第21話 炎のファイヤー いかりの湖の戦い  ロケット団の本格的な襲撃により、三人は分かれて行動することにした。  英人はイレブンと共にチョウジタウンに向かっていた。 「くっ!!!!!!」 「我慢しろ、これでもまだいい方なんだぞ!」  初めて乗るカイリュウのスピードに英人は大変だった。  ポケモン至上最速のカイリュウのスピードは生半可ではなく、空気抵抗も凄まじかった。 「よし、もうすぐチョウジタウンだ!」  流石にカイリュウは速く、あっという間に到着してしまった。  だが、とうのチョウジタウンにはロケット団員はいなかった。   「カイリュウ、冷凍ビーム!!」 「わ〜〜〜〜!」  イレブンの手によって少数の団員達は氷漬けになってしまった。 「この様子だと奴らはここにはいないようだな。」 「じゃあ、何処にいるんだ?」 「この辺で奴らが悪事をやりそうなのはジムの他に・・・いかりの湖か!」 「ああ、ギャラドスの住処の・・・まさか・・・!」 「とにかく行くぞ、速くカイリュウに乗れ!」 「う!」  そして、英人はまたしてもカイリュウに乗って生と死の間をうろつくのだった。  どうやら絶叫物は苦手らしい。 「うわ〜〜〜!」 「少しは黙ってろ!」  少しあわれであった。 いかりの湖・・・・・・・・・ 「ぎゃお〜〜〜〜〜!!」 「な、どうなってるんだ!?」  到着してみると、湖は大変な事になっていた。  湖のあちらこちらにギャラドスが暴れており、「ハイドロポンプ」や「破壊光線」を出していた。 「いくらなんでも多すぎる!」 「しかも目がいっちまってる!」  もはや正気と思えない表情をしていた。  すると、二人の所に大勢の黒尽くめの男達がやってきた。 「やはり来たか、それに新顔もいるようだな?」 「お前は、ロケット団幹部のデスト!!」 「ほう、覚えていたか?」  英人はデストの姿を確認すると、素早くボールに手をかけた。  すると、イレブンが英人の前に立ち、デストに質問をし始めた。 「あのギャラドス、強制進化させたのか?」 「なっ、強制進化だと!?」 「察しがいいな、いかにも、あれは我らの技術によって進化したギャラドスだ!コイキングから育てなくても簡単に進化したのだ!」 「ふざけるな、お前は生き物を何だと思ってるんだ!」 「ふ、そんな綺麗ごとには興味はない、今はキキョウでの恨みを晴らすだけだ!」 「!!」  デストは素早くボールを投げ出し、中からサンドパンを出した。  他の団員達もまた、それぞれのポケモンを出し始めた。 「どうやらあいつはお前にようがあるようだから、俺は雑魚の片付けでもするか。」 「ああ、あいつには俺もかりがある!あいつとは俺が戦う!」 「そうか、じゃあ、始めるとする?」  そう言うと、それぞれの戦いに入っていった。 「行け、キマワリ!」 「ふっ、サンドパン、毒針攻撃!」 「交わせ、はっぱカッター!」 「またそれか?地面に潜れ!」  キマワリの攻撃をかわすと、サンドパンは地中に隠れた。  そして、態勢をかえる前にキマワリに攻撃したのだった。 「乱れひっかき!」 「戻れ、オニドリル!オウム返し!」 「なら、ゲンガー、10万ボルト!」 「オウム返し!」 「少しは腕を上げたか、だったらブーバー、炎のパンチ!」 「くっ!」  あきらかに以前よりも強かった。  オニドリルはダメージを受けると、すぐにボールに戻した。  そして次に出したのは・・・・ 「行け、イシツブテ!」 「そんな石ころで勝てると思うのか?」 「見かけで判断するなよ、マグニオチュード!!」  今回はマグニチュード8であった。  そして地面が大きく揺れると、サンドパンとブーバーは地面に叩き付けられた。 「今だ、岩落とし!」 「ゲンガー、冷凍パンチ!」 「イシツブテ!」 「シャドーボール!!」  次々に大技を出され、頑丈なイシツブテも限界であった。 「レアコイル、モルフォン、ウツボット!!」 「マズイ・・・・・・!」  デストは手持ち全てを出すと、その特有の表情を出した。  