第2話 ホーホーの森と少女ルミ  前回でニドラン♂をゲットした大樹はヒノアラシと共にヨシノシティを目指していた。  実際にはキキョウシティが目的地だが、  1番近いルートの中間地点がヨシノなのでそこに向かっているのである。 「ニドラン、角でつくんだ!!」 「ニド!」  あれからと言うもの、何度も野生のポケモンにあってはヒノアラシとニドランで戦っていた。  何種類かゲットはするが、そのほとんどを大樹は転送していたのだった。  どうやら気に入ったのしかつれていかないようである。 「よ〜し、オタチゲットだ!」  今度はみはりポケモンのオタチをゲットしたようである。    その後歩いていると、近くに綺麗な河原があったのでそこで休憩することにしたのだった。 「ここで昼飯にするか!」 「ヒノヒノ!」 「ランラン♪」  大樹はリュックからポケモンフーズ(オダワラ博士にもらった)を  ヒノアラシとニドランにあげると自分もサンドイッチを食べ始めた。  河原にはコイキングやトサキントが泳いではいたが、今はそっとしておくことにした。 「上手いかおまえら?」 「ヒノ〜♪」 「ラン〜♪」  2匹ともご機嫌であった。  とくにニドランはさっきゲットしたばかりなのにもうなついているのだった。 「あ〜、うまかった!」  先に大樹が食べ終わると、大樹はある視線を感じた。 「何だ?」  何処からかこちらを見る視線を感じた。  そして辺りを見渡すと、川の方の小岩に一匹の水ポケモンがいたのだった。 「あ、あれってワニノコ!?」 「ヒノ?」  いたのは何と、オダワラ研究所にいたポケモンの1匹、おおあごポケモンのワニノコであった。  偶然かどうかは分からないが、ワニノコの視線は明らかにこちらを向いていたのだった。 「ニドラン、飯は食い終わったか?」 「ニド!」 「ようし、ワニノコに体当たりだ!」  だがその前に向こうから攻撃が来た。 「ワニ〜〜!」 「うわ、ひっかくか!?」 「ニド!」  ニドランも負けるまいと体当たりをした。 「ワニ〜〜〜〜!」  何と一撃で吹っ飛んで目を回してしまった。  野生とは言え、何だか呆気なさ過ぎである。 「行け、モンスターボール!!」  大樹が迷わずボールを投げた瞬間・・・・       ぐぅ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 「えっ!?」  ボールが当たる寸前にワニノコから腹の虫の音が鳴り響き、ワニノコはそのままボールに入ってしまった。 「お前・・・もしかして・・・・」 その後・・・・・・・・ 「ワニワニワニ!!」  あの後、ボールからワニノコを出すと、大樹はワニノコにポケモンフーズを与えた。  どうやら腹を空かしていたらしく、勢いよく食べ出したのだった。 「と、とにかくワニノコゲットだぜ!」(汗) 「ワニ〜〜!」 その夜・・・・・・・・  その後も歩き続けた大樹は、大きな森の中にたどり着いていた。  太陽は既に沈んでおり、仕方がないのでここでキャンプをすることにした。 「火を頼むぞヒノアラシ!」 「ヒノ〜〜〜!」  ヒノアラシの炎で焚火を付けると、消えないように小枝をどんどん入れていった。 「今日は疲れたな。」 「ワニワニ!」 「ヒノヒノ!」 「ランラン!」 「お前らは元気だな。」  大樹は笑いながらポケモン達の頭を撫で回した。  回りからはふくろうポケモンのホーホーの鳴き声が聞こえてきた。  夜の森が危ないのはトレーナー初心者の大樹にもわかっていたので今夜はここを動かないのをきめていた。 「冒険初日の夜か、今日は早めに寝るかな・・・」    焚火にあたりながら呟いた。  と、その時! 「キャ〜〜〜〜!!」  何処からか、女の子の悲鳴が聞こえてきた。 「何だ?」 「ヒノヒノ〜!」 「あ、勝手に動くなって!」  勝手に声のもとに向かって行ったヒノアラシを追って、大樹やワニノコ、ニドランも向かって行ったのだった。  声がした方にはライトか何かの光があったので迷うこともなく向かうことができた。 「待ちやがれ!」 「いやぁ〜!」 「な、あいつらはまさか・・・・・・」  ヒノアラシに追いついて見たのは、謎の男に追いかけられている少女であった。  一緒にはっぱポケモンのチコリータがいた事からトレーナーのようである。  