第50話 うずまき列島 VSカビゴン (あらすじ)激しい戦いの続く中、大樹達の前に幻のポケモンのミュウが現れた。そして ミュウの手助けもあり、ついに星・覇王神の元凶とも言える敵に打ち勝つことができた のだった。 うずまき列島・・・・・・・  ここはアサギシティとタンバシティの間にあるうずまき列島  海には沢山の渦潮があり、その周りにはいくつもの島々が浮かんでいるのだった。  そして、ここにはあるポケモンの伝説も残っているのである。 「どわ〜〜〜〜〜!!」 「きゃ〜〜〜〜〜!!」  ある、うずまき列島の島の一つに、何人もの少年少女が空から落ちてきた。  言うまでもなく彼らである。            ドサ!バキ!ゴキ!!  運良く、木々や草がクッションになり、何とか不時着する事が出来た。  だが・・・・・・ 「たたたた・・・・・」 「何で空に出て来るんだよ!?」 「あ、ちょっと何処触ってるのよ!?」             ズコ!ボキ!ドゴ!!  いい音が響いていた。  少年達の一人、元星・覇王神の克は最悪にも留美の上に落ちたのである。 「怖い・・・・・・」 「ポケモンより強そう・・・・・」  ある意味そうである。  克は漫画的な仮死状態になっていた。  頭部からは煙みたいなのがでていた。 「そこ、何いってるの?」 「いえ、別に・・・・・」  とてもじゃないが、二の前になるのはごめんな大樹達だった。 「それにしてもここは何処だ、ミュウの奴、テレポートで送ってくれたのはいいけど、 場所がわからないんじゃなあ。」 「あ、もしかしてここ・・・・」 「分かるのか望?」  周囲の景色を見渡していた望はここが何処なのかが見当がついたらしかった。   「ここ、きっとうずまき列島だよ、ほら、海の方に渦潮があるしさ!」 「渦潮〜〜?あ、マジであった!」  少し高い所にいたこともあり、ここからも海の景色がはっきりと見えていた。  海の向こうには連絡船や他の島々も見えていた。 (うずまき列島・・・・じゃあ、ここにはあの・・・・・・)  大樹は心の中で何かを考えていた。  だが、ここでは無闇に言わない方がいいと、みんなには黙っていることにした。 「で、お前らはこれからどうするんだ?」 「ん?」  大樹とは別に、英人は克や昇也、陵に問い掛けていた。  今となっては星・覇王神も壊滅し、彼らとはもう敵どうしでもなくなっている。 「どうするって・・・・・・・」  3人は黙りこんでいた。  彼らは元は大樹と利奈と同じ世界から来ているので、本来なら元の世界に帰るべきな のである。  だが、その帰る方法も見当たらず、あったとしても、今は帰りたくない3人であった。 「ま、そう言うことは後に考えようぜ!」 「そうだよ、今は早く町の方にいかないと暗くなってしまうよ!」  確かに、お天道様はすでも沈む方向にあった。  あと数時間で日没である。 「じゃ、とにかくお前らもしばらく一緒に行こうぜ♪」 「な、こら!!」  大樹はいつものように軽々しく接し合い、肩をくんで先に進んでいった。  他のメンバーもやれやれと思いつつ、その後に続いていくのであった。 その後・・・・・ 「な・・・・・・・・・・・・・・・」 「ギョ!!  早速と言っていいほどに、目の前にトラブルが待っていた。  近くの町に繋がる道のど真ん中に、巨大なポケモンが居眠りをしていたのであった。 「これって・・・・・・・・・・・」 「もしかして・・・・・・・・・」  珍しいポケモンであるが、それ以上に・・・・・・  いや、そこは黙っておこう。 「カ・・・・・・」 「カビゴンだな・・・・・・・・・・」  居眠りポケモンのカビゴン  こいつは中々起きないポケモンであり、重さもポケモン至上最高の記録も持ってい る。 「ここを通るしかないんだろ?」 「地図にはそう書いてるけど・・・・・・」 「起きろ!!」(怒)  昇也は思わず蹴り飛ばした。  だがビクともしなかった。 「どうすりゃいいんだ〜〜〜〜!?」 「ん〜〜〜〜〜〜〜〜〜」  難しい難問であった。 「あの〜〜〜〜」 「ん?」 「僕、ポケモンの笛持ってるんだけど・・・・・・」  望は、リュックの中から「ポケモンの笛」出した。 「「それを最初に言え!!」」  島中に響くかと思えるような怒鳴り声であった。  