第55話 光と闇・・・・ (あらすじ)孤島でルギアと戦うなか、イレブンとヴィーナスがやってきて望にマスタ ーボールを渡した。望はクロバット共に戦い、見事ルギアをゲットする事に成功したの だった。だが、そんな中で新たなる敵、「ナイトメア」の存在が明らかになって行き、 物語はさらなる幕を開けようとしていたのだった。そして、今まで知られなかっ た・・・・・ ある島・・・・・・  望がルギアを捕獲した頃、こっちでは騒がしかった。 「だぁ〜〜、お前らがどっかに行ってるから!!」 「私達のせい!?」 「やつあたりだ!!」 (アホ)  望がさらわれた事により、みんな落ちつきをなくしているようである。  探すにも、ルギアが早すぎたため、何処にいるかも分らなかったので探しようがなか った。 「でも、何であいつだけが?」 「強いからじゃない?」 「何言ってるんだ、強いのは俺だ!」 「そんなの自惚れよ!」 「なんだと!?」  この騒ぎはしばらく収まりそうもなかった。  だが、しばらくすると、海の向こうから何かがやって来た。 「?」 「どうした英人?」 「何かがこっちに来る・・・・」  英人の見ている方へ視線を向けると、そこには大きな鳥みたいなのがこっちに向かっ ているのが見えていた。  しばらくはぼんやりとしていたが、それはだんだんとハッキリとしてきた。 「あれは・・・・ファイヤー!?」 「ファイヤーってまさか!」  そのまさかである。 その後・・・・・ 「みんな元気でなによりだ!」 「って、何で隆史が一緒にいるんだ〜〜〜!?」 「うるさい!」  大声で叫ぶ大樹を留美が黙らせた。 「とにかく、ことの始終は俺が説明する。」 「そうだ、それにお前の事だっていい加減に話せよな!」 「ああ・・・・・・」  イレブンはいつもながら冷静な表情をしていた。  事実そうだが、今のイレブンの表情を見ると、やっぱり年上だと思えるのだった。 「まず始めに、俺のコードネームはイレブンだが本名はティールと言う・・・」 「へぇ〜(やっぱり欧米系だったのね〜)」(利奈) 「そして、単刀直入にいう・・・・大樹に隆史・・・」 「ん?」 「・・・・・」  何だか言いづらそうであった。  そして次の瞬間、ティールは驚くべき真実を話すのであった。 「お前達2人は本当はこっちの世界の生まれなんだ!」 「「何〜〜〜〜〜〜!?」」 「そして、望と隆史に関しては実の兄弟!」 「「嘘〜〜〜〜〜〜〜!!」」  とんでもない真実の連発であった。  これは文章なので誰も分らなかったのだが、実は望と隆史はかなり外見が似ているの である。 「・・・驚くのも無理はない、とにかく詳しく説明する。」 「(俺があいつと兄弟!?)」(隆史) 「(隆史と僕は同い年だし、本当なら双子!?)」  ティールの話とは別に、みんな心の中まで大騒ぎになっていた。  まあ、これはこれで面白いのだが・・・・ 「ここにいる誰もが知っているように、今、二つの世界は大きな時空の穴でつながって いる。だが、あれは人工的に造られた物、自然的にできる事もあるが、それは瞬間的な もので発見例も極めて少ないんだ。そして、大樹と隆史も幼い頃にこの自然的に発生し た時空の穴に巻きこまれてしまい、もう一つの世界に行ってしまったんだ。」 「・・・・・・嘘・・・・・・・・」 「じゃあ、俺の母さんや父さんは・・・・・」 「そう、こっちの世界にいる。」  大樹と隆史はショックでへこんでしまった。  今まで信じていた親がまさか義理だったなんて・・・・ 「そしてその中に望の双子の弟の隆史もまぎれていたってことだ。」 「双子〜〜〜〜!?」(昇也) 「って、どっちかって言うと望の方が弟っぽいだろ!?」(克) 「「(確かに・・・)」」(英人&陵)  少し驚くところがずれているのだった。 「だが、あまりに発見が難しい事から、気づいたときには10年も経って・・・」 「経ちすぎだ!!」 「落ちつきなさいよ!」  興奮気味の大樹を留美が抑えていた。 「そして、俺達はお前達の持っている『ある可能性』にかけ、ナイトメアと戦う為に元 の世界に戻したんだ。」 「ナイトメア・・・・・・?」  またしても出てきた『ナイトメア』・・・・・ 「ナイトメアと言うのはポケモンや人間の科学技術を悪用して自分達が自然界の神にな ろうとする連中だ。数はロケット団と比べるの極めて少ないが、全員が四天王クラスの 強さを誇っている。」 「嘘!」 「マジ!?」 「言っておくが、今のお前等では到底かないっこない!」 「なら、何で俺達を・・・・・・」 「それはいずれ話す・・・」  なんだが話しが難しくなってきていったが、とにかく四天王と同格の実力を持つトレ ーナー集団『ナイトメア』と対抗する為に大樹と隆史はこっちの世界に戻され、留美や 利奈に克達も同じ「可能性」を持っているようである。 「そして隆史、望がゲットしたルギアを護るように仕向けたのはワタルとシバだな?」 「・・・・・・あぁ・・」 「え、ゲットした!?」 「嘘!?」 「望君スゴ〜イ!」  一気にみんなの注目の視線を浴び、望は顔を赤くしてしまった。  それに、四天王のシバと、ワタルに頼まれたと言うのは一体・・・・・ その頃・・・・シロガネ山・・・・  同時刻、シロガネ山では『ナイトメア』が動き出していた。  屈強のポケモンばかりがいるシロガネ山、そこにいる時点で奴らの強さは証明されて いた。 「フェッフェッフェ、ルギアは取られたようじゃのう?」 「ああ、だがルギアは中間点にすぎない、まだホウオウやセレビィ、それにミュウが残 っている。  山の奥深くにある大きな山小屋の中で数人が何かを話していた。  だが、その中にはとんでもない人物も紛れこんでいたのである。 「けどよぉ、『虹色の羽』のひとつはアイツらが持ってるんだろ?」 「それにエンテイ、ライコウ、スイクンの3匹もあっちにいるしねぇ。」  ティールと同じ位の男女は悩んだ表情をしていた。  だが、その中で最高齢であろう老婆はニヤついたままであった。 「気にする事はないさ・・・フェッフェッフェ・・・・」 「ならばキクコ、まずはお前が行ってきたらどうだ?」 「ああ、そうさせてもらうよ。」  そう、ナイトメアの中には元四天王のキクコもいたのであった。  大樹達はそれすら知らずに大きな戦いに巻きこまれていくのであった。 次回予告「知らない間にポケモンリーグ間近になっていやがった!早速猛特訓する俺だ が、なんで克と一緒なんだ〜〜〜!けど、そんな中で俺はやらなくちゃならない事があ った。そして、ティールの出す俺達の特訓内容とは一体・・・・・ 次回 ポケモンリ ーグを目指して〜大樹&克〜 」