Chapter-44『リュウグウジム!水のイリュージョン!!』 (1) ジョウトリーグ、そしてポケモンコンテストに出場するためワカバタウンを旅立ったマサト達。まず一行が向かうのは、29番道路から海沿いに行ったところにあるリュウグウジムだった。 かつて、サトシ達もワカバタウンに向かう途中に立ち寄ったリュウグウジム。このジムはみずタイプを中心に扱うジムであり、設備も整っているのだが、長い間ジョウトリーグの公認を受けておらず、非公認のジムだった。だが今回、晴れて公認ジムの仲間入りを果たすことになり、ルリカはリュウグウジムを公認ジムにするために派遣されたのである。 ルリカ「リュウグウジムはみずタイプ中心のジムだけど、みずポケモン達の水中パフォーマンスショーも行われるのよ。ジムリーダーになるリュウジさんは、水中パフォーマンスを学ぶためにカントーのハナダジムにも足を運んだって言うのを聞いたことがあるわ。」 マサト「ハナダジムって、カスミがジムリーダーを務めてるジムですね。」 ミキ「えっ?マサト君って、カスミちゃんのこと、知ってるの?」 マサト「うん。僕もホウエンやカントーでサトシ達と一緒に旅したとき、カスミが一緒にいたことがあるんだ。カスミはハナダジムのリーダーになる前はサトシ達と一緒に旅してたんだって。」 コトミ「マサトってやっぱりすごいんだね。ジムリーダーとも知り合いだなんて、羨ましいわ。」 マサト「そんなことはないよ。僕だって、確かにジムリーダーの子供だけど、でもトレーナーとして、コーディネーターとして旅するなら、そう言うことは全く無関係になる。だから、僕もどれだけ成長できるかが重要だと思ってるんだ。」 ミキ「うん。マサト君、とてもいいことを言うわね。これからどれだけの経験を積んでいくか、そしてどれだけの実力を磨けるか、それはまだ誰にも分からない。だけど、今やっていることがきっと自分を成長させることができるって、あたしは思ってるわ。」 ルリカ「そうね。さあ、見えてきたわ。あれがリュウグウジムよ。行きましょう!」 一同「はい!」 マサト達はリュウグウジムの玄関に到着した。 ルリカ「ジョウトリーグ四天王のルリカです。このリュウグウジムをリーグ公認ジムにするための報告に参りました。」 リュウジ「お待ちしておりました。どうぞお入りください。」 そう言うと玄関のドアが開いた。マサト達もそれに従って中に入っていく。 と、そこは水のフィールドになっており、水中パフォーマンスショーに対応しているのか、観客席も作られていた。 リュウジ「こんにちは、皆さん。私はここのジムリーダー・リュウジです。」 マサト「初めまして。僕、マサトです。」 コトミ「あたし、コトミです。」 ミキ「あたしはミキ。よろしくね!」 ルリカ「こんにちは、リュウジさん。今回私がこうして足を運んだのは、他でもありません。このリュウグウジムをジョウトリーグ公認ジムとするかどうかの最終報告のためです。」 リュウジ「はい。」 ルリカ「このジムは、みずタイプのジムとして今後ますますの発展が望まれるだけでなく、この一帯は公認ジムが少ないため、リーグに挑戦される方が増えるだろうと推測されます。また、設備も大変整っており、これまで何年もの間公認ジムと認められなかったのが不思議なほどです。」 リュウジ「はい。もったいないお言葉・・・。」 ルリカ「では報告いたします。このリュウグウジムをジョウトリーグ公認ジムとして正式に認定いたします。」 リュウジ「ありがとうございます。」 ルリカ「そしてリュウジさん。あなたをここのジムのリーダーとして、正式に任命いたします。これからたくさんの挑戦者があなたにジム戦を挑むことでしょう。でもリュウジさん、これからはジムリーダーとして、しっかりとバトルしてください!応援しています!」 リュウジ「はい!ジムリーダーの名に恥じないバトルを行いたいです!」 この瞬間、ジョウトリーグの公認ジムにまた1つ新しいジムが加わったのだった。 リュウジ「と言うわけで皆さん、これからは私がこのジムのリーダーとして皆さんの挑戦を受けることになります。公式ジムとして初めての挑戦者は誰ですか?」 ミキ「あたしが挑戦するわ!」 マサト「えっ、ミキさんが?」 