Chapter-69『対決!ポケモンバッカー!!』 (1) マサト達は、次の目的地であるワカクサシティに向かう途中、ある町に立ち寄っていた。 マサト「賑やかですね。」 コトミ「そう言えばゴルバットやクロバットのグッズが多いですね。」 ミキ「うん。ゴルバットやクロバットはこの町の『ご当地ヒーロー』のモデルにもなっているわ。」 マサト「ご当地ヒーロー?」 ミキ「そうよ。この町はゴルバットガールって言うご当地ヒーローで知られているわ。『ガール』って言うから、正確にはご当地ヒロインって言った方がいいかもしれないけど。以前はゴルバットガールのお父様に当たる方がヒーローを務めていて、『クロバットマン』って言われていたわ。」 コトミ「そうだったんですかぁ。クロバットと言えばトモヤさんも持ってたわね。もうすぐナナシマリーグの四天王選考会が始まるわね。元気にしているかしら。」 そこに女性の声がした。 女性「あなた達ってトレーナー?」 マサト達は振り替えってその女性を見た。眼鏡を掛けた小柄な女性だった。 マサト「はい。僕、マサトです。」 コトミ「あたし、コトミです。」 ミキ「あたしはミキ。よろしくね!」 女性「私はリサ。ポケモンバッカーをやってるのよ。」 マサト「ポケモンバッカー?」 ミキ「サッカーとバスケットボールを混合させた感じのスポーツよ。3年前にシンオウ地方のクラウンシティでバッカーのワールドカップが行われてから一気に有名になったわ(注・幻影の覇者・ゾロアークより)。」 コトミ「えっ、じゃあもしかして、リサさんはバッカーの選手なんですか?」 リサ「ううん。私はバッカーのファンなだけよ。地元のチームが試合に出るから応援に来たの。」 マサト「そうでしたか。僕の地元にもバッカーのチームがあるんですけど、最近は成績が良くなくて・・・。」 リサ「それは私のところのチームも同じよ。今シーズンは最下位争いに巻き込まれちゃってるの。あ、そうだ。もしよろしかったら私とポケモンバッカーで勝負しましょう!」 コトミ「えっ、でもあたし達、試合をたまに見る程度で、バッカーをやったことなんてないですけど・・・。」 リサ「大丈夫。やり方はとっても簡単よ。コートを動き回るゴールにバッカーのボールを入れればいいだけなの。簡単に覚えられると思うわ!」 ミキ「マサト君、コトミちゃん。ちょうどいい機会だし、一緒にやってみましょう!」 マサト「はい!」 コトミ「よろしくお願いします!」 マサト達はリサに連れられて、町の中央にあるバッカースタジアムを訪れた。試合は今夜行われるのだが、それまではボールパーク形式と言うのだろうか、トレーナーやコーディネーターがバッカーを楽しむことができるのだと言う。 マサト「ところで、ポケモンバッカーってどう言った形式でやるんですか?」 リサ「一般的なルールでは、ポケモンを3体ずつ出して、コートを移動するゴールにボールを打ち込めばいいだけのお話よ。もちろん、コートではいろいろな駆け引きやポケモン達のぶつかり合いもあるわ。臨むからにはしっかりしたポケモンを出した方がいいと思うよ。」 コトミ「ポケモンは3体出すんですね。」 リサ「うん。」 ミキ「それじゃあ、あたし達で1体ずつ出すことにしましょう!」 マサト・コトミ「はい!」 リサ「私はまとめて3匹出すね。みんなは初心者かもしれないけど、手加減はしないよ。お手柔らかにお願いしますね!」 一同「はい!」 実況「さあ、ポケモンバッカー・ボールパーク、今日は何と飛び入りで参加者がやってきてくれました!続いてバトルしてくれるのは、今日試合を行うカントースマッシュのファンでもあるリサちゃん!そしてお相手は、はるばるホウエンからやってきたマサト君、カントーからやってきたコトミちゃんとミキさん!果たして、どう言った試合が繰り広げられるのでしょうか!」 リサ「行くよ!メタング、マグマラシ、コジョンド!」 リサが繰り出したのはメタング、マグマラシ、そしてコジョンドの3体だった。 マサト「あのポケモンがコジョンドだね。」 マサトはすかさずポケモン図鑑を取り出してコジョンドをチェックする。 ミキ「マサト君、コトミちゃん、準備はいい?」 