第40話 第3の世界 新たな出会い 「・・・・・・・・・・・・」 「大樹・・・・」  大樹はボ〜と空を見上げている。  あれからと言うもの、騒ぎはさらに厄介な事になっていった。  まさか、星・覇王神のメンバーの克達が大樹と同じ世界の住人だったのは・・・・ 「人の人格構成は環境によってかわるものだ、今の俺達には理解できなくて当然さ。」 「あ、イレブン!」 「今は悩んでいるより先に進むのが先じゃないか?」 「けど・・・・・」  イレブンは大樹の隣に座ると、そっと肩に手をかけてやった。  年上からと言う事もあり、今のイレブンはちょっと大人っぽかった。 「俺はこれから焼けた塔に行くんだけど、お前らも行くか?」 「焼けた塔に?」 「ああ、あの時空の渦に何だか異変が起きたみたいだからな。」 「異変?」 「ああ、あの穴は本来つないでいた世界がひとつになっちまったからだと思うんだがな。」  確かに、あの渦は二つの世界を繋いでいたのだが、シズキ達によってその世界がひと つになったので異変が起きても無理がない。 「行くか?別に行かなくてもいいんだけどな。」 「あ、俺も行く!」 「私も!」  他のメンツも行くことにした。  なお、この調査にはヴィーナスは抜けている。 「何でヴィーナス来ないんだ?」 「ああ、お前らがレースに勝ったからいろんな奴の世話をしてるんだよ。」 「そう言えばそう言う約束もしてたっけ?」 「わすれるな!」  そしてイレブンについていった先には大きなヘリコプターがあった。  そしてそこにはフォーやスティンガーがいた。 「遅いぞ!」 「ワリィ、こいつらを誘ってたからな。」 「こいつらも・・・まあいい、さっさと乗れ!」  何だか機嫌が悪そうである。  そして一同はヘリに乗った。  操縦するのはフォーである。 「しっかりつかまってろよ!」 「え?」 「気を付けな、こいつの操縦は派手だから・・・・・」  イレブンはガッチリとつかまっていた。  大樹達、特に英人は嫌な予感がした。  そして数分後・・・・・・ 「「わ〜〜〜〜〜〜〜!!」」  物凄い操縦であった。  もともと絶叫ものに弱い英人にとっては生き地獄に近い状態であった。  て言うか、すでに気絶寸前である。 「一気に行くぞ!」 「どわ〜〜〜〜!!」  もはやヘリコプターの操縦ではない。  それ以前に、このヘリは本当にヘリの材料で出来ているのか? エンジュシティ(焼けた塔の前)・・・・ 「・・・・・つい・・・・た・・・・・」 「・・・・・・・」  英人は気絶している。  何とか、何とか一同は焼けた塔の前に到着した。 「さあて、なかに行くか!」 「って、何でお前は平気なんだ!?」  イレブンはピンピンしていた。 「ま、いろいろあったからな!」 「・・・・・・あ、そう。」  そして一同は塔の中に入っていった。  塔の中はほとんど以前とはなかったが、奥の方だけは違っていた。 「な、あれがあの渦!?」 「あら〜〜〜〜。」  目の前にある巨大な時空の渦は、あきらかに今までとは違っていた。  中からスゴイ音が響いており、色も大きさも前とは全くと言っていいほどに変わって いた。 「一体、今度はどこに続いてるんだ?」 「知るかよ!」 「入ってみるか?」 「って、おい!」                 ズコッ!!  イレブンとフォーは同時に大樹達の背中を押し倒した。  こいつら・・・最初からそのつもりらしい・・・・・ そして・・・・・(どこか?)・・・ 「ん・・・・・・・・・」  気がつくと、そこは知らない所であった。  周りには木々が多く生息しており、何処かの森の中のようである。 「あ、だいじょうかみんな!?」 「あ、ここどこ?」  他のメンツも気がつき始めた。  どうやらみんな離れ離れに済んだようだ。 「ここどこだよ?」 「異世界だろ?」 「そんなの分かってるって!」  それからと言うモノ、口喧嘩が始まった。  この間は省いときます。 「はぁはぁ・・・・・・・」 「キリがない・・・・」  息切れをしていた。 「とにかく、俺は周りを調べてくる!」 「あ、だったら僕も行くよ!」  大樹に望がついていった。  周りには野生のポケモンが沢山おり、少なくともポケモンの住んでいる世界のようで ある。 「それにしても・・・・・」 「どうしたの大樹?」 「あ、何でも・・・・・」  と、その時であった。            ドテッ!!  大樹は何かにぶつかった。 「「いって〜〜〜!!」」  人とぶつかったようである。 「だ、大丈夫!?」  望は大樹に寄っていった。  ぶつかった相手の方にも、女の子と青年が寄っていった。 「あ、そっちは大丈夫ですか?」 「ええ、そちっは?」 「痛たた・・・・何だよも〜〜?」 「たたた、一体誰・・・・」  そして二人が向かい合った。 「あああああああああああああ!!!!」  大樹は大声で叫んだ。  その声は森のどこまでも響いていった。 「な、何!?」  その少年は大樹と同い年くらいであり、一緒にはピカチュウがいた。  大樹は呆然としながら相手を見ている。 「どうしたの・・・・あれ、そこにいるのは・・もしかしてカスミさんとタケシさん?」 「え、私達のこと知ってるの?」 「ああ、俺達はジムリーダーだからじゃないのか?」 「あ、そっか・・・あれ?」  カスミと呼ばれる少女が振り向いてみると、大樹は望を引っ張って草木に隠れてい た。  そしてこそこそと話し始めた。 「ど、どうしたの?」 「いいか、あれは俺達の知っている二人じゃない?」 「え?」 「きっと別世界のタケシとカスミなんだよ!」 「そ、そうなの?」  読んでいる人達には分かっているので細かい事は省略しよう。  どうやら、大樹達はアニメのポケモンの世界に来てしまったようである。 「あの〜、どうかしたんですか?」 「あ、いや・・・あ、さっきはぶつかってゴメン!」 「いいのよ、サトシはどじだから!」 「どう言う意味だよ!」  そして二人の口喧嘩が始まった。 「喧嘩している・・・・・・・」 「夫婦喧嘩みたいだ・・・・・」 「「夫婦じゃない!!」」  同時に怒鳴った。  すると、そこにイレブン達がやってきた。 「お〜い、どうかしたのか大樹〜!?」 「あ、みんなが来た!」 「あなた達の仲間?」 「あ、ああ・・・・あ!」  気がつくと、そこにはタケシの姿がなかった。  そして・・・ 「綺麗なお嬢さん、自分はタケシと言います!よろしければ一緒にティータイムな ど・・・・」  ナンパしていた。  そして、いつものように・・・・ 「ハイハイ、そう言うのは自己紹介が終わってからね!」 「な、何なんだこいつらは・・・・・」  話がややこしくなって行くのであった。 次回予告「なんてこった!まさかアニメの世界にきちまうとわな〜。俺達は近くにあっ た街に行くと、そこには二人のトレーナーがいた。サトシとライバルでもある二人とも 出会うなんてなんてラッキーなんだ!そこに現われたロケット団のミサキとソウシ!さ らにこっちのロケット団も現われて大変な事に・・・そして、ついにイレブンの正体が 明らかに・・・・  次回 Mr.11の秘密 」