第17話 育て屋のタマゴ コガネシティの伝説 「ん・・・・・・ここは・・・・・・」 「大樹・・・・・・?」 「ここどこ?」  気がつくと、大樹達は見覚えのない所にいた。  下は畳にしかれた布団であった。  部屋自体も和風の作りである。 「あら、目が覚めましたよお爺さん!」 「おお、目が覚めましたか?」 「???」  部屋に老夫婦が入ってきて余計訳がわからなくなった。 「あの・・、ここは?」 「ここは育て屋じゃ。」  説明中・・・・・・・・ 『そうか、とにかく無事で何よりだよ!』  大樹はオダワラ博士に連絡をかけていた。 『エンテイに続いてライコウにまで助けられるなんて、これも運命なのかな?』 「さあ・・・とにかくまた後で連絡します!」  そして電話を切った。  すると何処からともなくいい匂いがしてきた。 「さあさ、遠慮なく食べていきなさい。おかわりもたくさんありますから。」 「すみません、助けてもらったのに食事まで・・・・・」 「ええのよ、久しぶりに賑やかになるにゃから・・・・」  大樹達は老夫婦が用意してくれた料理を食べ始めた。  こんな風にして食事をするのは三人とも久しぶりである。 「どうしたんだ英人?」 「あ、いや・・・・いいもんだな・・こういうのも・・・」  その時の英人の表情は本当に幸せそうであった。 その後・・・・・  食事を済ませた後、三人はお礼に育て屋の手伝いをすることにした。  なんと、最初にそれを持ちかけたのは英人なのである。 「すご〜、いろんなポケモンがいるわ!」 「ホッホッホ、昔はわしらもトレーナーだったからのう、今もポケモンと一緒にいるのが幸福なんじゃよ。」 「ふ〜ん。」  そして数時間くらい手伝うと、老夫婦は大樹達に何かを持ってきた。 「手伝ってくれた御礼じゃ、受けとってください。」 「あ、これってポケモンのタマゴ!」 「あなたがたのようなトレーナーなら元気のいいポケモンがうまれますよ。」 「あ、ありがとうございます!」  大樹達はポケモンのタマゴを受け取ると、育て屋を後にしたのだった。  そして数分もしないうちにコガネシティに到着したのである。 「スッゲェ〜、都会なんてはじめてだぜ!」 「私もよ、こんなに高い建物がたくさんあるなんて〜!」  みんな初めての都会におおはしゃぎである。  しばらく歩いていくと、遠くにラジオ塔が見えてきた。 「そういや、ラジオ塔は古い塔を元にして造られたんだってよ!」 「へ〜、それじゃあエンテイやライコウにも関係があるかもね!」 「ライコウ?ああ、ウバメの森で助けてくれたポケモンか!」  と、三人がエンテイとライコウの話をしていると民衆の中から一人の青年が彼らに近づいてきた。  服装は蝶ネクタイに派手なかっこうである。 「君達、ライコウにあったのか?」 「え、あんた誰?」 「これは失礼、僕はミナキ、伝説のポケモンを追っている者だ!」 「ミナキ・・・・・あ、もしかしてスイクンハンターでエンジュのジムリーダーと親しい!?」 「ふ、僕の名もそこまで有名になっていたとは・・」 (いや、それは違う・・・・)  突如として現われたミナキという青年、なんだかちょっと妄想しやすそうな人である。 「あ、もしかして私達がエンテイとライコウに会ったからスイクンにもあったのかと思ったんですか?」 「エンテイにもあったのか!・なら話の場所を変えよう!」 「え、あ、はい!」  ほとんど強引に話を進められてしまった。  そして、一同はコガネシティの広い公園で今までの経緯を話した。 「なるほど、スイクンに会ってはいないようだが今後あうかもしれないね・・・」 「は、はぁ・・・・・・」  かってに予想しているミナキについて行けなかった。 「実は、このコガネシティにも伝説が残っているのは知っているかね?」 「そうなのか?」 「伝説・・・・あ、ラジオ塔か!」 「そう、昔、ラジオ塔になる前の塔には伝説の鳥ポケモンが舞い降りたと言われているんだ。」 (鳥、つまりホウオウかルギアだな。) 「その伝説のポケモンの名はホウオウ!」 「え!?」 「誰?」  一同が話している中、一人の青年が割りこんできた。  年はミナキと同じくらいだと思われる青年は、ゲンガーと一緒に現われた。 「あ、あんたまさか、エンジュジムのリーダー!!」 「「えぇ!?」」 