コトミ「はい!」 ミキ「なら大丈夫ね。マサト君、行くわよ!」 マサト「はい!行け、サーナイト、エルレイド、エーフィ!」 マサトのチームはサーナイト、エルレイド、エーフィの3体を繰り出した。それぞれの一番のパートナーを使うことになった。果たして、マサト達は慣れないポケモンバッカーをどう攻略していくのだろうか。 (2) 旅の途中、ポケモンバッカーのファンであるリサに勧められてポケモンバッカーの試合をやることになったマサト達。リサはメタング、マグマラシ、コジョンドの3体を、マサト達はサーナイト、エルレイド、エーフィの3体を出して試合に臨むことになった。 実況「今回はスペシャルルール、どちらかのチームがゴールすれば勝ちと言うことになります。それでは行きます!レッツ・ポケモンバッカー!」 掛け声とともにホイッスルが鳴らされ、バッカーに使うボールが空高く打ち上げられた。ラグビーのボールほどもある大きさだが、バスケットボールやサッカーの要素が強いこの競技、果たしてどう言った試合を繰り広げていくのだろうか。 リサ「メタング、でんじふゆう!」 メタングがでんじふゆうで浮かび上がる。たちまちのうちにバッカーのボールをキャッチした。 コトミ「早いわ!」 マサト「かなり手慣れているんだ!」 ミキ「あたし達も負けてられないわ!エーフィ、サイコキネシスでボールを引き寄せて!」 エーフィがサイコキネシスでボールを引き寄せる。引き寄せられたボールはエーフィの元まで運ばれた。 ミキ「マサト君、バッカーのゴールは絶えずフィールドを移動してるわ。どこにゴールがあるかを頭に入れないといけないわ!」 マサト「はい!・・・あそこか!」 ゴールが今いる位置。それはリサのマグマラシの後ろだった。 マサト「サーナイト、ボールに向かってシャドーボール!」 サーナイトがシャドーボールをバッカーのボールに放つ。ボールは勢いよく打ち上がっていき、たちまち頭上を越えていく。 コトミ「エルレイド、ジャンプしてリーフブレード!」 エルレイドが高くジャンプしてボールに追いつき、リーフブレードを放つ。リーフブレードで打ち返されたボールは一気にゴールに向かって一直線に伸びていった。 リサ「マグマラシ、かえんぐるまで跳ね返して!」 マサト「させるか!サーナイト、テレポート!」 マグマラシがかえんぐるまでボールに飛びかかる。しかしサーナイトも負けじとテレポートでマグマラシの真正面に現れ、ゴールを狙う。そうしている間にボールとかえんぐるまが激しくぶつかり合う姿勢となった。 マサト「今だ!サーナイト、サイコキネシス!」 サーナイトがサイコキネシスを放つ。ボールは高く弧を描いてゴールに向かっていった。だが絶えず移動し続けるゴールにボールは弾かれてしまった。 リサ「こぼれたわ!コジョンド、とびひざげり!」 すかさずコジョンドがとびひざげりを放つ。ボールは再びセンターラインまで持って行かれてしまった。 ミキ「エーフィ、ボールを取り返すのよ!サイコキネシス!」 エーフィがサイコキネシスを放つ。センターラインを転がっていたボールは再びポケモン達が入り乱れるゴールラインに向かっていった。 リサ「させないわよ!マグマラシ、かえんほうしゃ!」 マグマラシがかえんほうしゃを放つ。サイコキネシスとかえんほうしゃがぶつかり合う形となり、押して押されてを繰り返していた。 マサト「サーナイト、マジカルリーフ!」 サーナイトもマジカルリーフを放つ。マジカルリーフで弾き出されたボールはさらに高く飛んでいく。 リサ「みんな、初めてにしてはなかなかやるじゃない。要領を得てるね。」 マサト「ありがとうございます。」 リサ「でもまだ勝負は分からないわ!メタング、でんじふゆう!」 メタングがでんじふゆうで再び浮かび上がる。そしてあっという間にボールに追いついた。 リサ「メタング、一気にゴールを狙うよ!しねんのずつき!」 メタングがしねんのずつきを放つ。強力なしねんのずつきから繰り出されたヘディングシュートは一気にマサト達のゴールに向かって突き刺さろうとしていた。 マサト「危ない!サーナイト、テレポートでゴールを守れ!」 