Sub Effect 第一部:Ballet city story 第八話:奇襲 9月15日、午後11時24分、バレットシティに通じる3本の道路の一つである89番道路に レジスタンスのメンバー20人あまりが武装して(武装といっても軽装備程度)近くの森で息を潜めていた。 「ガイ、ここで封鎖するのか?」 「ショウ、もう少し離れた場所に検問がある。まずそこから襲う。」 ガイが森から出て双眼鏡で道路のバレットシティ側を見た。 検問には物資を搬入するトラックはまだ一台も通過していないことがわかっていた。 その脇で検問の無線を盗聴していたユウゴが盗聴した無線の内容を伝えた。 「アーガスのトラックは1時間ほど遅れるそうだ。」 「よし、検問を襲おう。」 ガイはショウとサイウンを連れて検問に向かった。 午後11時35分、検問にはアーガス警備兵4人がサブマシンガンを構え、横にはヘルガーが3匹、リザードが1匹いたて、近くの茂みの中にショウ達が潜んでいた。 「ヘルガーが3匹いるとはなあ。」 「ショウさん、ガイさん、もうヘルガーに気付かれていると思いますが・・・。」 「その方が都合がいい。」 サイウンの言うとおり3人はアーガス警備兵に見つかった。 「貴様らレジスタンスのメンバーだな。」 警備兵がサブマシンガンを構えたその時、後ろから他のメンバー達が警備兵に襲い掛かった。 「モココ!10万ボルト!」 「ギャラドス!ハイドロポンプ!」 ユウゴのモココがリザードに10万ボルトを放ち、レジスタンスのメンバーのギャラドスが ヘルガー3匹に向けてハイドロポンプを発射した。 「あっちは囮だ!すぐに作戦本部に救援を・・・。」 アーガス警備兵が通信機で連絡しようとしたが、サイウンが先に回りこんでいた。 サイウンはハッサムをモンスターボールから出して、通信機を破壊し、警備兵にメタルクローを食らわせた。 午後11時44分、レジスタンスによって検問は10分にも満たない時間で占領した。 ショウとサイウン、ガイがアーガス警備兵の服を奪って着替えた。 「第一段階は終了した。次はここに来るトラックを襲い、10メートル先の橋を爆破する。」 ガイが次の作戦の内容を参加者に伝えた。 午後12時39分、予定より一時間遅れてアーガスの補給物資を積んだトラックが6台検問に着いた。 トラックに乗っていたアーガスのメンバーが警備兵に変装したショウに通行許可証を提示した。 「補給物資は食糧、銃火器、医薬品、ポケモン用の道具、電気系統等の修理器具です。」 「ご苦労様でした。それらは俺たちがいただきます!」 ショウがこういった瞬間に茂みに潜んでいたレジスタンスのメンバーがトラックを取り囲んだ。 「これはどういうことだ!」 最後尾のトラックに同乗していた初老のアーガスの幹部が運転手に問い出した。 「うわさによれば、バレットシティを逃げた人々がゲリラ活動をしているとありましたが本当でしたみたいです。」 「つまり検問が占領されたわけだな。」 アーガス幹部がトラックから降りて、レジスタンスのメンバーをいきなり鞭で殴った。 「お前はアーガスの幹部か?」 ガイがアーガス幹部に近づいて、かぶっていた帽子を取って投げ捨てた。 「そうだ。私はアーガス補給部隊隊長シラキだ。」 「ならば倒す。ゴルダック!切り裂け!」 ガイはモンスターボールからゴルダックを出した。シラキはソーナンスと何かの機械を取り出した。 「このゴルダック、レベル48、技は切り裂く、サイコキネシス、ハイドロポンプ、破壊光線・・・。」 シラキは機械でガイのゴルダックのステータスを調べ、ソーナンスはゴルダックの切り裂くをカウンターでダメージを倍返しにした。ゴルダックは急所に当たり、戦闘不能となった。 次にガイはゲンガーを出し、ソーナンスに催眠術をかけるように指示した。 その頃シラキは機械でゲンガーのステータスを調べ、ソーナンスは神秘の守りを使い、状態異常ななる攻撃が効かないようにしていた。 「何故、俺のポけモンの技や能力が分かるんだ?」 「私が発明したステータストレーサーによってポケモンのレベルから技、運動能力にその日の体調まで手にとるように分かる。私自身はタマムシ大学携帯獣学部を主席で卒業しているからポケモンの生態も知られている範囲は理解している。」 「ガイ、こいつはデータ戦闘が得意だ。ポケモンを出せば出すほど俺達には勝ち目はない。」 「ショウ、だったらポケモンを出す前にこいつを殺せばいい!」 ガイはサブマシンガンをシラキに向けて発砲した。サブマシンガンの爆煙せいでシラキの姿は見えなくなっていた。 それから包んでいた煙が消える頃には誰もがシラキは死んでいると思ったが、シラキはバリヤードのバリアで銃弾を防いでいた。 「こういう輩もいるから困るんですね。アーガスでの私の愛称は『守りのシラキ』です。あなた方では私は倒せません。今のアーガスの総帥に仕えてきた数少ないメンバーですから。それとユウキは私が訓練しましたよ。」 シラキはその後余裕の表情で自分の経歴を延々と話していたのであった。 この人は経歴自慢が趣味の1つらしい・・・。 ――――to be continued――――