Chapter-62『マサト、ジム戦デビュー!キキョウジムの空中バトル!!』 (1) マサト達は、キキョウシティジムの前に立っていた。 コトミ「マサト、初めてのジム戦ね。相手はひこうタイプの使い手、どう言ったポケモンを出すのかしら。あたしも続くから、恥ずかしくないバトルにしてね!」 ミキ「ハヤトさんは手強いと思うわ。でも、マサト君ならきっとバッジをゲットできると思うわ!」 マサト「はい。」 コトミ「さあ、マサト。ドアを開けて!」 マサトは深く深呼吸すると、ジムの門をくぐった。 ジムの関係者「こんにちは。どう言うご用件ですか?」 マサト「トウカシティのマサトです。ジム戦を申し込みに来ました。」 ジムの関係者「ハヤトさんに挑戦するんですね。少々お待ちください。・・・ハヤトさん!はるばるホウエンからチャレンジャーがやって来ました!」 間もなく1人の男性が姿を現した。キキョウジムのリーダーにしてひこうタイプのポケモンを使いこなすハヤトだった。 ハヤト「初めまして。君が今回このジムに挑戦するトレーナーだね?」 マサト「はい。僕、マサトです。」 コトミ「あたし、コトミです。」 ミキ「お久し振りです、ハヤトさん。」 ハヤト「あなたは確かミキさんだね。今回ジョウトを回っているのは、ジョウトリーグのエキシビジョンマッチに出るためかな?」 ミキ「はい。マサト君とコトミちゃんはジョウトリーグとグランドフェスティバルに出るために、あたしと一緒に冒険してるんです。」 ハヤト「そうか。マサト君って、確かトウカジムのセンリさんのお子さんだったね。マサト君は、ジョウトのジムバッジはもう集めてるのかい?」 マサト「いいえ。僕、昔サトシがゲットしたのと同じジムを回ろうと思っているんです。それで、このキキョウジムが僕にとって初めてのジム戦になるんです。」 ハヤト「あのサトシ君!俺もずいぶん苦戦したなぁ。サトシ君のリザードンはとても強かったよ。あれからバトルフロンティアやシンオウリーグでも活躍したんだったね。と言うことは、マサト君はサトシ君のこと、知ってるのかな?」 マサト「はい。僕とサトシは、3年前に一緒に冒険してたんです。サトシがバトルフロンティアを制覇したときに僕はホウエンに帰ったんですけど、『トレーナーになったらバトルしよう』って約束したんです。」 ハヤト「そうか。コトミちゃんもジム戦に挑戦するのかな?」 コトミ「はい。でもマサトのジム戦を見た後にしようと思っているんです。」 ハヤト「そうか。俺はいつでも挑戦を待っているよ。さあ、どうする、マサト君?早速始めるかい?」 マサト「はい!」 ハヤト「それでこそトレーナーだ!全力で俺に挑め!」 マサト「よろしくお願いします!」 審判「ではこれより、ジムリーダー・ハヤトと、チャレンジャー・トウカシティのマサトによる、キキョウジム・ジム戦を開始いたします。使用ポケモンは3体、どちらかのポケモンが全て戦闘不能となった時点で試合終了となります。なお、試合中、ポケモンの交代はチャレンジャーにのみ認められます。」 ハヤト「俺の鳥ポケモンのスピードについてこれるかな?」 マサト「どこまでも食らいついていきます!」 審判「それでは、バトル開始!」 ついにマサトの初めてのジム戦が幕を開けた。ハヤトはどう言ったポケモンを使いこなすのだろうか。そして、マサトはハヤトに勝つことはできるのだろうか。 (2) 〜挿入歌:『チャレンジャー!』が流れる〜 マサトにとって初めてのジム戦となる、キキョウジムのリーダー・ハヤトとのバトルが幕を開けた。ひこうタイプのジムにふさわしく、フィールドは空も利用した形になっていた。 ハヤト「出番だ、ペリッパー!」 ハヤトはペリッパーを繰り出した。ひこうタイプにみずタイプも併せ持った強敵である。 マサト「(ハヤトさんが持っているポケモンは全部ひこうタイプがついている。それなら。)