第20話 虫取り大会 動き出す悪の影  望が去ってから数日後・・・・・ 「あ、あそこが自然公園か〜!」 「よかった〜、何とか大会に間に合ったわ!」  三人はコガネシティを出て自然公園に来ていた。  目的はここで行なわれる「虫取り大会」に参加するためである。 「やば、もうすぐ申しこみ時間が終わってしまうぞ!」 「急ぐぞ!」  大樹達は急いで大会の受付に向かって行った。  すると、そこでちょっと懐かしい二人に会った。 「お、久しぶりじゃないか!」 「あ、あんたは!」 「イレブン、それにヴィーナスじゃないか!」 「あら、ヒワダ以来ね♪」  いたのはイレブンとヴィーナスであった。 「もしかして、イレブンも・・・?」 「ああ、優勝賞品の『太陽の石』が欲しくてな。」 「げ、何だか苦戦しそう〜」  それもそうである。  何せ、釣りの名所では望のカメックスを一撃で倒すほどの実力者なのだから、大会に出るとなるともう〜 「それより、さっさとお前らも登録したらどうだ?」 「そうだった!」 「じゃあ、また後でね♪」 「ハイ!」  そして受付を済ませると、三人はパークボールを受け取った。 「もうすぐ大会開始だな!」 「一体どんなのがいるんだろうな?」 「確か・・・あ、ストライクやカイロスもいたはずだぜ!」  と、そうこうしているウチに開始時間になった。  だが、その時ジョートでは何かが動いていたのだった。 エンジュシティ・・・・・・  大会が始まったのと同じ頃、エンジュシティのスズの塔では・・・・ 「へぇ、ここがホウオウの伝説が残るスズの塔ね〜。」  そこにはロケット団の幹部、ヒワダタウンにいたスミレがいた。  スミレは沢山のロケット団員を引き連れていた。 「ここは私がやるから、あなた達は焼けた塔に行ってなさい。」 「ハイ!」  それと、あのミサキとソウシもなぜかここにいた。  どうやら無事だったようである。 チョウジタウン・・・・・・・・  そして、チョウジタウンの北部にある「いかりの湖」では幹部のデストがいた。 「システムの調子はどうだ?} 「問題ありません!」  デスト達は巨大なアンテナのような機械を湖の前に設置していた。  湖にはコイキングがたくさんおり、デストはそれを不気味に笑いながら見ていた。 「あのガキども、目に物見せてくれる!」 コガネシティ・・・・・・・  そして、数日前まで大樹達がいたコガネシティには、あの望がまだ残っていた。  望のそばにはたくさんの団員達がおり、エンジュやチョウジとは比べものにならないほどであった。 「さあて、準備もできたしやるかな!」  そう言うと、望はラジオ塔の方に進んでいった。  何を企んでいるのかは分からないが、何だか嫌な予感がするのであった。 「・・・・・この計画が成功したら・・・・・」  すると、望は身につけていたペンダントを開き、中にある写真を見ていた。  写真は幼い子供と大柄の男が隣り合わせでうつっていた。 (父さん、どこにいるの?)  悲しい表情をするなか、望はラジオ塔に向かって行った。 自然公園・・・・・・・  そんな事も知らず、大樹達は大会に集中していた。 「ニドリーノ、毒針!!」 「ニド!」 「今だ、いっけ〜!」  大樹は野生のバタフリーと戦っていた。  持ち前の腕で、すぐにバタフリーはゲットできた。 「よっしゃ、これで優勝だ!」 「調子はどう?」 「あ、ヴィーナス!」  そこに、ヴィーナスがやってきた。  隣にはあわはきポケモンのシャワーズがいた。 「ヴィーナスもゲットしたのか?」 「まあね、その様子だと調子はいいみたいね?」 「ああ、面白いようにゲットできるから図鑑もたまっていくし・・・」 「そう・・・・・・」 「あ、そう言えばお前らは何者なんだ?」 「さあね。」 「さあねって・・・・・・・・・」  すると、そこで時間がきれてしまった。  公園中に終了の放送がながれると、参加者達は受付のあった所に集合した。  そして結果発表・・・・・ 「では、今大会の成績を発表します!」 「いよいよだな?」 「入賞してるかな?」  大樹達もドキドキである。 「まず第3位、パラセクトを捕まえたヴィーナスさん!」 「あいつか・・・・」 「次に第2位、ヘラクロスを捕まえたイレブンさん!」 「ま、実力だな!」 「そして第1位、アリアドスを捕まえた英人さんです!」 「俺か!?」  何と、予想外にも英人が優勝したのである。  ちょっと照れながら表彰台に上った英人は、賞状と太陽の石をもらった。 「ま、勝負は勝負、俺達の負け・・・・・これは!!」 「どうしたんだ?」 「お前ら、自分のポケギアのラジオを聞いてみろ!」  イレブンに言われて三人がラジオを聞いてみると・・・・ 『・・・はロケット団・・・・・・・ジョ・・・・・は我らが占拠した!』 『すでにエンジュとチョウジ、そしてコガネは我らの中継基地と化した!』  聞いた事のない声が流れていた。 「ど、どうなって・・・あ、あいつらラジオ塔を!」 「そのようだな、しかも、その後にエンジュやチョウジの事も出ている。」 「じゃあ、あの時の望もこの為に勝負を捨てていったってこと!?」 「そうに決まっているだろ!」  大樹が怒鳴る中、イレブンはボールからカイリュウを出した。  さらに出したのは・・・・・ 「出て来いプテラ!」 「プ、プテラ!?」 「一体何処でゲットしたの?」 「それは言えねえが、とにかく俺とヴィーナスはエンジュとチョウジに向かう!」 「だったら俺達も!」 「馬鹿言うな、向かうのは敵のど真ん中だぞ!」 「そんなの最初からわかってる!」  しばらく二人の口喧嘩が始まった。  そして出た答えは・・・・・ 「しょうがない、俺のウインディを貸すからお前はコガネシティに迎え!」 「じゃあ、私はエンジュシティに!」 「俺はチョウジタウンに向かう1」 「決まったな、この様子だと主力はコガネにいる。早く片付いたらコガネで合流するぞ!」  話がまとまり、大樹はウインディに乗ってコガネシティに、  英人とイレブンはカイリュウでチョウジタウンに、  留美とヴィーナスはプテラに乗ってエンジュシティに向かう事になった。 「じゃあ、いきなり負けるなよ!」 「負けるかよ、それよりお前の方こそ負けんなよ!」 「何言ってるんだ、俺の強さは分かってるだろ?それに・・・・・・」 「?」 「俺には物凄い切り札がある!」 「あ、そ!」  イレブンの切り札が何かは次回でわかる。 「じゃあ、コガネシティで!」 「行ってくるね大樹!」 「ああ、向こうで待ってるぜ!」  そう言い残し、彼らは分かれていった。  そして、大樹はコガネシティで望との決着をつけることになるのであった。 次回予告「俺はイレブンといかりの湖にむかうが、そこにはデストが待ち構えていた。湖では強制進化させられたギャラドスが暴れていて、俺はなかなか思うように戦えない。そんな中、イレブンは団員たちを一気に倒すべく、切り札と言っていたとてつもないポケモンを出してきた。あれは、もしかして伝説のポケモンなのか!?  次回 炎のファイヤー いかりの湖の対決 」