SpecialEpisode-3『たんじょうのしま!ダイヤモンドとパールの伝説!!』 <はじめに> ここでは、実際のたんじょうのしまの描写とは大幅に設定を変更して、内部に遺跡が広がっていると言うことになっています。そのため、 ファイアレッド・リーフグリーンの描写とは大幅に異なっている点があることをお断りしておきます。 (1) 4のしまでマサト達と別れた後、ミキは単身船に乗り、ナナシマ最南端の島・たんじょうのしまに向かっていた。 たんじょうのしまは、三角形の形の小さな島で、島の中心には謎の物体があるとされているが、それについて詳しく知っている人は誰もいないという。 船長「お姉さんも珍しい人だね。ただでさえあそこまで離れているところに好きこのんで行く人って少ないのに、あそこに何があるって言うんだい?」 ミキ「ネットワークマシンを完成させるのに必要な宝石、ダイヤモンドとパールにつながる手がかりがあるかもしれないんです。それであたし、 たんじょうのしまに行こうと思ってるんです。」 船長「ダイヤモンドとパール?そんじょそこらのダイヤかパールとどこか違うところでもあるのかね?」 ミキ「ネットワークマシンって言うのは、1のしまのポケモンネットワークセンターにあるシステムで、それを完成させるのに、特別なルビーと サファイア、そしてダイヤモンドとパールが必要だと言われているんです。すでにルビーはシステムに搭載されていまして、ルビーと対になって いるのがサファイア、そしてネットワークマシンを完全な形にするのに、ダイヤモンドとパールと言う2つの宝石があるとされているんです。もちろん、 普通の宝石ではだめで、ある特別な種類の宝石でないと反応しないそうです。」 船長「私にはよく理解できんが・・・、分かった。お姉さんがダイヤモンドとパールの手がかりを探しているんだったら、たんじょうのしままで 行ってみることにしよう!」 ミキ「ありがとうございます!」 しかし、たんじょうのしままでの航海は長く、数日間を要することになった。それでも航海は順調に進み、船は無事、たんじょうのしまに到着した。 船長「お姉さん、この島は本当に何があるか分からないから、くれぐれも気をつけていくんだぞ!」 ミキ「はい。ありがとうございました。」 そう言うと船は島を離れていった。 ミキ「(ここまで来たら、後はあたしとあたしのポケモン達を信じて行くだけよ。)エーフィ、この先は何があるか分からないから、気をつけようね!」 エーフィは一声あげた。ミキの言うことを理解したようだ。 たんじょうのしまは、その位置からかなり温暖な気候で、背の高い木々があちこちに生えており、まさに秘境と呼べそうな場所だった。それでも道なりに 進んでいくと、島の高台に続く岩場に出た。 岩場はごつごつしており、それを伝っていけば上に出られそうだ。 ミキ「(ここはポケモンの技を使っていけば登れそうね。)行ってらっしゃい、ルカリオ!」 ミキはルカリオを繰り出した。 ミキ「ルカリオ、あたし達を高台の上までお願い!ロッククライムよ(※)!」 ルカリオはミキを背中に乗せると、ごつごつした岩場を勢いよく上に登っていった。まもなくして高台の上に出た。 ミキ「ありがとう、ルカリオ!」 ミキはルカリオをモンスターボールに戻した。 高台は島の形同様三角形になっており、その中心には妙な物体が置かれていた。 ミキ「あれが船長さんの言ってた三角形の物体ね。何かの罠かもしれないわ。エーフィ、気をつけよう!」 まずエーフィがその三角形の物体に近づく。そしておそるおそる前足を伸ばしてみた。 その瞬間、三角形の物体はその場から姿を消した。しかしそれは瞬間移動しただけで、次の瞬間、その物体はミキのすぐ後ろに移動していた。 ミキ「(この物体って、瞬間移動するのね。やはり気をつけた方がいいわ。)今度はあたしがやってみるわ。エーフィ、慎重に行こう!」 果たして、この三角形の物体には、どのような秘密が隠されているのだろうか。 (2) たんじょうのしまに到着したミキは、島の高台で謎の三角形の物体を見つけた。エーフィが近づいてみると、それは瞬間移動してミキの後ろに現れた。 今度はミキがその物体に近づいてみた。すると、その物体はまた移動して、ミキから向かってエーフィの左に移動した。 ミキ「(これって、近づくと移動する仕組みになってるのね。・・・あら?)」 ふと見てみると、さっきと比べて物体がやや赤っぽくなっているのが見受けられた。 