第36話 世界の壁 無敵のMr.11  大樹はついにライジングバッチをゲットした。  だが、それと同時に伝説のポケモン「サンダー」も出現した。  それを追ってきた「4」と「スティンガー」は簡単にゲットしてしまう。  そして・・・・ 「やっぱりお前らが元凶だったのか!?」 「言い方が悪いな、けど正確にはちょっと違うが・・・・」 「どうなんだよ?」 「いずれ分かる。そうだな、お前らが俺に勝てたらな♪」  イレブンはのん気そうに言った。 「最も、俺はジムリーダーや四天王なんかよりも強いからしばらく無理だけどな。」 「な、何だと〜〜〜!!」  これには大樹以外も黙ってはいられなかった。  ジムリーダーやカンナもこの発言には黙ってはいられなかった。 「待ちなさい、今のは聞き捨てならないわ!」 「うむ、戦ってもいないと言うのに決めつけるのは・・・・・」 「だったら戦ってみるか?俺がお前らに世界の壁という物を教えてやるよ!」 「いい度胸や!」  そして、全ジムリーダーはリングに入ってきた。  大樹はすぐに近くの船に乗りこみ、代わりにイレブンがリングに入った。 「どうせだから、一気にかかって来てもいいぜ?」 「覚悟しいや!」 「そんな事を言っていられるのも今のうちだぜ?まずはカイリュウ!!」  イレブンはいきなりカイリュウを繰り出してきた。  それに対し、ジムリーダー達はどんどんポケモンを出してきた。 「楽しませてもらうぜ!カイリュウ、10万ボルト!!」                 ・                 ・                  ・ そして・・・・ 「ス、スゲェ・・・・・・・」 「あっという間に・・・・」 「ほとんど全滅・・・」  一分も経たない内にジムリーダーたちのポケモン達は大半がダウンしていた。  流石にカンナは元四天王なだけあり、何とか持ちこたえていた。 「ほぉ、カイリュウに耐えるとはな、だったら次はファイヤー!」  次は伝説のファイヤーを出してきた。  これには観客も歓声を上げた。 「・・・ラプラス、白い霧!」 「炎の渦!」  今までは手加減していたかと思われるような実力であった。  物凄い炎は霧を吹き飛ばして行き、次々と相手を攻撃していった。 「強い、まさかここまでとは・・・・・」 「まだまだ、今度はバンギラス!砂嵐!!」 「くっ!」  3番手はバンギラスであった。  こっちも凄まじい強さを持っており、どんどん倒していく。  しかも、このバンギラスは覚えられる技を全て習得しており、「大文字」なども使え るのであった。 「破壊光線!!」 「!!!!」  ほとんど全滅してしまった。  かろうじて残っているのはグリーンとカンナだけである。  だが、この二人もすでに半分以上がやられていた。 「次は赤き閃光、ハッサム!」 「鋼、ならヤドラン!」 「レアコイル!」  だが、イレブンのハッサムは予想を越えるほど早く、目では終えなかった。 「連続切り!!」 「レアコイル、影分身!」 「無駄だ!」  ハッサムにより、ヤドランとレアコイルも倒れてしまった。  残りは二人とも一匹ずつである。 「フーディン!」 「ルージュラ!」 「最後は最初の相棒だ、カメックス!」   ほとんど二人は追い詰められいる状態である。 「高速スピン!」 「サイコキネシス!」 「サイケ光線!」  一度はカメックスも動きを止められたが、すぐにカメックスは押し始めた。 「行けっ!」 「しまった!」  攻撃をくらい、フーディンが倒れ、残りはルージュラとなった。 「くっ、ルージュラ、サイコ・・・」 「メガトンパンチ!!」  パンチは一直線に命中し、ルージュラも倒れた。 「そんな・・・・・」 「よっしゃ!