そして、望はカビゴンの方を向きながら笛を吹き始めた。        ビ〜〜〜〜〜〜〜ギ〜〜〜〜〜〜!!  スゴイ音であった。 「ぎゅあ〜〜〜〜〜〜〜!!」 「不協和音〜〜〜〜〜〜〜〜!!」 「やめて〜〜〜〜〜〜〜!!」  ポケモンの「嫌な音」よりも嫌な音であった。  そして望はショックを受けた。 「・・・・・・・・」 「望君・・・・・・・」 「あいつ、きっと音楽は最悪だったんだろうな・・・・・・」 「しっ!!」  だが、それとは別に、カビゴンの方には変化があった。  なんと、あの音で起き出したのである! 「かんび〜〜〜〜〜〜」 「ゲ、起きやがった!!」 「嘘!?」  みんなドッキリであった。  だが・・・・・・・ 「ゲゲ、襲ってきやがった!!」  寝ぼけたカビゴンが襲ってきた。  その迫力といったら凄まじかった。 「やばやば、受けとめろオーダイル!!」  素早くオーダイルを出したが、カビゴンのパワーは予想以上だった。  なんと、一気に押されていったのである。 「げげ、なんつ〜パワーだ!?」 「リザードン、メガトンパンチだ!」  だが、贅肉がダメージを吸収してしまった。  これでは強力な技も無意味である。  そして、ついにはオーダイルと一緒に潰されてしまい、さらにはカビゴンが転がって きたのである。 「ぎゃ〜〜〜、こっちに来る〜〜〜!!」 「なぬ〜〜〜!!」  即座に一同は逃げ出した。  だが、カビゴンはしつこくも追いかけてくる。 「ピジョット、私を乗せて逃げて!」 「あ、てめえ俺らも乗せろ!!」 「定員オーバー!」  留美だけは何とか逃げられた。  カビゴンはまだ大樹達を追いかけてくる。 「チッ、ゴルダック、念力!!」 「お、カビゴンが浮かんだ!」  克のゴルダックのお陰で死ぬ事はなくなった。  だが、ゴルダック自身は苦しそうだ。 「・・・・思いようだな?」 「ああ・・・・・・・」 「そうだ、カメックス、今のうちに高速スピンでぶっ飛ばすんだ!」 「ガメ〜〜〜!!」 「フシギソウ、宿り木の種よ!!」 「フシッ!!」  高速スピンの直撃を食らったカビゴンはそのまま道端に墜落した。  そして、宿り木の種に体を縛られ、体力を奪われていった。 「ピジョット、風起こし!!」 「ピジョ〜!!」  一気に攻撃に入っていった。  だが、もう少しと言う所でカビゴンは眠り始めた。       ZZZZZZZZZ・・・・・・・・・・・ 「ね、眠る!?」 「まて、それだけじゃねえぞ!!」  すると、今度はカメックスとフシギソウに攻撃してきたのである。 「何で、眠っているのに!?」 「これって『いびき』だぞ、これじゃあきりがねえ!」  「いびき」を使ってくるのに対し、こっちは中々反撃できなかった。  そして、フシギソウはもろにダメージを受けていくのだった。 「あ、頑張ってフシギソウ!!」  と、その時だった。  フシギソウの体に変化が起き始めたのである。              ピカッ!! 「あ・・・!」 「進化だ!!」  背中のつぼみがゆっくりと開いて行き、体もどんどん大きくなっていった。  そして見事、最終形態のフシギバナに進化したのである。 「スゲエ、あれがフシギバナ!」 「そうだ、フシギバナ、ギガドレイン!!」 「バナ〜〜!!」  進化してそうそうの大技であった。  すごい勢いでカビゴンの体力を奪っていくのである。 「お、どんどん弱っていくぞ!」 「今よ、はっぱカッター!!」  急所にあたり、カビゴンは倒れた。  そして、利奈はヘビーボールを投げた。 「やった〜、カビゴンゲット!」  カビゴンは抵抗する事もなく捕獲された。 「ふう、一時は死ぬかと思った。」 「全くだぜ。」  気が抜けて、みんなため息をこぼしていた。  だが、その直後に大事な事を思い出したのである。 「あ〜〜、もう太陽が沈みかけてる〜〜〜!!」 「ぬわぁに〜〜〜〜〜!!」  そして、彼らは町を目指してまた走り出したのだった。 次回予告「またもやトラブルに巻き込まれてしまった俺達、だがそんな中、望のもって いた『銀色の羽』が輝き出した。そしてそこに表れたのは元ロケット団のミサキとソウ シだった、あいつらの狙いは『銀色の羽』だな!お前らなんかに渡してたまるかよ!だ が、その一方でうずまき列島では何かが起きようとしていたのだった。 次回 語る夢  ルギアの羽 」