第11話 ワニノコ進化 対決キキョウジム  ロケット団の幹部の一人デストと戦い、何とか勝つ事ができた3人。  だが、そこに現われた少女、綾奈の事は謎に包まれたままになったのだった。  それはさておき、留美は先にバッチを手にいれ、今日は大樹と英人がジム戦を受けるのだった。 「どわぁ〜〜〜〜〜!!」  何だか騒がしい朝である。  ここはポケモンセンターの宿泊室、さっきの大樹の大声は何だかと言うと・・・              ズコッ!!  大樹がベットから英人の上に墜落したのである。 「痛たたた・・・・・・・」 「痛いのはこっちだ!」 「もう、朝から何騒いでるのよ〜?」  留美も不機嫌そうに起き上がった。  今日は早々から騒がしいのであった。 ポケモンセンター・ロビー・・・・・・・・ 「ハイ、みんな元気になりましたよ。」 「ありがとうございます!」  ジョーイさんからモンスターボールを受け取ると、3人は荷物を持って外に出たのだった。  今日も文句なしのお天気であり、ジム戦にはもってこいであった。 「さ〜て、早速キキョウジムに行くぞ〜!」 「昨日はロケット団のせいで行けなかったっしね。」 「だが、お前は勝ったんだろ?」 「ま〜ね〜、大樹の言うとおりリーダーは鳥使いだったわ!」  留美は昨日ゲットしたバッチを見せながら話していた。  全体が銀色で、翼の形をした「ウイングバッチ」である。 「今日はあんた達も頑張るのよ!」 「わかってるって!」 「ふん!」  大樹は相変わらず乗り気であり、英人もクールであった。  そいして留美の案内のもと、キキョウジムに向かって行ったのだった。 キキョウジム・・・・・・・・  十分くらい経つと、三人はキキョウジムにたどり着いたのだった。  入り口にはウイングバッチを表した模様が刻まれており、いかにもという感じがした。 「うっし、たのも〜〜!」 (何の真似だ?)  誰の真似かは言うまでもないが、大樹は元気よくジムに入っていった。  入った先にはすぐにバトルフィールドがあり、両サイドには観客席も置かれていたのだった。 「今日は挑戦者は元気がいいな。」 「あ、お前がジムリーダーのハヤトか!」 「いかにも、今日はそっちの2人が挑戦者、一緒にいるのは昨日の・・・・」 「留美で〜す!」 「そうか、では始めようか。」  そう言うと、ジムリーダーのハヤトはバトルフィールドに入っていった。  大樹は自分が先に受けようとしたが・・・・ 「まずは俺がやる。」 「なっ!」  英人に先をこされたのだった。 「君の名前は?」 「俺はヨシノシティの英人!」 (え、ヨシノシティ!?)  どうやら、英人はヨシノシティの出身のようである。 「勝負は一対一の一本勝負!」 「のぞむところ!」 「では、行け、エアームド!」 「エアームド!?ならこっちはリザード!」  ハヤトはエアームド、英人はリザードで勝負にでた。  すると、英人の後ろで大樹は昨日の事を思い出していた。 (綾奈って言う女・・・・一体何者なんだ?)  ここだけの話だが、あの綾奈と言うトレーナーこそが、大樹がこの世界に来た謎の答えを握っているのであった。  いや、正確には大樹をこの世界に連れてきた者とつながりがあるのである。  それはさておき、勝負は終盤に入っていた。(ハヤ!) 「リザード、炎のパンチ!」 「エアームド!!」  相性の方がモノを言い、エアームドは倒れた。 「見事な腕前だ!ウイングバッチ、これを大切にしてくれ!」 「ああ。」 「よ〜し、今度は俺の番だ!」  英人もバッチをゲットし、今度はいよいよ大樹の番である。 「勝負はさっきと同じ一対一でいいね?」 「もっちろん!こっちはワニノコだ!」 「ワニワニ!」 「なら、行け、ドードリオ!!」 「えぇ!?」  意外なポケモンが出てきた。  