が、それより注目するべきなのは追いかけている男達であった。黒づくめの服に「R」という文字があった。 「ロケット団!!」 「誰だ!?」 「え?」  つい声を出してしまい、一瞬にして見つかってしまったのだった。 「ははは・・・・・・」 「た、助けて、あいつら私のポケモンを取ろうとしているの!」 「ちっ、とにかくお前の持っているチコリータを渡しな・・・  ん、お前が連れているのはヒノアラシとチコリータだな?」 「丁度良い、お前のもよこしな!」 「ヤダ!」    大樹はすぐに断わった。 「てめえ、俺達は誰なのか分かってるのか?」 「ロケット団の末端!見れば分かるって、その単純な発想の服装を見れば!」 「確かにそうね・・・」 「貴様ぁ〜〜〜〜、もう手加減はしねえ!行け、モルフォン!!」  そう言うと、ロケット団はどくがポケモンのモルフォンを出してきた。 「げげ!」 「モルフォン、体当たりだ!」 「フォ〜ン!」 「やば、ヒノアラシ、火炎放射だ!」  とりあえず相性の良いヒノアラシで戦おうとはするが、モルフォンは持ち前の素早さで攻撃をかわした。  そしてヒノアラシに体当たりをくらわした。 「ヒノアラシ!!」 「見たか、怪我したくなければポケモンをよこせ!」 「イヤよ!」 「そうだ、お前らなんかに仲間を渡してたまるか!」 「なら仕方ねぇ、やれモルフォン!」 (マズイ!)  モルフォンが目の前にまで来たその時、後方から何かが現われた。 「ホ〜〜!!」 「何!?」  突然現われたホーホーはモルフォンに向かって嘴でつついた。  相性もよく、効果は抜群だった。 「助けてくれたの?」 「とにかく今だ、ワニノコ、モルフォンに水鉄砲!」 「ワニ〜〜〜!」  おそらく住処で暴れられたので怒ったのだろう。ホーホーはモルフォンにどんどんつついていった。  その隙にワニノコは思いっきり力を出して水鉄砲を放った。  ロケット団はそのままモルフォンと一緒に後方の車に激突してしまった。 「今だ、火炎放射!!」 「チコリータ、はっぱカッターをお見舞いしちゃって!」 「チコッ!」  さっきの事を根に持っていたらしく、チコリータは勢いよくはっぱカッターを放った。  はっぱカッターで車に亀裂が入り、そこにヒノアラシの火炎放射が・・・              ドッカ〜〜〜〜〜ン!! 「覚えてろ〜〜〜!」 「ふっとんじゃった。」 「へ〜、結構とぶんだな。」  ともあれ、何とかロケット団に勝つことが出来た。  すると、助けてくれたホーホーは大樹の所によると、そのままなついてしまった。 「なついちゃってるわ。」 「ようし、ホーホーゲットだぜ!」 「ホー!」 その後・・・・・・ 「助けてくれてありがとう、私はワカバタウンの留美(ルミ)!」 「俺は大樹、今日ワカバタウンから旅に出たばかりなんだ。」 「へ〜、でもワカバじゃ見ない顔ね〜。」 「あ、・・・家は別の町にあるんだ。」 「そっか。」  何とか誤魔化すことが出来た。 「それにしても、何で3年前に倒されたロケット団がこんなトコロにいたんだろう?」 (3年前?じゃあ、この世界はゲーム版なのか・・・) 「ねえ、もしかして大樹もポケモンリーグを目指して旅をしてるの?」 「ああ、半分は・・」  本当はもとの世界に帰るためなのが理由だが、ここは黙っていることにした。 「残りはポケモン図鑑を完成させるのが目的なんだ。」 「え、私もよ!私もウツギ研究所でオーキド博士から図鑑をもらったの!」 (ふ〜ん、ウツギ博士もいるんだ・・)  ルミはポケットから図鑑を出すと大樹に見せた。 「ねえ、目的が同じなら一緒に行かない?」 「え!?」 「あ、女の子とじゃいやなの?」 「いや、いいぜ、一緒に行こうぜ!」 「ありがとう!」  ちょっと抵抗があったが、これで仲間がまた一人増えたのだった。  そして今日はもう遅いので、2人は寝袋を出すとそのまま寝込んだのだった。 次回予告 「ヨシノシティを目指していた私と大樹は途中の町の近くでポケモンバトルをやることになったは。  何とか勝ったけど、その後に不良に襲われるイーブイがいたの。  ポケモンセンターに連れていったけど、イーブイの心には傷が出来ていたの。  そこに現われたロケット団、心配しないで、あなたは私たちが守ってあげるわ!  次回 傷ついたイーブイ 」