Chapter-58『ヤマブキシティ・ウォークラリー開催!』 (1) ヤマブキシティのポケモンセンターヤマブキで行われた、マサトとユウジのバトル。勝負は最後の最後でユウジが試合を放棄してしまい、決着はつかなかった。さらにその模様をユウジはブログに掲載、事実上マサトを名指しにして「しつこい奴」と暴言を吐いたのである。 マサト「ユウジって、以前からそう言って周りの人を不快な思いにしていたんですか?」 タカノリ「ああ。ユウジは以前から無茶なことを言って私たちを困らせていたんだ。確かにあいつはトレーナーとしての実力は確かだけど、それを鼻にかけているところがある。それでいてあまりに無様な負け方をすると手がつけられないほどなんだ。」 コトミ「と言うことは、ミキさんもあのユウジと親しくしていたときは大変だったんでしょうね。」 ミキ「うん。最初の頃はそれほどでもなかったんだけど、あの人はしばらくしてひどいことを平気で言い始めたわ。あたしはそうやって言う度に『あまりひどいことを言わないで!』って言ってたんだけど、ついにはあたしやポケモン達まで押さえつけてしまう態度を取ってしまったの。それであたしはもう駄目だって思ったわ。」 タカノリ「ミキさんと疎遠になって以来、あいつはますます言葉と態度が横柄になっていった。底流にあるのは『親父を越えたい』って言う気持ちかもしれない。だけど、ユウジがやっているのはあまりに強引なことだ。トレーナーとしてだけではない。人間として間違った方向に進んでしまうのではって思っている。」 そこに別のトレーナーが現れた。男性トレーナーが2人。いずれもタカノリの知り合いらしく、見つけると手を挙げて応えていた。 タカノリ「紹介するよ。この方はノブトさん。そしてタカユキさんだ。」 ミキ「2人とも、あたしがよくお世話になっているのよ。」 ノブト「初めまして。ノブトです。」 タカユキ「タカユキと言います。どうぞお見知りおきを。」 マサト「僕、マサトです。」 コトミ「あたし、コトミです。」 タカノリ「ノブトさんとタカユキさんはいずれもコスモスシステムの開発に協力してくれた方なんだ。あ、そうだ。この2人はマサト君とコトミちゃん。今はジョウト地方でジョウトリーグとポケモンコンテストに挑戦しているんだよ。」 ノブト「ポケモンリーグとポケモンコンテストの両方に挑戦しているんですね。僕もポケモンリーグは挑戦しているんですが、コンテストは技を美しく見せるのが苦手でして・・・。」 タカユキ「自分はむしろコンテストはよく挑戦しているんだけど、バトルが難しくてね。」 マサト「それはないと思いますよ。僕だってお姉ちゃんが挑戦したコンテストとサトシが挑戦したポケモンリーグの両方をやってみようって思っていますし、苦手意識はむしろ持たない方がいいですよ。」 ノブト「はは、そうですね。」 タカノリ「そうだ。せっかくですし、明日行われるウォークラリーに参加してみないですか?」 コトミ「ウォークラリー?」 ミキ「うん。あそこにも開催の告知がなされてるわ。明日行われるみたいね。」 ミキはそう言って壁に貼られていた広告を指し示した。――広告にはこう書かれていた。 『ポケモンセンターヤマブキプレゼンツ・ヤマブキシティ・ウォークラリー!スタンプ帳をもらって、ポケモンセンターヤマブキやヤマブキワールドトレードセンターなど、全部で6か所のスタンプ台を巡っていこう!』 マサト「明日になるんですね!」 コトミ「あたしも出てみたい!」 ミキ「ポケモンと一緒に参加すると楽しいかもしれないわね。そうだ、皆さんも一緒に参加しましょう!」 タカノリ「そうですね!」 ノブト「では僕も!」 タカユキ「自分も参加します!」 ミキ「うふふっ。みんなもやる気十分ね。さあ、明日は全部のスタンプを集めに行きましょう!」 マサト・コトミ「はい!」 (2) 翌日、澄みきった空のもと、ポケモンセンターヤマブキが主催するヤマブキシティ・ウォークラリーが行われることになった。 このウォークラリーはヤマブキワールドトレードセンターに隣接するテレビカントーが中心となって行っている「ヤマブキシティ・ゴールデンフレッシュフェスタ(※)」の一環として行われているイベントである。もともとウォークラリーはなかったのだが、ポケモンセンターヤマブキが現在の場所に移転してからは毎年ウォークラリーも行われることになったのである。 