第7話 バトルロード メリープの新たな力 「メリープ、体当たり!」 「メ〜!」  大樹はポケモンバトルを繰り広げていた。  留美もまた、別の場所でバトルをしているのであった。  ここは通称「バトルロード」と言われ、ポケモンリーグを目指すトレーナーが行き交う道なのである。 「チコリータ、はっぱカッター!」 「チコ!」 「あ〜、俺のバルギーが〜〜!」  彼らにとっては絶交のレベルアップの機会であったため、2人はドンドン力をつけていった。  もともと、ある意味でも初心者である大樹はこの場で色々と学んでいったのだった。 「電気ショックだ!」 「くそ〜〜〜!」  レベルが一気に上がっていくメリープでバトルにも簡単に勝つことが出来た。  押される所もあったが、とにかく2人とも絶好調であった。 「快調だな?」 「うん、このまま向かえばジム戦も勝てるかもね。」 「キキョウジムのリーダーは鳥使いのハヤトだったな。」 「へ〜そうなんだ。と言うより、大樹って詳しいわねそういうの!」 「え、まあな!」  まさかゲームとかでやっていた等とはいえない。  そう思いながら大樹は留美と共に先に進んでいくのだった。  が、他のトレーナーも他にもいたので思うように先には進めないのだった。 「お前、俺達と勝負しろ!」 「おう、受けてたつぜ!」  今度は大樹のように集団で旅をしているトレーナーに会った。  大樹も軽く受けてたつのだったが・・・・             びゅう〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜  突然強力な風が彼らに襲いかかった。 「な、何だこの風は!?」 「は〜はっは!」 「その声は!」  最近よく聞く声が聞こえてきた。  すると、バトルロード上空に一機の気球が現われた。  中には2人の男女が乗っている。 「何だこの風は?と聞かれたら!」 「答えてあげるが世の情け!」(以下省略)  やはりロケット団であった。 「またお前らか。」 「小僧、今日の我らは一味違う、ポケモン吸引マシン(ドレインくん)発動!」 「きゃっ!?あ、私のモンスターボールが!」 「あ、俺のも!」  ロケット団が出した掃除機のような機会が作動すると、物凄い勢いで周囲にいるトレーナーからモンスターボールを奪っていったのだった。  以前にも似たようなものがあったが、あれとは別格のパワーである。 「ポケモンさえいなければあんたらはただの子供!」 「甘いぜ、俺にはまだメリープがいるぜ!」  どうしてか分からない人の為に説明しよう!  このメリープは、さっきのバトルが終わった後も大樹と一緒にいたため捕まらなかったのである。  どうやら、あれはモンスターボールしか吸引できないようである。 「なら、行けサイホーン!」 「岩と地面、なら体当たりだ!」 「サイホーン、踏み付けろ!」 「ホ〜ン!」 「メ〜!」  勝負は簡単についてしまった。  地面タイプには電気が効かないが、ノーマル攻撃も効果は薄いのであった。  サイホーンに踏み付けられたメリープは、そのまま倒れてしまった。 「よくやったサイホーン!」 「それでは〜、このポケモン達はあたしらがもらって行くからね〜♪」 「ま、待て〜!」  去っていくロケット団を追いかける大樹だったが、ロケット段はさっさと去って行ったのだった。 「待て〜!!」 「あ、大樹待って!」  留美も追いかけていくが、ロケット団の気球はあっという間に見えなくなってしまったのだった。  メリープも大樹と一緒に走るものの、ダメージが大きかった為、すぐに疲れてしまった。 「メ〜〜」 「メリープ・・・・」 「ハァハァ、ちょっと落ちつきなさいよ!このまま行っても返り討ちに会うだけよ!」 「だけど・・・・・」  捕まったポケモンにはヒノアラシやワニノコもいる。  このままじゃロケット団の言いようにされてしまう。  