第45話 プリンのコンサート (あらすじ)星・覇王神のせいで大樹達は時空間でバラバラになってしまった。望と利奈は一緒になって他の仲間を探すが、その途中で星・覇王神のメンバーの昇也の襲撃に遭う。持ち前の実力の圧勝し、そのまま逃げる昇也を追っていくのだった。その頃、別の場所では大樹の留美が知らない世界を散策していた。 ???・・・・・・・・ 「何処なんだここは?」 「知らないわよ!」 「けど、やっぱり俺の世界にそっくりだよな〜〜?」 「だから、それだったらこんなに歩きまわってないでしょ!」 「ハイハイ!」  二人は口喧嘩しながら歩いていた。  もう1時間位は歩いてはいるがやはり誰も見つからなかった。 「みんな何処にいったんだろうね?」 「ん〜〜〜、まさか別々の世界にいったんだろ〜な?」 「な、なに不吉なこと言ってるのよ!?」 「冗談だよ♪」  大樹はのんきに笑いながら留美をからかっている。  留美は本当に疲れるような表情をしながらも、本心では少し笑っていたのだった。  望と利奈の時もそうだが、この二人もいい雰囲気である。 「でもよ〜〜、あの揺れって・・・・・・・・・」  そのとき、大樹は途中で話を止めた。  空を見上げていたらとんでもないものを見付けてしまったのである。  それは・・・・ 「お、おい、あれ・・・・・・」 「え・・・・あ、あれってポケモン!?」 「ああ、しかも化石ポケモンのプテラだ!それに乗ってるは克!!」  プテラを持っているのはイレブンだけのはずだが、何故星・覇王神の克が持ってるの だろうか。  が、この時点でわかるのは・・・・・ 「あいつ、絶対何やってるのよ!?」 「知るか、とにかく追うぞ!」  何か悪い予感がしたのか、二人は即座にプテラを追っていったのだった。  運良く相手には全く気付かれてはいないが、空を移動しているので追うのも一苦労で ある。 「くそ〜、エンテイならスグなのに〜〜〜!」 「馬鹿、人だかりで出せるわけないでしょ!」 「わ〜てるよ!!」  どんな時でも口喧嘩をする仲である。 「待ってろよ〜〜〜克〜〜〜!」 そして・・・・・・・・・ 「ハァハァ、見付けたぞ!」  やっと追いついた先は都会の中にある小学校であった。  いや、正確には私立なのか、大きい方の学校であった。 「ここって学校?」 「それよりあいつは・・・・・」  上空にプテラがいるが、肝心の克はいなかった。  と、その時・・・・・・             ドカ〜〜〜〜ン!! 「な、地上だと!?」  良く見て見ると、克はゴルダックと一緒に地上にいたのだった。  しかも、学校を攻撃して壊しているでわないか。  それを見た二人は、すぐさま門を抜けて克の方に向かっていった。 「きゃ〜〜〜〜!」 「わ〜〜〜〜!」 「ふん、いい気味だ。」  まるで復讐をするかのようであった。 「くぉ〜〜ら〜〜〜!」 「ん?お、お前ら、何でここに!?」 「それはこっちのセリフよ!あんた、自分が何やっているのかわかってるの!?」 「五月蝿い、俺達はこの腐った世界を無くす為にやってるんだ、邪魔するなら消えろ!」 「世界をなくす!?」 「ふざけるな!」 「五月蝿い、ゴルダック、ハイドロポンプ!」  こっちの話は聞く耳もないようである。 「ち、デンリュウ、交わして雷パンチ!」 「メガニウム、ツルの鞭よ!」 「プテラ、竜の怒り!!」  空からもプテラが襲ってきた。  周囲では「ポケモンだ!」とはしゃぐ者もいれば、ドサクサに逃げるものもいた。 「念力!」 「メガドレインよ!」 「し、しまっ・・・・!」 「今だ、雷!!」  ズド〜ンと撃墜し、ゴルダックは麻痺してしまった。  飛んでいたプテラにも少しかすり、分は大樹達の方が有利であった。 「ちっ、覚えてろ!」 「あ、逃げるきか!?」 「行くぞプテラ!」  プテラは克を乗せると、すぐさまその場をさっていったのだった。  大樹もすぐさまバクフーンに乗って後を追っていくが・・・・ 「待ちやがれ〜〜〜〜!」 「待って、上!」 「え!?」  上を向いてみると、空から何かが落ちてきていた。  そしてそれは大樹の顔面に・・・ 「ぐわっ!」 「プリ〜〜!」 「あ、プリン!」 「んだって!?」  大樹に激突したのは風船ポケモンのプリンであった。  何でここにいるかは別として、完全に克とプテラを見失ってしまった。 「プリ!」 「カワイ〜〜〜!!」 「お前、まさか俺達みたいに巻き込まれたのか?」 「プリ!」  プリンはコクっとうなづいた。 「それにしても、これで奴を見失っちまったな。」 「ホント、いろいろ聞きたかったのに。」 「プリ〜〜?」  