コトミ「確かミキさんって、もうジョウトのバッジは8つ集めてるんでしょ?」 リュウジ「いい質問だね。このポスターを見てごらん。」 壁には1枚のポスターが貼られていた。そこにはこう記されていた。 「『ジョウトリーグ・エキシビジョンマッチ・ビクトリーカップ』。ジョウトリーグの出場経験者が大激突!バッジを5つ集めて、君もチャンピオンに挑戦だ!」 マサト「エキシビジョンマッチ?」 ミキ「うん。各地のポケモンリーグで優勝した選手はその地方の四天王とチャンピオンに挑戦できるけど、それまでには負けた選手がたくさんいるわ。そして、大会に一度出て、負けてしまった選手でも、エキシビジョンマッチで優勝すれば、四天王とチャンピオンに挑戦できるのよ。そして、エキシビジョンマッチに出場するためには、そのリーグの大会に一度出場していることと、最初に集めたジムバッジ以外で5つのバッジを集めることが必要なのよ。これはポケモンコンテストも同じで、新たに3つのリボンを集めれば、エキシビジョンマッチに出場できるわ。」 リュウジ「ミキさん、よく知ってるね。エキシビジョンマッチに出るための第一歩と言うわけだね。じゃあ私も、ジョウトリーグ公認ジムとして初めてのジムバトル、全力で行かせてもらうよ!」 ミキ「よろしくお願いします!」 審判「これより、ジムリーダー・リュウジと、チャレンジャー・ヤマブキシティのミキによる、リュウグウジム・公式戦を行います。使用ポケモンは3体。どちらかのポケモンが、全て戦闘不能となった時点で試合終了となります。なお、ポケモンの交代は、チャレンジャーのみ認められます。」 ミキは今回はポケモンの交代は無しとは言っていない。交代を積極的に駆使するのだろうか。 リュウジ「公認ジムとして初めてのバトル、ではまいらせていただきます!出番だ、ランターン!」 リュウジはランターンを繰り出した。 ミキ「行ってらっしゃい、ガブリアス!」 ミキはガブリアスを繰り出した。 相性の面ではじめんタイプのガブリアスが有利だ。だがランターンはいかなる戦法で勝負に挑むのだろうか。そして、ミキはジムバッジをゲットできるのだろうか。 (2) リュウグウジムのジョウトリーグ公認ジムとして初めてのジムバトル、ミキがジムリーダーのリュウジに挑戦することになった。最初に繰り出したポケモンは、ミキはガブリアス、リュウジはランターンだった。 ミキ「行くわよ!ガブリアス、ドラゴンクロー!」 ガブリアスがドラゴンクローの体制に入る。ドラゴンクローは勢いよくランターンに命中、ランターンは吹っ飛ばされてしまった。 リュウジ「やるね。そのガブリアス、とてもよく育てられてるよ。」 ミキ「ありがとうございます。」 リュウジ「じゃあ次は私の番だ!ランターン、あやしいひかり!」 ランターンがあやしいひかりを放つ。まともに見つめると混乱してしまう技だ。 ミキ「ガブリアス、目を閉じてかわして!」 ガブリアスがとっさに目をつぶって身を守った。 リュウジ「何と!あやしいひかりをかわすとは、反射神経もばっちりだね。」 ミキ「ありがとうございます!ガブリアス、行くわよ!りゅうせいぐん!」 ガブリアスが天井高くりゅうせいぐんを打ち上げた。 マサト「すごい!」 コトミ「ミキさんのガブリアスもりゅうせいぐんを使えるのね!」 高く打ち上がったりゅうせいぐんは無数の小さな塊となって落ちていく。マサトのガブリアスのそれと比べても非常に整った美しい仕上がりだった。実力の差と言うべきものだろうか。 リュウジ「ランターン、ほうでん!」 負けじとランターンもほうでんで迎え撃つ。だがりゅうせいぐんはほうでんを打ち破り、一気にランターンに命中していった。 リュウジ「ランターン!」 ランターンは水のフィールドに叩き落とされる。しばらくして、水面から泡が立ち上がったかと思うと、戦闘不能になっていたランターンが浮かび上がった。 審判「ランターン、戦闘不能。ガブリアスの勝ち!」 ミキ「すごいわ、ガブリアス!」 リュウジ「ご苦労だった、ランターン。・・・ミキさん、最初からいい技を見せてくれるね。」 ミキ「そんなことはないです。リュウジさん、あなたのランターンもいいコンビネーションでしたわ。」 リュウジ「ありがとう。