第91話 初戦を終えて -Intermission- ホウエンリーグの予選・第一戦を終えたアカツキは、初戦を白星で飾った喜びに胸を弾ませながら、ポケモンセンターに戻った。 精一杯の戦いを演じた少年を出迎えたのは、ユウキ、ハルカ、ハヅキの三人だった。 三人揃って笑みを浮かべているのは、自分の勝利を喜んでいてくれているからだ。 我がことのように喜んでくれていると分かると、アカツキまでうれしくなる。 三人はアカツキの傍まで駆けてくると、笑みを深めながら労ってくれた。 「アカツキ、やったじゃん。白星スタートだぜ!!」 「うんうん!! すごかったよ!!」 「ありがとう」 アカツキはホウエンリーグの初戦を白星で飾り、幸先のいいスタートを切ったが、相手はさすがに強敵だった。 ずいぶんと気性の荒いお嬢様だったが、さすがにリーグバッジを八つ集めた実力者。 序盤は強気な彼女のペースに引き込まれっぱなしだった。 それでも後半になるに連れて、逆にこちらが主導権を握り、何とか勝利することができた。 名前は確かユイカと言ったか……高飛車な少女の強気な戦術を思い返していると、ユウキがため息混じりに漏らした。 「おまえ、いつの間にオレより強くなったんだよ。やっぱ頑張ったからだよな。な?」 「あ、うん、まあ……あのさ、ユウキ」 「なんだよ?」 「アブソルとチルタリスを回復させたいんだけど、通してくれないかな」 「あ、悪ぃ!!」 意地悪にからかっていたユウキも、ポケモンの回復と言うことで、慌てて道を開けた。 悠然とした足取りで、アカツキは精一杯戦い抜いてくれたポケモンが入ったボールを手に、カウンターへと歩いていった。 自信に満ちたその横顔を見送り、ユウキは笑みを深めた。 「ったく……旅に出る前は、おまえ、オレよりもトレーナーとしちゃ弱かったのにな」 親友はいつ、トレーナーとしての自分を追い抜いたのだろう。 先ほどのバトルを見て、それがよく分かった。 いつの間にか、抜かされていたらしい。 それはハルカも同じことが言えるが、成長度合いだけを見れば、アカツキの方が断然上だ。 親友として長年一緒にいると、よく分かる。 もっとも、アカツキやハルカは各地のポケモンジムに挑戦して、バトルの腕を磨いてきたのだ。 気の向くまま、足の向くまま悠々自適に旅を続けてきたユウキでは、追い抜かれるのは当然だ。 「背伸びしないであれだ……今のオレじゃ勝てないかもな」 なんて思うものの、親友がトレーナーとして強くなったという事実は、悔しいというよりもうれしい気持ちの方が強かった。 『黒いリザードン』なるポケモンが存在するんだと、何度もユウキを説得していたあの頃と比べたら。 「ホント、アカツキってば強くなったよねぇ」 「あれ、おまえ、もしかしてうれしいとか?」 「そりゃあもちろん!!」 カウンターでモンスターボールをジョーイに渡しているアカツキを見つめ、ハルカは声を大にして言った。 喜びの感情を隠そうともせずに。 「その方がトレーナーとして戦い甲斐ってモノがあるじゃない?」 「まあ、そりゃそうだよな……」 当たり前の言葉を口にされて、ユウキはため息をついた。 そりゃ、ライバルは強ければ強いほどいい。 強い相手に勝った時こそ、自分も強くなったんだなと実感するし、勝利の喜びも一入というものだ。 「でも、ハルカも兄ちゃんも勝ったじゃない?」 ジョーイにポケモンを預け、戻ってきたアカツキが話に加わった。 「えへへ、まあね」 「ふふ……」 ハルカは恥ずかしそうに後頭部に手を当てて笑い、ハヅキは笑みを湛えたまま目を細めた。 三人揃って白星というのは実にめでたいことだ。 「しかしアカツキ。 あの時よりもさらに腕を上げたね。