と、その時・・・・           ピカッ!! 「あ!」 「何っ!?」  窮地の中、イシツブテの進化が始まったのだった。  そして、イシツブテは岩石ポケモンのゴローンに進化した。 「ちっ、もうすぐだったというもの!」 「よし、ゴローン、転がる攻撃!」 「ゴロ〜!!」 「くそっ!」  転がっていくゴローンにぶつかると、ブーバーはダウンし、ついでにモルフォンもダウンした。   「ウツボット、痺れ粉!」 「リザード、火炎放射!」 「ゲンガー、ナイトヘッド!」 「チョンチー、スパーク!」  激しいバトルが続く中、ウツボットとゲンガーにダウンした。  残っているのはレアコイルとブーバー、そしてサンドパンである。 「レアコイル、電磁波で麻痺させろ!」 「無駄だ、ゴローン!」  ゴローンには電気タイプの攻撃は意味がなかった。  レアコイルはゴローンの攻撃を受けてダウンした。 「ちっ、ブーバー、炎のパンチ!」 「エレキット!雷パンチ!」 「くそっ、サンドパン、乱れ引っ掻き!」 「チョンチー、水鉄砲!!」  激しい戦いの中、残りもばててきた。 「火炎放射!」 「岩落とし!」 「毒針攻撃だ!」 「これでお終いだ、キマワリ、メガドレイン!!」 「ば、馬鹿な!!」  ダメージを受けていたキマワリも、サンドパンのエネルギーを吸い取って元気になった。  長い戦いの中、ついに英人が勝ったのだった。 「くそっ、またしてもガキに・・・・!!」 「お前のような命を命と見ない奴に俺は負けねえよ!」 「くそっ、覚えていろ!」  デストはさっさと逃げていった。  そして、イレブンの方はというと・・・・・ 「ウインディ、しんそく!!」 「な、何て強さだ!」  全く心配の必要がなかった。 「数だけは半端じゃないか・・・・だったら、出て来い、バンギラス!!」 「な、バンギラスだと!」  何と、、イレブンはよろいポケモンのバンギラスも持っていたのだった。  この迫力のあるポケモンには団員達もビックリしていた。 「破壊光線!!」 「わ〜〜〜〜〜!!」  一気に数が減ってしまった。  だが、それでもまだ数は沢山いた。 「じゃあ、最後はこいつで決めるか!出て来い!」 「あ、あれは!!!!!!」  ロケット団員達はみんな声を失ってしまった。  なんと、イレブンが出してきたのは・・・・・・ 「熱き灼熱の翼、ファイヤー!!」 「で、伝説のポケモンだと!」  何と、イレブンは伝説と言われる「ファイヤー」を持っていたのだった。  もはや勝負は完全についていた。 「これで終わりだ、炎の渦!!」 「わぁぁぁぁ〜〜〜〜〜〜!!」  団員達はこの一撃でみんな空の星となって消えていったのだった。  そして、英人もイレブンの元にやってきた。 「お互い勝ったようだな?」 「ああ、けど、まさかファイヤーを盛ってたとはな。」 「実力のうちさ、まあ、ギャラドスを静めたあいつも同じ事を言えるけどな?」 「あいつ・・・・・、な、ギャラドスが湖に戻っていく!」  見てみると、湖に設置してある機械は氷漬けにされていた。  そのせいでギャラドスも正気に戻り、湖に戻っていった。 「一体誰が?」 「わしじゃ。」 「誰だ?」 「あの爺さんはチョウジジムのリーダー、ヤナギだ。」 「ジムリーダー!?」  機械を壊したのはジムリーダーのヤナギであった。 「それより、今はコガネシティに向かうのが先決だぞ!」 「そうだったな、って、まさかまた乗るのか・・・・・・」  そして、チョウジの危機を救った二人はコガネシティに向かって行ったのだった。  ただし、英人だけはその前に死にかけていたのだった。 「わぁ〜〜〜〜〜〜〜〜!!」 「五月蝿い!!」 次回予告「エンジュシティに来た私は、そこでロケット団幹部のスミレと戦うことに、あんなやな女に負けるわけにはいかないわ!そんな中、スズの塔に一匹のポケモンが私達を見ていた。あれはもしかして伝説のポケモンなの!?けど、今はこの女を倒さないと、そして早くコガネに向かわないと!  次回 女の戦い 留美VSスミレ 」