第26話 俺の世界の戦い  伝説のポケモンの力によって、俺は元の世界に戻ってきてしまった。  そこで、世界中に俺と一緒に異世界に行った子供が沢山いることを知った。 朝・・・・・・・・・・ 「あ、大樹!久しぶりじゃねえか!」 「お、隆史(タカシ)!」 「お前どこに行ってたんだ?」 「さあな・・・・」  帰ってきた翌日、いざこざがあったが、大樹は元の生活に戻りかけていた。  学校に行くと沢山の友達が大樹に駆け寄ってきて、いろいろと質問攻めをしてきた。 「あ、ホントに大樹なの!?」 「お、久しぶりだな利奈!」  そこに、大樹の幼馴染の少女、利奈がやってきた。  先に話しかけてきた隆史も含め、この三人は幼稚園からの幼馴染なのである。 「ホントに久しぶりんだな!」 「ああ、それにしてもこんなに学校をサボれるなんていいな〜」 「まあね〜〜いろいろ楽しいし・・・・」 「ん?いろいろって、覚えてないんじゃないのか?」 「え、いや〜〜〜〜・・・あ、もうすぐ始業だ!」 「マジ!?」  何とか誤魔化すと、大樹は駆け足で校舎に入っていった。  向こうの世界に来るまでは大樹もただの小学五年生である。 「元の生活か・・・・・・・・」  何だか複雑な気分であった。  さて、その頃の向こうの世界は・・・・・ 焼けた塔・・・・・・・ 「大樹・・・・・・」 「留美くん、昨日から寝てないんじゃないのか?」  留美の所にミナキがやってきた。  あれから1日が経つものの、留美はずっと焼けた塔にいるのであった。 「一体何が起きているのだろうな・・・・」  目の前には大きな渦のようなトンネルができていた。  大樹と望むはここを通って行ったのである。 「向こうでマツバがいろいろ調べているから、何かがわかったら知らせに来るよ。」 「ありがとうございます・・・・・・」 数時間後・・・・学校前・・・・・・・・ 「あ〜、終わった終わった!」  学校の授業も終わり、大樹達は下校しようとしていた。  この後は望の所に行き、今後の事を相談する予定である。 「うわ、あれみんなお前を撮りに来てるのかよ?」 「げっ、そうみたいだな。」  学校の校門の所にはたくさんのマスコミ軍団が待ち構えていた。  空にもヘリがたくさん飛び回っており、とても逃げきれそうになかった。 「う〜ん、どうやって抜けるか・・・・・」 「裏道通るか?」 「って、そこはせんこうに塞がれてるだろ!」 「そうだった!」  そこに、利奈がやってきた。 「ねえ、久しぶりに一緒に遊ばない?」 「え、悪い、今日はダメなんだ・・・って、それを抜けなきゃどの道無理だって!」 「そう・・」  何だか悲しそうであった。  すると、そんな彼らの耳に大きな叫び声が聞こえてきた。 「うわ〜〜〜〜〜〜〜!!」 「ん?」  これにマスコミ達も反応し、即座に声のする方向を振りむいた。  そこには、大きな袋を積み上げたどこかで見た事のある気球が浮かんでいた。 「げっ、あれはまさか・・・・・・・・」 その頃の望・・・・・・ 「あの気球は!?」  窓から気球を見つけると、素早く服を着替えた。  そしてモンスターボールを掴むとそのまま病院を出ていった。 「あ、出て行ったらダメよ!」 「ごめんなさい!」  看護婦を振り切り、望は気球のある方に向かって行った。 そして・・・・・ 「ハ〜ハッハ、この街の金目の物は我らが頂く!」 「命が惜しければ黙って言う事を聞きなさい!」  気球には物凄く嫌な二人組が乗っていた。  信じられない事だが、ミサキとソウシである。 「な、何であいつらが・・・・・」 「大樹の知り合い?」 「・・・・・・」  これには街中が大騒ぎになり・・・・・  いや、そこにいたテレビ撮影の班により、全国ネットで生中継になっていた。  さらに飛んでいるうちにソウシが大樹の存在に気づいた。 「おい、あそこにいるのは・・・・・」 「あ、あの生意気な小僧!!」  しかもスピーカー入りであった為、周囲の者達は大樹の方にも注目した。  大樹はマズイと思いながらも、二人に向かって叫んだ。 「何でお前らがいるんだ!!」  すると、気球のスピーカーからお馴染みのテーマソング(?)が流れてきた。 「何でお前らがいるんだ!と聞かれたら!」 「時空を超えたんだ!と言うのが世の情け!」 「世界の破壊を防ぐため!」 「世界の平和を守るため!」 「愛と真実の悪を貫く!」 「ラブリーチャーミーな敵役!」 「ミサキ!」 「ソウシ!」 「時空を超えるロケット団の2人には!」 「ハイパーミラクル、未知なる明日が待ってるぜ!」  一同は呆然としていた。  マスコミ達は騒ぎ出し、子供達もざわつき始めた。 「ロケット団って、コスプレか?」 「じ、時空を超えた?って事はどこかに入り口があるのか!?」 「あんたには関係ないでしょ!」 「ある!」 「とにかく、ここであったが100年目、今まで我らの邪魔をしてくれた恨み、ここで晴らしてくれる!!」  スピーカーから流れていた為、みんななんだと騒ぎ始めた。  