確かに鳥ポケモンだが、まさかアニメみたいにドードリオが出てくるとは・・・ 「ワニノコ、水鉄砲だ!」 「ドードリオ、高速移動!」  ワニノコはどんどん攻めていくが、足の速いドードリオはどんどんかわして行った。 「乱れつき!」 「引っかけ!」  スピードではこっちが不利であった。  ワニノコはどんどん攻撃を受けて行き、このままではダウンである。 「何だかヤバイ?」 「あの馬鹿、電気タイプを出せばいいものを・・・・」  影ではぼそぼそと何かを喋っている。 「マズイ!」 「ワニ〜・・」  ワニノコも息が苦しくなり始めていた。 「ではとどめと行こう、ドードリオ、突進!」 「くっ、出きるかどうかわかんねえけど、冷凍パンチ!!」 「ワニ!!」  一かばちかの勝負であった。  これは小柄なのがきいたのだった。  ワニノコの一撃をくらったドードリオはそのまま吹っ飛ばされた。 「よっしゃ〜!」 「ワニ〜・・・・ワッ!?」 「あ、ワニノコ!」  すると、ワニノコの体が輝き始めたのだった。  今のでレベルが上がり、ワニノコは進化し始めたのである。 「何!?」 「よっしゃぁ〜、ここから追い返しだぜアリゲイツ!」  ワニノコはおおあごポケモンのアリゲイツに進化した。  ワニのこのときになかったその迫力にはドードリオもビビッてしまった。 「水鉄砲だ!」 「ドードリオ、乱れつき!」  今度はこっちのパワーが圧倒し、ドードリオは一撃で吹っ飛んだ。 「今だ、とどめの冷凍パンチ!」 「ゲイッ!!」  冷凍パンチをくらい、ドードリオはダウンした。  そして、少し呆然としたハヤトはドードリオを戻すと、そのまま大樹の所に向かってきた。 「今日は本当に強いトレーナーと戦えて満足した。君も、このバッチを受け取る資格があるみたいだね。」  そう言うと、ハヤトは大樹にウイングバッチを手渡した。  バッチを受け取ると、ギュッと握り締めながら大声で叫んだのだった。 「ウイングバッチ、ゲットだぜ!!」 「ゲイ〜!!」 その後・・・・・・ 「ここからだとエンジュシティが近いけど、今はここからは行けない様だからヒワダタウンに向かうといい。」 「ヒワダタウンか、あそこにはボール職人のガンテツのじいさんがいるんだよな。」 「途中、険しい道もあるだろうけど、君達なら大丈夫だろう、気をつけて旅をしてくれ!」 「ハイ、ありがとうございます!」  ハヤトに別れを告げると、三人はキキョウシティを旅立っていったのだった。  今度の目的地はヒワダジムのあるヒワダタウンである。 「さ〜て、ヨシノシティに向かって出発だ〜!!」 「元気な奴だな。」 「そこがいいのよ!」  そして彼らはヒワダタウンを目指して旅立っていったのだった。  だが、この先にはある一つの運命の出会いが待っていることに、彼らは気づいてはいなかったのだった。  そして・・・・ 「何とか第1関門は突破したみたいね・・・・。」  旅立つ3人の様子を、エアームドに乗りながら綾奈は見ていた。 「何で時空を超えてこれたかはわからないけど、あいつも新しい風のひとつのようね・・・そしてその風は嵐となって世界をも飲みこんでいくのかしら・・・」 「面白くなって来た、なら、『イレブン』を送りこんでやるか・・・・・」  綾奈の隣に、クロバットに捕まった謎の少年がいた。  彼らの言うとおり、大樹たち、新しい風は少しずつ嵐になろうとしていたのであった。 次回予告 「大樹がどじって道に迷った俺達は、途中でウソッキーと言うポケモンに出会う。  何となく俺がウソッキーをゲットすると、その先にはアルフの遺跡がそびえたっていた。  そこで出会ったカントージムリーダーのナツメと遺跡を調べていると、  謎のポケモン、アンノーンと遭遇してしまう。一体、この遺跡には何があるというんだ!?  次回 ナツメとアンノーン 伝説を語るアルフの遺跡  」