行け、サーナイト!」 マサトはサーナイトを繰り出した。 コトミ「あのポケモンがペリッパーね。」 コトミはポケモン図鑑を取り出してペリッパーをチェックした。 ミキ「サーナイトを出したと言うことは、テレポートで撹乱しつつサイコキネシスやでんじほうと言った技を使うと言うことかしら。でも一筋縄ではいかないと思うわ。」 マサト「サーナイト、サイコキネシス!」 サーナイトがサイコキネシスを放った。まずは相手の行動を封じようと言うことだろう。 たちまちペリッパーはサイコキネシスで操られてしまった。 ハヤト「ペリッパー、ハイドロポンプでサイコキネシスを振りほどけ!」 ペリッパーがサイコキネシスを振りほどき、強烈なハイドロポンプを放った。みずタイプの中でも指折りの破壊力を持つ技である。まともに食らえばサーナイトも大ダメージは免れないだろう。 マサト「サーナイト、テレポート!」 サーナイトがテレポートで姿を消す。ハイドロポンプはサーナイトが姿を消した直後に放たれ、ペリッパーの攻撃は外れた。 コトミ「マサト、ハヤトさんをかなり攪乱しているみたいね。」 ミキ「ペリッパーは上空からの攻撃を得意としているわ。だけどサーナイトもテレポートを駆使して攻撃をかわしてるわ。どう言った試合になるのかしら。」 マサト「サーナイト、でんじほうだ!」 サーナイトがでんじほうを放つ。命中率が悪いのが難点だが、命中すれば相手を確実に麻痺させることができる。しかも、ペリッパーはみずタイプとひこうタイプを併せ持っており、でんきタイプの技のダメージがかなり大きくなる。 ハヤト「ペリッパー、ぼうふうででんじほうを吹き飛ばせ!」 ペリッパーがぼうふうを放つ。 マサト「えっ!?」 コトミ「ぼうふう!?」 ミキ「ひこうタイプの大技よ。たまに相手を混乱させることがあるわ!」 ペリッパーはマサト達が見たこともなかった技を繰り出した。ぼうふう。ひこうタイプとくしゅ技の中でも威力が高い技で、命中するとたまに相手を混乱状態にすることがある。しかも上空にいるポケモンでも命中する。まともにダメージを受けると後が大変だろう。 マサト「サーナイト、もう一度テレポート!」 サーナイトが間一髪テレポートでぼうふうをかわす。しかしでんじほうの攻撃も外れてしまい、互いに牽制球の投げ合いと言った状況が続いている。 ハヤト「くっ、やるね。あのぼうふうをテレポートでかわすなんて、マサト君、とてもよくポケモンを育てているようだね。」 マサト「ありがとうございます。でも次はそうはいきませんよ!サーナイト、サイコキネシス!」 サーナイトがもう一度サイコキネシスを放つ。ペリッパーはたちまち超能力で操られ、思い通りの行動ができなくなった。 ハヤト「ペリッパー、しっぺがえしだ!」 ペリッパーがしっぺがえしを放つ。 コトミ「しっぺがえし?」 ミキ「相手からダメージを受けていると、威力が大きくなる技だわ。マサト君のサーナイトが放ったサイコキネシスを受けたことでしっぺがえしの威力も高まっているわ。それにしっぺがえしはあくタイプの技。まともに受けたらサーナイトのダメージは相当なものね。気をつけた方がいいわ。」 果たしてミキの言うとおりだった。しっぺがえしをまともに受けたサーナイトは勢いよく吹っ飛ばされてしまった。効果は抜群だ。 マサト「サーナイト!」 サーナイトはフィールドに転がってしまったが、まだ戦えそうだ。 ハヤト「やるね、マサト君。しっぺがえしをまともに受けても立ち上がれるなんて、かなりの腕前だね。」 マサト「ありがとうございます。」 ハヤト「さあ、これならどうかな?ペリッパー、ぼうふう!」 ペリッパーが再びぼうふうを放った。ひこうタイプの中でも強力な技であるぼうふう。しっぺがえしで大きなダメージを受けたサーナイトがまともに受ければダメージが大きくなるのは間違いないだろう。 マサト「サーナイト、でんじほうだ!」 