っ飛ばされてしまった。効果は抜群だ。 ケイコ「ああっ、ボーマンダ!」 ボーマンダはフェンスに叩きつけられ、戦闘不能となってしまった。 審判「ボーマンダ、戦闘不能。グレイシアの勝ち。よって勝者、ヒワダタウンのハノン!」 マサト「ええっ!?」 コトミ「あのボーマンダが敗れた!?」 ミキ「きっとボーマンダは、連戦で疲れていたのね。マサト君とのバトルのときの疲れがまだ取れていなかったんだと思うわ。」 イチロウ「ハノン選手、ケイコ選手を破ってベスト8進出!準々決勝一番乗りを果たしました!」 〜挿入歌・『スマイル』が流れる〜 ミキもバトル大会5回戦を突破して6回戦に進出、その後行われたコンテスト大会5回戦もユカリは難なく勝ち進み、6回戦進出を果たした。だが、試合が終わった直後、ケイコは一足早く 会場を後にすることになった。 マサト「もう帰られるんですか?」 ケイコ「うん。私もポケモントレーナーとしてやることがたくさんあるって思ってるし、一度ハナダに帰ることにしたの。」 コトミ「最後まで見ていかないんですか?」 ケイコ「本当は最後まで見ていきたいんだけど、新しい目標に向かって進んでいかなきゃって思ってる。学校の課題もまだ残ってるし、ポケモンと一緒に強くなるのと一緒に、私も夢に向かって 進んでいけたらなぁって思ってるわ。」 トモヤ「そうだったんですか・・・。」 ユカリ「みんなが夢に向かって挑戦していく。あたしも負けてられないわね。」 サヤカ「ケイコさんは、ハナダに戻ったらどうするんですか?」 ケイコ「まずは学校の卒業論文をまとめないといけないわ。そして卒業したら、イッシュ地方に行ってみようと思ってるの。」 レイカ「イッシュ地方?確か私のゾロアークみたいな、新しいポケモンがたくさんいる地方でしょ?」 ケイコ「うん。さらなる高みに向かって、私も成長していかなきゃって思うの。」 マサト「ケイコさん、またいつかお会いできる日を楽しみにしています。今度お会いしたら、また一緒にバトルしましょう!」 ケイコ「ええ!いつでも相手してあげるわね!それではまた!」 ケイコはそう言うと、マサト達に手を振って会場を後にして、港に向かって歩いていった。 こうして、マサトの初めての挑戦は終わった。しかし、ナナシマ・バトルチャンピオンシップスはまだまだ終わらない。マサト達を始め、負けたトレーナーでも自由に参加できるイベント、 「バトルスタンプラリー」が用意されている。そして、勝ち残ったミキとユカリは、さらに優勝を目指してバトルが続くのである。 マサト達の挑戦は、まだまだ続く。 Chapter-38に続く。 <初出> 全編書き下ろし。