ミキ「(もしかしたら、この物体って移動を繰り返していくうちに赤くなっていくのかしら。)エーフィ、気をつけようね。この物体、 さっきと比べて赤くなってるわ。」 エーフィはミキの言うことを理解したのか、一声あげた。 その後もミキとエーフィが近づくたびに物体は移動を繰り返していく。移動しながら、物体は赤みを帯びていき、やがて物体は最初の場所まで移動した。 ミキ「(最初の場所に戻ったわね。ということは、今度近づいてみたら何かが起こるのかしら。)エーフィ、あの物体、最初のところに戻ってるし、 かなり赤くなってるわ。気をつけよう!」 エーフィはミキの肩に乗った。あの三角形の物体を警戒している様子が見て取れた。 そしてミキは赤くなった三角形の物体に近づいた。と、次の瞬間地響きが響き渡り、三角形の物体がせり上がり始めたではないか。 しばらくして地響きが収まると、三角形の物体はかなり上まで上がっており、内部に入る通路の入り口が姿を現していた。 ミキ「(これは何かしらの構造物の入り口なのかしら。中まで続いているみたいに感じるわ。きっと内部は遺跡みたいになってるんだと思うわ。) エーフィ、もしかしたらあの中にダイヤモンドやパールにつながる手がかりがあるんだと思うわ。準備はいい?」 エーフィはうなずいた。 ミキ「行こう、エーフィ!」 そしてミキは、三角形の物体が作り出した入り口の中に入っていった。 中は一本道になっており、いかにも遺跡などでよくある造りになっていた。おそらくダイヤモンドとパールの手がかりはこの奥に眠っているのだろう。 ミキ「(この中は遺跡になってたのね。見るからに罠が仕掛けられてるかもしれないわ。)行ってらっしゃい、ルカリオ!」 ミキはルカリオを繰り出した。 ミキ「ルカリオ、ここは遺跡になってるから、どこかに罠があるかもしれないわ。あなたの波導の力なら、罠を探し出せるかもしれないわ。お願いね!」 ルカリオはミキの言うことを理解したのか、一声あげてうなずいた。 なおも奥に進んでいくと、大きな広間の様相を呈した場所に出た。見ると左にはディアルガ、右にはパルキアと、シンオウ地方で知られる時空伝説に まつわるポケモンの絵が描かれているではないか。 ミキ「(ディアルガとパルキアね・・・。3年前にシンオウ地方でギンガ団が呼び出そうとした、時間と空間を司る、神と呼ばれているポケモンね。 こんごうだまとしらたま、あの三角形の物体、そしてダイヤモンドとパール。もしかしたら、共通点があるのかしら。)」 周りを見回してみると、ミキは正面に何かを見つけた。 ミキ「エーフィ、ルカリオ、あれを見て!」 そこはこの遺跡の最奥部らしく、メッセージのようなものが刻まれていた。それも点字で書かれているようだ。以前マサト達がともしび山で見つけた ルビーのときと同じだ。 ミキ「(点字で書かれているわ。もしかしたら、ダイヤモンドとパールにつながる手がかりが隠されてるかもしれないわ。)エーフィ、ルカリオ、 もしかしたら罠があるかもしれないから、慎重に行こう!」 まずルカリオがあたりを注意深く調べてみる。波導で罠がないか調べようと言うことだろう。・・・しかし変わった様子は見られず、ルカリオは そのまま点字のメッセージのところに向かった。 続いてエーフィも調べてみたが、やはり変わった様子はない。エーフィ、続いてミキも点字のメッセージのところにたどり着いた。 果たして、このメッセージには何が書かれているのだろうか。 (3) たんじょうのしまの奥深くに広がっていた遺跡の最奥部。そこでミキは、点字で書かれた謎のメッセージを見つけた。 ミキ「(やっぱり点字で書かれているわ。あたしも以前、点字を勉強したことがあるから、読めるかもしれないわ。)えーっと・・・。」 ミキは壁に書かれていた点字のメッセージを読み始めた。 ミキ「・・・『だいやもんどと ぱーる』『きゅーきょくの こーどと きゅーきょくの しんえん』 『わたしたちわ この ほーせきを ひきょーの おくふかくに かくした』 『そのばしょわ そらにとどく おーきな やまと うみのそこに つながる どーくつが ひろがり』 『にじの ぽけもんと うみの ぽけもんが ほーせきを まもらん』 『そのちわ へそのいわ』『かのちに これお まつらん』」 (「ダイヤモンドとパール」「究極の高度と究極の真円」「私たちはこの宝石を秘境の奥深くに隠した」 「その場所は空に届く大きな山と海の底につながる洞窟が広がり」「虹のポケモンと海のポケモンが宝石を護らん」 「その地はへそのいわ」「彼の地にこれを奉らん」) ミキ「(へそのいわ・・・?