今年はポケモンセンターヤマブキと隣接するビル――昨日マサトがユウジと出会ったビル、正式名称スカイブルービルディングに1か所ずつ、テレビカントー本社に1か所、メトロレールのワールドトレードセンター駅に1か所、そしてヤマブキワールドトレードセンターに2か所の合計6か所にあるスタンプ台を巡ることになっていた。そして、6か所のうち3か所を回ると、ポケモンの進化に役立つ道具をもらうことができた。さらに6か所全部のスタンプを集めると、冒険に役立つ道具をもらえると告知されていた。が、道具の詳細については触れられていなかった。恐らくはもらってみてのお楽しみと言うことだろう。 6か所のスタンプ台はどこから回ってもいいと言うことになっていたが、マサト達はもっとも手近なヤマブキメトロレール・チリーンチューブのヤマブキワールドトレードセンター駅から始めることにしていた。 駅のスタンプ台は既に参加者と言うことが一目で分かる多くの人が列をなしていた。 ミキ「あそこが列になるわ。並びましょう!」 マサト「あ、タカノリさん達もいるね!」 マサトの声にタカノリ達も手を上げて応えた。 列の最後尾にならんでしばらくすると、アナウンスが響き渡った。 構内アナウンス「お待たせいたしました。ただいまよりヤマブキシティ・ウォークラリーを開始いたします。参加者の皆さん、列に続いて順番にスタンプを押してください。」 係員「それではどうぞ始めてください!」 係員の指示と同時に最初に並んでいた人から順番にスタンプを押すのが見えた。やがてタカノリやノブト・タカユキもスタンプを押すのが見てとれ、そしてマサト達の番になった。 マサト「行くよ、サーナイト!」 コトミ「行きましょう、エルレイド!」 ミキ「行くわよ、エーフィ!」 マサト達もスタンプ帳にスタンプを押した。ここのスタンプはフシギダネだった。 ノブト「マサト君達もスタンプをもらったんですね。」 タカノリ「あと2か所集めれば色々な道具をもらえるそうですよ。行ってみましょう!」 タカユキ「ところで皆さんはどう言うルートで集めようと思っているんですか?」 マサト「タカノリさん達は?」 タカノリ「私たちはまずポケモンセンターに行くことにしているんです。」 コトミ「どうする?」 ミキ「タカノリさん達はこの周辺は詳しいから、きっとすぐに集められると思うわ。あたし達はあたし達で、いろんなところを回っていきましょう!」 マサト・コトミ「はい!」 タカノリ「そうか。それではまた後程!」 タカノリ達はそう言うと次のスタンプをもらいにいくためにポケモンセンターの方向に向かっていった。 マサト「次はどこのスタンプにします?」 ミキ「次はヤマブキワールドトレードセンターね。ここは2か所のスタンプが置かれているわ。1つは地下1階のレストランゾーン。もう1つは別館の屋上にある緑の広場ね。」 コトミ「最初はどれにします?」 ミキ「そうね。距離で言えばレストランゾーンのスタンプが近いけど、せっかくだから緑の広場にも行ってみたいわ。最初は緑の広場にしましょう!」 マサト「そうですね。」 ミキ「それじゃ、あたし達も行きましょう!」 マサト「はい!」 コトミ「よろしくお願いします!」 (3) 〜挿入歌:『ポケッターリ・モンスターリ』が流れる〜 駅のコンコースを抜けてヤマブキワールドトレードセンターに入り、地下1階のレストランゾーンを抜けていくと大きなスペースに出た。 マサト「広いスペースですね。」 ミキ「うん。地下の待ち合わせ場所になっていて、多くの人が待ち合わせに使っているわ。」 コトミ「緑の広場って言うのは、ここからどうやって行くんですか?」 ミキ「あそこのエスカレーターを使うと早く行けるわ。3階に出たら階段で上に上がっていくと別館の屋上に出られるわ。そこが緑の広場になるのよ。」 マサト「行こう、サーナイト!」 マサトは勢いよく駆け出していく。慌ててコトミも追いかけていった。 コトミ「あ、待って、マサト!」 ミキ「あ、走ると危ないわ!・・・うん。でも楽しそうね。」 緑の広場は、ヤマブキワールドトレードセンターの別館の屋上に設置されており、たくさんの木々が植えられていた。 マサト「森林浴の気分になれますね。」 コトミ「大きな町ではこう言った緑地も少ないですもんね。都心部ともなるとビルの屋上を使って木を植えるって言うのが多いんでしょうね。」 ミキ「うん。ヤマブキシティは人とポケモンが住みやすい環境作りを進めているわ。こう言ったビルの屋上は木を植えて憩いの場にしているところが多いわ。」 マサト「一番向こうがスタンプ台ですね。」 