プロローグ「二つの種族」 ハブネークとザングースの種族は先祖代々争っていた その理由は明らかとされていないが、この二匹が会った途端、 どちらかが倒れるまで戦い続けるというまるで戦争のように 恐ろしい関係であった…。 しかし、ある男はこの種族の争いが、いつか終わる日が来るのを、 今もなお信じていた……。 199X年 とある森で黒い帽子を被った十九歳くらいの男と一匹のハブネークが休息をとっていた。 男の名は「タカマル」、ポケモントレーナーであるがもう一つの職があるようだ。 彼こそがハブネーク族とザングース族の戦いがいつか終わる日が来るのを信じていた男であった。 そして彼のハブネークは、ザングースの気配を感じても、殺気など見せない 平和主義的な性格である(戦闘時になると別人になるが…… タカマル「次の町まであと半日はかかるな、とりあえず先を急がないと。」 ハブネーク「そうだな…。ンじゃ、そろそろ行こうか。」 二人が出発しようとしたその時……! ハブネーク「!?」 ハブネークが何かの気配を感じた。 タカマル「どうした?」 ハブネーク「あいつだ…。」 タカマル「またか…。」 そして草陰から一匹のザングースが現れ、ハブネークに襲い掛かってきた。 タカマル「やっぱりな、ハブネーク、手ェ出すなよ!」 ハブネーク「わかってるって…。」 ザングース「ハブネーク!今日こそ決着をつけてやる!くらえ!!」 ハブネーク「だーからお前とは戦いたくないンだよ!!」 ザングースのブレイククローを避けるハブネーク。 ザングース「ほざけ!!」 再びブレイククローで襲い掛かってきたが、難なく避けた。 タカマル「やっぱ話合いじゃ無理か…、仕方ねえな……。」 タカマルはショットガンを取り出し、空に向けて一発放った。 ズドンッ!!! ザングース「!!!?」 銃声に反応し、ビビッたのか、一時止まるザングース。 タカマル「ザングース!また俺たちの後をつけてたのか?」 ザングース「ああそうだ!俺はこいつと戦う!なのに戦いたくないだと?平和主義にも程がある!!」 タカマル「何度も言うが、何故戦う?!」 ザングース「そんな理由はない!ただ勝ちたいだけだ!!」 ハブネーク「理由になってない。俺はな、理由のない戦いなどしたくないんだ、どうしてそれを理解しようとしないンだ!」 ザングース「フンッ!知るか!!」 ハブネーク「困ったなぁ…。」 タカマル「これ以上話しても結果は同じだな…、もうやるしかないな…。」 タカマルはあることを決意した。 タカマル「ザングース、明日の朝、ここに来い。」 ザングース「え?」 タカマル「お前との戦い、受けてやるぜ!」 ハブネーク「タ、タカマル?!」 ザングース「いいぜ、それまでしっかり鍛えておくことだな!ンじゃ、俺はこの辺で…。」 そう言ってザングースは去って行った。 ハブネーク「タカマル、戦うって…。」 タカマル「いいかハブネーク、今まで話合いで済ませていたが、ザングースは懲りずに 俺たちの後をつけている。このままだとキリがないからな。だから戦ってあいつの根性叩きなおしてやろうってワケだ…。」 ハブネーク「でもタカマルは、和平を…。」 タカマル「ハブネーク、これはザングースの根性を叩きなおす為ではない。 理由もなしに戦い、相手を傷つけるという愚かさを、教えてやることでもあるのだ!! あの山本長官も、米国との戦いに反対していた。しかし結局戦争を起こしてしまった…。今の俺は山本長官と同じ気持ちだ。」 ハブネーク「で、でもそのせいで長官は殺されちゃったけど…。」 タカマル「何か言ったか?」 ハブネーク「え、いや、何でもない……。」 タカマル「ようし、それじゃあ特訓開始だ!!!」 ハブネーク「お、おう!!」 〜続く〜 >登場人物 >タカマル 主人公。十九歳。「ハブネーク族とザングース族との和平」がいつか来るのを信じている男。 銃を持っているため、ただのトレーナーではなさそう……。 謎多き人物。 名前の由来はファミコンゲーム「謎の村雨城」の主人公である青年剣士「鷹丸」 >ロケット団 悪の軍団。この物語に登場するのは二人一匹の下っ端コンビ。いつも失敗ばかりしてるため、借金もバカにならない?