第24話 決戦! 大樹VS望 「火炎放射!!」 「交わせ、念力だ!」 「火炎車!!」  ウインディが炎を纏い、ヨルノズクは交わしながら攻撃していく。  ついに、この二人の戦いの火蓋が切っておとされたのだった。 「進化してもこっちが上だよ!」 「甘いな、お前、ヨルノズクの技を忘れてないか?」 「何!?」  その時、ウインディは攻撃を当てる事もなく倒れてしまった。  いや、いびきを掻きながら眠っているのである。 「催眠術!?」 「今だ、悪夢!!」 「ホ〜!」 「甘いよ、イビキ!!」 「めざめるパワー!!」  技と技がぶつかり合った。  そして、その反動もあり、ニ体は動じに倒れてしまった。 「まずはドローだな?」 「へ〜、ホントに強くなってるんだ。だったら、ドンファン!転がる!!」 「アリゲイツ、水鉄砲!!」  以前は相手に圧倒されてはいたが、今度は違っていた。  アリゲイツの水鉄砲はドンファンの転がるを押していたのだった。 「そのままイッケ〜!」 「負けるなドンファン!!」  ドンファンも負けじと押していった。 「くそ、当たる前に冷凍パンチ!!」 「だったらじたばた!!」 「しまった!」 「ダメージを受けていた方がいい場合もあるんだよ♪」 「だったらユンゲラー!」  今度はユンゲラーを出してきた。  すると、ドンファンはダメージを受けているのに再び転がり始めた。 「念力!!」 「マズイ、戻れドンファン!次はゴルバット!!」 「毒タイプを出すのか?」 「遠隔攻撃ならこっちも得意だよ!ゴルバット、怪しい光!」 「やば、テレポートで交わせ!」 「屋内じゃ交わせないよ!」  望の言うとおり、ここは広くても屋内であったので交わす事ができなかった。  そして光を浴びたドンファンはそのまま混乱してしまった。 「ああ!」 「噛付くんだ!!」  「噛付く」は悪タイプの技だったので効果は抜群であった。  だが、そのショックでユンゲラーは正気に戻った。 「自己再生!!」 「いつまでもつかな〜?」 「くそっ!」  確かにこのままでは時間の問題であった。  戻すにも、ゴルバットは「黒い眼差し」も使えるので到底戻せそうになかった。  と、その時・・・・ 「大樹!!」 「あ、英人!そっちは?」 「何とか片付いたぜ、留美もアカネ達の所にいっている!」 「仲間が来たみたいだね?でも、来ても勝ち目はないよ!」 「・・・ゴルバットか・・・・・」  すると、英人はポケットからある物を出した。  それは、大樹も留美も持っているポケモン図鑑であった。 「あ、英人も持っていたのか!?」 「話は後だ、とにかくユンゲラーを戻すんだ、そのゴルバットは黒い眼差しは使えない!」 「え、そうだったの!?」  図鑑で相手を調べた英人はすぐにゴルバットの技が分かった。  そして・・・・ 「大樹、お前も図鑑を出してユンゲラーを往復通信するんだ!」 「え、わかった!」 「なるほどね、別にかまわないから早くやったら?」 「こいつは〜〜〜〜!!」  怒りながらも、大樹はユンゲラーを戻すと、図鑑を通して英人と通信交換した。  交換すると、英人は再び通信して往復させた。 「やれ、今度は勝てるぞ!」 「サンキュウ!行け、フーディン!!」  今の通信で、ユンゲラーはフーディンに進化したのだった。 「だったら、メガドレイン!!」 「サイコウェーブ!!」 「あ〜、ゴルバット!!」  い、一撃であった。  ゴルバットは倒れ、望はボールに戻した。 「やるじゃん!だったら、デリバード!!」 「モココ、わたほうし!!」 「吹雪きで吹き飛ばすんだ!」 「10万ボルト!!」  吹雪きと10万ボルトが大激突すると、物凄い爆発が起きた。  その爆発によってその階のガラスは割れ、天井も吹き飛んでしまった。  しかも、都合よくモココにも変化が・・・・ 「くっ!!」 「やるね・・・・ん?」 「モココ、もしかして・・・・!」 「進化だ、モココが進化するんだ!!」  そして、ついにモココは最終形態、デンリュウに進化したのだった。 「今だ、フラッシュ!!」 「リュ〜!」 「しまった、デリバード!?」  物凄い光を発し、一瞬ではあるがデリバードは目がくらんでしまった。  その隙を大樹は逃さなかった。 「10万ボルト!!」 「しまった!!」  デンリュウの攻撃は命中し、デリバードはダウンした。  これで残るのは2体である。 「そんな・・・・何でデリバードも・・・・」 「だからお前が弱いんだよ!」 「僕は・・・・・くそ、サンダース!!」 「ニドリーノ!」  戦いが終盤に入って来た。  が、その頃、ラジオ塔の入り口では大変な事が起きていた。 ラジオ塔入り口・・・・・ 「お、お前は!!」 「何であんたがここにいるのよ!?」 「・・・・・・・・」  ラジオ塔の前にはジムリーダーが集結していた。  その中には、さっきまでいなかったフスベのジムリーダー、イブキの姿もあった。 「お主、なぜ今になってここに来た。」 「・・・・ここに望がいるんだな?」 「だったらどうなのよ!あんた一体誰よ!?」 「ま、待ってください留美さん!この人はかつて、私達と同じカントーのジムリーダーだった人です!」 「え・・・?」  そして、しばらく説明が続くと、留美は驚きを隠せなかった。  男は何度も問い掛けられたが、そのままラジオ塔に入っていった。 