サーナイトがでんじほうを放つ。しかしでんじほうはさっきぼうふうを放ったときに跳ね返されてしまった。同じ手が通用するわけがないだろう。 ハヤト「さっき跳ね返されたのをもう忘れたのかい?」 マサト「サーナイト、でんじほうにサイコキネシスだ!」 サーナイトがでんじほうにサイコキネシスをかける。サイコキネシスで強められたでんじほうはぼうふうを吹き飛ばしてペリッパーに勢いよく命中した。効果は抜群だ。しかもタイプの相性の関係からペリッパーは受けるダメージがさらに大きくなった。 ハヤト「ペリッパー!」 ペリッパーはそのままフィールドにたたきつけられ、戦闘不能となっていた。 審判「ペリッパー、戦闘不能。サーナイトの勝ち!」 マサト「やった!」 ハヤト「ペリッパー、戻れ!・・・マサト君、さすがだね。君の戦いぶり、見ていてサトシ君を思い出すよ。」 マサト「サトシを・・・?」 ハヤト「ああ。君の戦い方はサトシ君とそっくりだよ。じゃあ俺の次のポケモン、行くぜ!」 次にハヤトが繰り出したポケモンはドードリオだった。ひこうタイプに属していながら空を飛ぶことができないポケモンである。しかしあえて使うと言うことは、空を飛べないと言うことを補って余りある特徴を備えていると言うことだろう。 ハヤト「このドードリオはサトシ君とのバトルでも使っていたんだ。空を飛ぶことはできないけど、だからといって侮ってはいけない。俺は鳥ポケモンを馬鹿にすると言うことが許せない。そうした根性で俺はバトルしてきたんだ。」 マサト「そうでしたか。では僕もハヤトさんに負けないバトルをいたします!サーナイト、行くよ!」 審判「試合開始!」 マサトはそのままサーナイトを続投させることになった。一方のハヤトはかつてサトシとのジム戦でも使ったというドードリオを繰り出した。 果たして、マサトはハヤトに勝つことはできるのだろうか。 (3) キキョウジムのジム戦、マサトはハヤトの最初のポケモン・ペリッパーを倒して、残りポケモンの数で3対2と一歩リードしていた。 続いてハヤトが出したのは、かつてサトシとジム戦を繰り広げたときにも使っていたというドードリオだった。 マサト「ドードリオ。どう言う手段で攻めるんだろう・・・。」 マサトはポケモン図鑑を取り出してドードリオをチェックした。 ハヤト「ドードリオ、トライアタックだ!」 ドードリオがトライアタックを放って攻撃した。3つの頭が黄色、赤、青の3つの光を飛ばしてサーナイトに迫る。 マサト「サーナイト、サイコキネシス!」 サーナイトがサイコキネシスを放って応戦した。トライアタックとサイコキネシスはフィールドの真ん中で激しくぶつかり合い、大爆発となって跳ね返った。 マサト「サーナイト、続いてマジカルリーフ!」 サーナイトがマジカルリーフを放つ。だがくさタイプのマジカルリーフはひこうタイプのドードリオに対しては効果今一つである。 ハヤト「ドードリオ、みだれづきでマジカルリーフを撃ち落とせ!」 ドードリオがみだれづきを放った。くちばしから繰り出されるみだれづきはたちまちのうちにマジカルリーフを撃ち落としてしまった。 ハヤト「ドードリオ、ジャンプだ!」 マサト「えっ!?」 コトミ「ドードリオって、空は飛べないはずでしょ!?」 ミキ「だけどドードリオはひこうタイプも併せ持っているわ。落下の勢いで強力な技を繰り出すかもしれないわ。警戒しなければね。」 ハヤト「ドードリオ、ドリルくちばしで突っ込め!」 ドードリオが回転しながらドリルくちばしで急降下を始めた。 マサト「サーナイト、でんじほう!」 サーナイトがでんじほうを放つ。 ハヤト「ドードリオ、くちばしででんじほうを跳ね返せ!」 ドードリオのドリルくちばしがでんじほうを跳ね返した。跳ね返ったでんじほうは勢いよくサーナイトに向かって落ち始める。 マサト「負けないでサーナイト!