けど、今自分の所にいるのはメリープだけ、サイホーンにやられるのがおちである。 「一体どうすれば・・・・・」 「メ〜」  大樹とメリープはとぼとぼと歩いているのだった。  もとの世界に帰るために旅をしているつもりが、こんな目にあってしまうなんて・・  すると、そんな大樹の前に小さな水車小屋が立っていた。 「こんなトコロに水車?水が流れてないのに・・・」 「小川からも離れているしね。」  近くには小川があるにはあるが、とても水車に使えるとは思えなかった。  2人は何気に入ってみると、そこには水車とは関係のない機械が置いてあったのだった。 「あ、これってもしかして・・・」 「知ってるのか?」 「パパから聞いた事があるんだけど、これって昔のわざマシンじゃない?」 「わざマシン?あっ!」  この時大樹は、以前、アニメでも似た物を見たのを思い出した。  詳しいことは、アニメの第5話を見てください。 「メリープ・・・・・・」 「メ〜?」  だが、大樹はしばらく黙りこんだ。  これを使えば強くなれるかも知れない、だけど勝手な都合で無理をさせてはトレーナーとして失格であった。 「メ〜!」 「メリープ!?」  そんな表情をしていた大樹を見て、メリープはとっさに大樹に何かを訴えた。 「お前、やってくれるのか?」 「メ〜!」 「メリープもいいって!」 「よ〜し、やるぞメリープ!」 「メ〜!!」  そして、大樹とメリープの特訓が始まった。 その後・・・・・・・・  その翌日、バトルロードの近くにある森から一機の気球が浮上し始めていたのである。  それは言うまでもなく、ミサキとソウシ、ロケット団の気球であった。 「今回ので汚名返上だな。」 「こいつらを送ればデストさまもお許しになるはず!」 「そして、この中に珍しいのがあれば、最高幹部の望さまからも・・・・」 「でもねえ、今でも思うんだけど、何であんなのが最高・・・」  と、ミサキは話を途中でやめると、地上の方を振り向いた。  そこには、特訓後の大樹とメリープの姿があった。 「ロケット団、みんなのポケモンを返すんだ!」 「ガキ、性懲りもなく来たか!」 「誰が返すものですか、行けデルビル!」 「返り討ちにしてやれ、サイホーン!」  ミサキはデルビル、ソウシはサイホーンを出してきた。  だが、大樹は余裕の表情でメリープに指示を出した。 「10万ボルト!!」 「メ〜〜〜!!」 「「何!?」」  すると、メリープは今だかつてないほどの電撃を放った。  これには相性など関係なく、二匹とも痺れてしまい、有り余った電撃は気球にも当たった。 「きゃ、何すんの!?」 「お、おちるぞ!!」  そして気球はまっ逆さまに墜落し、その際に奪ったボールもおちてしまった。  大樹は素早くボールを取ると、ジロッとロケット団の方を睨んだ。 「お前ら、覚悟は出来てるだろうな?」 「「ギク!」」 「ヒノアラシ、火炎放射!ワニノコ、水鉄砲!メリープ、10万ボルト!」 「ヒノ〜!!」 「ワニ〜!!」 「メ〜!!」  捕まったうらみもあり、勢いよくロケット団に命中した。  そして気球の燃料が発火して、そのまま爆発して吹っ飛んだのだった。 「「やな感じ〜〜!!」」 「やったぜ!」 「メ〜♪!」 「大樹〜〜!」 「あ、留美!」  すると、大樹のほうに手を振りながら留美が走ってきた。  後ろには他の被害者もおり、みんな自分のボールが戻ると、喜びながら二人に礼を言うのだった。  そして、2人はキキョウシティに向かって、再び旅立つのだった。 次回予告 「キキョウシティの近くでうっかりドジッてしまった俺は暗闇の洞穴に落ちてしまう。  そこで俺を待っていたのはユンゲラー!ワニノコで対抗する俺だけど、流石にユンゲラーは強かった。  けど負けるもんか、お前は俺が絶対にゲットしてやる!  次回 暗闇の洞穴でゲットだぜ 」