そして・・・・・ 「ハァハァ・・・・・・・」 「あと・・・一体・・・・・」  こっちでは終盤を迎えていた。  お互いのポケモンもあと一体ずつとなっていた。 「でも、こいつには勝てないよ!カメックス!!」 「後は任せたぞ、マグマラシ!!」 「炎タイプじゃカメックスには勝てないよ、カメックス、バブル光線!!」 「電光石火!!」 「高速スピン!!」 「マグマラシ!」  やはり望のカメックスは強かった。  だが、ここまで来て負けるわけには行かない、  その気持ちは、大樹もマグマラシも同じであった。 「やっぱり僕が強いんじゃない!」 「それは、自分が寂しいのを隠すためにいってるんじゃないのか?」 「さ、寂しくなんか・・・・、水鉄砲だ!!」 「いい加減、本心をはけよ!マグマラシ、火炎放射!!」  炎と水がお互いにぶつかり合った。  わずかにカメックスの方が圧倒しつつあるが、マグマラシも懸命に押していった。 「イッケ〜!」 「負けるなカメックス!」 「カメ〜!!」 「マグ!・・・・・マ!?」  その時、炎を出しながらマグマラシに異変が起きていた。 「マグマラシ・・・まさか!?」 「進化!?」  マグマラシの体はどんどん変わって行き、ついに最終形態に進化したのだった。  かざんポケモンのバクフーンである。 「進化した、よし、バクフーン!火炎車で決めろ!!」 「させない、高速スピン!!」  両者ともにこの一撃で勝負を決めるのだった。  そして・・・・・・ 「や、やっと最上階や!」 「あ、英人、勝負は!?」  下にいた者達も集まってきた。  もちろん、謎の男も一緒に・・・・・・  そしてバトルの方は・・・・・ 「・・・・・・・・・」 「カ・・・・・」 「カメックス!!」 「大樹の勝ちだ・・・・・・」  勝負は大樹の勝利で終わっていた。 「や、やったぜバクフーン!!」 「バク〜!!」  大樹はバクフーンに抱きつきながら叫んだ。  望はショックで落ちこんでいる。  そこに、一人の男が望に近づいてきた。 「何で・・・何で負けたんだ・・・・・・」 「それは、お前が弱かっただけだ。特に心がな・・・」 「え・・・・・・・」  男の声を聞いた望むは瞬時に声の主の方を向いた。  そこには、望にとって懐かしい人が立っていた。 「と、父さん!!」 「大きくなったな望・・・・・」 「と、父さん〜〜〜〜〜!!??」  そう、この男はロケット団の首領にしてトキワジムの元リーダー、サカキである。  そして、望の探していた父親でもある。 数分後・・・・・・・・・・・・ 「父さん・・・・・・・・」  望は涙を流しながら父親に抱き着いていた。  英人達は大樹から全ての事情を聞き、望も全てを話したのだった。 「じゃあ、あの人か望の父さんなのか?」 「ええ、あの人は元トキワジムリーダーであす。」 「けど、何で3年前から行方不明だったんだ?」  すると、サカキは大樹達の方を向きながら話し始めた。 「3年前のあの日、マサラのトレーナーに敗れ、私は一人修行の旅に出た。あの少年との戦いで、今まで見失っていた何かに気づいたからだ。」 (あの少年?ああ、レットか!) 「だが、その犠牲として望の心を迷わせてしまったようだな。」 「グスッ、いきなりいなくなって・・・・僕は・・・僕は・・・・・・。ごめんなさい!!」  望は泣きながら一同に頭を下げた。  そして、さかきはジムリーダー達の所に行き・・・ 「理由はどうあれ、私はロケット団の首領、望のためにも自首するつもりだ。だが、望には猶予をあげてやって欲しい。」 「ええ、あなたの気持ちはわかってます。形はどうあれ、あなたも子供を愛する父親なのですから。」 「うむ、あの小僧はこれから世の中を見て罪を償わせるのが1番じゃ!」(シジマ) 「それに、一緒にいてくれる人もいるしね♪」(カスミ) 「ふっ!」  それを聞くと、サカキは大樹達の方を振り向いた。 「君達には本当に感謝する。」 「え、そんなぁ、やったのは大樹の方よ!」 「そうだな。」 「あ、まあな・・・・・」  大樹は照れながらいった。  それを見ると、サカキはふっと笑い、くっ付いている望をそっと近づけた。 「・・・不服かもしれないが、これから望と一緒にいてやってはくれないか?」 「父さん・・・・でも、僕は・・・・・・」 「いいぜ!」(この間、0.1秒)  即答であった。  これには意外だったためか、サカキも望もビックリであった。 「旅は道連れって言うだろ、だったら一緒に旅をしようぜ!」 「大樹がいいなら私もいいわよ♪」 「過去はこだわるんじゃなく乗り越えなきゃな!」 「みんな・・・・・・・」  今度は嬉し涙を流す望であった。  だが、そこに・・・・・ 「所詮はガキだな!」 「誰だ!」  突然、大樹達の前に一人の男がやってきた。  男の隣にはさいみんポケモンのスリーパーがいた。 「お前はライキ、なぜお前が!」 「ふ、所詮あんた達は捨て駒だな!」 「!?」 次回予告「突然現われた幹部のライキは望を捨て駒と言い、自分が新たな首領だと宣言した。そして、テレポートで一同を焼けた塔に連れてくると、一気に襲いかかってきた。そんなとき、エンテイ・ライコウ・スイクンが現われ、それと同時に焼けた塔に異変が起きる。そして、その異変に巻きこまれた大樹と望は予想外なことに・・・・・・  次回 焼けた塔の伝説 時空を超えた2人 」