では、私の次のポケモンはこれだ!出番だ、ハリーセン!」 リュウジはハリーセンを繰り出した。 コトミ「あのポケモンね。」 コトミはポケモン図鑑を出してハリーセンをチェックした。 ミキ「ガブリアス、一気に畳み掛けるわ!かみくだく!」 ガブリアスがかみくだくでハリーセンに襲いかかる。強烈な一撃をまともに受けたハリーセンはたまらず吹っ飛ばされた。 ミキ「ガブリアス、続いてりゅうのはどう!」 さらにガブリアスはりゅうのはどうを放とうとした。が、突然ガブリアスが表情を苦痛に歪めたではないか。 ミキ「ガブリアス、どうしたの!?」 マサト「ミキさん!あれはハリーセンの特性、どくのトゲだよ!」 ミキ「あれが、どくのトゲの効果?」 コトミ「どくのトゲは、直接攻撃したポケモンをどく状態にすることがある特性よ。それでガブリアスはりゅうのはどうを打てなかったんだと思うわ。ミキさん、油断しないで!」 ミキ「分かったわ。戻って、ガブリアス!」 ミキはガブリアスをモンスターボールに戻した。 リュウジ「なるほど。どくのダメージを交代で抑えようと言う作戦ですね。」 ミキ「うふふっ。どくを受けたからといって相手を恐れてはいけないと思うんです。行ってらっしゃい、オーダイル!」 ミキはオーダイルを繰り出した。しかも普通のオーダイルと色が違う。色違いのポケモンだった。 マサト「ミキさん、オーダイルも持ってたんだ。」 マサトはポケモン図鑑を出してオーダイルをチェックする。 ミキ「このオーダイル、あたしが以前ジョウトを回ってたときにゲットしたのよ。普通のポケモンとは色が違う、とても珍しい色なのよ。」 リュウジ「すごいね、ミキさん。色違いのポケモンの実力、私に見せてくれ!」 ミキ「はい!じゃあ行くわよ!オーダイル、れいとうビーム!」 オーダイルがれいとうビームをぶつけた。しかしみずタイプのハリーセンに対してこおりタイプのれいとうビームは効果今一つ。何をすると言うのだろう。 リュウジ「ハリーセン、みずのはどうだ!」 ハリーセンがみずのはどうで迎え撃つ。れいとうビームとみずのはどうがフィールドの中央でぶつかり合い、水蒸気爆発となって爆風が広がった。 爆風が収まると、フィールドにオーダイルとハリーセンの姿がなかった。どこに消えたのだろう。 ミキ「オーダイル!」 リュウジ「ハリーセン!」 だがしばらくすると、水中から2つの泡が立ち上った。やがてオーダイルとハリーセンが勢いよく水中から飛び出した。 ミキ「うん!オーダイル、ハイドロポンプ!」 リュウジ「ハリーセン、ヘドロばくだん!」 オーダイルがハイドロポンプで、ハリーセンがヘドロばくだんで応戦する。ハイドロポンプとヘドロばくだんは互いに拮抗した勝負を繰り広げている。威力は互角と言ったところだろう。 リュウジ「ハリーセン、そのままハイドロポンプに向かって突っ込め!」 ハリーセンはハイドロポンプに向かって突っ込んでいった。 リュウジ「行け、ハリーセン!とっしん!」 ハリーセンはハイドロポンプをものともせずにとっしん攻撃を繰り出した。まともにとっしんを受けたオーダイルはたまらず吹っ飛ばされてしまった。 ミキ「オーダイル!」 オーダイルは一気にフェンスに叩きつけられ、その場に倒れ込んだ。それでもどうにかして立ち上がり、よろよろしながらも歩いていったが、最後は頭からフィールドに崩れ落ち、戦闘不能となった。程なくして、フィールドの水に力なくオーダイルが浮かび上がった。 審判「オーダイル、戦闘不能。ハリーセンの勝ち!」 リュウジ「よし!よくやったな、ハリーセン!」 ミキ「ありがとう、オーダイル。ゆっくり休んでね。・・・次はこの子にするわ!行ってらっしゃい、エーフィ!」 ミキはエーフィを繰り出した。 リュウジ「ミキさん、そのエーフィ、とてもよく育てられてますね。」 ミキ「はい。このエーフィ、あたしの一番のパートナーなんです。まだこの子がイーブイだったときに初めて出会った、とても大切なポケモンなんです。」 リュウジ「そうか。いいバトルを期待しているよ。」 ミキ「はい、分かりました!エーフィ、サイコキネシス!」 エーフィがサイコキネシスでハリーセンの行動を封じる。強力なサイコキネシスにハリーセンは成す術もなく、そのままフィールドに沈められて戦闘不能となった。