俺の勝ち!!」  周りからは歓声が上がった。  大樹達は唖然としていた。  みんなイレブンの圧倒的な力の前に声も出ないのである。 その後・・・・・・・ 「一体何者なんだあいつ?」 「さあな。」  大樹はエンテイに乗りながらみんなと話していた。  それもこれも、あの後無邪気なポケモンファンが押しかけてきてこうするしかなかっ たのである。  みんなポケモントレーナーになりたいらしく、ほとんど社会現象にまでなっているの である。 「で、俺達は何処に向かっているんだ?」 「そういえば、これからどこに行くの?」 「ん〜〜〜、そうだなぁ、だったら俺んちに行かないか?」 「大樹のうち?」 「ああ、久しぶりに帰りてえしな!」 「私も!」  そういう事で、一同は大樹と利奈の実家の方に向かうことにしたのだった。  そんな彼らをある人物は気付かれないように尾行していた。 「フフフ・・・・・・・・」  誰かはご想像にお任せします。  そして彼らは伝説のポケモンに乗って大樹の故郷にたどり着いた。 「お〜、ひっさしぶりだな〜!」 「何ヶ月ぶりかしら?」 「へぇ、ここが二人の・・・・・」  英人と留美は町を見渡していた。  大樹の住んでいるのは市外から離れた温泉街であった。(ここは温泉の名所である)  街中を歩いていると、もちろんの事ながら子供やマスコミが殺到してきた。 「わ〜、ポケモン見せて見せて!」 「おわっ、ま、待てって!」  バトルは強くても、子供達のパワーには勝てなかった。  そして何とか家の方に到着した。 「デカ!」 「へへ、ここが俺の家だぜ!」  大樹の家はでかかった。  と言うより、単に大樹の家も温泉旅館をやっているだけである。  そしてなかに入っていくと・・・・ 「大樹!」 「母さん!」               バシッ!!  当然の事ながら、大樹は叩かれた。  まあ、前にあんな出発の仕方をしたからなぁ・・・・・ 「いててて、まあ、とにかく上がれよ!」 「お、お邪魔しま〜す・・・・」  大樹の顔は薄っすらと腫れていた。  そしてその後、驚くべき事実を知るのであった。 「ええ、隆史が行方不明!?」 「隆史って誰だ?」 「私達の幼馴染なんだけど、やっぱり一緒に落ちちゃんだわ。」 「けど、あの時焼けた塔に落ちたのは俺達だけだぜ!」  忘れている人もいると思うが、あの時、一緒に隆史も落ちてしまったのである。  今はどうしているのやら・・・・・・・ 「何だか訳がわからなくなってきたわね。」 「ホント・・・・・」 「どうなってるんだ?」 「いずれ分かるから気にするなって!」 「あ・・・・・・」  ・・・・・・・・・・・・・・・・。 「「な〜〜〜〜〜!!」」  家全体が揺れた。  何時の間にか、大樹の隣でシズキが茶をすすっていた。 「誰ですか?」 「あ、どうも、俺はシズキと言います。その節は運悪くお宅のぼっちゃんがうちらのワームホールに落ちてしまって・・・あ!」 「ワームホ〜ル?」  大樹はじろっとシズキを睨んだ。  シズキは冷や汗を掻きながら茶をすすった。 「さあて・・・・・」 「「待て!!」」  大樹と英人がシズキの両腕を掴んだ。  二人とも凄い視線である。 「よし、俺がお前達の特訓相手になってやる!」 「誤魔化すな!!」(怒)  だがシズキは全く話す気はなさそうであった。  けど、ある意味これはいいチャンスかもしれない。 「どうせ、しばらくやる事はないんだろ?ポケモンリーグにもまだ数ヶ月もあるし、だったら俺が鍛えてやるよ、これでも俺はアイツラの師匠だからな。」 「な、そうだったのか?」 「そうよ。」 「へえ・・・・・・」  ・・・・・・・・・・・・。 「「どわ〜〜〜!!」」  