木々を抜けていくと、マサト達にとって第2のスタンプとなる、ヤマブキワールドトレードセンター・緑の広場のスタンプ台が置かれていた。 係員「ではどうぞ。」 マサト「じゃあ行くよ!」 一同「せーの!」 マサト達は一斉にスタンプを押した。緑の広場はポケモンセンターで見かける看護ポケモン・ラッキーとタブンネの組み合わせだった。 コトミ「これで後は4つね。」 マサト「次はどうします?」 ミキ「次は下のレストランゾーンね。それからテレビカントー、ポケモンセンターの隣のビル、そして最後にポケモンセンターを回っていくと無駄なく回れると思うわ。」 マサト「行きましょう!」 ミキ「うん!」 再びエスカレーターを降りていき、地下1階の待ち合わせ広場からメトロレールの駅の手前で右に曲がると、エスカレーターの脇にレストランゾーンのスタンプ台が設置されていた。 マサト「そろそろ人が多くなってきましたね。」 さっきの緑の広場と比べるとかなり人が多くなり始めていた。また、ここから始める人もいるのだろう、係員にスタンプ帳をもらっている人の姿も見受けられた。 コトミ「このウォークラリーって、毎回こうしてたくさんの人が参加してるんですか?」 ミキ「うん。あたしも参加したことがあるんだけど、結構たくさんの人で賑わっているわ。ポケモンと一緒にいろんなスタンプを集めることもできるし、かなり楽しめるわ。」 マサト「そうなんですかぁ。」 ミキ「ほら、言ってる間に列が進んだわ!順番はしっかり守らないとね!」 やがてマサト達の番になり、係員の指示に従ってマサト達もスタンプを押した。レストランゾーンのスタンプは設置ポイントを意識してか、かつてハルカも使っていたゴンベが使われていた。 3つのスタンプを集めたマサト達は、これでポケモンセンターに行けば進化に使う道具をもらえることになった。そして次に向かう第4のスタンプは、ヤマブキワールドトレードセンターから道路を隔てた反対側にあるテレビカントーの本社ビルに置かれていた。 マサト「次はテレビカントーですね。どうやって行くんですか?」 ミキ「いったんエスカレーターで2階に上がった方が早いわ。そこから歩行者デッキを通っていくと、すぐ向かいのビルになるわ。」 コトミ「行ってみましょう!」 エスカレーターを上っていき、2階に出るとすぐ出口に出た。出口からは歩行者用のデッキが伸びており、道路を隔てて反対側のテレビカントー本社ビルに向かって続いていた。 マサト「あそこがテレビカントーですね。」 すでにデッキには多くの客が足を止めており、下で行われている生放送の番組の模様を見学していた。配布されているパンフレットによると、今の時間放送されているのはテレビカントーのアナウンサーがポケモンの生態に迫る番組、「突撃ポケモンライフ!」だった。普段はスタジオでの収録となっているのだが、毎年行われているゴールデンフレッシュフェスタのときはテレビカントー本社前から生放送で放送されているのである。 コトミ「スタンプは本社の2階にあるそうね。あの中になるわね。」 ミキ「うん。早速行ってみましょう!」 マサト達はスタンプ台の列の最後尾に並んだ。さっきのヤマブキワールドトレードセンターのときもそうだったが、すでに列が長くなり始めている。それだけ参加者も増えたということだろう。 やがてマサト達の番になった。テレビカントーのスタンプはヒトカゲがあしらわれていた。 係員「どうぞ押してください!」 マサト達は係の指示に従ってスタンプを押す。これで残るスタンプは2つとなった。 マサト「後は2つですね。」 コトミ「どれを先に回ります?」 ミキ「ポケモンセンターでの景品の引き換えは後でもできると思うわ。最初は隣のスカイブルービルね。いつもあたし達が使っているところからちょっと奥まったところにもう1か所ベンチやテーブルが置かれているんだけど、そこに置かれているわ。行きましょう!」 マサト・コトミ「はい!」 マサト達はポケモンセンターヤマブキの脇を通り抜けて、隣にあるスカイブルービルディングに向かった。――ポケモンセンターのあるビルとスカイブルービルの間の広場はゴールデンフレッシュフェスタに合わせて多くの店が出店しており、クレープやワッフル、ポケモン焼きなど、たくさんのメニューが振る舞われていた。 コトミ「たくさんの店が出店していて、お祭りっていう気分ですね。」 マサト「結構賑やかですね。みているとお腹がすいてしまう気がします。」 ミキ「そうね。ほかにもたくさんのイベントが行われているから、見ていて飽きないと思うわ。さあ、残りのスタンプも集めていきましょう!」 