Chapter-65『飛べフライゴン!コトミ、初めてのジムバトル!!』 (1) マダツボミの塔を訪れた翌日、マサト達は再びキキョウジムに足を運んだ。今回はコトミのジム戦のためだ。 マサト「コトミ、緊張してる?」 コトミ「ううん。マサトのジム戦を見て、あたしにもできるって思ったから、それほど緊張はしていないわ。」 ミキ「それならよかったわ。コトミちゃん、初めてのジムバトルで不安になっているんじゃないかって心配だったのよ。」 アユミ「落ち着いているみたいでよかったわ。さあ、初めてのジム戦ね。コトミちゃん、持っている実力を思いっきり出しきってバトルしてね!」 コトミ「はい!」 そしてコトミはジムのドアに近づいた。 コトミ「タマムシシティのコトミです。ジム戦を申し込みに来ました。」 ジムの関係者「コトミちゃんですね。早速ハヤトさんにお伝えします。・・・ハヤトさん!チャレンジャーです!」 しばらくするとハヤトが現れた。 ハヤト「こんにちは、コトミちゃん。今日はいよいよジム戦だね。マサト君とのバトルを見て参考にしてもらえたとは思うけど、でもマサト君とのバトルみたいな展開になると思ったら大間違いだからね。正々堂々としたバトルを期待するよ!」 コトミ「よろしくお願いします!」 ハヤト「おや?後ろのお姉さんは次のチャレンジャーかな?」 アユミ「あたしはアユミです。コトミちゃんの次はあたしとジム戦をやっていただけないでしょうか?」 ハヤト「分かった。アユミさんだね。コトミちゃんの次は是非バトルしよう!」 アユミ「ありがとうございます!」 ハヤト「じゃあコトミちゃん、早速バトルを始めよう!」 コトミ「はい!」 審判「ではこれより、ジムリーダー・ハヤトと、チャレンジャー・タマムシシティのコトミによるキキョウジム・ジム戦を開始いたします。使用ポケモンは3体。どちらかのポケモンがすべて戦闘不能となった時点で試合終了となります。なお、試合中、ポケモンの交代はチャレンジャーにのみ認められます。」 マサト「コトミはどこまで渡り合えるんだろう・・・。」 ミキ「大丈夫だわ。マサト君のバトルを見ていくらかは理解していると思うわ。」 アユミ「でも問題は出すポケモンで戦術も変わるって言うところね。その違いを理解できなかったら、コトミちゃんに勝つチャンスは生まれないと思うわ。」 ハヤト「俺のスピードについてこい!」 コトミ「全速力で追いかけます!」 審判「それでは、バトル開始!」 ついにコトミの初めてのジムバトルが幕を開けた。相手はひこうタイプを使いこなすハヤト。マサトとのバトルを見ているとは言え、実際のバトルは見るだけのものとは大きく違う。果たして、コトミはハヤトに打ち勝ち、バッジをゲットすることはできるのだろうか。 (2) 〜挿入歌:『OK!』が流れる〜 キキョウシティにあるキキョウジム。マサトに続き、コトミもまた初めてのジムバトルに挑もうとしていた。 ハヤト「出番だ、エアームド!」 ハヤトはエアームドを繰り出した。 マサト「エアームド。確かミキさんとバトルしたときに使っていたポケモンだね。」 マサトはポケモン図鑑を取り出してエアームドをチェックした。 ミキ「あのときはあたしのランターンもかなり苦労したわ。最後は10まんボルトを放って戦闘不能に持ち込めたけど、さすがはハヤトさんのポケモンね。あのとき以上に強くなっている気がするわ。」 コトミ「(エアームドね。相手にとって不足はないわ。)行くわよ、フライゴン!」 コトミはフライゴンを繰り出した。 アユミ「コトミちゃんはフライゴンね。お互いに空中戦になりそうね。」 コトミ「フライゴン、りゅうのはどう!」 フライゴンがりゅうのはどうを放つ。