あの、4のしまと5のしまの間にある大きな岩山のことね!)」 ミキと別れた後、マサト達の乗っていた船からも見えた、あのへそのいわ。それの奥深くに、ダイヤモンドとパールが眠っているというのだろうか。 文章を見ると、「虹のポケモンと海のポケモン」という描写がある。 ミキ「(虹のポケモンと海のポケモン?・・・もしかしたら、ジョウト地方にまつわる伝説のポケモン、ホウオウとルギアのことかしら?)」 シンオウ地方の時空伝説に伝えられる、神と呼ばれるポケモン、ディアルガとパルキア。そして、ジョウト地方に古くから伝わる伝説のポケモン、 ホウオウとルギア。これらの伝説が、ナナシマでは古くから伝えられてきたと言うことなのだろうか。 ミキ「あっ・・・!」 突然、ミキをめまいが襲った。同時にエーフィやルカリオも変調を訴えたようだ。 ミキ「(何、この感覚・・・?)」 しかし、何が起こったのかと考えるまもなく、ミキはよろめき、その場に倒れてしまった。 ふと気がつくと、どこかの遺跡の光景が見えた。しかしそれはたんじょうのしまの遺跡ではない。別の場所の光景のようだ。 ミキ「(ここ、どこかしら・・・?)」 ミキは手を伸ばそうとするが、動作が全くできない。金縛りにでもなっているのだろうか。 やがて光景の中に、見覚えのある人の影が見えた。マサト達だ。 ミキ「(マサト君!それにコトミちゃんやトモヤさんも!どうして・・・?)」 と、そこにマサト達とは別の人物が現れた。1人ではなく、2人いた。 ミキ「(誰?何をするつもりなの?・・・あれは!?)」 別の人物は2人とも、胸のところに「R」のマークがある。ロケット団だろうか。それも何か、青く光るものを遺跡から持ち出しているではないか。 そしてロケット団とおぼしき2人組はそれぞれポケモンを持ち歩いていた。ハッサムとクロバットのようだ。 ミキ「(あれはもしかしてサファイア?あっ・・・だめ、意識が・・・。)」 その光景はまた遠くなり、ミキはまた何も見えなくなった・・・。 ミキ「うっ・・・。」 どうやらミキは気を失って倒れていたようだった。気がついてみると、そこはさっきの遺跡で、周りを見渡すと、点字のメッセージや ディアルガ・パルキアの絵が見受けられる。 エーフィやルカリオもミキ同様に周りを見渡していた。おそらくエーフィやルカリオにも同じ光景が見えたのだろうか。 ミキ「(あれは以前聞いた6のしまの遺跡ね。マサト君達はきっとあの遺跡に向かっているんだと思うわ。そして、それを狙ってロケット団も あの遺跡に向かおうとしているのね。急がなきゃ!)」 ミキは元きた通路を戻り、遺跡の外に出た。すでに日は傾き始めており、海の向こうは夕焼けに染まっている。 ミキ「行ってらっしゃい、ラティオス!」 ミキはラティオスを繰り出した。 ミキ「ラティオス、あたし達を6のしままで連れてって!お願い!」 ラティオスはミキを背中に乗せると、勢いよく北の空に向かって飛び立っていった。 ミキが遺跡で見た光景。もしそれが真実だとすれば、6のしまにある遺跡の谷にロケット団が現れ、サファイアを奪っていくことになる。 おそらくロケット団もこのサファイアを、そしてダイヤモンドとパールを狙っているのだろう。ネットワークマシンを完成させるほどの力を秘めている 宝石を、もしロケット団に奪われでもしたら、大変なことになるだろう。 果たして、ミキは間に合うのだろうか。そして、何も知らないマサト達の運命は・・・。 (※)「ロッククライムについて」 ファイアレッド・リーフグリーンでは、まだロッククライムのひでんマシンが存在しなかったことから、たんじょうのしまは船着き場・階段・三角形の物体 (=デオキシスの出現ポイント)の構造でしたが、第4世代でロッククライムのひでんマシンが登場したことや、ハートゴールド・ソウルシルバーの カントー地方においてもロッククライムで登る崖が存在しており、登場しないにせよナナシマにも存在する可能性があることから、ここでは ロッククライムで上る岩場も存在することにします。 <初出> (1):2009年10月3日、(2):2009年10月10日、(3):2009年10月11日、いずれも旧ぽけあに掲示板にて掲載。