第15話 ヒワダタウンの戦い  ツクシとガンテツの案内でヒワダタウンに来た大樹達だったが、  ヒワダタウンはロケット団に占拠されていたのであった。 「僕達の街が・・・・・・」 「しかも街中にいるはずのヤドンもいなくなっとる!」 「ヤドン?」 「あ、あいつらヤドンの尻尾が珍味だから売る気なんだ!」 「なるほど、それにしても何て数なんや・・・・」  雑魚とは言え、ロケット団員の数は半端ではなかった。  街中にはロケット団に怯えている人達の姿がおり、ここからも見えていた。 「ガンテツさん、確かガンテツさんの家には!」 「そや、うちには孫が留守番しとるんや!」 「あ、ちょっと待てよ!」 「待っておれるか!」  大樹の話も聞かず、ガンテツはそのまま街に突入していったのだった。 「マズイ、こうなったら僕らも!」 「世話のかかる爺さんだよな〜」  ぼやきながらも大樹達も街の中に進んでいくのだった。  だが、こんなに固まって動いていて見つからないはずがない。 「あ、あそこにガキどもがいるぞ!」 「捕まえろ!」 「やば!?」  すぐに見つかってしまい、ロケット団員達はポケモンを出して襲いかかってきた。 「任せて、ピジョン、風おこし!」 「ピジョ〜!!」 「「わ〜〜〜〜〜!」」(吹き飛ばされる) 「メリープ、10万ボルト!」 「メ〜!」 「エレキット、雷パンチ!」 「エレ!!」 「ストライク、電光石火!」 「ストライクッ!!」  こっちも負けるまいとどんどん戦い始めた。  いろいろあったため、大樹達の方がレベルが上であった。  しかし・・・・・・・ 「ホホホ、少しは出きるみたいじゃない?」 「誰だ!?」 「フフフ・・・・・」  団員達の中から妙に色っぽい女性が現れてきた。 「私はロケット団幹部のスミレ、あなた達ね?まぬけなデストを負かしたトレーナーというのは?」 「幹部だと!」  何と、団員達を支持していたのは女幹部のスミレであった。  スミレの隣にはざっそうポケモンのクサイハナと、ねずみポケモンのライチュウがいた。 「言っておくけど、私はデストみたいに弱くはないわ。降参するなら今のうちよ。」 「誰が降参するが、行け、火炎放射だリザード!」 「せっかちね、影分身よ。」  すると、クサイハナとライチュウは影分身を使いいくつもの分身を作り出したのだった。  リザードの攻撃も分身にあたり、どれが本体だかわからなくなってしまった。 「さあ、どうするのかしら?」 「だったらウリムー、全体に粉雪よ!」 「へえ、考えたじゃない。」  分身も含めて全体に粉雪が当たると、氷タイプに弱いクサイハナの本体だけ震えたのだった。 「今よ、突進!」 「エビワラー、連続パンチ!」 「あっ!」  すると、物陰からエビワラーが飛び出し、ウリムーを攻撃したのだった。 「氷タイプは格闘に弱いのよ。それと紹介するわね、私のしもべ達を・・・・・」 「なに!?」  すると、スミレは残った三個のボールを投げると、中からポケモン達が出てきた。  ギャラドス、ニューラ、ニドクインと、どれも強そうなポケモン達である。 「それにしてもまだ気づかない?」 「何!?」 「あなた達が私に気を取られている隙に囲まれているってこと。」 「あ!」  スミレの言うとおり、四人はロケット団員達に囲まれていたのだった。  もはや籠の中の虫である。 「ガキども、さっきはなめてくれたな!」 「げ、マズイ!」 「ふふふ、やっちゃいなさい、それにギャラドスも竜の怒り!」 「ギャオ〜!」  周りはロケット団、目の前にはギャラドスが迫ってくる。  が、その時である!」 「ハッサム、メタルクロー!カイリュウ、竜の怒り!」 「何!?」  すると、何処からともなくハッサムとカイリュウが現われ、団員達とギャラドスを倒したのだった。 「い、今の声って・・・・」 「大丈夫かおまえら?」 「あ、あの時の!」  現われたのは釣りの名所で会ったイレブンであった。 「ん、君はここのジムリーダーのツクシだっけ?」 「あ、はい!助けてくれてありがとうございます!」 「礼はいいから、雑魚は俺達が片付けるから、お前らはあいつを倒せ!」 「言われなくても倒すって!」  大樹は元気よく怒鳴った。 「くそっ、なめた真似を・・・・」 「キリンリキ、サイケ光線!」 「あ〜れ〜」 「お前はヴィーナス!」 「そっちは任せたわよ!」  そして、イレブンとヴィーナスはロケット団員達の片付けに入った。  大樹達もまた、スミレの方を強気になって振り向いた。  さっきの一撃でギャラドスは一撃ダウンしており、残りは5匹となった。 「私のギャラドスを倒すなんてね・・・」 「へへ、俺達をなめるなよ!ユンゲラー、念力だ!」 「ふふ、ニューラ、騙まし討ち♪」  これはユンゲラーの方が不利であった。  エスパーの技は悪には通用しなかった。 「相手が悪ならストライク、連続切り!ヘラクロス、角でつくんだ!」 「ストライッ!」 「ヘラッ!」  ツクシもヘラクロスを出して戦い始めた。 「無駄よ、ライチュウ、10万ボルト!」 「こっちも10万ボルトだ!」 「メ〜!!」  