ロケット団の乱入により多少いざこざがあったものの、無事に再戦を迎えられそうである。 タカマル「それじゃあ再戦と行こう。」 ハブネーク、ザングース、両者向かい合う。 ザングース「一族最強のため、お前に勝つ!!」 ハブネーク「俺に勝っても最強とは言えないぜ!!」 二人共、気合十分であった。 タカマル「では、始めっ!!」 合図と共に両者が前に出た。ハブネークは「辻斬り」、ザングースは「切り裂く」を繰り出す。 キィーン!! 互いに弾かれ後退、すぐに姿勢を取り直し、ハブネークがポイズンテールで攻める。 ザングースの頭部目掛けて叩き斬るように。 ハブネーク「頭上一直線、一撃で決める!」 ザングース「それを待ってたぜ!」 何かを期待していたかのように、ザングースが一瞬笑ったように見えた。 パシッ! タカマル「!?」 ハブネーク「!!?」 ポイズンテールを白刃取りしたザングース、そしてそのままハブネークの尻尾を掴んだまま ハンマー投げのように振り回し、投げ飛ばした。ハブネークは近くの木に激突。 タカマル「(ま、まさか本当にこんな事するなんて…。その割には…、)」 ザングース「はぁ…、はぁ…、はぁ…、」 回転しすぎて目を回し、酔ってしまった。 タカマル「(だったら最初からするなよ……、)」 ザングース「は…、ハブネーク。手足の無いお前は接近戦では…、牙と尻尾による攻撃が、…多い。       それを掴み取ってしまえばこっちのモノ……、それが蛇系ポケモンの弱点だ。」 酔いながら喋るザングース。 ハブネーク「い、…今のは効いたぜ。だが…、俺もそれを想定して特訓をした。目を回されても       短時間で立ち直れるようにな!」 ザングース「ど、どんな特訓だ…!」 ハブネーク「……、作者も解らないンだから解るワケねーだろ。」 ……、 タカマル「(言えないよな…、コーヒーカップとか、よく回るモノに乗りまくってたなんて…)」(←良い子・良い大人はマネしないように!! 沈黙が続き、ザングースもようやく立ち直った。 ハブネーク「さほど弱点のなさそうなお前だが…、俺にも勝つ可能性は十分ある!来い!!」 突然森の奥へと走り出すハブネーク。それを追うザングースとタカマル。気が付くとハブネークの姿が無い…。 辺りを見渡し警戒するザングース。 タカマル「(ハブネーク、とうとう本性表したって所か…)」 ザングース「…奴の事だ、何処かに潜んでいるはず…。」 ハブネークの声「そうさ…、」 ササッ! ザングース「?!」 一瞬にしてザングースに巻き付いたハブネーク。 ザングース「くそっ!油断したぁ!」 ハブネーク「俺ら蛇系ポケモンは、狭い場所も自由に移動できる。潜伏だって朝飯前、何処へ逃げても無駄だ!」 ザングース「こ、こんな事で…!」 タカマル「…、」 帽子のつばを掴み、深く被るタカマル。今度こそ勝負が付くと思われたその時…。 ザングース「?」 巻き付けていた体を自ら解くハブネーク。 ザングース「どういうつもりだ、」 ハブネーク「言ったはずだ、俺は、俺とお前の一族の戦いを終わらせたい。正々堂々と戦うのに、こんな勝ち方しても、       納得できないと思ってな。」 ザングース「じゃあ、最初(ロケット団が来る前)の戦いで巻き付いた時も、解くつもりだったのか!?」 ハブネーク「まあな、ちょっとしたイタズラ心ってヤツかな。」 思わず笑顔を見せるハブネーク。 タカマル「(イタズラ心ねぇ、面白い事するじゃないか。)」 ザングース「だがその優しさが命取りになることを、教えてやろう。この一撃で決める!」 ハブネーク「力だけでは勝負に勝てない。これで最後だ!」 お互いに攻撃態勢を取り、気合を溜め始めた。 ハブザン「最大パワーで行くぞっ!!!」 ハブネークのポイズンテール、ザングースのブレイククロー。尻尾の刃、右手の爪が光り出し、二倍の長さになった。 そして両者一斉に飛び出した。 ハブザン「うおおぉぉ!!!」 ズドォォーーン!! 二つのパワーが激突し、大爆発。 タカマル「!!」 しばらくして煙が晴れた。ハブネークとザングースの姿がそこにあったが…、 ハブネークの尻尾の刃、ザングースの右手の爪が、互いの胴体に命中していた。そして… バタッ! ハブネーク、ザングース、共に倒れた。 タカマル「ハブネーク!ザングース!」 急いで二人の元へ走るタカマル。 〜続く〜