マサト達はスカイブルービルに足を踏み入れた。昨日いたユウジはおらず、タカノリやノブト、タカユキはまだ集め終わっていなかったのだろうか、姿を見せていなかった。 マサト「タカノリさん達はまだいなさそうですね。」 コトミ「きっと、まだスタンプを集めているんだと思うわ。あたし達も次のスタンプのところに行きましょう!」 次のスタンプは列がずらっと並んでおり、一目でスタンプ台の列ということが理解できた。マサト達もこれに続いて並び、5つめのスタンプをスタンプ帳に押した。スカイブルービルディングのスタンプはゼニガメ。カントー地方の初心者用ポケモンの3体がここで勢揃いしたことになる。 マサト「これで残すところはポケモンセンターだけですね。」 コトミ「ポケモンセンターのスタンプはどこに置かれているんですか?」 ミキ「ポケモンセンターの地下になるわ。あたし達が今情報交換でよく使っているのはスカイブルービルだけど、以前はポケモンセンターの地下が情報交換の場所だったのよ。だけど、そこでは行き過ぎたトレーナーがたびたび騒ぎを起こしていたらしくて、地下に長居することはできなくなってしまったわ。それで隣のビルに活動の場を移したのよ。」 コトミ「そうだったんですか・・・。」 ミキ「うん。今になって思うんだけど、あの人もタカノリさん達からは一歩距離を置かれているの。だからあの人も騒ぎを起こしていたのかもしれないって思うわ。」 マサト「それでミキさんは、関わり合いにならない方がいいって思って、あのユウジってトレーナーと距離を置いたんですね。」 ミキ「うん。さあ、最後のスタンプももらいに行きましょう!ゴールしたらプレゼントももらえるわ!」 ポケモンセンターヤマブキのスタンプは、地下のスペース、正確には建物の外に出た通路に置かれており、やはり一番最後に集めてプレゼントも一緒にもらおうと考えている人が多かったのだろう、すでにかなり長い列ができていた。列の中にタカノリ達もいた。 マサト「あ、タカノリさん!」 タカノリ「おう、みんな。これで最後のスタンプになるのかな?」 コトミ「はい。ここを集めれば6か所全部を回ったことになるんです。」 ノブト「初めての場所だったと思いますけど、迷うこともなく、無事に回り切れたみたいですね。」 マサト「ミキさんもしっかりサポートしてくれましたし、無事に回れました。参加してよかったです。」 ミキ「うふふっ。そう言ってくれるとあたしも嬉しいわ。さあ、列に並びましょう!」 タカユキ「自分達は先にスタンプをもらってます!」 マサト達も列の一番後ろに並ぶ。ほかの5か所と比べてかなり列が長かったが、それでもしばらく待つと、マサト達の番になった。そしてほかの5か所と違うのはもう1つ、ここは参加者が自分で押すのではなく、係員が押してくれたのである。 係員「お疲れ様でした!」 係員はそう言ってマサト達のスタンプ帳にスタンプを押した。ポケモンセンターと言うこともあるのか、スタンプはピカチュウがあしらわれていた。 マサト「ありがとうございます!」 係員「これでスタンプは6つ全部でしたね。ではあちらで景品をもらえますので、景品をもらってください!」 指示に従って景品をもらいに行くと、そこはくじ引き形式になっていて、レバーを回して出た色の玉に応じた道具がもらえることになっていた。レバーは2種類あり、スタンプ3個とスタンプ6個にそれぞれ対応していた。 係員「スタンプを6個集められたんですね。ではこちらがスタンプ3個、あちらが6個のレバーになりますので、1回ずつ回してください。」 スタンプ3個でもらえる景品はポケモンの進化に、6個でもらえる景品は冒険の旅に役立つ道具と言うことになっていた。まずはスタンプ3個の景品だ。 最初に回すのはマサトだった。緊張の面持ちでレバーを回す。――出たのは白い玉だった。 係員「白ですね。ではこちら、ひかりのいしになります。」 マサト「ありがとうございます。」 マサトは係員からひかりのいしを受け取った。トゲチックをトゲキッスに、ロゼリアをロズレイドに進化させることができる。 次に回したのはコトミだった。レバーを回していくと黄色い玉が出た。 係員「黄色ですね。ではこちら、かみなりのいしを受け取ってください。」 コトミ「ありがとうございます。」 コトミが係員からかみなりのいしを受け取る。ピカチュウをライチュウに進化させることができるほか、コトミが今持っているイーブイをサンダースに進化させることもできる。 最後にミキがレバーを回す。