効果は抜群だ。 審判「ハリーセン、戦闘不能。エーフィの勝ち!」 リュウジ「ご苦労だった、ハリーセン。・・・ミキさん、あなたは本当にすごいトレーナーだね。これからもたくさんの経験を積んで、もっと成長していけると思うよ。」 ミキ「ありがとうございます。」 リュウジ「では、私の最後のポケモン、行きます!出番だ、キングドラ!」 リュウジはキングドラを繰り出した。 リュウジが最後に出したキングドラは、みずタイプとドラゴンタイプを併せ持っていることから、ほとんどのタイプのダメージを減らすことができるが、唯一ドラゴンタイプの技に関しては受けるダメージが大きくなる。しかしミキのガブリアスはどく状態で、放っておくとダメージが大きくなってしまう。 果たして、ミキに勝機はあるのだろうか。そして、この試合に勝つことはできるのだろうか。 (3) 〜挿入歌:『Together』が流れる〜 リュウグウジムがジョウトリーグの公認ジムとして認められて初めての公式戦。ジムリーダーに認められたリュウジはみずタイプの使い手。そして最初の挑戦者となったのはミキだった。 リュウジは得意のみずタイプの技を生かした戦術で挑むが、ミキもバトルチャンピオンシップス制覇の実力は伊達ではなく、ガブリアスがどく状態、オーダイルが戦闘不能になりながらも、一番のパートナーであるエーフィの活躍でリュウジのポケモンをあと1匹と言うところまでにしていた。対するリュウジは最後にキングドラを繰り出した。 ミキ「エーフィ、サイコキネシス!」 エーフィがサイコキネシスでキングドラを操る。 リュウジ「キングドラ、サイコキネシスを振りほどけ!ハイドロポンプ!」 キングドラもハイドロポンプを発射してサイコキネシスを振りほどく。互いの実力がぶつかり合う格好となった。 ミキ「エーフィ、水に潜って!」 エーフィが水に潜り込む。ハイドロポンプは間一髪、飛び込んだ直後にエーフィのいた場所を突き抜けていった。 ミキ「エーフィ、シャドーボール!」 マサト「ええっ!?」 コトミ「エーフィは水中にいるのに!?」 ルリカ「まあ、見ててごらん!」 突然水面からシャドーボールが飛び出たかと思うと、キングドラを一撃のもとに吹っ飛ばしたではないか。確かにエーフィは水中にいたはずなのだが・・・。 リュウジ「やるね。水中にいるポケモンに指示を出す。かなりトレーナーとポケモンの絆が深くないとできないことだよ。」 ミキ「ありがとうございます。」 エーフィも水面から飛び出てフィールドに戻る。 リュウジ「さあ、持てる力を全部出してバトルだ!キングドラ、りゅうのはどう!」 キングドラがりゅうのはどうを放つ。 ミキ「エーフィ、サイコキネシス!」 エーフィがサイコキネシスを放つ。サイコキネシスはりゅうのはどうの向きを180度転回させた。そしてそのままキングドラに向かって突っ込んでいく。 リュウジ「なら私たちも水中から攻撃だ!キングドラ、水に潜ってハイドロポンプ!」 キングドラはりゅうのはどうをかわして水中に潜り、ハイドロポンプを放った。 ミキ「エーフィ、かわして!」 エーフィはフィールドの浮き島を利用してハイドロポンプを巧みにかわしていくが、それでもハイドロポンプは執拗にエーフィを狙っている。エーフィがかわさなければ確実に命中している位置である。狙いははずしていない。 ミキ「(このままだとエーフィの体力が持たないわ。それならどうすれば・・・。)」 と、フィールドを見てミキがある作戦を思い付いた。 ミキ「(そうだわ。水を上手く使えば!)エーフィ、水面に向かってでんじほう!」 エーフィが水面にでんじほうを放った。でんじほうは着水と同時に強力な電気を発生させた。 リュウジ「キングドラ!」 水と言う物質は非常に電気を通しやすい。そのため、キングドラはたちまちのうちにまひ状態となり、思い通りに技が出せなくなってしまった。やがて全身から電気を放出した状態のキングドラが水面に躍り出た。 リュウジ「キングドラ、まひ状態でも技が出せないわけではない!ハイドロポンプだ!」 キングドラはハイドロポンプの体制に入るが、しびれていて技を出すことができない。 ミキ「今よ!エーフィ、もう一度でんじほう!」 