だがドラゴンタイプのりゅうのはどうははがねタイプも併せ持つエアームドにしてみれば効果今一つである。コトミの作戦なのだろうか。 ハヤト「エアームド、受け止めろ!」 エアームドはりゅうのはどうを受け止める作戦に出た。はがねタイプと言うことで相性を利用したのか、勢いよく放たれたりゅうのはどうを見事に受け止めた。 コトミ「受け止めた!?」 ハヤト「エアームドははがねタイプ。守りなら天下一品だよ。じゃあ次は俺の番だ!エアームド、はがねのつばさ!」 エアームドが硬い翼を活かして攻撃を掛けてきた。はがねのつばさだ。攻撃した後で自分の防御力が上がることもある。攻撃と防御を同時に仕掛けられる技だ。 コトミ「はがねタイプにははがねタイプで!フライゴン、アイアンテール!」 フライゴンがアイアンテールを放つ。アイアンテールははがねのつばさと激しくぶつかり合い、2匹とも勢いよく吹っ飛ばされた。 ハヤト「コトミちゃん、なかなかやるね!」 コトミ「(やはりハヤトさんは行動に無駄がないわ。さすがはジムリーダーね。)戻って、フライゴン!」 コトミはフライゴンをモンスターボールに戻した。 マサト「フライゴンを戻した!?」 ミキ「アイアンテールとはがねのつばさでは分が悪いと判断したんだと思うわ。」 アユミ「でもコトミちゃん、他に持ってるポケモンでエアームドに有利に戦えるポケモンっているのかしら。」 コトミ「行くわよ、ゾロア!」 コトミはゾロアを繰り出した。――ゾロアは特性・イリュージョンの効果が働き、ゴウカザルになりきって現れた。 ハヤト「ゴウカザル。ひこうタイプに相性で不利だけど、ほのおタイプではがねタイプの弱点を突こうって言うわけだね。」 コトミ「でもほのおタイプの技を使うとは限らないわ!ゴウカザル、ナイトバースト!」 ゴウカザル(になりきったゾロア)がナイトバーストを放った。あくタイプのナイトバーストもはがねタイプのエアームドに対しては効果今一つだが、それでも意外な技を受けたせいか、エアームドはたまらず吹っ飛ばされてしまった。 ハヤト「ナイトバースト。と言うことは正体はゾロアだね。」 言うが早いかゴウカザルの正体があらわになった。 ハヤト「さあ、次は俺の番だ!エアームド、きりさく攻撃!」 勢いをつけたエアームドがきりさく攻撃を放つ。 コトミ「ゾロア、かわして!」 ゾロアがきりさくをすんでのところでかわす。しかしエアームドは段違いに素早い。そうこうしているうちにエアームドが戻りつつある。 ハヤト「エアームド、はがねのつばさ!」 エアームドのはがねのつばさがゾロアに迫った。 コトミ「ゾロア、もう一度かわして!」 だがゾロアはかわす間もなくはがねのつばさの一撃を受けてしまった。 コトミ「ゾロア!」 ゾロアは勢いよく吹っ飛ばされ、フィールドに叩きつけられてしまった。だがまだ戦う気力を残していた。 ハヤト「コトミちゃん、君のゾロア、ものすごいど根性の持ち主だね。そうでなければバトルは面白くないよ。だがそれもこれまでだ!エアームド、全身に力をためろ!」 エアームドを激しい光が包む。エアームドもゴッドバードを使いこなすと言うのだろうか。それにこのまま技を受けたらゾロアは大ダメージを受けてしまうのは間違いなかった。 ハヤト「エアームド、ゴッドバード!」 コトミ「ゾロア!」 エアームドがゴッドバードでゾロアに迫る。そしてゾロアはそれを迎え撃つべく一声挙げて気合いを入れた。 と、ゾロアの全身が白く光り始めたではないか。 コトミ「あっ!?」 マサト「まさか!?」 ミキ「間違いないわ!進化が始まったのよ!」 白い光に包まれたゾロアは次第に姿を変えていき、ゾロアークに進化したのだった。 