先ほどのバトルを見てそれがよく分かったよ」 「あの時って言うと……ああ」 アカツキは合点が行ったように手を叩いた。 ホウエンリーグの準備期間から今日までの数日を除いて、ハヅキと最後に行動を共にしたのはルネシティまでだった。 目覚めの祠で気を失い、ルネジムで目を覚ましたがついた時には、ハヅキは姿を消していた。 それからだと、もう五ヶ月近く会っていなかったのだ、兄弟だというのに。 それぞれの目標があるから、それは仕方のないことだと割り切っている。 アカツキはアカツキなりに頑張ってきたし、もう一度各地を回って様々なタイプのポケモンをゲットしてきた。 もちろん、強く育て上げることも忘れてはいない。 「兄ちゃんと戦えるんだ、ぼくも……」 同じ舞台の上で、激しく火花を散らせるのは、素直に喜ぶべきことだった。 いつかはトレーナーとして、兄弟の情を抜きにして全力で戦いたいと思っていたし、それが叶うチャンスが訪れたのだ。 もっとも、アカツキとハヅキは違うブロックだから、本選に勝ち進まなければこの大舞台で戦うことはできない。 なんとしても、予選を勝ち上がらなければならないのだ。 ハヅキと戦いたいという気持ちが起爆剤となって、アカツキはかつてないほどやる気になっている。 いつかハヅキと戦う時に想いを馳せていると、ハルカに声をかけられた。 「あ、そういえばキミのワカシャモ、バシャーモに進化した?」 「ううん、まだだけど……どうしたの、突然?」 突然投げかけられた質問に、アカツキは驚いたが、すぐに返した。 「うん……あたしのアーミットが、また戦いたいって言ってたから」 「アーミットが……?」 ハルカは首を縦に振った。 アーミットという名前に心当たりがないのか、ハヅキは首を傾げていたが、そんな彼を置き去りに話は進んでいた。 アーミットはハルカの最初の一体のニックネームだ。 旅立った時はミズゴロウだったが、今は最終進化形のラグラージに進化し、彼女の戦力の中枢を担っている。 ハルカは旅立ってから、ポケモンに愛着を感じるようになって、ニックネームをつけることにしたらしい。 今ではすべてのポケモンにお気に入りのニックネームをつけているのだとか。 一方、アカツキからすれば、どんな名前だろうとポケモンがポケモンであることに変わりはないので、ニックネームはつけていない。 ただ、カエデはトレードで手に入れたポケモンなので、元の名前を呼んであげた方が喜ぶと思って、種族名でと呼ぶことはしなかった。 アカツキのワカシャモは、旅に出る前はアーミットやユウキのジュカインと一緒に遊んだ親友同士である。 だからこそ、アーミットは強くなった親友と戦いたいと思っているに違いない。 その点は、ポケモンはトレーナーに似るという格言(?)にピッタリだ。 「やっぱり、ちゃんとした形で決着つけたいみたい」 「そうだね……」 いつかアーミットとワカシャモが戦った時のことを思い出し、アカツキは深いため息をついた。 無意識のうちに、ワカシャモのモンスターボールに手を触れていた。 あの時はアーミットにコテンパンにやられてしまったが、それがワカシャモの闘志に火をつけた。 八つのバッジをゲットしてから、ワカシャモは今まで以上に精力的に修行に打ち込んだ。 アカツキの方が音を上げてしまうくらいのハードスケジュールを、しかしワカシャモは何も言わず黙々とこなしていた。 そのスケジュールを組んだのは、ポケモンに詳しいカリンである。 八つのバッジを集めてから、アカツキは一度ミシロタウンに戻っていた。 母ナオミに、ホウエンリーグに出られることを知らせようと思ったのだ。 その時にオダマキ博士の研究所にも足を伸ばし、カリンにポケモンの育成について相談に乗ってもらった。 普通に育てていってもいいのかもしれないが、ホウエンリーグに集うのは八つのバッジをゲットした強者ばかり。 