第34話　世界融合　幻のミュウ登場

　とんでもない事になってしまった。
　どう言う訳か、俺の住んでいる世界と、今いるこの世界が一つになってしまった。

「やったな！」
「シナリオ通りね。」

　アヤナとシズキは騒いでいる一同をほっといて成功を喜んでいた。

「お、おい、一体どうなってるんだ！大体、お前ら・・・・・」
「黙りなさい！」

　ビンタをくらった。
　ホントに気の強い女である。
　だが、今はそれを気にしている場合じゃなかった。
　あの時の発言に、英人と留美も不信に思い始めていた。

「おい、『俺の世界』ってどう言う意味だ？」
「え、何のことだ？」
「誤魔化さないで、さっきあの二人が言ってたじゃない！？」
「大樹、やっぱり言った方がいいんじゃない？」

　望も小声で言ってくる。

「なんやなんや、話が全然みえへんで！？」
「・・・・・・・・・時が来たのね・・・・・・」

　ジムリーダー達の中で、ナツメだけは冷静でいた。
　ナツメはアヤナを見つめながら話を進めた。

「・・・・最初からこの為に彼をこっちに連れてきたのね？」
「鋭いわね、さすがエスパーなだけはあるわね。けど、正確にはあいつをこっちに呼んだのは私達じゃないわ。」
「俺達は縛られるのが好まないからな、たまに監視する程度しかやってねえよ！」
「って、それってどう言う意味だ！」
「大樹、話をそらすな！」
「言った方が・・・・」
「望は黙ってて！」
「・・・・・宿命ね・・・・・」
「男じゃの〜〜！」
「何処がだ？」
「フフフ、面白くなって来たわね・・・・」
「お前さん、何を楽しんでいるんじゃ？」

　話が滅茶苦茶になって来た。
　ほとんどどう言う状況なのかも分からないと言うのに・・・・・・

「も〜〜〜、誰か話をまとめて！！」(利奈)
「僕、どうしたらいいの？」

　誰も聞いてはいなかった。
　だが、その時、彼らの元に何かがやってきた。

　　　　　　　　　　　　ポウ

　それは桃色の光の球体に入りながら彼らの所にやって来た。

「あ、あれは！」
「何！？」

　次第に気付くものが増えてきた。
　そして、光の球体が薄くなると、そこには１匹のかわいいポケモンがいた。

「あ、あれって・・・・・・」
「何、見たことのないポケモン・・・・・」
「あら、珍しいわね。」
「あいつ幻ポケモン、ミュウ！」
「ミュ〜♪」

　ミュウはまるで面白がっているかのような泣き声をしていた。
　その可愛さに、女の子達はメロメロであった。

「あれが幻のミュウ！」
「「可愛い〜〜〜！！」」

　だが、留美達が近づこうとすると、ミュウは笑いながら何処かに行ってしまった。

「行っちゃった・・・・」
「なんだったのでしょう？」
「さあ・・・・」

　みんな呆然としていた。
　そして、本題に気付いた。

「そ、そうだ、大樹！」
「ゲッ！」
「説明しなさい！」
「逃がさへんで〜！」

　何故かアカネも大樹を囲んでいた。
　大樹の先にあるのはほとんど地獄であった。
　すると、シズキはサングラス（付けていたのか？）をはずしながら仲介に入った。

「まあまあ、ここは俺が説明するぜ♪」
「え、あ、あ、あ〜〜〜〜！」

　サングラスのしたにあったのは・・・・・

「いい男〜〜〜！！」

　なんと、シズキはカッコ良かった。
　これには留美もアカネもメロメロであった。

「話していいか？」
「「は〜〜い！」」


　　　　　　　　　　　　　　説明中


そして・・・・・・
　シズキの口から一部始終説明された。
　みんな未だに信じられないような表情をしている。

「じゃ、じゃあ・・・・・・・あれが・・・・」
「大樹と利奈の本当の世界だって言うのか？」
「信じられない・・・けど、あれを見たら・・・」(カンナ)
「信じるしかないわよね。」

　一応、みんな納得してくれた。

「けど、やっぱりナツメは気付いていたんだ。」
「隠すつもりはなかったけど、バレてほしく無かったみたいだから・・・・・」
「お、それってナツメはんは大樹はんの事が・・・・」
「違います！」

　だが、その時のナツメの顔は少し赤かった。
　それを見て、留美のバックには炎の壁が立っていた。

「それよりアンタ達、今はそんな事で話している場合じゃないんじゃないの？」
「え？」
「アンタ達は私達が説明したからいいけど、他の庶民どもはギャアギャア騒いでいるわよ。」
「あ、ホントだ！」

　街の方を見てみると、たしかにみんな騒いでいた。

「それどころか、野生のポケモン達もあっちに漏れているぜ！」
「げ、それってマズイだろ！？」
「それもまずいけど、ポケモンを悪用する馬鹿もあっちで好き勝手やってるわよ？」
「馬鹿？」

　しばらく考えこんでいた。

「そんな・・・・・さっきやっつけたはず・・・・」
「ああ言うのは立ち直りが早いのよ！」
「ま、マズイ！！エンテイ行くぞ！」
「私も、ポニータ！」
「待って僕も！」

