第16話 ウバメの森と幽霊ポケモン  ロケット団の悪事を防ぎ、ヒワダタウンの平和を守った大樹達  ツクシからはインセクトバッチを、ガンテツからは特製のモンスターボールをもらい、コガネシティに向かうのだった。 「あ、お前スピードボール多く取ったろ!」 「いいじゃない、大樹だってヘビーボールたくさんもらったんだし!」 「う・・・・・」 「返す言葉もないな。」 「お前が言うな!お前だってルアーボールやムーンボールとってるだろ!」  三人はガンテツからもらったボールの事でもめ会いながら進んでいた。  ワカバタウンを出発してから一ヶ月以上も経っている。  大樹の目的は自分をここの世界に連れて来たかもしれない『セレビィ』を捕まえる事・・・ 「それにしても暗いわね〜」 「ウバメの森だからな、ここは日中暗いことで有名なんだ。」  そう、彼らはヒワダとコガネの間にあるウバメの森に来ていたのだった。  ゲーム好きで、ここにセレビィの伝説がある事を知っている大樹にとっては避けるわけには行かない場所であった。 「ここを抜ければコガネシティよね?」 「ああ、コガネシティはジョート最大の街だったな。」 (ここにセレビィがいるかな〜?) 「ちょっと大樹!」 「え、何だ?」 「さっきから何ボ〜としてるの?}  留美は怒りながら怒鳴った。(ちょっと日本語変かな?) 「べ、別に〜♪」 「ならいいけど・・・そうだ、大樹ってジムやポケモンに詳しいでしょ?」 「そうなのか?」 「うん、キキョウジムのときもリーダーのポケモンのタイプとか知っていたし!」 「ハハハ・・・・・」  苦笑いをする大樹であった。  まさかマンガやゲームで身につけた知識とは言えない。 「だから、他のジムリーダーのポケモンのタイプ知ってない?」 「ああ、コガネのリーダーのアカネはノーマルのミルタンクとか、たまにニドリーナも持ってるぜ!」 「他のは?」 「エンジュはゴースト、アサギは鋼、タンバは格闘、チョウジは氷、フスベはドラゴンだな!」 「ホントに詳しいんだな。」 「まあな♪」  調子に乗りつつもいつものように振舞う大樹であった。  と、いつもなら順調な旅であったが、何かが変であった。 「ねえ、何かいると思わない?」 「は?」 「だから、何かさっきからこっちを見ているような気がするのよ!」 「別に何も・・・・・待てよ・・・・」 「どうしたんだ?」  すると、大樹はホーホーの入っているボールを手にしてホーホーを出した。 「ホーホー、周囲を見破るんだ!」 「ホ〜!」  すると、大樹達の周りからたくさんのポケモン達が姿を現した。  出てきたのはガス状ポケモンのゴースとゴーストであった。 「ゲゲッ、幽霊ポケモンばっか!」 「おかしいぞ、この森には幽霊ポケモンはいないはず!」 「でも、目の前に・・・きゃあ!襲ってくるわ!」  話し合っている暇などなかった。  無数のゴースやゴーストは一斉に襲いかかってきたのだった。 「やば、ユンゲラー頼む!」 「ちっ、こっちはエスパー技を使える奴はいない、ならリザード!」 「こっちもラプラス、水鉄砲よ!」  森は一変として騒がしくなったのだった。  さいわい、ユンゲラーがいたため、どんどんと倒していくのだが、あまりにキリがなかった。 「ついでにゲットしてやる!行け、モンスターボール!!」 「こっちも!」 「だが、こいつらはキリがない!」  英人の言うとおり、この数はあまりに多すぎである。  流石のユンゲラーもだんだんばててきてこのままではやばいのである。 「なんでいるはずのないポケモンが・・・・・・まさか!」 「まさかって、やっぱり人為的に起きてる事なのか?」 「そうとしか考えられない、こう言うのはロケット団の仕業じゃないのか?」  と、その時であった。  急に森の木々が激しく揺れ始めたかと思うと、いきなり突風が起きたのだった。  その突風はガス状のゴース達をも吹き飛ばして行き、そのまま渦を巻いて大気達の前に集まってきた。 