サーナイトがゴールに向かってテレポートしていく。しかしボールの方がわずかに早い。果たして間に合うのだろうか。 マサト「サーナイト、サイコキネシスで打ち返せ!」 サーナイトがサイコキネシスを放つ。だが結局発動は間に合わず、ボールは辛うじてマサト達のゴールに弾かれたのだった。そして跳ね返ったところでボールはサイコキネシスに操られていき、フィールド高く舞っていった。 ミキ「マサト君、あたしも協力するわ!エーフィ、サイコキネシス!」 さらにエーフィもサイコキネシスを放ってボールの勢いを強める。 リサ「マサト君達は一気にけりをつけるつもりね。私達だって本気を出すわよ!メタング、サイコキネシス!マグマラシ、かえんぐるま!コジョンド、とびひざげり!」 メタングがサイコキネシスを、マグマラシがかえんぐるまを、コジョンドがとびひざげりを放った。3体のポケモンのコンビネーションでゴールを狙いに行くつもりだろう。 マサト「向こうも3体のコンビネーションを使う。でも僕たちのコンビネーションだって負けてないよ!」 ミキ「うん!行くわよ!エーフィ、でんじほう!」 マサト「サーナイト、サイコキネシス!」 エーフィがでんじほうを放つ。それにサイコキネシスの威力が加わり、技と技が正面からぶつかる。そしてコジョンドがとびひざげりを狙う。 コトミ「あたしだって!エルレイド、リーフブレード!」 負けじとエルレイドもリーフブレードを放つ。そしてボールの支配権を巡ってエルレイドのリーフブレードとコジョンドのとびひざげりが激しく激突したのだった。 コトミ「エルレイド!」 リサ「コジョンド!」 だが激しいぶつかり合いの末、ボールは空高く弾かれてしまった。 リサ「勝負はまだついてないよ!コジョンド、はどうだん!」 コジョンドがはどうだんを放つ。一方のエルレイドは頭が下になってしまいながらもなおボールを捉えようとする。 と、エルレイドの足が鈍く光り始めたのだ。 コトミ「えっ!?」 マサト「あれは!?」 ミキ「新しい技だわ!」 コトミ「あれは・・・?」 コトミは慌ててポケモン図鑑を取り出す。エルレイドが放とうとしている技、それはローキックだった。 コトミ「エルレイド、新しい技を覚えたのね!行くわよ!エルレイド、マックスパワーでローキック!」 エルレイドがローキックを繰り出した。はどうだんで勢いがつけられたボールをエルレイドはしっかりと足で捉えていたのである。そしてそのままオーバーヘッド・キックの格好でシュートを放った。 勢いよく放たれたシュートはマグマラシの頭上を越えていき、リサのゴールに突き刺さったのである。 実況「ゴール!!この瞬間、マサト君達のチームが見事に勝利を飾りました!」 〜挿入歌:『アイスクリーム・シンドローム』が流れる〜 リサ「みんな、初めてにしてはすごく上手だったね。」 マサト「それほどでもないです。リサさんはとても手慣れている様子でしたし、僕たちが勝てたのはまぐれだったかもしれないです。」 コトミ「あたし達は本当に初めてで、テレビで見たことはありますけど、やってみるって言うのは思ってもみなかったです。」 ミキ「リサちゃんは本当にバッカーのファンって言う感じがするわ。何て言うのかしら、見るだけでなくて、やってみるのも好きって言うのかな。そう言う感じがするわ。」 リサ「ありがとう。そうだ。せっかくだし、今晩の試合、一緒に見ていかない?」 マサト「どうする?」 コトミ「そうね。せっかく試合もさせてもらったんだし、お言葉に甘えて見に行くことにしましょう!」 ミキ「じゃあ、あたし達も一緒に見させてもらっていい?」 リサ「うん!」 ポケモンバッカー。それは、単なるスポーツの枠組みを超えているのかもしれない。人とポケモン達が1つのボールを追って繰り広げる、フィールド上のドラマ。そこでは、ときにポケモンバトルやポケモンコンテストに勝るとも劣らない真剣勝負が繰り広げられているのである。そして、試合を楽しみつつ、チームを応援する姿もまた美しいものである。 ジョウトリーグとグランドフェスティバル出場に向かって、マサト達の冒険は、まだまだ続く。 Chapter-70に続く。 <このお話の履歴> 全編書き下ろし。