第38話 夢の為に ポケモン大レース 「おい、朝だぜ望&英人!」 「ん・・・もうちょっと・・・」 「眠い・・・・・・・・」  二人は布団を被りながら寝ようとしていた。  そうとう昨日は疲れたらしく、タフな大樹とは違ってヘトヘトであった。            ド〜〜〜〜〜ン!!  突然、凄まじい音が鳴った。  これには二人も驚いて起きあがった。 「な、何だ!?」 「いい加減に起きなさい!」 「あ、アヤナ。」      バシッ!  今日もビンタされた。 「呼び捨てにしないでって言ったでしょ。」 「痛い・・・・・」  朝から騒がしかった。 その後・・・・・ 「で、今日は俺達がジム戦を・・・・・・」 「受けないで俺達と勝負するんだよ。」 「「えっ!?」」  いきなりであった。 「な、何でそうなるんだ?」 「ああ、実は・・・・・」  実は、今まであった事により、世界中でポケモントレーナーになりたい子供が続出し たのだった。  最も、それ以前に政府などの類はアヤナによってガツンと言われているのでその辺は 気にしなくてもいいのである。  ただし、中途半端な気持ちでやられたらたまらないので、トレーナーの実力を公開す るためにポケモンレースをする事にしたのである。 「そう言うわけだ。お前らが勝ったら俺達も全面的に協力する!」 「勝負は水上、空中、地上にわかれてやるからな!」 「勝ったらいい物をやるぜ!」  そして、イレブン達の押しにより、急遽、ポケモンレースが行われることになったの だった。 海岸・・・・・・・  最初は水上レース、内容はポケモンライドに似ており、と言うよりも、映画みたいに 小型の船をポケモンが引っ張るのである。  もちろん、引っ張るのは水ポケモン一匹ずつである。 「これに乗るのか・・・わっ!」  大樹はいきなり引っくり返った。  やはりいきなり乗るのには無理があるようである。 「とにかくポケモンをそうっと、出ておいでマリル!」 「リルル♪」 「ラプラス!」 「ク〜ン♪」 「カメックス!」 「ガメ〜!」 「オーダイル!」  みんな次々とポケモン達を出してゆき、周囲にいる野次馬などは大興奮である。  そして英人も出した。 「頼んだぞチョンチー!」 「チョ〜ン・・・・チ!?」 「どうした?」  その時、チョンチーに変化が起きた。  体は段々と大きくなってゆき、ランターンに進化した。 「何て都合がいい・・・・・・」 「う〜む、油断できない。」  最初からするなよ!  そして、1時間後、簡単な練習が終わった後でレース本番の時がきた。  なお、解説はジムリーダー陣である。(カンナは観客としている) 『さあ、ポケモン大レースまで秒読み開始です!5、4,3,2,1・・・」              スタート!! 「いっけ〜〜!!」  ついにレースが始まった。  先に追い上げたのはゴルダックをつれた4であった。  続いてカメックスをつれた11である。 「く〜、やっぱりあいつらが前か!」 「そんな事はないよ、カメックス、追い上げるんだ!」 「ガメ〜〜!」  だんだん望も戦闘と差を縮めていった。  それに続いて英人もスピードを上げていった。 「も〜、みんな先に行っちゃって〜!」 「オーダイル、俺達もスピードアップだ!」  ついには大樹もスピードを上げていった。  残されたのは留美と利奈の二人であった。 「・・・・・・私達・・・・・・・」  差は開くばかりである。 「待て〜〜!」 「お、やっと来たか?」 「だったら・・・・」 「どけ〜〜〜〜!!」 「「何!?」」  話している間に大樹が猛スピードで向かってきた。  ほとんど無謀なやり方である。 「うお〜〜〜〜〜!!」 「あ、あの馬鹿、あんなスピードで!」 「ちっ、俺達も本気で行くぞゴルダック!」  ゴルダックも本気で泳ぎ始めた。  水中速度はポケモン至上1番速いゴルダックだが、それをオーダイルは気合で打ち消 していった。  ほとんど二人の一騎打ちである。 「いっけ〜〜〜〜!!」 「負けるか!!」  そしてレースはどんどん先に進んでいった。  途中でお互いに倒れる事もあったが、そんな事など関係なくどんどん進んでいった。 「ゴ〜〜ル!!」 「させるか!!」 「甘い!!」 「「!?」」  すると、後方から物凄い速さで追い上げてくるポケモンがいた。  イレブンのカメックスである。  なんと、ハイドロキャノンの逆噴射で一気に勝負に出てきたのである。  そして・・・ 『ゴ〜〜ル!水上ステージを制したのはイレブンだ〜、さあ、そしてそのまま空中ステ ージに突入だ!!』  カメックスをボールに戻すと、ゴール地点に置かれてある気球に急いでいった。  空中のステージは気球をポケモンが引っ張ってゴールを目指すのである。  大樹らも遅れて気球に向かってくる。 「今日はお前だ、ファイヤー!!」  流石にカイリュウの速さでは気球に負担があると考えたのか、今回はファイヤーを出 してきた。  そして後の二人は・・・・ 「行くぞフリーザー!」 「頼むぜヨルノズク!」  である。 『さあ、先頭集団は次々と前に進んでいく!』  だが、そんな彼らを影から追う者達がいた。  この時点でイレブンとフォーは気付いてはいたが、大樹は全く気付いてはいなかっ た。 「いっけ〜〜〜!!」 (何者だ?まあ、大体見当はつくが・・・・) (レースに支障がねえといいが・・・)  そしてレースはどんどん先に進んでいった。  遅れた望や英人もデリバードやリザードンで追っていく。 「大分差を付けられちゃったね!」 「ああ、だが空中ならまだチャンスがある!」  そして二人も急いで空のステージを進んでいった。 そして・・・・・ 「いっけ〜ヨルノズク!」 「ちっ、もう来やがった!」  ヨルノズクの根性により、なんとか追いついた。  その後をフォーや望達が追いかけてくる。 「ファイヤー、高速移動!」 「負けるな〜〜〜〜!!」  が、その時であった。 「スピアー、ダブルニードル!!」 「「何!?」」  目の前にスピアーが現われ、大樹達に襲いかかってきた。  それと同時にもう一つの気球が現われ、そこには見覚えのある少年がいた。 「ちっ、はずしたか!?」 「あ、てめえは克!」  現われたのは星・覇王神のメンバーの一人、克であった。  これには後方にいた望と英人もビックリである。 「な、星・覇王神だと!?」 「あの時の屈辱、ここで晴らしてやる!」 「ふん、お前らみたいに本心から逃げて壊す事しかやらない貧弱ものに俺はやられねえ よ!」 「貧弱者!?」 「ああ、お前らは自分の過去を棚に上げて悪さをやっている根性なし、いや、弱虫 だ!」 「言わせておけば・・・・」  この二人、アヤナ以外に怖いものはないのだろうか? 「スピアー、毒針で気球を落としてやれ!」  もちろん、地上にいたシズキ達にも奴の事は見えていた。  だが、そんな中でシズキはなんだかまずそうな表情をしていた。 「マズイな・・・あいつらがこんな大勢の前に・・・・」  一体どう言う事なのだろうか?  そしてレースの行方は・・・・・ 次回予告「星・覇王神と戦いながら進む俺達だったが、そこで星・覇王神の奴らの秘密 を知ってしまう。何とか奴らを追い返すことは出来たが、重要なレースはイレブンの奴 に先を進まれてしまう!よし、地上は頼むぜエンテイ!この勝負、俺が勝って弱くない 事を証明してやるぜ!! 次回 覚悟の証 虹色の羽の伝説 」