どうしたらいいものかと相談してみたら、カリンは親身になって話を聞いてくれた。 それから、 「決めるのは君自身だからね」 と前置きをして、育成プランを練ってくれたのだ。 元ジョウトリーグ四天王の一員だけあって、それぞれのポケモンの体力に合ったオーダーを組んでくれた。 ワカシャモは誰よりも強いやる気を買われて、ハードなスケジュールを組まれた。 無理だろうと思えるようなスケジュールだったのに、全部こなしてしまったのだから、さすがに彼女も脱帽していた。 もちろん、その分強くなったのだから、最終進化形であるバシャーモに進化できてもおかしくない。 いや、それどころか、進化して当然のレベルに達しているはずなのだが、ワカシャモは進化を拒んでいる。 強くなるために変わってしまうのは嫌だと、アカツキにそういうサインを出していた。 ポケモンの進化はポケモンが決めるもの。 だから、アカツキはワカシャモに進化を促したりはしなかった。 ワカシャモのままでいたければ、それでいいのだ。進化なんてしなくても、十分強いから。 だけど…… 「ハルカの言う『ちゃんとした形』っていうのは、きっとバシャーモに進化するってことなんだろうな……」 筋違いかもしれない思い込み。 でも、アカツキにとってはそれが真実だった。 相性が悪い上に進化前となると、実力に開きが出て当然。 そんなアンフェアな状態での決着など、ハルカもアーミットも望んでいないのだろう。 タイプと言う相性を抜きとして、同じ舞台に立ってこそ決着をつけるに相応しいと思っているのは明らかである。 だが、ワカシャモは進化をしたくないから、当分はそんな形での決着は望めないだろう。 そのことをどう説明すればいいのか。 アカツキはとにかく悩んでいた。 次のバトルは明日だが、その時の作戦を考えるよりも優先順位は上だったのだ。 「でも、ワカシャモはワカシャモのままでいいんだ。 決めるのはワカシャモで、ぼくじゃないから」 「そうだね」 ハルカの言葉にもう一度頷いてみせた。 「楽しみにしてるね」 「うん」 「それよりさ、アカツキ。久々にジュカインたちを遊ばせないか? あの時はいろいろあって素直になれなかったみたいだけど、今なら結構リラックスできるかもしれねえぜ」 「そうだね」 ユウキの提案に、アカツキもハルカも諸手を上げて歓迎した。 それぞれのポケモンが入っているモンスターボールを手に取り、口々にその名前を呼ぶ。 「ワカシャモ、出てきて!!」 「アーミット、遊びましょう!!」 「ジュカイン、楽しんで来いよ!!」 トレーナーの声に応え、三体のポケモンが飛び出してきた。 最終進化形であるアーミットとジュカインと比べて、ワカシャモは少し背が小さかったが、そんなことは気にしていない様子だった。 厳しい修行を乗り越えて、自分に自信を持っているからだ。 「シャモっ!!」 「ジュカイーン……」 「ラグラージ……!!」 としか聞こえない鳴き声を上げると、三体は楽しそうにポケモンセンターの庭へと駆け出していった。 姿形が変わっても、親友という関係は変わっていないのだ。 一度こうして遊ばせたことがあったが、あの時は今ほど素直ではなかった。 いろいろと複雑に絡んでいたのを、ユウキが何とか解決してくれていたのだ。 まあ、心配事がなくなって、アカツキもハルカも肩の荷が下りたようにホッと胸を撫で下ろしていた。 仲良く遊んでいる三体の様子を見て、ハヅキは小さく笑った。 「いいね。こうやって楽しく遊べるなんて……」 ハヅキは一人でミシロタウンを旅立った。 淋しかったし、最初は結構辛かった。 友達と一緒の日に旅立ったら……もしかしたら、今のポケモンと出会えていなかったかも知れない。 