第22話 女の戦い 留美VSスミレ  英人とイレブンがいかりの湖に到着したのと同じ頃、こっちの二人もエンジュについていた。 「ここが伝説の残るエンジュシティ・・・・・・・・」 「そう、この町にはホウオウやスイクン、エンテイにライコウの伝説があるのよ。」  そんな街も、今ではロケット団員達に占拠されていた。  特にスズの塔と焼けた塔の周辺には大勢の団員達がいた。  この事から、奴らのエンジュでの目的は・・・・ 「あいつらの目的は伝説のポケモンね!」 「伝説のポケモン!?」 「そう、スズの塔にはホウオウ、焼けた塔にはスイクンやエンテイが!」 「その通りだ!」 「あ、マツバさん、それにミナキさんも!」  留美とヴィーナスの元に、疲れ果てたマツバとミナキがやってきた。  どうやら二人が来るまで戦っていたようだが、それも限界のようである。 「大丈夫!?」 「ああ、迂闊だった、まさかあいつらの中にあれほどの実力者がいたとは・・・・・・」 「とにかく、ここは私達に任せて!私は焼けた塔の方に行くから留美ちゃんはスズの塔に!」 「あ、はい!」 「気をつけろ、スズの塔には奴らの司令塔がいる!」 「分かりました!」  二手に分かれて行動することにした。  そしてスズの塔に向かった留美は・・・・・ 「たか〜い、これがスズの塔・・・・・・・・」  留美は高く聳え立つ塔に魅了されていた。  すると、そこに一人の女性が近づいてきた。 「どうかしら?ホウオウの伝説の残るスズの塔の感想は?最も、これは新しく建てられたものですけどね。」 「あ、あんたはヒワダタウンにいた女幹部!!」 「フフフ、今度はあの時のようにはいかないわよ!」 「こっちだって、特訓して強くなったんだからね!」 「そう、なら始めましょうか?」  周囲には団員達の姿は見られなかった。  だが、この時二人ともある気配には気づきはしなかった。  スズの塔の影で何かがいる気配に・・・・・・ 「まずはラフレシアよ!」 「進化したのね、だったらピジョン!」 「フフ、まずは毒の粉、そして花びらの舞よ!」 「させないは、電光石火!!」  だが、相手に突っ込むさいに花びらの舞をくらい、多少ながらダメージを受けてしまった。  そして、花びらの舞を使ったラフレシアは混乱し始めた。 「フフフ、小娘にしては良い上達ぶりと言った所かしら?けど、その程度では勝てないわよ。」 「ふん、年増のおばさんに言われたくはないわ!ピジョン、翼で打つのよ!」 「年増!!小娘め、ラフレシア、苦い木の実で回復、そして日本晴れ!」  混乱が治ると、ラフレシアの上空は良いお天気になった。 「ソーラービーム!!」 「こらえるのよ!」 「耐えらるかしら?」  日本晴れを使ってソーラービームを出しまくられ、ピジョンはどんどんダメージを貯めて行った。  だが、ピジョンはこれを耐えぬいたのだった。 「た、耐えた!?」 「それだけじゃないわよ、『いかり』も使ったからパワーは上がってるわ!」 「し、しまった、ラフレシア、ソーラービーム!」 「無駄よ、ピジョン!ものまねでこっちもソーラーピーム!!」 「ピジョ〜!!」  ものまねでソーラービームを放ち、それはラフレシアも勝ってそのまま撃墜した。  流石に、ラフレシアはこれで倒れてしまった。 「ふ、まだまだよ、いきなさいエビワラー!冷凍パンチよ!!」 「戻ってピジョン、今度はエーフィ、サイケ光線!」 「高速移動!」 「くっ!」  高速移動で攻撃をかわされてしまったが、未来を読むエーフィもエビワラーの攻撃をかわした。 「マッハパンチ!」 「電光石火、そしてスピードスター!」 「甘いわ、カウンター!!」 「しまった!」  カウンターで攻撃を反射され、エーフィは地面に叩き付けられた。  そしてさらに攻撃は続いた。 「爆裂パンチ!」 「戻ってエーフィ、今度はベイリーフ!」  エーフィを戻すと、今度はベイリーフを出した。 「炎のパンチよ!」 「ツルのむち、そして毒の粉!」 「しまった!」 「そしてそのままのしかかり!!」  毒を受けたエビワラーにそのままのしかかり、エビワラーは倒れた。  これで残りは4体である。 「次はギャラドス、竜の怒り!」 「交わして、そしてはっぱカッター!」  そのまま激しい攻防は続いていった。  ギャラドスは「竜巻」も使ってきたが、難なく交わしていって倒す事ができた。 「フフフ、小娘にしてはなかなかね。」 「そっちこそ、年増のおばさんのわりにはいい腕をしてるじゃない?」 「何ですってこの幼稚体系!!」 「低能ばばぁ!!」  次第に激しい口喧嘩になっていった。 「もう〜手加減はしないわ、行きなさいイワーク!」 「だった、行きなさいラプラス!!」 「岩落とし!!」 「冷凍ビーム!!」     イワークを出していたが、ラプラスはあっという間に凍らせた。  留美のポケモン達は、みんな見違えるように強くなっていたのである。 「小娘なんかに・・・!!ライチュウ、10万ボルト!!」 「戻って、今度はガラガラ!!」  次に出したのはガラガラであった。  バトルドームの特訓でカラカラが進化したのである。 