二人は腕をくみながら悩んでいた。  そして 「よし、ヨルノズク、空から克とプテラを探すんだ!」 「そっか、だったらピジョットも!」  二人はそれぞれヨルノズクとピジョットを出した。  2匹はそのまま飛んでいき、ターゲットを探しにいった。 「そうだ、こいつどうする?」 「プリ?」  大樹はプリンを抱き上げながら言った。 「この際だから一緒に連れていったら?」 「それもそうだな。」  そして、偶然であったプリンが仲間に入った。  だが、この後このプリンがとんでもない事を起こすことに、二人は気づいてはいなか った。 その後・・・・・・・  しばらくするとヨルノズクとピジョットが戻ってきた。  ヨルノズクは見付けられなかったが、ピジョットは何かを見つけたようであった。 「ピジョ〜〜!」 「見つけたみたいよ!」 「よっしゃ、すぐに向かうぞ!」 「プリ!」  プリンもあっという間にとけこんでいた。  そしてすぐさまピジョットに案内されて向かった先は・・・・・・・ 「コ、コンサート会場!?」 「何でここにいるのよ?」 「克って、こういうのが趣味なのか?」  それはないとは言いきれないが、ピジョットはここだと言い張っていた。  なお、一目に入るとヤバイので二人は路地裏にいる。 「・・・・・それはそうと、あそこに入るには金がいるんだよな?」 「コンサートだからね。」  まさかこう言う事になるとは思ってもいなかったので、二人の財布には大した額は入 っていない。  だが、このままだと克が何を起こすかもしれないし・・・・  と、その時、 「キャ〜〜〜〜〜〜〜!」 「今のは悲鳴?」 「どうせ歌手を見て騒いでるんだろ?」  確かにそうも考えられる。  しかし・・・・ 「怪獣だ〜〜〜〜〜!!」 「「克だ!」」  一転して考えが変わった。  「怪獣=ポケモン」と考えたのであろう。 「悲鳴はあっちだな?」 「ええ、中からよ!」  騒いでいる一般客の中をドサクサに紛れこんで進んでいった。  会場にいた警備員達も大樹達には気付かず、騒いでいる客を静めるので精一杯であっ た。 「何処にいるんだ!?」 「こんな大勢じゃ見付けられっこないわよ!」  辺りには二人より背丈の大きい人ばかりで辺りがよく見渡せなかった。 「ミサイル針!」 「あ、あれは克のスピアー!」  会場を壊すスピアーを見て、すぐにそっちに駆け寄っていった。  しかし、上からはガラスなどが落ちてきてとても危険であった。 「やば、ヨルノズク、念力だ!」  ヨルノズクは念力で落ちてくる破片を止め、そのまま別のほうへと飛ばしていった。  すると、向こうもこっちに気付き、大樹の前にプテラに乗った克が現われた。 「何処までもしつこいヤツだな!」 「そういう性格だからな!」 「フン、丁度イイ、ここでお前らも倒してやる!スピアー、ダブルニードル!!」 「かわしてスピードスターだ!」  大勢の人で混む中、激しいバトルが繰り広げられていた。  だが、このままでは他の人も巻き込んでしまい、負傷者が出てしまう。 「・・・そうだ、戻れヨルノズク!今度はフーディン!!」 「な、何!浮いてるだと!?」  何と出てきた途端にフーディンは空中に浮いていた。 「エスパーの力で浮いてるんだ。フーディン、スピアーとプテラにサイコキネシス!!」 「マズイ、超音・・・・」 「無駄よ!」 「何!?」  気付くと、プテラは両足をメガニウムの「ツルの鞭」に捕まっていた。  そして、そのままプテラもサイコキネシスをくらい、バランスを崩して克を落として しまった。 「うわ〜〜〜〜!」 「フーディン!」  地面の手前で何とか念力で助かった。  辺りにはもう一般客はおらず、みんな逃げたようである。 「てめえ・・・・・・・・」 「なんか文句のありそうな顔だな?」 「・・・あのまま死なせて・・・」 「ふざけるな!」                ズコ!  大樹はグウで克を殴った。  その後はどちらも無言で黙っていた。  するとステージの方に・・・ 「プリリ〜〜〜〜♪」 「あ、プリン!あんな所に!」 「え、待て、あいつまさか・・・・・」  そのまさかである。 「プ〜プルルプ〜プリン・・・・・・・・・」  その後どうなったかは何時か又・・・・・・・・・・・・・・・・ 次回予告「ただ一人で大樹達を探す俺の前に星・覇王神のヤツらが攻めてきやがった。 呆気なく勝つことが出来るが、今度はつぶれたはずのロケット団の二人組が俺を襲って きた。こっちも片付けることが出来たが、星・覇王神のメンバーの一人の陵(リョウ) には俺と似た過去があった。 次回 2つの孤独 英人の過去 」