コトミ「ゾロア・・・、あなた、ゾロアークに進化したのね!」 ゾロアークは腕を大きく振り回して気合いを高めた。そして口から炎を吐き出した。 コトミ「あの技は!?」 アユミ「間違いないわ、コトミちゃん。かえんほうしゃよ!」 コトミ「すごいわ、ゾロアーク!かえんほうしゃも覚えたのね!」 ハヤト「行け、エアームド!」 コトミ「負けてられないわ!ゾロアーク、かえんほうしゃ!」 エアームドがゴッドバードで突っ込む。しかしゾロアークもかえんほうしゃを放った。 ゴッドバードのスピードとかえんほうしゃの威力は初めは拮抗していた。だが元々ほのおタイプに弱いはがねタイプ、かえんほうしゃはじりじりと勢いを増していき、そしてエアームドを高くはね飛ばしてしまった。効果は抜群だ。 ハヤト「ああっ、エアームド!」 エアームドは勢いよくフィールドに叩きつけられ、戦闘不能となった。 審判「エアームド、戦闘不能。ゾロアークの勝ち!」 コトミ「やったわね、ゾロアーク!」 ハヤト「戻れ、エアームド!・・・やるね、コトミちゃん。最初ゴウカザルが出たときはびっくりしたけど、ゾロアがイリュージョンで化けていたんだね。そしてゾロアークに進化するなんて、よく育てられてるね。」 コトミ「ありがとうございます。」 ハヤト「次はこのポケモンだ!出番だ、ドードリオ!」 ハヤトはドードリオを繰り出した。マサトとのバトルのときにも使っていたポケモンだ。 コトミ「(相手はドードリオ。マサトとのバトルでも使ってたわ。それなら。)ゾロアーク、まだバトルできる?」 ゾロアークは大きくうなずいた。 ハヤト「さあ、どこからでもかかってきな!」 コトミ「行くわよ!ゾロアーク、ナイトバースト!」 ゾロアークがナイトバーストを放った。 ハヤト「ドードリオ、高くジャンプしてかわせ!」 ドードリオが高く飛び上がる。マサトとのバトルでも見られたが、ドードリオは飛べない代わりにジャンプ力がものすごく発達している。さらに降下の勢いをつけて威力の高い技を繰り出す。かなり技の威力も上がるのである。 ハヤト「行け、ドードリオ!ドリルくちばし!」 ドードリオが高さと勢いを生かしたドリルくちばしを放った。まともにダメージを受ければかなりきついことになりそうである。 コトミ「ゾロアーク、相手をよく見るのよ!もう一度ナイトバースト!」 ゾロアークがナイトバーストを放って迎え撃つ。ナイトバーストの衝撃波とドリルくちばしが勢いよくぶつかり合う。だがドリルくちばしはナイトバーストを突き破り、そのままゾロアークに大ダメージを与えた。 コトミ「ゾロアーク!」 勢いよく吹っ飛ばされたゾロアークはそのままフィールドに倒れ込み、戦闘不能となってしまった。 審判「ゾロアーク、戦闘不能。ドードリオの勝ち!」 コトミ「戻って、ゾロアーク!」 コトミはゾロアークをモンスターボールに戻す。 マサト「あのドリルくちばし、何て言う威力だろう・・・。」 ミキ「ゾロアークが一撃で倒されてしまったわ。さすがはハヤトさん。ジムリーダーの実力は違うわね。」 アユミ「コトミちゃん、次は何を出すのかしら・・・。」 コトミ「エルレイド、お願いできる?」 エルレイドはうなずいた。 ハヤト「次はエルレイドだね。ひこうタイプに対してあえて相性の悪いポケモンをぶつけるって言うことだね。その根性、気に入ったよ!」 コトミ「ありがとうございます!エルレイド、サイコカッター!」 エルレイドがサイコカッターを放つ。サイコカッターは勢いよくドードリオに命中したが、まだ戦えそうである。 ハヤト「やるね、コトミちゃん。ならこれでどうだ!ドードリオ、ダッシュだ!」 ドードリオが勢いよく走り出す。 