　大樹と利奈、そして過去に行った事のある望も一緒にポケモンにのって町の方に向かって行った。


ある都会の街（大樹の世界）・・・・・・・・
　一方、その頃の街の方では・・・・・

「ハッハッハ、金目のものは全部俺達が頂くぜ！」
「ヘルガー、あっちのも取って来て〜！」
「ヘルッ！」
　
　ロケット団の二人は気球に乗りながらポケモンに命令していた。
　街中ではこの二人が好き勝手にやっていた。
　警察も出動するが、ポケモンのパワーにはほとんど無力で役立たずであった。

「サイドン、邪魔な奴らを片付けろ！」
「サ〜イ！」

　もちろん、このままほっとけないので、政府も自衛隊を出動させようとしていた。

「パルシェン、オーロラビームよ！」
「わ〜〜〜〜〜！！」

　一般人も警察もどんどんダウンしていっている。
　この一大事を、マスコミもこっそりと生中継しており、世界中が大騒ぎになっていた。
　と、その時・・・・・

「エンテイ、スピードスター！！」
「あ、その声は！！」

　二人の前にエンテイに乗った大樹が現われた。
　気球にスピードスターが当たると、気球はそのまま墜落した。
　それと同時に望と利奈も到着した。

「やっぱり！」
「アンタ達、一体何やってるの！？」

　すると、二人はテーマソングを流しながら決めゼリフを喋り始めた。

「何やっているの？と聞かれたら！」
「答えてあげるが余の情け！」
「世界の宝石奪う為！」
「世界の美学を見せる為！」（以下省略！）

　相変わらず理解不能なセリフであった。

「またあったわね小僧アンド小娘！」
「お前ら、何かってに暴れているんだ！？」
「五月蝿いわね、この世界の奴らは中途半端だから悪事には最適なのよ！」
「どうせ、この世界にあるモノはロケット団の為にあるようなものだからな！」
「んな訳ないだろ！」
「お前達、そんな勝手な事許さないぞ！」
「覚悟しなさい！」

　望と利奈も立ちはだかった。

「五月蝿いわね、こうなったら全国生中継で真のポケモンバトルを見せてあげるわ！」
「貧弱で綺麗事ばかりのお前らに世間の厳しさを見せてやる！」
「何を〜、エンテイ、炎の渦！」
「交わすのよ、そしてとげキャノン！」
「ケンタロス、10万ボルトだ！」
「ディグダ、泥かけ攻撃よ！」
「ドンファン、転がるんだ！」

　ロケット団VS大樹チームのバトルが始まった。
　もちろん、これは大樹と利奈のご両親も見ていた。

「ヘルガー、騙まし討ち！」
「ディグダ、砂かけよ！」
「うわっ、何するんだ！サイドン、角ドリル！！」
「マリル、水鉄砲！」
「火炎放射よヘルガー！パルシェン、冷凍ビーム！」
「エンテイ、大文字！！」
「！！」

　これは効果抜群だった。
　巨大な大文字をくらい、ロケット団はミディアム状態になった。

「あ〜、よくも乙女の髪を〜！」
「誰が乙女よ！」
「今だぜ望！」
「うん、サンダース！」
「デンリュウ！」
「「10万ボルト！！」」

　決めてはやはりこれに限っていた。

「「やな感じ〜〜！！」」

　ロケット団は吹っ飛んでいった。
　もちろん、盗まれた物も全部戻ってきた。

「やったぜ！」
「決まったわね！」
「じゃあ、盗まれた物を持ち主に返そう！」
「お〜〜！」
「大樹〜〜〜！」

　そこに、スイクンに乗った留美と、ライコウに乗った英人がやってきた。
　それとおまけがいくらか（つまりジムリーダーと元四天王のカンナ、それにシズキ）

「ロケット団は？」
「さっさとやっつけたぜ！」
「あれ、そう言えばアヤナは？」
「あいつなら両世界の政府を黙らせに行ったぜ。あいつには地位も財力も意味を成さないから多分、みんなビンタをくらってるぜ！」
「政府にビンタ・・・・・・・」
「または、裏必殺技・・・」

　何だか怖かった。

「へ〜、ここが大樹はんらの世界か〜？」
「基本的には向こうとは変わらないね。」
「ただし、大人達は世間体主義の奴らがほとんどだがな。」
「って、何だよそれ？」
「否定できるか？」
「・・・・・・」

　シズキの一言に大樹は反論の由も無かった。
　その後、アヤナの平和的(？)仲介でなんとか騒ぎは一段らくした。

「やっぱりアレを使ったか・・・・・・」
「いいのよ、アレくらいいい薬になるわよ。」
「あれって何？」
「さ〜て、久しぶりに家に帰るかな？」
「あ、私も！」

　「アレ」が何を指すのかはわからないが、何だか怖そうであった。
　それは別として、ストーリーはさらなる展開に入って行ったのだった。


次回予告「いろいろあったけど、ついに最後のバッチをかけてイブキとバトルだぜ！けど、イブキの使うキングドラやハクリュウに俺は大苦戦してしまう！そして、俺の世界にとんでもないポケモンが暴れ出していた！そして現われた新たなライバル、そしてそいつらが持っていたポケモンは、そして俺はライジングバッチをゲットできるのか？　　次回　バッチをかけて　VSイブキ　」