第19話 望再び コガネジムの戦い  バトルドームで特訓した大樹達はついにアカネとのジム戦を受ける事になった。  ここで勝てば三人ともバッチが五個集まる事になる。(留姫はシジマの後にカスミ、英人はカスミの後にエリカと戦った) コガネジム・・・・・・  アカネは主にノーマルタイプを使ってくる。  各地のジムリーダーが見守る中、大樹とアカネのバトルが始まった。 「行け、ユンゲラー!」 「ほなうちはピクシーや!」  最初はユンゲラーとピクシーの対決である。  お互い攻撃力は低いものの、その他の数値はどっちも高い。 「ピクシー、転がるんや!」 「だったら金縛りだ!」  転がってきたピクシーを金縛りで止めた。 「よし、サイケ光線!!」 「アンコールや!」 「あ!?」  アンコールでユンゲラーはまた金縛りを使ってしまった。  このままでは決定的な攻撃ができない。  そしてやっとの事で金縛りが終わると・・ 「ピクシー、シャドーボールや!」 「だったら穴を掘るんだ!」 「しもうた!」  いつの間にかいろんな技を習得していたらしく、ユンゲラーは穴を掘って隠れた。  だが・・ 「あまいわ、ピクシーは耳がええんや、隠れても音で丸わかりや!」 「じゃあ、何であせってたんだ?」 「ギクッ!!」 「こう言う事だろ、ユンゲラー地面の下から念力だ!」 「気づかれもうた!!」  これを恐れていたのである。  これでは交わし様がなく、ピクシーは念力を受けてしまった。 「今だ!」 「こうなったら、指を振るんや!」  一かばちかの作戦であった。  だが、そのままユンゲラーは地中から飛び出し、ピクシーを攻撃した。 「よっしゃぁ、まずは・・・・・あ、ユンゲラー!?」 「たすこうたわ・・・・」 「あ、道連れ・・・・・」  どうやら、道連れが出たらしく、ユンゲラーもダウンした。 「ほな、最後はミルタンクや!」 「だったら、アリゲイツ!作戦どおり頼むぜ!」 「おもろい、だったら自慢の転がるをくらってみぃ!」  ミルタンクが全速力で転がってくる。  すると、アリゲイツは地面に向かって水鉄砲を発射した。  これはどう言う事なのか、ギャラリーはさっぱりであった。 「何やってんのよ、狙うのはミルタンクでしょ!」 「まあ見てろよ、ああ言う技は地形が悪いと崩れやすいんだ。」 「あ、あ!!」  大樹の言うとおり、水鉄砲でフィールドが凸凹になり、ミルタンクは態勢を崩してしまった。  これにはみんなびっくりである。 「ミルタンク!!」 「今だ、噛付くんだ!!」  ミルタンクはアリゲイツに噛付かれダウンした。  アカネはショックでダウンした。 「いや〜、ミルタンク〜〜!!」(泣) 「そうだった、こいつは泣くんだった!」  負けたのがショックでアカネは泣き出した。  これには他の面々も言葉が出なかった。 数分後・・・・・・・・・ 「うちの負けや、レギュラーバッチあげるわ。」 「あ、ああ・・・・・・」 「じゃあ、今度は私の番ね!」  そう言って今度は留美がフィールドに入ろうとした。  だがその時! 「へ〜、ここがコガネジムか〜!」 「ん、挑戦者か?悪いけど、先客がいるんや!」 「って、お前は!」 「あ、久しぶりだネ、みんなおそろいでジム戦?」  これには大樹も留美も英人もビックリである。  なんとやってきたのは・・・・・ 「なんや、あんたらの知り合いか?」 「知り合いもなんも、あいつはロケット団の最高幹部の望!ボスの息子だ!!」 「なんやて!」  そう、釣りの名所であった望であった。  これには他のリーダー達もびっくりである。 「一体、ここに何しに来たんだ!」 「何って、ジムに来たんだからジム戦に決まってるじゃない。」 「おもろい、ここでうちが勝ったらロケット団の残党はみなびびってまうな。」 「そうかもね、じゃあ、ジム戦やってくれる?」 