ハヤト「ドードリオは空を飛ぶことはできないけど、ジャンプ力だけじゃない。地面を走ることにかけては陸のポケモンにも負けないんだ!行け、ドードリオ!そのままドリルくちばし!」 ドードリオが加速力をつけたドリルくちばしを放つ。 コトミ「あたしだって負けていられないわ!エルレイド、インファイト!」 エルレイドがインファイトを放つ。互いに技が激しくぶつかり合う大激突となった。勢いでエルレイドとドードリオは勢いよく吹っ飛ばされていく。 コトミ「エルレイド!」 ハヤト「ドードリオ!」 2匹ともフィールドの隅に着地する。だが両方とも威力の高い技をまともに受けたせいか息が荒くなっていた。だがどちらかと言うとドードリオの方が疲れが出始めている気配だった。 ハヤト「うん、なかなかやるね。次はこれだ!ドードリオ、トライアタック!」 ドードリオがトライアタックを放った。3色の光が勢いよくエルレイドに迫る。 コトミ「エルレイド、ジャンプよ!」 エルレイドもジャンプでトライアタックをかわす。 ハヤト「そこだ、ドードリオ!ドリルくちばし!」 ドードリオもエルレイドがジャンプしたところを狙ってドリルくちばしをたたき込む。互いに真っ向から激突していた。 コトミ「エルレイド、サイコキネシス!」 エルレイドもサイコキネシスを放つ。ドリルくちばしを今まさに叩き込もうとしていたドードリオは勢いよく地面に向かって叩きつけられてしまった。 ハヤト「ああっ、ドードリオ!」 ドードリオはどうにかして立ち上がろうとしたが、ゾロアークやエルレイドに受けたダメージが蓄積されていたのか、そのまま倒れ込み、戦闘不能となった。 審判「ドードリオ、戦闘不能。エルレイドの勝ち!」 コトミ「やったわね、エルレイド!」 ハヤト「戻れ、ドードリオ!・・・コトミちゃんのバトルもマサト君に負けず劣らずいい戦いっぷりだよ。久々にわくわくしてくれるトレーナーが続くね。」 コトミ「ありがとうございます!」 ハヤト「じゃあ、俺も最後の1匹、行くぜ!出番だ、ピジョット!」 ハヤトはピジョットを繰り出した。このピジョットを倒せばコトミもマサトに続いてウィングバッジをゲットすることができる。 果たして、コトミはハヤトに勝つことはできるのだろうか。 (3) キキョウシティのキキョウジム。ここではコトミとハヤトのジムバトルが行われていた。 既にコトミはハヤトのポケモンを最後の1匹・ピジョットを残すだけとしていた。対するコトミのポケモンは2体。エルレイドとフライゴンが残っていた。 コトミ「行くわよ!エルレイド、サイコカッター!」 エルレイドがサイコカッターを放つ。ピジョットに勢いよく命中したが、サトシやマサトのリザードン、そしてミキのエーフィとも渡り合うほどの実力の持ち主であるピジョットがこの程度でへたばるわけがない。 ハヤト「やるね。さすがはコトミちゃんの一番のパートナー、よく育てられてるね。」 コトミ「ありがとうございます。」 ハヤト「だが俺のピジョットに勝てるかな?ピジョット、こうそくいどう!」 ピジョットがこうそくいどうで素早さを上げた。 マサト「早い!」 ミキ「こうそくいどうを繰り返されると後が大変だわ。あまりに素早くなるとかえって行動が追い付かなくなってしまうわ。」 アユミ「コトミちゃん、大丈夫かしら・・・。」 コトミ「エルレイド、サイコキネシス!」 ハヤト「ピジョット、サイコキネシスを突き破れ!つばさでうつ攻撃!」 エルレイドがサイコキネシスを放った。しかしピジョットはこうそくいどうの勢いからサイコキネシスを打ち払い、つばさでうつ攻撃を叩きつけた。ひこうタイプのつばさでうつはかくとうタイプも併せ持っているエルレイドにとっては効果抜群だった。 