別のポケモンでチームを組んでいたかもしれない。 ハヅキは、今手持ちを固めている六体のポケモンが最高のオーダーだと思っているから、これ以上を求める気はなかった。 だから、あの時あの選択をして……その結果が今につながっていることを誇りに思っている。 別の道を選べばよかったと思うこともあるが、それは決して後悔などというものではない。 ……と、感傷に浸っているような気がして、なんとなく嫌になった。 過去と言うのは大切だが、それを気にしてばかりいては、未来は拓けない。 軽く頭を振って、考えを切り替える。 「アカツキ。あのアブソルはどういう経緯でゲットしたんだい?」 ハヅキは先ほどのバトルを見て気になったことを素直にぶつけてみた。 「うん、実は……」 アカツキはチラリとカウンターの方を振り返った。 ジョーイの手で回復の機械にかけられたモンスターボールが視界に入る。 「それが、いきなり襲われちゃって…… なんか逃げられそうになかったから、勢いでゲットしたというか……そんな感じだよ」 自分で言ってることを恥ずかしいと感じたのか、アカツキは顔を赤らめ、力なく笑いながら答えてみせた。 「それ、なんつーか……」 「なんか面白いかも」 「なるほど……」 三者三様の反応が返ってきた。 ユウキはなんだかなあと呆れているような表情で。 ハルカは偶然ってステキと思っているような表情で。 ハヅキはいかにも弟らしいと何度も頷いて。 見事なまでの反応の違いに、アカツキはもはやどうでもよくなっていた。 それぞれの特徴がよく出ていると言うか……いや、深く考えるのは止めにしよう。 「まあ、アブソルってあんま人に懐きにくいって言われてるけど、おまえのアブソルはそうでもないみたいだな」 「うん!!」 ユウキが気を取り直して言うと、アカツキは大きく頷いた。 アブソルはゲットしたての時は、まあとにかく手が焼けるやんちゃ坊主みたいな存在だった。 モンスターボールから出したらいきなり襲ってきたり、他のポケモンと睨み合ってたり…… 特にカエデはアカツキを守ろうと必死だったから、それはもう仲を取り成すのに骨が折れた。 でも、その苦労が今では楽しい思い出になっているから、アブソルをゲットして本当によかったと思っている。 現に、バトルでは獅子奮迅の活躍ぶりだ。 手の焼ける子供ほどよく育つというか、苦労した分強く育った。 「明日のバトルは……」 アカツキはリュックを背中から下ろして、中身をガサガサ漁った。 不思議なものでも見るように三人の視線が集中するが、取り出したものを見て「なんだ?」と思った。 アカツキが取り出したのは、小冊子だった。 エントリーを済ませ、グループ分けが終わった時に渡されたもので、誰がどのグループにいるのか分かる。 いわば選手名鑑と呼ぶべきもので、自分のグループ――Gグループのページを開いた。 アカツキと、さっきバトルしたユイカ、その他二名の名前が、総当たり戦の表に上から順に書き込まれている。 言うまでもないことだが、ユイカと言い他の二人といい、聞き覚えのない名前である。 真剣な顔で小冊子を睨みつけているアカツキを見て、ハヅキは満足するように笑みを浮かべた。 「戦う相手のことを知ろうなんて、少しは大人になったってことなのかな」 敵を知り、己を知れば百戦危うからず。 戦いではそれが勝利への近道となるのだ。 「これなら期待できるかもね……」 なんて、兄がいろいろと考えをめぐらせていることには気づく様子もなく、アカツキは次に戦う相手の名前を胸中でつぶやいた。 名前だけではどんな相手なのか分からないが、考えていることはただ一つ。 「どんな相手にだって勝ってみせる。それだけさ!!」 相手がどこの誰だろうと、負けるわけにはいかない。 