「骨ブーメラン!!」 「捨て身タックル!!」  技と技の大激突であった。  そして勝ったのは・・・・・ 「戻りなさい、あ〜もう一体しか!!!」 「勝負あったわね!」 「ふ、何言ってるの?行きなさいニドクイン、破壊・・・・・」 「ウリムー、地震!!」 「な、何でそんな大技を!?」  最後はウリムーの地震で決まった。  相性の事もあり、一撃でニドクインは倒れたのだった。 「私はウリムー達と一緒に頑張ったわ!だからウリムーもその思いに答えてくれたのよ!」 「思いに答えた?馬鹿馬鹿しい、そう言うのはドラマだけにしてくれないかしら?」 「そう言うと思ったわ、今のあんたには理解できない事くらい・・・・・」 「ホントにくだらないわね!」 「全くだ!」 「な、なんなの!?」  そいつらは、スズの塔の屋根の上にいた。  久しぶりにあいつらが出てきたのである。 「何なの?と聞かれたら!」 「答えてあげるが余の情け!」 「組織の栄光築くため!」 「我らの天下を作るため!」 「影から柱を支える!」 「逆転ホームランな敵役!」 「ミサキ!」 「ソウシ!」 「スズの塔を制するロケット団の二人には!」 「あ〜らドッキリ、虹色の明日が待ってるぜ!」  長いセリフであったが、ミサキとソウシの二人が現われたのである。  が、留美はそれをあきれながら見ていた。 「またなの・・・・」 「またなのじゃない!あの時はよくもやってくれたわね!」 「おかげで海の藻屑寸前だったんだぞ!」 「あ、そ・・・・・」  あいつらなら生き延びている、と考えていた留美であった。 「とにかく復讐よ、いきなさいヘルガー!パルシェン!」 「行け、ケンタロス!サイドン!!」 「し、進化したの!?」  復讐の炎はマジであった。  信じられないが、こいつらのポケモンも進化していたのである。 「ヘルガー、火炎放射!!」 「ケンタロス、突進だ!」 「あ、じし・・・・」  が、相手の方が明らかに早く、ウリムーはヘルガーの炎とケンタロスの突進を受けてしまった。 「これで済むと思うなよ!」 「パルシェン、復讐のオーロラビームをやってあげなさい!」  と、パルシェンが攻撃をしようとしたその時であった。  スズの塔の影にいたそのポケモンはついに動き出したのである。 「ク〜〜〜〜ン!!」  その雄叫びでパルシェンはひるんでしまった。 「な、何なのこの雄叫びは!?」 「あ、スズの塔の頂上だ!!」 「あ、あれはまさか!!」  ロケット団達はみんなビックリしていた。  留美も反射的に頂上を見てみると、そこには水晶のように綺麗なポケモンがいた。 「何、あのポケモン?」 「で、伝説のポケモン、スイクン!!」  そう、彼らの前に出てきたのは伝説のスイクンであった。  だが、それは別として、スイクンは何だか怒っているようである。 「あれは捕獲するしかない!」 「捕まえれば戦力アップ!ヘルガー、噛付いておやり!」  が、その瞬間、スイクンの頭部の水晶が光ったかと思われると、そこから物凄い「オーロラビーム」が発射された。  そしてスミレも一緒にロケット団は吹っ飛んでしまったのである。 「「やな感じ〜〜〜〜!!」」 「いや〜〜〜!!」  そして星になった。  ロケット団がいなくなると、スイクンは再び去ろうとしていた。 「あ、待ってスイクン!なんで、何であなた達は私達を助けてくれるの?」 「・・・・・・・・・」 「私達はただのトレーナーなのに、エンテイやライコウ、そしてあなたも何で・・・・・」 「・・・・・・・・」  スイクンは何も答えずに去って行ったのだった。  すると、そこへヴィーナスもやってきた。いっしょにマツバやミナキもいた。 「スバラシイ、あれこそ伝説のスイクン!」 「やっぱり、あなた達は彼らに気に入られているみたいね。」 「え、あ、それより団員達は!?」 「大丈夫、みんな片付けたわ。」  その通り、焼けた塔の付近には誰もいる気配はしなかった。 「それよりも、今はコガネシティに向かわないと!」 「そうだったわ!」 「だったら私のネイティオに任せて、テレポートですぐに行けるわ!」  流石にプテラでは乗せられないため、精霊ポケモンのネイティオを出した。 「ネイティオ、私達をコガネシティに!」 「ティオ!」  そして、テレポートで一同はスズの塔の前から消えたのだった。  残るはコガネシティ、そこに何が待っているのかはわからない、だが、何かが待っているのだ。 「・・・・・・・・・」 「・・・・・・・・・」 「・・・・・・・・・」  そして、留美達が消えていったのを、遠くから彼らも見ていたのだった。  エンテイ、ライコウ、そしてスイクンが。 次回予告「ついに到着したコガネシティ、だがそこはロケット団によって完全に隔離されていた。アカネ達の協力で進んでいく中、英人や留美とも合流する。残るはラジオ塔にいる望だけだ!今度こそ、あいつと決着をつけてやるぜ!だが、そんな俺達を影から追ってくる一つの影があった。あいつは一体何も何だ、今、ラジオ塔で運命の戦いが始まる!  次回 決戦はラジオ塔 コガネシティ大激突!! 」