コトミ「エルレイド!」 エルレイドは勢いよく吹っ飛ばされた。それでもどうにかして立ち上がる。 ハヤト「とどめだ!ピジョット、ふきとばし!」 ピジョットがふきとばし攻撃を放った。エルレイドはたまらず一気にフィールドの外まで吹き飛ばされてしまい、そのまま戦闘不能になってしまった。 審判「エルレイド、戦闘不能。ピジョットの勝ち!」 コトミ「エルレイド、大丈夫?」 コトミがエルレイドのもとに駆け寄る。エルレイドは大丈夫と言うことだろう、うなずいて応えていた。 コトミ「エルレイド、ゆっくり休んでてね。」 ハヤト「さあコトミちゃん、泣いても笑ってもお互いに最後の1匹だ。最後までトップスピードでバトルしよう!」 コトミ「はい!もう一度お願い、フライゴン!」 コトミは再びフライゴンを繰り出した。 マサト「コトミはフライゴンを温存していたんだね。」 ミキ「ハヤトさんのピジョットの素早さにも十分対抗できると思うわ。」 アユミ「でも問題はどう言った作戦で行くかと言うことかもしれないわね。」 コトミ「行くわよ!フライゴン、ストーンエッジ!」 フライゴンがストーンエッジを放つ。いわタイプの技であるストーンエッジはピジョットに対して効果は抜群になる。 ハヤト「ピジョット、飛び上がってかわせ!」 ピジョットが素早い身のこなしでストーンエッジをかわす。さすがにそこはジムリーダー、一筋縄では行かなかった。 ハヤト「(コトミちゃんは技の使い方もわきまえている。コンテストだけではない。バトルの実力もなかなかのものだね。)ピジョット、でんこうせっか!」 コトミ「(やっぱりハヤトさんは指示も的確ね。)フライゴン、アイアンテール!」 ピジョットがでんこうせっかで勢いよく突っ込んだ。一方のフライゴンもアイアンテールを放って迎え撃つ。 マサト「コトミとハヤトさん、一歩も譲らないよ!」 ミキ「アイアンテールとでんこうせっか、ほとんど互角だわ!」 アユミ「実力は拮抗してるわね。だけどあの素早い行動をどうにかしないとコトミちゃんは勝てないと思うわ。」 ハヤト「ピジョット、ふきとばし!」 コトミ「フライゴン、ストーンエッジ!」 ピジョットがふきとばしでフライゴンを吹っ飛ばそうとする。しかしフライゴンもストーンエッジを放って対抗する。 ストーンエッジとふきとばしは空中で激しくぶつかり合う。そして技が解放され、四方八方にふきとばしとストーンエッジが飛び散った。勢いでフライゴンとピジョットもダメージを受ける。 ハヤト「コトミちゃん、なかなかやるね。」 コトミ「ハヤトさんもすごいですね。さすがはジムリーダーです。」 ハヤト「ありがとう。ここまで俺を本気にしてくれる。じゃあ俺のとっておきの技を見せてあげるよ!ピジョット、全身に力をためろ!」 コトミ「(ゴッドバードだわ!)フライゴン、りゅうせいぐん!」 ピジョットがゴッドバードの準備に入る。そしてフライゴンもりゅうせいぐんを放つ。ドラゴンタイプの中でも指折りの破壊力を持つ技である。 ハヤト「ピジョット、こうそくいどうでりゅうせいぐんをかわせ!」 ピジョットは何とゴッドバードの体制のままこうそくいどうでりゅうせいぐんをかわしていく。 マサト「ゴッドバードで力をためているのに!?」 アユミ「何と言うパワーなの!?」 ミキ「あたしがバトルしたときより実力が格段に上がってるわ!」 ハヤト「行け!ピジョット、ゴッドバード!」 コトミ「フライゴン、りゅうのいぶき!」 フライゴンがりゅうのいぶきを放つ。しかしピジョットはそれを突き破り、ゴッドバードをフライゴンにぶつけた。 コトミ「フライゴン!」 