飛び出てきたのは透明な玉だった。 係員「透明ですね。ではこのつきのいしになります。」 ミキ「ありがとうございます。」 ミキが係員からつきのいしを受け取った。トモヤが持っているニドキングはニドリーノからこのつきのいしを使って進化させることになる。ほかにもピッピからピクシーに、プリンからプクリンに進化できるなど、この石を使って進化することができるポケモンが数多くいるのも特徴だった。 係員「では次はスタンプ6個の景品になりますね。あちらでくじ引きに挑戦できますので、是非やってみてください。」 スタンプ6個でもらえる道具は冒険に役立つものが多い。さっきと同じ順番で、マサト、コトミ、ミキの順にレバーを回していくことになった。 マサトがレバーを回すと青い玉が出た。おそらく隣のスタンプ3個のくじと共通のものを使っているのだろう。 係員「青ですね。ではこちらをお受け取りください。しんぴのしずくになります。」 マサト「ありがとうございます。」 係員からしんぴのしずくを受け取る。持っているとみずタイプの技の威力が上がる道具である。主にギャラドスがアクアテールを使うとき、この道具の威力が働くことになるだろう。 続いてコトミがレバーを回すと、出てきたのは深緑色の玉だった。 係員「深緑ですね。ではこちら、ぎんのこなになります。」 コトミ「ありがとうございます。」 コトミがぎんのこなを受け取った。むしタイプの技の威力が上がる道具で、例えばヘラクロスのメガホーンなどの威力が上がる。もちろんむしタイプ以外のポケモンが使っても有効である。 最後にミキがレバーを回した。出たのはピンク色の玉だった。 係員「ピンクですね。ではこちらをお受け取りください。まがったスプーンです。」 ミキ「ありがとうございます!」 ミキがまがったスプーンを受け取った。エスパータイプの技の威力が上がる道具で、エーフィのサイコキネシスなど、ミキが持っているポケモンなら誰が使ってもエスパータイプの威力が上がる。 マサト「これで全部回り終わりましたね!」 コトミ「いろんなスタンプを集めることができて、とても楽しかったです。」 ミキ「あたしも、マサト君とコトミちゃんにポケモンセンターだけでなく、周りのいろんなところを案内できて、楽しかったわ。参加してよかったわね。」 そこにタカノリ達も歩を進める。 タカノリ「どうも!」 ノブト「いかがでしたか、回ってみて?」 マサト「はい。僕もこうやって参加してみてよかったです。また機会があれば参加してみたいですね。」 タカユキ「ところで、マサト君とコトミちゃんって言ってたね。これからどうなされるんですか?」 コトミ「あたし達は明日行われるシュウホウ大学の学園祭に行ってみようと思っているんです。そこで行われるポケモンのプレゼントもありますし、ポケモンバトルにも出てみたいんです。」 タカノリ「そうか。私たちも参加したいのは山々だけど、システムを運営しているといろいろと忙しくてね。それで、学園祭に出たら、そのままジョウトに戻るんだね?」 マサト「はい。戻ったらすぐ、ヤギブシタウンのポケモンコンテストに出ようと思っているんです。」 ノブト「マサト君やコトミちゃんも大変ですね。僕もまたジムを回ってポケモンリーグに出ようと思っているんです。しっかりとバトルしてください!」 タカユキ「自分もコンテストに参加して、いつかはトップコーディネーターになろうと思っています。いつかグランドフェスティバルでお会いいたしましょう!」 マサト・コトミ「はい!」 マサト達はウォークラリーに参加して、記念品の道具だけではなく、ポケモンやほかのトレーナーとの触れ合いなど、多くのものを得ることができた。 さあ、明日はシュウホウ大学の学園祭・「シュウホウ・フェスティバル」だ。そこではポケモンリーグと学園祭のコラボレーション・イベントが行われるほか、ポケモンバトルの大会も行われる。果たして、どう言ったバトルが、そしてどう言ったポケモンとの出会いが、マサト達を待ち受けているのだろうか。 (※)「ヤマブキシティ・ゴールデンフレッシュフェスタについて」 このゴールデンフレッシュフェスタは、浜松町にある文化放送が中心となって毎年11月3日(文化の日)の前後に行っているイベント、「浜松町グリーン・サウンドフェスタ・浜祭」がモデルになっています。また、ウォークラリーもこのグリーン・サウンドフェスタに合わせて行われるポケモンセンタートウキョーのウォークラリーをモデルとしています。 Chapter-59に続く。