エーフィがさらにもう1発でんじほうを放つ。 リュウジ「キングドラ、かわせ!」 だがキングドラは相変わらずしびれており、まともな行動ができなかった。 ミキ「エーフィ、でんじほうにサイコキネシス!」 エーフィはでんじほうをサイコキネシスで操り、キングドラに命中させた。まともに技の直撃を受けたキングドラはたまらず水中に叩き落とされる。 リュウジ「キングドラ!」 しばらくしてキングドラが浮かび上がった。だがキングドラはもはや戦闘状態ではなく、戦闘不能となっていた。 審判「キングドラ、戦闘不能。エーフィの勝ち。よって勝者、チャレンジャー・ヤマブキシティのミキ!」 ミキ「やったわね、エーフィ!」 エーフィは浮き島から浮き島に飛び移り、最後にミキと抱き合って勝利を喜んだ。 リュウジ「ミキさん、あなたは本当に素晴らしいトレーナーだね。私とのバトルがあなたにとって大きな経験になることを願っているよ。」 ミキ「ありがとうございます。」 リュウジ「このジムもジョウトリーグの公認ジムとなった。公認ジムを勝ち抜いた証として、あなたにこのジムバッジを授けたい。マーメイドバッジだ。」 そう言うとリュウジはバッジを取り出した。魚の尻尾の上が扇形に開いており、南の海を意識したのかエメラルドグリーンに塗られていた。リュウグウジムを勝ち抜いた証、マーメイドバッジだ。 ミキ「うん!マーメイドバッジ、ゲットだわ!」 ミキはマーメイドバッジを高く突き出した。そしてその横で、ガブリアス、オーダイル、そしてエーフィが勝利の声を上げていた。 〜挿入歌:『君の胸にLaLaLa』が流れる〜 マサト達はリュウジ達に見送られてリュウグウジムを後にした。そしてしばらく行くと、道が2つに分かれていた。真っ直ぐ行けば、ポケモンコンテストが行われるヨシノシティ。右に行けばシロガネタウンのジョウトリーグ本部だった。 マサト「ルリカさんとはここでお別れみたいですね。」 コトミ「本当に、色々とお世話になりました。」 ルリカ「ううん。力を貸してもらったのは私の方よ。マサト君やコトミちゃん、ミキさんやユカリさん、そしてトモヤさんの協力がなかったら、あのネットワークマシンが完成することもなかったかもしれないのよ。だから、私もみんなが協力してくれたこと、とても感謝してるわ。」 ミキ「ルリカさん、感謝なんてとんでもないわ。あたし達がしたことは、本当にごく些細なものなのよ。・・・でも、あたし達がしたことが全国のネットワークを繋げたって考えると、あたし達のしたことは小さいことではないのかもしれないわね。」 マサト「ところでルリカさんは、リーグに帰ったらどうなさるんですか?」 ルリカ「また新しい挑戦者を迎えることになるけど、私、今度またワタルさんとチャンピオン防衛戦をやることになったのよ。この前はワタルさんに完敗したけど、今度バトルするときは負けないわ!」 コトミ「すごーい!またワタルさんとバトルするんですね!あたし、今度は生で見てみたいです!」 ルリカ「そうね。チャンピオン防衛戦は4か月後にグリーンフィールドで行われるわ。ちょうどエキシビジョンマッチと同じときに行われるのよ。」 ミキ「4か月後ね。ルリカさん、あたしもそれまでにバッジを集めて、エキシビジョンマッチで優勝して見せるわ!だから、そのときはまたお互いにバトルできたらいいわね!」 ルリカ「うん!約束よ、ミキさん!そしてマサト君、コトミちゃん、あなた達もジムバッジを集めて、ジョウトリーグを目指してバトルしてね!私も応援してるわ!」 マサト・コトミ「はい!」 こうして、ミキはエキシビジョンマッチ出場のための第一歩となるマーメイドバッジをゲットしたのだった。 そして、4か月後に迫ったワタルとのチャンピオン防衛戦に向けた準備のため、ルリカはジョウトリーグに戻っていった。 そして、マサトとコトミはジョウトリーグ、そしてグランドフェスティバルに向かってまた一歩を踏み出そうとしていた。 マサト達が次に向かうのは、最初のコンテストが行われるヨシノシティ。そしてマサトにとっての最初のジムがあるキキョウシティだ。果たして、どう言った出会いが、そしてどう言ったポケモンが、マサト達を待ち構えているのだろうか。 <初出> 全編書き下ろし。