「もちろんや、留美はん、悪いけど待っててくれや。」 「は、はい。」  そして、望VSアカネのバトルが始まるのである。  みんなこの勝負には興味津々である。 「じゃあ、僕の1番手はウインディ!」 「あ、あの時のガーディが進化したのか!」 「だったら、うちはプクリンや!」  望はウインディ、アカネはプクリンで勝負が始まった。 「プクリン、雷パンチや!」 「だったら火炎車♪」  早かった、プクリンの攻撃はほとんど意味がなく、そのまま倒れてしまった。  やはり、その実力は圧倒的であった。 「ほな、今度はニドリーナや!」 「こっちも、行けデリバード!」 「ニドリーナ、雷や!」 「あたらなきゃ意味ないよ、プレゼント♪」  簡単に雷を交わすと、どんどんプレゼントで攻撃していった。  一発の威力は小さいものの、何度も受けているうちにニドリーナもダウンした。 「そんな、ロケット団に・・・・」 「じゃあ、バッチをもらうよ♪」 「・・・規則は規則や、レギュラーバッチや・・・」 「ありがとね♪」  いつもの事ながら、こんな無邪気な感じの望が幹部だとはとても思えないのだった。  そして望がジムを後に使用とすると・・・・・・ 「待てよ、せっかく会ったんだからこの前のリベンジバトルをしようぜ!」 「あ、そう言えば大樹が負けたんだったね。」 「待て、あいつは強すぎるぞ!」 「そんなの昔の事だろ、今は今だ!」 「別にかまわないよ、まだ時間があるし。」  そして、非公式ながら(?)、釣りの名所以来の望と大樹のバトルが始まった。  なお、負けたアカネはミカンの膝元で泣いていた。 「行け、モココ!」 「進化したんだ、だったらサンダース!」  電気と電気の勝負である。 「わたほうし!」 「無駄だよ、ミサイルばり!」  サンダースのミサイルばりはわたほうしを貫きモココに!  だが、それは命中しなかった。 「へぇ、影分身か?」 「まだまだだ、スピードスター!」 「電光石火!」 「くっ!」  激しいバトルが続く中、やはり望の方が強かった。 「戻れ、今度はマグマラシ!」 「こっちも、ドンファン!」  次はマグマラシとドンファンである。  相性では圧倒的に不利ではありが・・・ 「ドンファン、転がる!」 「見切って岩砕き!」  見きりで交わし、そのまま岩砕きをくらわした。  ドンファンにも効いたらしく、そのまま態勢を崩してしまった。 「本当に強くなったね、だったら・・・・・」 「まだまだ、煙幕!そして・・・・・」  勝負が盛り上がってこようとしたその時・・・・・           ピピピピピ・・・・・・・・・・・  望が腰につけていたポケベルが鳴り始めた。 「あ、ゴメン!時間だからここまでだね、戻れドンファン!」 「あ、待てよ!」 「じゃあ、また今度勝負しようね〜♪」  そう言うと、望はコガネジムを後にしていった。  一同は呆然としながら立っていた。 「何だったんだ・・・・・・・・」 「それより、あの子が本当にロケット団の最高幹部なの?確かに強いけど・・・・・」 「確かに、あの者の目は大樹達と同じ目をしておった。とても悪しき者とは思えぬ。」 「何か理由があるんだろう・・・・」  ジムリーダー達もいろいろと口論していた。  だが、この時誰も気づいてはいなかった。  望が去って行ったのはロケット団がある計画の準備を整え、今にも動こうとしていることを意味していた事に・・・・ 次回予告 「コガネシティを後にし、俺は大樹達と自然公園に来ていた。  そこでは虫取り大会が開かれていて、さらにイレブンとヴィーナスも大会に参加していた。  俺も参加する事にしたが、俺達が虫取り大会に参加している内にジョートではロケット団が動き出そうとしていた。  一体、これから何が起きようとしているんだ!?  次回 虫取り大会 動き出す悪の影 」