「ロケット団などと一緒にするとはな・・・・・・」 「だ、誰だ!?」  すると、風の渦の中から一人のマントを見に着けた男が現われた。  隣にはよなきポケモンのムウマがいた。 「ムウマ、サイコウェーブ!!」 「な、うわ〜〜〜!!」 「わぁ〜〜〜!!」 「きゃ〜〜〜〜!!」  ムウマの攻撃を受け、彼らはそのまま気絶した。  幸い、嫌な予感を感じていたのでポケモン達はボールの中である。  そして、どれくらいの時間が経ったのだろう・・・・ 「起きろ!」 「う・・・・・・・?」  気がつくと、三人は大勢の集団に囲まれていた。  体は鎖で縛られて身動きができない。 「な、何なんだお前らは!」 「我らは『星・覇王神』!」 「星・覇王神!?」 「我らはこの世の頂点に君臨するために作られた最強の組織、それをロケット団などと一緒にするとはな。」  なんと、相手はロケット団ではなかった。  これには大樹もどきもを抜かれたのであった。 「本当ならほおっておくつもりだったが、我らを侮辱したからにはタダではすまない!」 「何だと!?」 「鎖をはずしてやれ!」 「ハッ!」  男が命令すると、部下と思われる男が鎖をほどいた。 「我らの強さを知った元で消えるがいい!行け、ポリゴン2!!」 「ポリゴン・・なら、ニドリーノ、にどげりだ!」  男はバーチャルポケモンのポリゴン2を出すと、大樹はニドリーノで勝負に出た。  だが、効く筈のにどげりは効果がなかった。 「く、テクスチャー・・・・」 「その通り、相手の技の苦手なタイプを張り付ければ怖くはない、もっともやる必要もなかったがな。」 「なめやがって!」 「フフフフ・・・・・・・・・・」  だが、男は未だに本気を出しはしないのだった。  そして時だけが過ぎて行き・・・・・・・・・ 「トライアタック・・・・」 「ベイリーフ、かわして!」  そして、あっという間に大樹達のポケモン達は倒されていったのだった。  ベイリーフもトライアタックを受け、もう残っているのはイシツブテだけであった。 「マグニ・・・」 「サイケ光線!」 「イシツブテ!!」 「ここまでだな・・・」  あまりに圧倒的であった。  もはや望の時よりも大きな壁が彼らの前に立ちはだかっていたのだった。  しかし、それ以前に気づくべき事に誰もが気づきはしなかった。  森の中から彼らを見つける影があることに・・・・ 「破壊光線!!」 「わぁ〜〜〜〜!」  と、その時であった。 「コウ〜〜〜〜〜〜〜!!!」  突然、森中に大きな雄叫びが響き始めた。  プログラムのはずポリゴン2も、その雄叫びに動きを止め、破壊光線は不発に止まった。  そして、森の上空にいきなり雷雲が現われたのだった。 「こ、これは!?」 「一体なんなんだ!?」  すると、それは雷と共に現われたのだった。 「コ〜〜!!」 「あ、あれは!」 「まさか、伝説のポケモン、ライコウ!?」  寅のような体に雨雲をせおいし伝説のポケモン  現われたのはエンテイの同じ、伝説のポケモン、ライコウであった。                  ピカッ!!  ライコウは雷を落とすと、星・覇王神はその爆発で木々に吹っ飛ばされた。  そして、ライコウは大樹達を背中に乗せ、物凄い速さでどこかに消えていったのだった。 「逃がしたか・・・だが、次は逃がさん・・・・・・」 そして・・・・・・・ 「お爺さん、あそこに誰か倒れてますよ!」 「これは・・・・とにかく家にいれよう!」  1時間後、三人は老夫婦に発見されたのだった。 次回予告 「育て屋夫婦に助けられた私達はそこでお礼にお手伝いをする事にやることにしたわ。  そして、ついに到着コガネシティ、そこでスイクンを追っているミナキという人に出会い、  さらにエンジュジムのリーダーのマツバにとも出会い、大樹はジム戦を挑む事に!?  果たして、大樹はマツバに勝つ事ができるのかしら?  次回 育て屋のタマゴ コガネシティの伝説 」