第33話 強豪集結 竜の穴の戦い  フスベのイブキに助けられ、一同はフスベシティの近くまで来ていた。  大樹にとっては、8個目のバッチをゲットしたかったので、とても都合が良かった。 「あそこに見えるのがフスベシティです。」 「へえ、あそこで四天王のチャンピオンのワタルが強くなったのか〜!」 「なぜそれを知っている?」 「えっ!?」  イブキは不思議そうに大樹に問いかけた。 「その事は一般の者たちは知らないはず、それを何故知っている?」 「え、あ、あのう〜〜〜〜」 「そう言えば、大樹ってホントに詳しいわよね。」 「ハハハ・・・・」  どう誤魔化したらいいのかわからなかった。  このままでは今までの苦労が水の泡になってしまう。  事情を知っている望も、なんとかしようとしていた。 「あ、あの〜、早く街に行かない?」 「あ、そうですね。」 (望〜、感謝する!)  大樹はジェスチャーでお礼を言った。  そして一同はそのままフスベシティに向かって行った。  その彼らを何処からか、ジッと見ている影がいくつかあった。 「やっとここまで来たか・・・・・」 「これで、次の段階に進めるわね。」 フスベシティ・・・・・ 「わっ、ど、どうしたんだ!?」 「何!?」  フスベシティに入ると、いきなり大変な事が起きてしまった。  なんと、エンテイ・スイクン・ライコウが勝手に動き始めたのである。 「テ〜イ!」 「ク〜ン!」 「コ〜〜!」  その雄叫びはフスベシティ全体に響き渡り、街中の人達が何事かと騒ぎ始めていた。  それならまだいい、エンテイ達は大樹達の元から何処かに駆け走っていったのだった。 「何処行くんだお前ら!?」 「街に入っていきなり動き出すなんて・・・・この街に何かあるのかしら?」 「いえ、そのような物はないはず・・・あるとしたら竜の穴くらいで・・・」 「そんな事より今はあいつらを〜〜〜〜!」  大樹はすぐさまエンテイ達を追っていった。  英人と留美も、一緒に後を追っていった。 「でも、何でいきなりこんな事になったの?」 「わかんねえが、とにかくただ事ではないようだな!」  二人は走りながら話していた。  すると、イブキはエンテイ達の向かっている方向を見てふと気づいた。 「あの方角は・・・まさか竜の穴!?」  そう、エンテイ達が向かっているのは竜の穴であった。  竜の穴はフスベジムに住む人はみんな知っているドラゴンポケモン達の住処である。  だが、一体エンテイ達は何で竜の穴に向かっていくのであろうか? 竜の穴・・・・・  そして竜の穴の入り口にまで来ると、そこにはエンテイ達が立ち止まっていた。  いや、おそらく大樹達が来るのを待っていたのだろう。 「ホントに竜の穴にいた!」 「あ、望、何でウインディに乗ってるんだ!?しかもヤナギのじいちゃんも一緒に!」 「わしは腰が弱くての〜〜。」 「乗せる前に行ったのはそっちじゃない!」 「うっ・・・・・・・」  まあ、それはさておき、全員が竜の穴の入り口に到着した。 「エンテイ、何でお前らここに・・・・・」  すると、エンテイ達は空を見上げ、大きく雄叫びを上げた。  それと同時に三匹の額が輝き出し、辺りを照らし始めた。 「な、何だこの光!?」 「この光、僕達が焼けた塔にいた時にも・・・・・」 「じゃ、じゃあまた何処かにとばさ・・・・」  が、今回はそう言う事はなかった。  だが、その代わりに何かが大樹達の目の前に落ちてきた。           ズドドドドドドド・・・・・・・・・・!! 「うわ〜〜〜〜〜!!」 「みんな離れなさい!」 「言われなくても離れるよ〜!」  そして、光がおさまると、目の前にいたのは・・・・・ 「な、なんやなんや、いきなり目の前が光り出したとおもったら?」 「あ、アカネ!それにミカンやシジマのおっちゃんも!」 「それにツクシやハヤト・・・・それにナツメ!」 「お、大樹はんやないか!」  なんと、目の前にいたのはジョートとカントーの全ジムリーダーであった。  どうやら、エンテイ達はこいつらを不思議な力で呼んだようである。  その中、一人若い少年もいたが、誰かは言わなくても分かるだろう。 「痛た、何なんだこれは・・・・・」 「あ、大丈夫ですかグリーン?」(エリカ) 「ああ・・・・・」  そう、現在のトキワジムリーダーのグリーンであった。  そして、痛がっていたリーダー達が顔を上げてみると・・・・ 「「わ〜〜〜〜〜〜〜!!」」  目の前に、いきなりエンテイらの姿があり、みんな大声で叫んでいた。  もはや、訳がわからなくなってしまっている。               状況説明中  説明が終わった。 「ワオ!これが伝説のポケモンね〜!」(マチス) 「いつ見ても凄いよ。」(ツクシ) 「・・・・・・・・」(ナツメ) 「ん、どうかしたのかナツメ?」  ナツメはエンテイ達を見つめながら何かを感じていた。 「・・・・竜の穴に悪しき者達がいる・・・・・・・」 「え?」 「馬鹿な、竜の穴はジムリーダー異常の実力者でなくては危険な所、そんな所に入るなんて・・・」 「・・・・なあ、大樹・・・・・」 「言わなくても分かってる・・・」 「どうしたんや二人とも?」  大樹と英人には何やらいやな予感がしていた。 「こう言う所に入る奴らと言えば2つしかいない・・・・」 「誰?」 「・・ロケット団に星・覇王神・・・・・・」 「「!!!」」 竜の穴の中・・・・・  その頃、大樹と英人の予感は的中し、中にはドラゴンポケモンを捕まえる連中がいた。  