そして気球が学校の近くまで来ると、二人はモンスターボールを投げ出した。 「ゲッ、こんな所で!!」 「「行けっ、サイドン!パルシェン!」  大樹の前にサイドンとパルシェンが現われると、余計に全国が騒がしくなった。   なんせ、空想だと思われたポケモンが目の前にいるのだから・・・ 「スゲ〜、本物のポケモンかよ!?」 「利奈、隆史、危ないから下がってろ!」 「え、お前は・・・・」 「手加減はしないぜ、サイドン、乱れつきだ!」 「ド〜ン!」  サイドンが襲いかかってきた。  そして、大樹は覚悟を決めると、大勢が見る中でポケモンを出した。 「行け、アリゲイツ!」 「ゲイゲイ!」 「スッゲ〜〜〜!」 「アリゲイツ、水鉄砲!」 「くっ、だったら角ドリル!」 「パルシェン、オーロラビーム!」  つのドリルで水鉄砲は拡散され、そこにオーロラビームが襲いかかる。 「2匹の共通の弱点は『格闘』、だったらニドリーノ!にどげり!」 「サイドン、角でつけ!」 「パルシェン、バブル光線!」 「アリゲイツ、サイドンに冷凍パンチ!」  激しいバトルが続いていた。  そんな中、草葉の陰から何かが大樹の戦い振りを見ていた。 「・・・・・」  それが何かはすぐにわかる・・・・ 「サイドン、地震!」 「やば!」 「ニドリーノは地面タイプの技に弱い!」 「戻れニドリーノ!」 「オーロラビームよ!」  激しい戦いの中、大樹は押されていった。  昨日のことでポケモン達にも疲れが溜まっているのである。 「一気に決めるぞ、ケンタロス、突進だ!!」 「ンモ〜〜〜〜〜!!」  このままでは流石に分が悪いのであった。  それとは別に、周囲の人達はポケモンバトルに夢中である。 「カッコイ〜〜!」 「ポケモンって本当にいたんだ〜!」  大樹の苦労も知らずに・・・・  と、そこに何かが近づいてきた。 「ウインディ、竜の怒り!!」 「アオォ〜〜!!」 「「何〜〜〜〜〜!?」  突如、目の前にウインディが現われ、サイドンに「竜の怒り」をくらわした。  これにはどっちも驚き、ウインディを見てみると。 「望!」 「やっぱりおされているみたいだね?」 「ゲゲ、あの話は本当だったのか!?」 「まずいわ、行きなさいヘルガー!火炎放射!!」 「ウインディ、火炎車!」  やっぱりヘルガーは強く、ヘルガーは攻撃を受けてしまった。 「サンダース、ミサイル針!!」 「や〜〜〜〜!」  サンダースのミサイル針で気球に穴が開いて気球は大樹の前に墜落した。 「くそっ、ケンタロス、破壊光線!!」 「フーディン、念力だ!」  念力で破壊光線の方向が変わり、ケンタロスが浴びてしまった。  そしてさらにアリゲイツが水鉄砲で敵をいっか所にまとめた。 「おい、お前達!」 「覚悟はできてるよね?」 「「そんな〜、かくごだなんて・・・・・・・」」 「デンリュウ!」  大樹はデンリュウを出すと、サンダースと一緒にロケット団の前に立った。  そして・・・・ 「「10万ボルト!!」」 「リュ〜〜〜!!」 「サ〜〜〜!!」  そして気球の燃料が爆発してロケット団は吹っ飛んだ。 「「やっぱりこうなるのね、やな感じ〜〜〜〜!!」」  星になって消えていった。 「ホントによく吹っ飛ぶな〜!」 「死なないもんだね、普通ならないと思うのに♪」 「そりゃそ〜だな♪」 「あ、それよりもポケモン達が疲れているから『眠る』で回復させないと!」 「そうだった!出て来い、バクフーン、ヨルノズク!」 その後・・・・・・・・・・ 「ちょっと待ちなさい!」 「バクフーン、さっさと行くぜ!」 「フ〜ン!!」  あれからと言う者、バクフーンに乗って家に帰り、荷物を取って出発したのだった。  言うまでもなく周りの者は止めに入ったが、素早い大樹のを止める事はできなかった。 「良かったの?」 「しょうがないだろ、それよりも、今はアイツラが通ってきた道を見つけないと・・・・」  そして、バクフーンとウインディに乗りながら街中を進んでいった。  もちろん、街中が大騒ぎになっていた。  だが、それよりも・・・・・・・ 「に、しても、熱くないか?」 「そう言えば・・・・・」  何だか周りが真夏のように暑かった。  もちろん、今は初夏の前であり、こんなに暑くなるわけがない。 「何なんだ・・・・・って!?」 「え!?」  突然、目の前に炎が現われ、2人を妨げた。  それどころか、後ろや左右も炎の壁でさえぎられているのだった。 「一体・・・・・」 「どうなってるの?」  すると、目の前の炎の向こう側から何か大きな生き物が前に現われてきた。 「あ、あいつは!!」 「うそ!?」  それは、誇り高い姿をしたポケモンであった。  そいつには2人も見覚えがあった。 「で、伝説のポケモン、エンテイ!!」 次回予告「俺の前に現われたエンテイは、まるで俺を試すかのように襲ってきた。よ〜し、お前は俺がゲットしてやるぜ!けど、さすがにエンテイは強く、アリゲイツも大苦戦してしまう。そして、俺達は再びもとの世界に戻る事が出きるのだろうか!? 次回 対決エンテイ 水と炎の大激突 」