でんじほうにサイコキネシス!」 サーナイトがでんじほうにサイコキネシスを放った。サイコキネシスでコントロールされたでんじほうは再びドードリオに向かって飛んでいく。 ハヤト「ドードリオ、こうそくいどう!」 ドードリオがこうそくいどうで素早さを上げる。ドリルくちばしの回転がさらに上がり、回転を肉眼で追うことが難しいほどになった。 マサト「僕だって負けてないよ!サーナイト、サイコキネシスのパワーを上げるんだ!」 サーナイトもサイコキネシスのパワーを上げてでんじほうを加速させた。そして2つの技が上空で激しくぶつかり合う。 次の瞬間、見ていられないほどの大爆発が生じ、辺り一面を煙が覆った。 マサト「サーナイト!」 ハヤト「ドードリオ!」 煙が収まると、フィールドにドードリオが倒れ込んでいるのが見受けられた。戦闘不能だった。 審判「ドードリオ、戦闘不能。サーナイトの勝ち!」 マサト「すごいよ、サーナイト!」 ハヤト「マサト君、やるね。俺も久々に本気を出すことにするよ。ここまでわくわくする勝負はサトシ君やミキさん以来だよ。」 マサト「ありがとうございます。」 ハヤト「さあ、俺の最後のポケモンにして一番の相棒だ!」 ハヤトが最後に繰り出したポケモンはピジョットだった。 ハヤト「このピジョットは、サトシ君とのバトルでも使っていたんだ。俺はピジョット、サトシ君はリザードンだった。サトシ君は最初、俺のピジョットにペースをつかまれていて、サトシ君なりのバトルができなかったんだ。だけど、リザードンが後ろにかえんほうしゃを放ってから形勢が逆転したね。最後はちきゅうなげを受けたんだ。俺の根性を上回る、素晴らしいバトルだったよ。」 マサト「このピジョットに僕が挑むんですね。」 ハヤト「ああ。サトシ君みたいないいバトルを見せてくれ!」 マサト「はい!サーナイト、でんじほう!」 サーナイトがでんじほうを放つ。 ハヤト「ピジョット、ふきとばしだ!」 ピジョットがふきとばしを放つ。ふきとばしはあまりに威力が強く、でんじほうをたちまち吹き飛ばしてしまった。 ハヤト「ピジョット、続けてでんこうせっかだ!」 さらにピジョットがでんこうせっかで突っ込む。サーナイトはあまりの早さにテレポートをする間もなく吹っ飛ばされてしまった。 マサト「サーナイト、サイコキネシス!」 ハヤト「ピジョット、全身に力をためろ!」 サーナイトのサイコキネシスを受ける中でピジョットが力をためる。同時にピジョットを激しい光が包み始めた。かつてサトシがバトルしたときはこの技は使っていなかったはずだが・・・。 ハヤト「今だ!ピジョット、サイコキネシスを振り払え!ゴッドバード!」 ピジョットがサイコキネシスを振り払い、強力なゴッドバードを繰り出した。サーナイトはよける間もなく強烈な一撃をまともに食らってしまった。 マサト「サーナイト!」 サーナイトはフィールドに倒れ込み、戦闘不能となっていた。 審判「サーナイト、戦闘不能。ピジョットの勝ち!」 マサト「サーナイト、大丈夫?」 サーナイトはマサトの呼び掛けにうなずく。 マサト「うん。サーナイト、ゆっくり休んでね。・・・次はこのポケモンにします!行け、ガブリアス!」 マサトはガブリアスを繰り出した。 ハヤト「次はガブリアスだね。それもなかなかよく育てられてるね。」 マサト「ありがとうございます。では行きます!ガブリアス、ドラゴンクロー!」 ガブリアスがドラゴンクローを放つ。ピジョットは勢いよく吹っ飛ばされたが、さすがはジムリーダーのポケモン、この程度でへこたれるわけがない。 ハヤト「ピジョット、こうそくいどう!」 ピジョットがこうそくいどうの体制に入る。 マサト「ガブリアス、相手をよく見るんだ!りゅうのはどう!」 ハヤト「ピジョット、つばさでうつ攻撃!りゅうのはどうを弾き返せ!」 ガブリアスがりゅうのはどうを放った。