仮に次に戦う相手がハルカやハヅキであったとしても、負けるわけにはいかないのだ。 行けるところまで行くというのを目標に掲げて、今まで頑張ってきた。 だから、精一杯やりたい。 悔いの残らないように。 「さて、僕も調べるとしようか……」 「じゃあ、あたしも……」 「ヲイ……」 釣られるようにして次の対戦相手を調べ始めるハヅキとハルカを見て、ユウキは今度こそ呆れたようにつぶやいた。 ハヅキの方は場の雰囲気からそうしただけだろう。 しっかり者の兄貴はすでに全員分の名前を頭に刻み込んでいるはずだ。 まあ、ハルカの方はどうだか知らないが。 ……と、アカツキは肩を叩かれて振り返った。 すぐ傍にジョーイが相変わらずの笑顔で立っていた。 その手には、モンスターボールが二つ載った小さな籠。 「回復が終わりましたよ」 「ありがとうございます、ジョーイさん」 アカツキは丁重に礼を言うと、モンスターボールを受け取り、腰に差した。 「明日のバトル、期待していますよ」 お世辞なのか、それとも本心からか。 ジョーイは意味深な言葉を残して、カウンターの奥へと戻っていった。 「回復も終わったことだし……」 アカツキはリュックを背負いなおすと、両手を頭上に持ち上げて、身体を目いっぱい伸ばした。 さっきのバトルで、結構疲れたのだ。 「他のバトルでも見学するのか? 結構いっぱい残ってるげだけど」 「いや、いいよ」 退屈そうに見えるアカツキに声をかけるユウキだが、きっぱりとノーの返事をもらって、返す言葉もなかった。 「今日はゆっくり休むことにするよ。明日に備えなくちゃね……」 「そっか。そうだよな」 残念そうに肩を竦めるユウキ。 「ユウキ。もしかして、他のバトルを見てきたいとか?」 「まあな。参考になる部分もあるし……」 「ごめん、知らなくて」 「いいんだよ。なんでおまえが謝るんだよ。 バトルしてるのはおまえなんだぜ。 別にオレのペースになんて合わせなくていいっつーの。 んじゃな」 ユウキは清々しい表情を浮かべると、ジュカインをワカシャモたちと遊ばせたまま、ポケモンセンターを出て行った。 その姿を見送ってから、ハヅキはアカツキに訊ねた。 「で、どうするんだい? 今から部屋に引きこもるのか?」 「まさか」 アカツキは笑みを深めた。 確かに休むとは言ったが、今から休むわけではない。 部屋に戻ってゆっくりと『調べもの』をするだけのことだ。 気が向いたら休む。それだけのこと。 「書庫でいろいろな本を借りて、じっくり研究するよ。 ぼくのチームで使えそうな戦略とかあったら、取り入れてみたいし」 「そうだな。それがいいだろう」 無難な答えに、ハヅキは納得した様子だ。 「あたしも一緒に行っていい?」 「え、うん……」 「兄ちゃんは?」 アカツキは助けを求めるようにハヅキを見つめた。 なんだかとってもやる気になっているハルカに引っ張り回されそうな気がして、なんとなく怖くなったのだ。 だが…… 「いや、僕もユウキと同じでバトルを見学してくるよ。 まあ、理由は違うけど。それじゃ」 ハヅキもポケモンセンターを小走りに出て行ってしまった。 その背中はどことなく脱兎のように見えた。 「んじゃ、行こっか!!」 邪魔者は消えたと言わんばかりに、目をキラキラ輝かせ、ハルカはアカツキの腕をおもむろにつかんだ。 「え、え……」 一体どういう理由があっての行為なのか分からず、アカツキはハルカの顔と、自分の腕をつかんでいる彼女の手を交互に見つめた。 「レッツゴー!!」 「あわわわ、引っ張らないでよぉ!!」 突然走り出したハルカに引っ張られる形で、アカツキも駆け出した。 なんでいきなりこんなことになったんだろうと、アカツキは当分、そんなことを考えていた。 第92話へと続く……