今度は何時の間にかアヤナが隣にいた。  大樹の母は何が何だかわからなかった。 「何でお前が?」 「何でって、私達は正面から宿泊客として来たのよ。」 「あ、そう・・・・」 「それより、どうせ暇ならバトルの相手をしてあげるわ。」  そして話はあっという間に進んで行き、大樹達は外で特訓を受ける事になった。  当たり前の事だが、外に出た途端、襲われたのである。 「はあ、何とか出られた・・・・」 「でもまだいる・・・・」 「バリヤード、ちゃんと頼むわよ!」 「バリ〜〜♪」  バリヤードが周りを「光の壁」で囲んでおり、これには誰も破る事はできなかった。  そして彼らはマスコミなどを避けた場所で特訓を開始した。 「まずは俺の手持ちポケモンを全力で一体ずつ倒してみな。」 「一体ずつ?」 「当たり前だ、まともにやったらお前らが負けるのは目に見えている。」  それほどの実力のあることは誰もが分かっていた。 「まずはカビゴン!」 「げ、デカイ!!」  目の前に巨大なカビゴンが現われ、みんなびっくりしていた。  だが、とうのカビゴンは何だか眠そうであった。 「さあ、どんどんかかって来い!」 「うっしゃぁ、だったらデンリュウ!」 「俺はゴローニャ!」 「フシギソウ!」 「ガラガラ!」 「ドンファン!」  そして長い特訓が始まったのだった。  カビゴンは眠そうだがやはり強く、大苦戦を強いられた。 「カビゴン、転がれ!」 「ゴローニャも転がれ!」 「デンリュウ、10万ボルト!」 「あんまり大技を出しすぎるのは利口じゃないぜ?」 「何!?」  なんと、カビゴンは転がりながら「カウンター」を使い、ゴローニャを弾き飛ばしてしまった。  そしてそのままデンリュウに激突し、デンリュウは倒れてしまった。 「まだまだだな、バトルのコツは相手の特徴を知る事からだぜ?」 「そんな事知ってらぁ〜!今度は・・・・・・バクフーン!」 「フシギソウ、カビゴンに宿り木の種!」 「ほお〜。」 「ガラガラ、頭突きよ!」  女性陣も負けてはいなかった。  カビゴンの体を宿り木の種が縛っていき、体力を吸い取っていった。 「だったら・・・・・・ん?」 「どうし・・・・」  シズキが何かに気付いて空を見上げてみると、何かが落ちてきた。  それはだんだん大きくなってきて、ついにはポケモン達捕らえてしまった。 「な、なんだこの網は!?」 「フフフフ・・・・」 「この声、まさかロケット団!」 「そうよ、今までの屈辱を倍にして返しに来たのよ。」 「あ、スミレ!」  出てきたのはロケット団幹部のスミレであった。  ポケモン達は大きな網に捕らえられ、身動きができなかった。 「フフフ、特殊な繊維でできているこの網からは逃げる事はできないわ。」 「な・・・」 「行きなさいラフレシア!花びらの舞!!」 「やば、エン・・・・・・・」  と、その時・・・・・・ 「竜の怒り!!」 「何!?」  次の瞬間、スミレとラフレシアは爆発に飲みこまれ、どっかに吹っ飛んでしまった。  そして代わりに出てきたのは・・・・・ 「イレブン!?」 「ふう、やっぱりここにいたか。」 「遅かったわね?」  イレブンにアヤナが近づいてきた。  何だか怖そうな表情である。 「相方ももうスグくるぜ。」 「そう、だったらそれまでアイツラの相手をしてあげなさい。」 「え?」  そして、彼らの特訓は夕方まで続くのであった。 次回予告「特訓の疲れを温泉で癒す事にした私たち、けど、ひょんな事から誰がポケモ ンに詳しいかクイズバトルをする事になっちゃった!シズキの出す問題になかなか私は答えられない、一体この勝負は誰がかつのよ?そして、シズキがこっそりと持っている アレは何なの? 次回 温泉とソーナンス ポケモンクイズバトル 」