だが、メリープの電気はライチュウよりも弱かった為、圧倒されてヘラクロスにあたったのだった。 「ヘラクロス!」 「くっそ〜!」 「うろたえるな・・・・!?」  すると、英人は何かを思い出し、1個のボールを手にしたのだった。 「無駄よ、ニドクイン、のしかかりで痺れさせちゃいなさい!」 「アリゲイツ、水鉄砲フルパワーだ!」 「イーブイ、電光石火よ!」 「クサイハナ、毒の粉で苦しめちゃいなさい!」 「させるか、マグマラシ、火炎放射!」  激しいバトルが続くなか、ついにツクシのストライクも倒れてしまった。  だが、そんな中でも英人は一向に動く様子はなかった。 「ふふふ、そろそろ楽にしてあげるわ。エビワラー、ニドクイン、メガトンパンチよ!」 「「・・・・・」」 「あら、どうしたの?         グラ!  すると、エビワラーとニドクインは倒れてしまった。  そしてそれと同時に空から何かがニューラに向かって落ちてきた。 「今だ、岩落とし!」 「何!?} 「ニュッ!?」  死角を狙われ、ニューラは見事にイシツブテの攻撃を受けたのだった。  そして空にはオニスズメが飛んでおり、英人の隣にはキマワリがいた。 「まさか・・・・」 「油断したな、ニドクインとエビワラーはメガドレインでもう戦えない!」 「そうか、イシツブテはオニスズメに運ばせたのか!」 「そう言う事だ、残りはクサイハナとライチュウのみ!」 「おのれ〜、ライチュウ、高速移動で雷パンチよ!」 「ラ〜イ!」  命令を受けると、ライチュウは高速で動き出し、雷パンチを出してきた。  狙ったのは弱ったメリープである。 「メ!?」 「メリープ!!」  が、攻撃を受けた瞬間、メリープの体に異変が起こり始めた。  なんと、二本足で立ち、雷パンチを手で受けとめたのである。 「こ、これは!?」 「よっしゃ〜、モココに進化したぜ!」  メリープはわたげポケモンのモココに進化したのだった。 「反撃返しだ、マグマラシ、煙幕!モココ、電磁波!」 「マグ!」 「モコッ!」  マグマラシは煙幕で辺りを包みこみ、モココは敵に向かって電磁波を放った。  視界を失ったクサイハナとライチュウは電磁波を受けて麻痺してしまった。 「ちょ、ちょっと何するのよ!?」 「なにもこうもないだろ?」 「お、お前は!」  すると、スミレの前にロケット団員達を倒したイレブンとヴィーナスがいた。  その隣にはカイリュウ、キリンリキに変わってシャワーズがいた。 「お前達、こんな事をしてただで済むと思うなよ!」 「ギク、そんな・・・お姉さんに暴力は・・・」 「あんたはすでにおばさんよ!」  留美の言葉はスミレにダメージを与えた。(精神的に) 「カイリュウ、破壊光線!!」 「シャワーズ、オーロラビーム!!」 「モココ、10万ボルト!!」 「リザード、火炎放射!」 「ピジョン、風おこし!」  大技を一斉に放つと、スミレやロケット団員達に激突した。  そして力と力がぶつかり合って大爆発が起き、そのまま吹っ飛んでしまった。 「いや〜〜〜〜!!」 「ス、スゴイ!」 その後・・・・・・・・  戦いが終わると、怯えていた人達も大声を上げて喜び始めた。  いなくなっていたヤドンも無事にもとに戻り、ヒワダタウンは救われたのだった。  そして、イレブンとヴィーナスは挨拶を言うと去って言ったのだった。 「ありがとう、おかげで街が救われたよ!」 「な〜に、それよりこれでジム戦ができるぜ!」 「今度も勝つわよ!」 「その必要はないよ!」 「「「えっ!?」  すると、ツクシはポケットから三個のバッチを出すと、大樹達に渡していった。  それは、三人の求めるニ個目のバッチ、『インセクトバッチ』であった。 「僕がかなわない相手を倒したんだ、戦わなくても十分渡す資格はあるよ。」 「でも、ジム戦を・・・・」 「バッチはジムリーダーが実力を認めた相手に渡すものなんだ。戦わなくてもいいんだよ。」 「けどよ・・・・」 「不満なら、又何処かで会ったときにバトルをこっちから申しこむから!その時は僕も強くなってるからね!」 「そっか!」  そう呟くと、大樹達はバッチをぎゅっと握り締めたのだった。 「ええライバルができたのぅ!」 「あ、ガンテツの爺さん!」 「ほれ、旅のせん別じゃ!」 「あ、これって特殊ボール!」  ガンテツの渡した風呂敷には特性のモンスターボールが沢山入っていた。 「足りなくなってもわしのポケモンが届けるさかい、心配はあらへん!」 「ありがとうございます!」  そして、三人は一夜をポケモンセンターで過ごすと、次の日旅立っていったのだった。  次に目指すのはコガネジムのあるコガネシティである。 次回予告 「コガネシティを目指して旅をしている俺達はウバメの森に来ていた。  だけど森にはいる筈のない幽霊ポケモンが沢山いて俺のユンゲラーも大苦戦、  そこに、新たな敵の組織「星・覇王神」が現われた。  その圧倒的なパワーに押され、俺達は大ピンチになってしまう。  そんな俺達を、一つの影が見つめていた。一体あいつは何者なんだ!?  次回 ウバメの森と幽霊ポケモン 」