だがピジョットはつばさでうつ攻撃でりゅうのはどうを弾き返してしまった。 マサト「ガブリアス、ジャンプでかわせ!」 ガブリアスがジャンプしてりゅうのはどうをかわす。 マサト「ガブリアス、りゅうせいぐんだ!」 ガブリアスがりゅうせいぐんを放つ。高々と打ち上げられた大きな塊が上空で無数の小さな塊となって落ちていく。 ハヤト「ピジョット、こうそくいどうでりゅうせいぐんをよけろ!」 ピジョットがこうそくいどうを放つ。あまりの素早さにマサトもピジョットの動作を追うことができない。いずれにしてもピジョットはりゅうせいぐんを全部かわしきってしまった。 コトミ「そんな・・・!」 ミキ「あのピジョット、とてもよく育てられてるわ!昔あたしがバトルしたときよりももっと強くなってるわ。マサト君、大丈夫かしら・・・。」 ハヤト「ピジョット、全身に力をためろ!」 マサト「(またゴッドバードだ!)ガブリアス、ギガインパクト!」 ピジョットはゴッドバードの体制に入る。そしてガブリアスもギガインパクトで突っ込んでいく。果たして、この勝負の行方は・・・。 (4) キキョウシティにあるキキョウジム。ここでマサトとハヤトのジムバトルが行われていた。 マサトはサーナイトが活躍、ペリッパー、ドードリオの2匹を立て続けに倒した。が、ハヤトの最後のポケモンであるピジョットにサーナイトが倒され、2番手としてガブリアスを出していた。 マサト「ガブリアス、ギガインパクト!」 ガブリアスがギガインパクトでピジョットに突っ込んでいく。 ハヤト「今だ!ピジョット、ゴッドバード!」 ピジョットもゴッドバードでガブリアスを迎え撃つ。そして互いのポケモンが激しくぶつかり合い、衝撃が大爆発となって跳ね返った。 マサト「ガブリアス!」 ハヤト「ピジョット!」 煙が収まると、フィールドに1匹のポケモンが倒れているのが見受けられた。ガブリアスだった。すでに戦闘不能となっていた。 審判「ガブリアス、戦闘不能。ピジョットの勝ち!」 マサト「戻れ、ガブリアス!・・・よく戦ってくれたね。ゆっくり休んでね。」 ハヤト「マサト君。君のバトルスタイルなら、サトシ君とバトルしても十分通用するよ。」 マサト「ありがとうございます。」 ハヤト「さあ、お互いに最後の1匹だね。最後まで全力を出してバトルしよう!」 マサト「はい!では僕の最後のポケモンです!行け、リザードン!」 〜挿入歌:『ベストウイッシュ!』が流れる〜 マサトはリザードンを繰り出した。 ハヤト「リザードン!まるでサトシ君のときと同じだね。さあ、マサト君はどう言った作戦で行くのかな?」 マサト「行きますよ!リザードン、でんこうせっか!」 リザードンがでんこうせっかで突っ込む。 ハヤト「ほう。リザードンにでんこうせっか。珍しい技を覚えているんだね。なら俺も行くぜ!ピジョット、でんこうせっか!」 ピジョットもでんこうせっかで応戦する。2つのでんこうせっかが上空で激しくぶつかり合い、2匹とも勢いよく吹っ飛ばされた。だが両者ともまだまだ余裕と言った表情である。 ハヤト「やるね、マサト君!」 マサト「はい!リザードン、かえんほうしゃ!」 リザードンがかえんほうしゃを放つ。 ハヤト「ピジョット、こうそくいどうだ!」 ピジョットがこうそくいどうでかえんほうしゃをかわした。 マサト「ピジョットの行動をよく見るんだ!リザードン、もう1度かえんほうしゃ!」 ハヤト「行け!ピジョット、でんこうせっか!」 ピジョットはリザードンの放ったかえんほうしゃをかわして、勢いよくでんこうせっかで突っ込んだ。リザードンはまともにダメージを受けてしまい、たちまち吹っ飛ばされていく。 ハヤト「俺のピジョットはこの程度ではダメージは受けない!サトシ君は後ろにかえんほうしゃを放ったことで作戦を封じられたけど、マサト君はどう攻めるかな?」 マサト「リザードン、とおぼえだ!」 