第8話 暗闇の洞穴でゲットだぜ  キキョウジムを目指し、大樹と留美の2人は今日も旅を続けていた。  あれから数日経ち、もう、キキョウシティは目の前であった。 「え〜と、この様子だと明日にはジムに到着するわね。」 「う〜し、いよいよジム戦だな!こっちには電気タイプのメリープがいるし、絶対にかってやる!」 「私だって、氷タイプのウリムーがいるんだから!」  2人は周りを見ずに口を動かしながら歩いていた。  今日も天気は晴れであり、気分も快調のはずであった。  だが、世の中そんなに甘くはなかった。 「パム〜♪」 「きゃっ!?」 「何だ、って、うわ!?」  突然、真上からイタズラ好きのおながポケモン、エイパムが現われた。  留美はビックリして尻餅をつき、大樹は転んで滑っていった。  そして・・・・・        ゴロゴロゴロゴロ・・・・・・・・!!  さらに地面が崩れだし、大樹は地面と共に落ちていったのだった。 「うわ〜〜〜〜!!」 「大樹〜〜!」  声を掛けた時にもう遅く、大樹は地下に落ちていったのだった。 「ど、どうしよう・・・・・」  と、その時、留美の背後に一人の老人が近づいてきた。 「どうかしましたか?」 「え、あ、友達が地面の下に落ちてしまったんです!」 「何と、まずいですなぁ、ここから落ちたと売れば暗闇の洞穴に行ってしまったかもしれない・・・」 「暗闇の洞穴?」 「とにかく立ち話もなんですから、一緒に来てください。」 「は、はい!」  留美はそのまま老人についていったのだった。  実はこの地帯、岩タイプや地面タイプのポケモンがよくいるので地面が沈むことが多いのである。  そして落ちた人は暗闇の洞穴と言う場所に落ちてしまうのである。 その頃の大樹・・・・・  一方、留美が老人と一緒に歩き出した頃の大樹はというと・・・・ 「メリープ、フラッシュできるか?」 「メ〜!」  辺りがあまりに暗かったため、メリープに明かりを照らしてもらっていた。  周囲には何もなく、あるとしても何かが通った後のような道があるだけである。 「ここって何処なんだ?」  大樹は場所を確認しようと、ポケギアをいじってマップを確認した。 「暗闇の洞穴〜!?どうりで真っ暗なワケだ!」 「ズバッ!」 「うわ、ズバットか?」  明るくなったのに驚いたのか、数匹のズバットがあたりをうろついていた。  他にも、イシツブテなどのポケモン達が辺りにいるのが大樹からも見えていた。 「上には行けそうにないし、自力で出るしかないな。」 「メ〜」 「大丈夫だって、それにまだゲットしてないポケモンもいるし、ここで一気に図鑑を厚くしていこうぜ!」  そして、大樹は野生ポケモンゲットも兼ねて、外に脱出しようと進み始めたのだった。  洞穴の中は思ったよりも広く、大樹も余裕で通れる道でできていた。  中にはイシツブテやズバットの他にもたくさんのポケモンもおり、大樹はどんどん捕まえていった。 「ホーホー、催眠術!」 「ホ〜!」 「今だ、モンスターボール!」  大樹はつちへびポケモンのノコッチをゲットしていた。  あれから1時間くらい経つが、何処まで進んだか本人にもわからなかった。 「は〜、なかなか見えないな〜」  なれない地形を歩いている為か、だんだん大樹もばてて来たのだった。  すると、そんな大樹に何かが近づいてきたのだった。 「ヒノ〜!」 「ん?どうしたんだヒノアラシ?」  本能なのか、ヒノアラシは近づいて来るものの気配を感じていたのだった。  ヒノアラシではない、外に出していたメリープも何かを感じていたのだった。  すると、今度はポケモン図鑑も反応し始めたのだった。 『ポケモン反応あり!未捕獲ポケモン確認!』 「な、何!?」  