「ふ、紹介するよ、僕の親友でもある・・・」 「マツバだ!」  何と、ミナキと一緒にいたらマツバも現われた。 「ふ、君もこの町に来ていたとわね。」 「この町のリーダーに呼ばれていたんだ。」 「つまりアカネに・・・あ、だったらここでジム戦してくれないか?」 「ちょ、ちょっと大樹!」 「俺は別にかまわないさ、バッチもいくつか持ち合わせているし、君がいいなら受けて立つが?」 「上等だぜ!」  かくして、強引なことながらエンジュジムのマツバとのジム戦が始まったのだった。  相手はゴースト使い、ユンゲラーのいる大樹には勝機のある相手である。 「使用ポケモンは三体、それでかまわないな?」 「文句はない、こっちの1番手はホーホー、行けぇ!」 「なら、行け、ゴースト!」  最初に出したのはホーホーであった。 「ゴースト、ナイトヘッド!」 「ホーホー、交わして見破れ!」  持ち前のスピードで交わし、ゴーストに『見破る』を使った。  これで物理攻撃も通用する。 「突ついてやれ!」 「なら、影分身!」 「あ!?」 「今だ、10万ボルト!」 「しまった、交わすんだ!」  影分身で交わされ、さらに10万ボルトを使われてしまった。  飛行タイプには不利な技に、大樹はあせってしまう。 「交わしたか、流石によく育ててある。だが、もう一度は・・・」 「泥かけ!」 「何!?」 「今だ、スピードスター!」  油断している隙に泥掛けを分身にもかけ、その反応で本体を見破った大樹は一気に攻撃に入った。  もろに受けてしまったゴーストはそのまま倒れてしまった。 「泥かけはゴーストが苦手なタイプの技だったの思い出したぜ!」 「そっか、ゴーストは毒タイプも持ってるんだったわ!」 「いい腕だ、なら、今度はゴース!」  今度はゴースを出してきた。 「言っておくが、このゴースはさっきのよりも強いからな。」 「上等、ホーホー、見破るんだ!」 「あまい、サイコキネシス!」 「あ!」  ゴースのサイコキネシスをくらい、ホーホーはそのまま空から落ちてしまった。 「ホーホー!」 「バトルでは油断したら負けてしまう。」 「く・・・くそぅ・・・・・」 「とどめだ、ナイトヘッド!」 「ホーホー!!」  大樹がホーホーに向かって叫んだその時であった。  ホーホーの体が・・・・         ピカッ! 「これは・・・・!」 「まさか・・・・・」(ミナキ) 「進化よ!」  大樹の心が通じ、ホーホーの進化が始まった。  そして、ホーホーはふくろうポケモンのヨルノズクになった。  そして、すぐに飛びあがってナイトヘッドを交わした。 「ようし、ホーホー、フルパワーで念力だ!」 「ホ〜!」 「しまった!!」  一気に勝負に入り、ヨルノズクは念力をフルパワーで放った。  もろに攻撃を受けたゴースはそのまま倒れてしまった。 「戻れ、なら・・行け、ゲンガー!」 「ご苦労さん、戻れヨルノズク!それじゃあ、行け、ユンゲラー!」 「な!?」 「サイケ光線!!」 「くっ、シャドーボール!!」  お互いに強力な技をぶつけ合った。  どっちも引きそうになかったが、わずかな差からサイケ光線が圧倒した。 「よ〜し、イッケ〜〜!!」 「ゲンガー!!」  強力なサイケ光線を受け、ゲンガーは一撃でダウンした。 「ふ、君には負けたよ。さあ、このファントムバッチを受け取ってくれ。」 「ありがとうございます!ファントムバッチゲットだぜ!!」  予定外な場所でマツバに勝ち、三つ目のバッチをゲットしたのだった。  残りはこれで5個である。  すると、そこに誰かがやってきた。 「いい勝負やったであんたら!」 「誰!?」 「あ、もしかしてコガネジムのリーダーのアカネ?」 「そや、うちがコガネのリーダーのアカネや!」  エンジュのリーダーの次はアカネが現われたのだった。   次回 「アカネに誘われて来たのはコガネシティ名物の『バトルドーム』だった。  ここには今だかつてない強豪が集まってきて俺達もてこずってしまう。  くそ〜、こうなったらここで強くなってやる!そして特訓を続けていると、  そしてしばらくするとカントーとジョートから沢山のジムリーダーがやってきた。  ようし、レベルアップした俺達の力を見せてやるぜ!  次回 ジムリーダー集結 バトルドームの戦い 」