そう・・・・つまり・・・・・ 「ちょっと〜、あれは私達のモノよ、横取りすんじゃないわよ!」 「うるせえ、あのギャラドスは俺のものだ、引っ込んでろおばさん!」 「お、おばさん〜〜〜!!」 「おお、ミサキが燃えている!」  いたのは本当にロケット団と星・覇王神であった。  なお、星・覇王神の方は初出場のメンツである。 「うるさいガキね、パルシェン、冷凍ビームで黙らせなさい!」 「フォレトス、高速スピン!」  お互いにドラゴンポケモン達を狙って喧嘩していた。  すでに沢山のポケモン達が捕まっており、どれも抵抗する術がなかった。 「あ、本当にいたわよ!」 「やっぱりって、あいつらまたいるよ!」  「あいつら」と言うのはミサキとソウシの事である。 「お前達、そこで何をしている!」  すると、両者ともに大樹達の存在に気づいていた。  そして・・・・ 「そこで何をしている!と聞かれたら!」 「答えてあげるが余の情け!」 「世界のドラゴン従える為!」 「世界の頂点掴む為!」 「危険と試練を気合で抜けていく!」 「ラブリーチャーミーな敵役!」 「ミサキ!」 「ソウシ!」 「ドラゴンゲットしたロケット団の二人には!」 「無敵絶壁、最強の明日が待ってるぜ!」  相変わらず長い決め台詞である。 「今だ!」 「あ、あたし達のギャラドス!」 「って、いつからお前らのものになったんだ!?」 「うるさい、サイドン、ケンタロス、あいつらを黙らせろ!」 「ヘルガーも行きなさい!」  まさか凄いメンツが揃っているのにも気付かず、二人は攻めてきた。 「バトルだったら・・・・・」 「待て、ここは俺達に任せろ!」 「な!」  すると、ジムリーダー達が前に立ちはだかった。  そしてその時になって、初めてロケット団と星・覇王神はジムリーダーに気付いた。 「げ、ジムリーダーがあんなに・・・・・」 「に〜げよっと!」 「あ、あのガキども!」  が、そっちを気にしている場合ではなかった。 「ピジョッと、かまいたち!」 「イエ〜、ライチュウ、10万ボルト!」 「プクリン、トライアタックや!」 「バタフリー、サイケ光線!」 「ニョロボン、爆裂パンチじゃ!」 「スターミー、バブル光線!」 「アリアドス、ナイトヘッド!」(アンズ) 「キュウコン、火炎放射!」(カツラ) 「バリヤード、サイコウェーブ!」 「ラフレシア、ソーラービーム!」 「ドードリオ、ドリル嘴!」 「イノムー、冷凍ビームじゃ!」 「ゲンガー、シャドーボール!」 「ハガネール、アイアンテイル!」 「ハクリュウ、竜の怒り!」 「イワーク、岩なだれ!」  激しい攻撃が続いていた。  そして、流石のロケット団と星・覇王神も呆気なく敗れてしまっていた。 「「やな感じ〜〜〜〜!!」」 「あ〜〜〜れ〜〜〜〜!!」  みんな穴から外に吹っ飛んでしまった。 「す、凄い・・・・・・」 「あんなの食らったら僕でもキツイ・・・」 「当たり前だ!」 「私、あの人達に勝てるかしら?」 「勝てるわよ。」  大樹達は呆然としていた。 竜の穴・入り口・・・・・ 「遅いわ!」(怒) 「落ち付けよアヤナ。」 「あんたは黙ってなさいシズキ!」  外ではマダツボミの塔にいた少女、アヤナと、見知らぬ少年シズキもいた。  そしてしばらくすると、大樹達が出てきた。 「遅い、いつまで待たせているのよ!!!」(怒) 「わっ、何、この人!?」 「あ、お前はマダツボミの塔にいたアヤナ!」 「呼び捨てにしないで!」  大樹はビンタされた。 「痛そう・・・・・・」 「な、なんや一体!?」 「さあ・・・・・・?」 「と言うより、隣にいる人は?」  留美はシズキの方を指指した。 「あ、初めまして、俺はシズキ・・・」 「あたしの許婚よ!」  しばらく時間が止まった。  そして・・・・・・ 「これで役者は揃ったわ、じゃあ、さっさと次の段階に進むわ!」 「な、ちょっと何だよおまえ・・・・・」  と、その時であった。                     ゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・・・・・・・・!!!!!!!  いきなり世界全体が揺れ始めた。  だが、それだけではなく周囲の景色にも異変が起きまくっていた。 「なななななななな!!」 「何なんだ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!」 「今、2つの世界を一つに融合させる!」 「何っ!!」 数分後・・・・・・・・・・・・ 「と、止まったのか?」  数分たってやっと揺れがおさまった。  そして、彼らが次に見たのは・・・・・でかい山、頂上付近は白く染まっていて・・・・ 「ふ、富士山?」 「な、何だあれは・・・・・」 「あ、大樹、あれってもしかして・・・・」  望にも見覚えがあった。 「まさか・・・・・」 「そのまさかよ、私達の力であなたの世界をこっちの世界と融合させたのよ。」 「俺の・・・・・」 「大樹の世界・・・・・・・?」 次回予告「何と俺の世界がこっちの世界と融合してしまった。世界は大混乱するなか、俺達の前に幻のポケモン、ミュウが現われた。一体、俺達はどうなってしまうんだ?それに、アヤナとシズキの正体はなんなんだ?って言うか、野生のポケモン達が俺の世界にもあふれてしまっていて余計に大変な事になってしまう。  次回 世界融合 幻のミュウ登場 」