フライゴンは勢いよく吹っ飛ばされ、フィールドに叩きつけられた。 コトミ「フライゴン、立って!」 フライゴンはどうにかして立ち上がろうとする。 ハヤト「コトミちゃん、君のフライゴン、すごいど根性だね。だが体力はもう残り少ない!ピジョット、もう一度全身に力をためろ!」 ピジョットが再び力をため始める。もしもう一度ゴッドバードを受けたらフライゴンは戦闘不能になるのは免れない。 コトミ「フライゴン、飛んで!飛び上がって!」 フライゴンは必死に立ち上がった。だが次の一撃をまともに受けたら倒されるのは確実だ。 ハヤト「これでとどめだ!ピジョット、ゴッドバード!」 コトミ「フライゴン!!」 〜挿入歌:『サイコー・エブリデイ!』が流れる〜 フライゴンは全身の力を振り絞り、高く飛び上がった。 ハヤト「何っ!?」 ピジョットのゴッドバードはフライゴンが飛び上がった勢いで外れた。 マサト「フライゴン、すごい!」 ミキ「まだ戦えそうだわ!」 アユミ「やるわね!」 ハヤト「さすがだね。だが次はそうは行かないよ!ピジョット、つばさでうつ攻撃!」 ピジョットがつばさでうつ攻撃を放つ。まともに食らえば今度こそ立ち上がれるかどうか・・・。 コトミ「フライゴン、マックスパワーでりゅうせいぐん!」 フライゴンが残された気力を振り絞ってりゅうせいぐんを放った。 りゅうせいぐんは今まさにつばさでうつを叩きつけようとしていたピジョットにクリーンヒットした。ピジョットは勢いよくフィールドに崩れ落ち、そのまま戦闘不能となった。 審判「ピジョット、戦闘不能。フライゴンの勝ち!」 ハヤト「コトミちゃん、君とのバトルは本当に素晴らしいものだった。礼を言うよ。」 コトミ「いえ。あたしの方こそ、本当に楽しませてもらいました。ありがとうございました。」 ハヤト「これはキキョウジムを勝ち抜いた証、ウィングバッジだ。受け取って欲しい。」 コトミ「ありがとうございます!」 コトミはハヤトからウィングバッジを受け取る。 コトミ「うん!ウィングバッジ、ゲットでスマイル!!」 そしてコトミはウィングバッジを高く突き出した。――キキョウジムを共に戦ったエルレイド、ゾロアーク、フライゴンの3匹もまた、一緒に喜びを分かち合っていた。 アユミ「ジム戦はまた後日になりそうですね。」 ハヤト「ああ。コトミちゃんとのバトルでポケモン達もだいぶ疲れているからね。また2、3日かかりそうだよ。」 アユミ「分かりました。」 ハヤト「そうだ。このキキョウシティの郊外にはアルフの遺跡と呼ばれる昔の遺跡があるんだ。古代ポケモンの生態をそのまま再現した施設もあるんだよ。」 ミキ「ハヤトさんもおっしゃってる通り、アルフの遺跡はキキョウシティの郊外にあるわ。マサト君、コトミちゃん。よかったら一緒に行きましょう!」 マサト・コトミ「はい!」 アユミ「よろしくね!」 こうして、マサトに続き、コトミもウィングバッジをゲットすることができたのだった。 次に向かうのはアルフの遺跡。そこでは、どう言った冒険がマサト達を待ち構えているのだろうか。 マサト達の冒険は、まだまだ続く。 一方――。 どこかの部屋の中。薄暗い中で言葉が響き渡る。 女「準備が整いました。」 男「そうか。では直ちにアルフの遺跡に向かえ。お前達のミッションだ。」 女「はっ!」 男の背後に浮かぶジョウト地方の地図。地図はジョウト全体の地図とキキョウシティの南西を中心に写し出した拡大図の2つが映っており、拡大図ではアルフの遺跡がクローズアップされていた。 そしてジョウト全体の地図では、いかりの湖のそばに赤い印が鈍く光を放っていたのだった・・・。 Chapter-66に続く。 <このお話の履歴> 全編書き下ろし。