辺りを注意して見て見ると、何の目の前に光る2つの瞳が現われたのであった。  大樹は驚きながらようくそれを見てみた。 「あ、あれってユンゲラーだ!!」  何と、現われたのはねんりきポケモンのユンゲラーだった!(スゴイ) 「よっしゃ〜、ちょうどエスパータイプも欲しかったんだ!」 「ユン!!」 「メ〜!」 「ヒノ〜!」  すると、いきなりユンゲラーが念力で攻撃して来たのだった。  念力で宙に浮かんだメリープとヒノアラシは地面に叩き付けられたのだった。 「マズ、戻れヒノアラシ!」  素早くヒノアラシを戻した。 「ん〜、エスパーに強いのは虫と悪・・・・・そうだ、行けワニノコ!」 「ワニ〜!」 「ワニノコ、ユンゲラーに噛付くんだ!」 「ワニ〜!」  大樹は虫も悪も手持ちにはいないが、悪タイプの技を使えるワニノコを出したのである。 「ユン!」 「げ、テレポートか!なら水鉄砲!」 「ワニ〜!」  が、動きの素早いユンゲラーはすぐに交わしていくのだった。  ゲームとは違い、ユンゲラーは難関なポケモンであった。 「くそ〜、一体どうすればいいんだ〜?」 「メ〜?」 「メリープ・・・・あ、そうだ!ワニノコ、辺り1面に水鉄砲!」 「ワニ〜〜!」  言われるがままにワニノコは辺りに水を噴射した。  これにはユンゲラーも理解不能であった。 「今だ、いったん下がれワニノコ!メリープ、思いっきりフラッシュだ!」 「メ〜〜〜!」             ピカッ!!  さっき噴射した水に光が反射し、辺りは強力な光に包まれた。  これにはユンゲラーも目を隠すしかなかった。  だが、大樹はそれがねらいであった。 「今だ、10万ボルト!!」 「メ〜!」 「どうだ、水は電気を通すし、これで一石二鳥だ!」  辺りが水浸しなため、いつも以上に効いていた。 「今だ、噛付くんだ!」 「ワニ〜!!」 「ゲラ〜〜〜!!!」  効果は抜群だった。  ユンゲラーはそのまま倒れてしまった。 「今だ、いっけ〜!」  勢いよくモンスターボールを投げると、ユンゲラーは簡単に入っていった。  しばらく抵抗するが、それもすぐに終わり、見事ゲットしたのだった。 「よっしゃ〜、ユンゲラーゲットだぜ!」 「ワニワニ♪」 「メ〜!」 その後・・・・・・  ここはキキョウシティ側の暗闇の洞穴の出口である。   「まだかな〜」 「この洞穴は深いからの〜、子供の足ではきついかもしれん・・・」 「そんな〜」  留美は不安になりながら出口の奥を見ていた。  すると、奥から何か聞き覚えのある声が聞こえてきた。 「お〜い!」 「あ、大樹!」 「ほ〜、この洞穴から出てくるとはやるのぉ。」  全身泥で汚れてはいるが、大樹は無事、洞穴を脱出したのであった。 「あ〜疲れた・・・ん?誰だこの爺さん?」 「ちょっと失礼よ!」 「ほっほ、元気のいい子じゃのぉ。今日はもう遅い、近くのわしの家に泊まっていきなさい。」 「え、いいんですか?」 「かまわんよ、賑やかの方が楽しいからのぉ。」  そして、2人は老人の家で1夜を明かすことにした。  キキョウシティまであとわずかである。 次回予告 「ついにキキョウシティに到着した俺達、留美はすぐにジムに向かったよさき、俺はロケット団の気球を見つけた。  追いかけてついたのはマダツボミの塔、そこには今までとは比べものにならない強敵、  ロケット団幹部のデストが待ち構えていた。  あまりに圧倒的な敵の前に苦戦する前に、英人というトレーナーが現われた。  なんだかきざな奴だが実力は本物だ!  だが、デストのポケモンは圧倒的に強く、英人も窮地に落ちてしまう。  俺達はここで負けてしまうのか、いや、あいつらには絶対に負けるもんか!  次回 マダツボミの塔の危機 」