リザードンがとおぼえで気合いを高める。 ハヤト「とおぼえ。さっきのでんこうせっかと言い、リザードンにしては珍しい技だね。君がその手なら俺だって!ピジョット、こうそくいどう!」 ピジョットがこうそくいどうでさらに素早さを上げる。 マサト「(素早い・・・。これ以上スピードを上げられるとリザードンが不利だ。)」 ハヤト「さあ、ピジョット!全身に力をためるんだ!」 ピジョットが全身に力をため始めた。ゴッドバードの体制に入ったのだ。 マサト「(このままだと間違いなくゴッドバードをまともに受けてしまう。どうすれば・・・。)」 ハヤト「行け!ピジョット、ゴッドバード!」 マサト「リザードン、エアスラッシュ!」 ピジョットがゴッドバードで一気に攻勢をかけた。しかしリザードンはエアスラッシュを放ってピジョットを勢いよく吹っ飛ばしたのだった。 ハヤト「ああっ、ピジョット!」 マサト「今だ!リザードン、めざめるパワー!」 リザードンがめざめるパワーを放つ。ピジョットはかわす間もなくめざめるパワーの直撃を受けてしまった。 勢いのなくなったピジョットはそのまま地面に向かって落ちていく。 ハヤト「俺たちのど根性を見せつけてやれ!ピジョット、もう一度全身に力をためろ!」 マサト「リザードン、僕たちもフルパワーを出すよ!」 ピジョットを激しい光が包む。そしてリザードンも全身が赤く光り始めた。 ハヤト「行け!ピジョット、ゴッドバード!」 マサト「リザードン、フレアドライブ!」 リザードンがフレアドライブで、ピジョットがゴッドバードで突っ込む。互いの技が上空で激しく激突、大爆発が生じた。 すさまじいまでの爆風と煙が収まったとき、フィールドにリザードンとピジョットが倒れ込んでいるのが見受けられた。 両者とも辛うじて立ち上がりはしたが、もはや体力は限界に達しており、やがて1匹が音をたててフィールドに崩れ落ちた。ピジョットだった。 審判「ピジョット、戦闘不能。リザードンの勝ち!よって勝者、チャレンジャー・トウカシティのマサト!」 マサト「やった!」 コトミ「すごいわ、マサト!」 ミキ「やったわね、マサト君!」 マサトにとって初めてのジム戦は、こうして幕を下ろしたのだった。 外はすでに夕暮れとなっていた。そして、マサトは初めてのジムバッジを受け取ろうとしていた。 ハヤト「マサト君、これはこのジムを勝ち抜いた証、ウィングバッジだ。受け取って欲しい。」 銀色に彩られた、翼をイメージしたバッジ。キキョウジムを突破した証となるウィングバッジだった。 マサト「ありがとうございます!よーし!ウィングバッジ、ゲットでGO!!」 マサトはウィングバッジを高く掲げた。そして、サーナイト、ガブリアス、リザードンの3匹も一斉に掛け声をあげていた。 コトミ「ハヤトさん、あたしとはいつバトルしてくれますか?」 ハヤト「そうだね。ピジョット達を回復させないといけないから、2、3日後だろうね。そうしたらコトミちゃん、俺も全力で相手しよう!」 コトミ「ありがとうございます!」 ミキ「そう言えば、ポケモンコンテストのキキョウ大会は明日行われるわ。マサト君、コトミちゃん、明日はいい演技を見せてね!」 マサト・コトミ「はい!」 こうして、マサトは初めてのジムバッジとなるウィングバッジをゲットしたのだった。 明日はポケモンコンテスト・キキョウ大会が行われる。果たして、どう言ったライバルがマサトとコトミに立ちはだかるのだろうか。そして、ライバルをどう乗り越えていくのだろうか。 マサト達の冒険は、まだまだ続く。 マサト「あっ。ポケギアに通信だ!」 コトミ「誰かしら。」 ミキ「マサト君、ちょっと出てみて!」 マサトはポケギアの通信を入れた。通信を入れた人物。それはアユミだった。 アユミ「やっほー!みんな、元気?」 Chapter-63に続く。 <このお話の履歴> 全編書き下ろし。