第4話 メリープを助けろ  夢のようだったと、今でも大樹は思っている。  昨日のロケット団との戦いで、その伝説のポケモンの一種、エンテイに遭えたのだから。  エンテイはすぐに去ってしまったが、大樹には大きな目標が一つ増えたのだった。 「あ〜食った食った!」 「ヒノ〜♪」 「ワニワニ♪」 「ランラン♪」  大樹達は朝食を済ませていた。  ちなみに、ホーホーは夜行性なためか、まだ寝ていた。 「終わった?」 「ああ、そっちは?」 「みんな回復したわ。」  ポケモン達の回復を済ませた留美がやってきた。  大樹は先に済ませていたため、こんなにのんびりしているのである。 「買い物も済ませてあるし、早速出発するか?」 「そうね、ここに長居するわけにもいかないしね。」  そして大樹は立ち上がり、リュックをせおうとそのままポケモンセンターを後にしようとした。  と、その時事件は起こった!                プツン! 「え!?」 「何だ、停電か?」  突然、ポケモンセンター内の電灯が全て消えたのである。  突然の出来事に、他の客達も騒ぎ始めた。  だが、停電が起きたのはここだけじゃなかったのであった。 「これは!?」 「どうしたんですかジョーイさん?」 「ヨツバシティ全体が大停電になっているわ!」 「ええ!?」  ポケモンセンターには自家発電があるため、多少の機器が動いてはいたが、外では大混乱になっていたのだった。  2人は急いで外に飛び出してみると、世間は大パニックだった。 「ヨツバシティのみなさ〜ん、落ちついてくださ〜い!!」 「あ、あれってジュンサーさん?」  アニメ設定のジュンサーさんが混乱を静めているのが見えた。 「お〜い!」 「あ、真人!」  今度は真人がやってきた。  どうやら、突然の停電が気になってやって来たようである。 「なんか大変だな。」 「ああ、でも、こんなに停電が起きるなんて今までなかったぜ。」 「え、そうなの?」 「ってコトは、いつものパターンでいけば・・・・アイツラが・・」 「アイツラって?」 「ロケット団しかないだろ?」 「なるほど!」 「ちょっと君達、何か知っているの?」  そこにさっきのジュンサーが現われ、大樹達に事情を聞き始めた。  ほとんど勘のであったが、とにかく1部始終説明した。 「なるほど、でも、探すにも場所がわからないと・・・」 「あ、だったら俺のコラッタが匂いで探せるぜ!」  真人はモンスターボールからねずみポケモンのコラッタを出すと、ロケット団の匂いを探らせた。  どこから匂いのあるものを出していたかと言うと、昨日の戦いの際にアイツラが落としていった物を使ったのである。 「コラッタ!!」 「あ、見つけたみたい!」 「追うぞ!」  そして、コラッタを先頭にして一同はロケット団探しに入ったのである。  しばらく歩くと下水道に入っていった。  さらにそこを進んでいくと、あからさまに怪しい建築物が合った。 「ここだな。」 「いつの間にこんな物を・・・・・」 「とにかく行くぜ!」  今度は大樹が先頭になって、下水道に賭けられてある梯子を上っていき、上の扉をそっと開けたのだった。  すると、そこには沢山のロケット団員がいたのだった。 「げ、あんなに・・・・ん?」  何だか電気の流れる音が聞こえたかと思ってそっちの方を見てみると、そこには無理矢理電気を浴びせられているポケモンがいたのだった。  ふわふわの綿毛が特徴なわたげポケモン、メリープである 「メリープ!?」 「誰だ!?」 「あ!」 「馬鹿、何やってんだ!?」  つい大声を出してしまい、芋蔓式にみんな見つかったのだった。  すると、ジュンサーは無理矢理中に入っていった。 「あなた達、ここで何やってるの?」 「ふふふ、メリープの綿毛は高く売れるからな、電気を大量に浴びさせて綿毛を生産していたのだ。」 「ひどい、無理矢理やるなんて・・・」 「停電はこれが原因だったのか!」 「あなた達、全員この場で逮捕するわ!」 「出来るものならやってみろ、行けスピアー!」  ロケット団はどくばちポケモン、スピアーを先頭に襲いかかってきた。  大樹もポケモンを出そうとすると、その前にジュンサーがボールを投げた。 「ガーディ、火炎放射よ!」 「ワオ〜〜!!」 「うわぁぁぁぁぁ!!」  こいぬポケモンのガーディのおかげで一気に数が減っていった。  そしてその隙に大樹はメリープを助けようとしていた。 「待ってろ、俺が助けてやる!ヒノアラシ、火炎放射だ!!」 「ヒノ〜!!」 「聞いてない!?」 「無駄だ、電気にも絶えられる特殊ガラスだ、炎など効かん!」 「じゃあカラカラ、骨こん棒!」 「ニドラン、にどげり!!」 「何!?」  炎や電気には強かったが、打撃には弱かった。             ガシャ〜ン!!  装置が壊れ、中から沢山のメリープが溢れ出してきた。  みんな、やっと出られたと言わんばかりの表情をしていた。 「クソがき、スピアー、ダブルニードル!!」 「なんの、ヒノアラシ、火炎放射!!」  向かってくるスピアーを炎で退け、ロケット団のポケモンは全滅した。  そして、次の瞬間にロケット団達が見たのは怒りまくったメリープ達であった。 「メ〜〜〜〜」(怒) 「な、何だその目つきは!?」 「こいつらの怒りを味わいな!電気ショックだ!」 「「メ〜〜〜!!!」」  改心の一撃であった。  沢山のメリープの放った電気ショックで全ての団員達が痺れてしまった。  そして建物内の全ての機器もショートしたのだった。 「馬鹿な・・・・・・」(倒れる) 「やったぜ!」 その後・・・・・  あの後、その場にいた全てのロケット団員たちが逮捕され、メリープ達もほとんどが元の住処に帰っていった。  一匹を残して・・・・ 「ご協力感謝します!」 「いや〜、大した事してないっすよ!」 「メ〜」 「このメリープ、さっきから大樹にくっ付いているわね。」  一匹だけ、大樹になついているのがいた。  どうやら、ロケット団から助けてくれたのでそのまま一緒にいたいようである。 「メリープ、俺と一緒に行くか?」 「メ〜♪」 「メリープ、ゲットね!」 「あ、それ俺のセリフ!!」  何だか慌しくなったが、大樹と留美はヨツバシティを出発するのだった。 「じゃあな真人!」 「おう、またどこかで会おうぜ!」 「今度は私ともバトルしようね!」  真人にも別れを告げ、二人とポケモン達は出発していったのである。  行く先は、キキョウシティへの中間地、ヨシノシティ!  果たしてこの先にはどんな出会いが待っているのだろうか?  次回に続く 次回予告 「何とかヨシノシティに到着した俺達はポケモンセンターで一晩を過ごすことにした、  だけど、そこにまたしてもロケット団が現われ、みんなのポケモンが奪われそうになる。  けど俺達は負けねえ!悪事ばかりやっている連中に相棒は絶対に渡しやしない!  お前らは俺達ポケモントレーナーがみんな片付けてやるぜ!  次回 ポケモンセンターの戦い 」